フィルタは、大企業の郵便仕分け室と同じように機能します。フィルタの目的は、メールをまとめ、並べ替えて、各種のフォルダに分配することです。さらに、複数のアクションを実行する複数のフィルタを設定して、同じメッセージに対して異なる影響を与えることもできます。たとえば、フィルタを使用すると、1つのメッセージを複数のフォルダにコピーしたり、コピーを1つ作って別のユーザに送信できます。
[ツール]>[フィルタ]の順にクリックします。
[追加]をクリックします。
フィルタの名前を[ルール名]フィールドに入力します。
フィルタの条件を[条件]セクションで定義します。
どのフィルタ条件の場合も、メッセージのどの部分をフィルタ処理するかを初めに選択する必要があります。
複数のヘッダがあるメッセージの場合、2つ目以降のヘッダで定義が変わる場合でも、Evolutionでは初めのヘッダのみが対象になります。たとえば、Resent-From:ヘッダが「engineering@rupertcorp.com」と宣言されており、後から「marketing@rupertcorp.com」に変更されるメッセージの場合、Evolutionでは2番目の宣言がないものとしてフィルタ処理が行われます。複数のヘッダがあるメッセージについてフィルタ処理を行うには、正規表現を使用します。
メッセージの本文: メッセージの実際のテキストを検索します。
Expression (式): (プログラマのみ) Evolutionでフィルタを定義するために使用されるScheme言語で書かれた式に従ってメッセージを検索します。
送信日: 送信された日付に従ってメッセージをフィルタ処理します。まず、特定の日付以前や特定の日付以降など、満たすべきメッセージの条件を選択します。次に時間を選択します。フィルタが動作しているときのシステムクロックまたはユーザがカレンダから選択した特定の日時に対して、メッセージのタイムスタンプが比較されます。2〜4日前というように、フィルタに対して相対的な時間の範囲内にあるメッセージを検索するよう指定することもできます。
受信日: [送信日]オプションと同じように機能しますが、メッセージを受信した日時と指定した日時が比較される点が異なります。
ラベル: メッセージには[重要]、[仕事]、[プライベート]、[ToDo]、[保留]といったラベルを付けることができます。他のフィルタまたは手動でテーブルを設定できます。
スコア: メッセージのスコアとして1以上の整数を設定します。あるフィルタでメッセージのスコアを設定または変更し、別のフィルタでスコア付きのメッセージを移動するように設定できます。メッセージのスコアは、特に何かに基づいているわけではありません。スコアは、他のフィルタで処理できるようにするためユーザがメッセージに割り当てることができる点数です。
サイズ: メッセージのサイズ(キロバイト単位)に基づいてソートします。
ステータス: メッセージのステータスに従ってフィルタ処理を行います。ステータスには、[返信先]、[草案]、[重要]、[既読]、[ジャンク]があります。
フラグ付き: メッセージにフォローアップ用のフラグが付いているかチェックします。
添付: 電子メールに添付ファイルがあるかどうかに基づいてフィルタを作成します。
メーリングリスト: メッセージの送信元であるメーリングリストに基づいてフィルタ処理します。このフィルタでは、メーリングリストまたはその他のメールの再配布者を識別するために使用されるX-BeenThereヘッダをチェックするので、一部のリストサーバから送信されたメッセージを正しく処理できない場合があります。X-BeenThereが正しく設定されないリストサーバから送信されたメールは、このフィルタでは正しく処理されません。
正規表現による検索: regex (正規表現)の使い方を知っている場合は、このオプションを使用すると複雑なパターンの文字列を検索できるので、aで始まりmで終わる長さが6〜15文字の単語や、特定のヘッダを2回宣言しているメッセージなどを検索できます。正規表現の使い方については、grepコマンドのマニュアルページを参照してください。
ソースのアカウント 送信元のサーバに従ってメッセージをフィルタ処理します。これは、複数のPOPメールアカウントを使用している場合に特に便利です。
プログラムへ引き渡す: Evolutionでは、外部コマンドを使用してメッセージを処理し、戻り値に基づいてさらにメッセージを処理できます。この方法で使用するコマンドは、整数を戻す必要があります。多くの場合、この機能は外部のジャンクメールフィルタを追加するために使用されます。
ジャンクテスト: ジャンクメールテストの結果に基づいてフィルタ処理します。
条件を選択します。 このフィルタについて複数の条件を指定するには、[Add Criterion (条件の追加)]をクリックして手順4を繰り返します。
複数のアクションが必要な場合は、[Add Action (アクションを追加)]をクリックします。
[OK]を2回クリックします。
フィルタやvFolderを素早く作成するための簡単なショートカットがあります。
電子メールリストのメッセージを右クリックします。
[メッセージからルールの作成]サブメニューでいずれかの項目を選択します。
メッセージに基づいてルールを作成すると、フィルタ作成ツールが開きます。このとき、いくつかの情報はすでに入力されています。
複数のフィルタを同じメッセージについて設定した場合、いずれかのフィルタに[読み込みを停止する]アクションがある場合を除いて、すべてのフィルタが順番に適用されます。[読み込みを停止する]アクションを使用した場合、該当するメッセージに他のフィルタは影響を与えません。
[フィルタ]ダイアログボックスを開くと、適用される順番に並んだフィルタのリストが表示されます。優先順位のリストでフィルタの順序を変更するには、[Up (上へ)]ボタンと[Down (下へ)]ボタンを使用します。