vFolderの使用

フィルタが柔軟でないと感じられる場合や、同じ検索を何回も繰り返さないといけない場合は、vFolderの使用を検討してください。vFolder (仮想フォルダ)は、Evolution内で電子メールメッセージを表示するための高度な手段です。メールを大量に受信する場合や度々メッセージの場所を忘れるような場合、vFolderを使用すると整理に役立ちます。

vFolderは、実際には他のあらゆる整理用ツールを混合したもので、フォルダのように見え、検索のように機能し、フィルタのように設定できます。言い換えると、従来のフォルダには実際にメッセージが格納されますが、vFolderでは異なるフォルダに格納されている可能性がある複数のメッセージを表示できます。vFolderに格納されるメッセージは、ユーザがあらかじめ選択した条件に従って素早く決定されます。

vFolderの条件を満たすメッセージが到着するか削除されると、vFolderの内容は自動的に調整されます。ユーザがメッセージを削除すると、実際にメッセージが存在していたフォルダと、そのメッセージを表示するすべてのvFolderからメッセージが削除されます。

Unmatched vFolderは他のvFolderの反対で、どのvFoldersにも表示されないすべてのメッセージが表示されます。

IMAPやMicrosoft Exchangeなどのリモート電子メールサーバを使用している場合にリモートサーバを検索するvFolderを作成すると、Unmatched vFolderではリモートフォルダも検索されます。リモートサーバを検索するvFolderを作成しない場合、Unmatched vFolderでリモートサーバは検索されません。

フォルダ、検索、vFolderを使用する例として、次のような状況を考えてみましょう。Jimは、自分のメールボックスを整理するために、友人であり同僚であるAnnaからの電子メールについて仮想フォルダを設定しました。また、アドレスに「novell.com」が含まれており件名に「Evolution」が含まれているメッセージについてもvFolderを作成して、Evolutionについて仕事仲間から送信されたメールを記録できるようにしました。AnnaがEvolution以外に関するメッセージをJimに送信した場合、そのメッセージは「Anna」というvFolderのみに表示されます。AnnaがEvolutionのユーザインタフェースに関するメールをJimに送信した場合は、「Anna」というvFolderと「Internal Evolution Discussion」というvFolderの両方にメッセージが表示されます。


vFolderの作成

  1. [ツール]>[仮想フォルダの編集]の順にクリックします。

  2. [追加]をクリックします。


    vFolderのルールの作成

  3. vFolderの名前を[ルール名]フィールドに入力します。

  4. 検索条件を選択します。各条件について、まずメッセージの中で検索の対象となる部分を次のオプションから選択する必要があります。条件は、フィルタの場合と似ています。

    差出人: 送信者のアドレスです。

    宛先: メッセージの受信者です。

    件名: メッセージの件名行です。

    メッセージの本文: メッセージの実際のテキストを検索します。

    Expression (式): (プログラマのみ) Evolutionでフィルタを定義するために使用されるScheme言語で書かれた式に従ってメッセージを検索します。

    送信日: 送信された日付に従ってメッセージをフィルタ処理します。まず、特定の日付以前や特定の日付以降など、満たすべきメッセージの条件を選択します。次に時間を選択します。フィルタが動作しているときのシステムクロックまたはユーザがカレンダから選択した特定の日時に対して、メッセージのタイムスタンプが比較されます。2〜4日前というように、フィルタに対して相対的な時間の範囲内にあるメッセージを検索するよう指定することもできます。

    受信日: [送信日]オプションと同じように機能しますが、メッセージを受信した日時と指定した日時が比較される点が異なります。

    ラベル: メッセージには[重要]、[仕事]、[プライベート]、[ToDo]、[保留]といったラベルを付けることができます。他のフィルタまたは手動によってラベルを設定できます。

    スコア: メッセージのスコアとして1以上の整数を設定します。あるフィルタでメッセージのスコアを設定または変更し、別のフィルタでスコア付きのメッセージを移動するように設定できます。メッセージのスコアは、特に何かに基づいているわけではありません。スコアは、他のフィルタで処理できるようにするためユーザがメッセージに割り当てることができる点数です。

    サイズ: メッセージのサイズ(キロバイト単位)に基づいてソートします。

    ステータス: メッセージのステータスに従ってフィルタ処理を行います。ステータスには、[返信先]、[草案]、[重要]、[既読]、[ジャンク]があります。

    フラグ付き: メッセージにフォローアップ用のフラグが付いているかチェックします。

    添付: 電子メールに添付ファイルがあるかどうかに基づいてフィルタを作成します。

    メーリングリスト: メッセージの送信元であるメーリングリストに基づいてフィルタ処理します。このフィルタでは、メーリングリストまたはその他のメールの再配布者を識別するために使用されるX-BeenThereヘッダをチェックするので、一部のリストサーバから送信されたメッセージを正しく処理できない場合があります。X-BeenThereが正しく設定されないリストサーバから送信されたメールは、このフィルタでは正しく処理されません。

  5. このvFolderで検索するフォルダを選択します。次のようなオプションがあります。

    指定したフォルダだけ: 個々のフォルダをvFolderのソースとして使用します。

    全てのローカルフォルダ: 選択した個々のフォルダに加えて、すべてのローカルフォルダをvFolderのソースとして使用します。

    有効な全てのリモートフォルダ: リモートフォルダは、ユーザがサーバに接続している場合にアクティブと見なされます。選択した個々のフォルダに加えてリモートフォルダのメッセージをvFolderに含めるには、メールサーバに接続されている必要があります。

    全てのローカルフォルダと有効なリモートフォルダ: 選択した個々のフォルダに加えて、すべてのローカルフォルダとアクティブなリモートフォルダをvFolderのソースとして使用します。

  6. [OK]をクリックします。