eDirectoryをe-businessに利用する場合(いくつかのサービスのポータルを提供したり、他の企業とデータを共有するなど)、この章で説明している推奨事項は適用されないことがあります。
次に示す推奨事項は、e-businessに対応するeDirectoryの設計のガイドラインとして使用できます。
このガイドラインは、使用するアプリケーション、およびeDirectoryの実装法に応じて適用します。たとえば、メッセージサーバをグローバルに展開する場合は、この章の前半部で説明した従来のeDirectory設計ガイドラインを適用したほうがより適切なことがあります。また、ユーザの管理を分散させたい場合は、管理責任のエリアごとに独立したOU(部門)を作成することが必要になる場合があります。
Treeレベルに作成されるデフォルトのパーティションを維持し、その他にツリーの残りの部分のパーティションを作成します。管理目的でOUを個別に作成した場合は、各OUのパーティションを作成します。 複数のサーバに負荷を分散させるときには、パーティション数の制限を検討しますが、その場合もバックアップや障害回復用に最低2つのパーティションは維持します。
LDAPは負荷の分散を自動では行いません。LDAPの負荷を分散させるには、第4層スイッチの使用を検討します。
DirXMLを使用すると、ネットワーク情報を格納する他のツリーにこのユーザツリーをリンクさせることができます。DirXMLの詳細については、『DirXML管理ガイド』を参照してください。
カスタマやアプリケーションで標準inetOrgPersonとは異なるユーザオブジェクトが必要となる場合は、補助クラスを使用してスキーマをカスタマイズします。アプリケーションの設計時には、補助クラスを使用することによって、ツリーを再作成しなくても、クラスで使用する属性を変更できます。
Novell Import Conversion Exportユーティリティを使用すると、eDirectory は処理中に各オブジェクトに索引を付けます。それによって、LDIFインポートプロセスの処理速度が遅くなることがあります。LDIFインポートのパフォーマンスを向上させるには、作成するオブジェクトの属性からすべての索引をいったん取り除いてNovel Import Conversion Exportユーティリティを使用し、その後、属性の索引付けを再開します。
eDirectoryでは、異なるコンテナ間で、同じ共通名を使用できます。しかし、NDS全体で固有の共通名を使用すれば、共通名の検索で複数の応答を処理する論理を実装しなくてすみます。