17.6 NCPの実装と保守

次の節の実装情報は、OES 2サーバでNCPを使用し始めるのに役立ちます。

17.6.1 NetWareのNCPサービス

OES 2 NetWareサーバのインストール後は、Novell ClientがインストールされたWindowsワークステーションを使用するeDirectoryユーザは、管理者がアクセスを許可したすべてのディレクトリやファイルにアクセスできるようになります。

一般にアクセスを許可するには、Novell Clientをインストールした後に、ほとんどのワークステーションのシステムトレイ(タスクバー)にあるメニューボタン(赤いN)を使用します。ファイルアクセスの管理の詳細については、セクション 16.0, アクセス制御と認証を参照してください。

17.6.2 Novell NCP Server for Linux

NCP Server for Linuxをインストールした場合は、同じeDirectory/Novell Clientユーザが、OES 2 Linuxサーバのファイルにアクセスできます。

デフォルトのNCPボリューム

NCP Server for Linuxは、OES 2 Linuxサーバで定義したNCPボリュームへのNCPアクセスを有効にします。NCPサーバをインストールすると、SYSというNCPボリュームが1つ作成され、Linuxサーバの/usr/novell/sysフォルダにマップされます。

このNCPボリュームには、LOGINおよびPUBLICというディレクトリが含まれます。これらのディレクトリには、NetWareサーバ上で同じ名前を与えられたディレクトリに含まれるファイルの小さなサブセットが格納されています。

ホームとデータボリュームポインタの作成

最初は、OES 2 Linuxサーバに接続するNovell Clientが使用可能なNCPホームディレクトリまたはデータボリュームはありません。

既存のeDirectoryユーザ。 サーバにユーザのNCPホームディレクトリまたはデータディレクトリを設定する場合、サーバのパーティション上にこのようなディレクトリを配置する場所を決定した後、LinuxコマンドプロンプトでNCPCONユーティリティを使用してNCPボリュームを作成する必要があります。

たとえば、HOMEという名前のNCPボリューム(ポインタ)を作成し、それをLinuxサーバの/usrフォルダにマウントする場合は、コマンドプロンプトで次のコマンドを入力します。

ncpcon create volume HOME /usr

このコマンドを実行すると、Novell ClientがOES 2 Linuxサーバに接続したときに、インストール時に作成されたSYSボリュームとともにHOMEボリュームが表示されます。

新しいeDirectoryユーザ。 ユーザを作成する前に、サーバ上でNCPまたはNSSボリュームを作成する場合は、iManagerでそのボリュームを新しいユーザのホームディレクトリに指定するオプションを使用することができます。

重要:NCPボリュームポインタは、ボリュームポインタの作成時に指定した文字の大小にかかわらず、常に大文字の名前(HOMESYSなど)で作成されます。

17.6.3 ファイルトラスティ権の割り当て

OES 2 LinuxサーバのNCPボリュームのファイルトラスティ権を割り当てる場合は、NetWareのときと同じ方法でトラスティ権を割り当てることができます。たとえば、ボリュームのアクセス制御権をもつ誰でも、Novell Clientを使用できます。あるいは、ルートユーザは、NCPトラスティ権を管理するために、コマンドプロンプトからncpconユーティリティ、権利コマンドの順に使用できます。 『OES 2: NCP Server for Linux Administration Guide』のManaging File System Trustees, Trustee Rights, and Attributes on NCP Volumesを参照してください。(ncpcon権利コマンドは、NSSボリューム上でトラスティを管理するために使用される権利ユーティリティに関連していますが、同じではありません。)

17.6.4 NCPの保守

NCPを利用すれば、Novell ClientがOES 2 NetWareサーバおよびOES 2 Linuxサーバのファイルにアクセスできるため、サービスは、こうしたサーバのファイルシステムに適用される保守タスクによって実行されます。ファイルサービスの保守については、オンラインマニュアルのstorage and file systemsの節を参照してください。