この節には、次の情報を記載しています。
[キャッシング]ページを使用して、Identity Managerユーザアプリケーションが使用するさまざまなキャッシュを管理できます。再利用可能な一時データをアプリケーションサーバに格納してパフォーマンスを最適化するために、ユーザアプリケーションではキャッシュが使用されます。
コンテンツの消去およびその設定の変更を行うと、必要に応じてこれらのキャッシュを制御できます。
キャッシュは、Identity Managerユーザアプリケーションでそのキャッシュを使用するサブシステムに基づいて名前が付けられます。通常は、データの使用頻度またはソースデータの変更時期に基づいてユーザアプリケーションが自動的にキャッシュをフラッシュするため、ユーザが自らキャッシュを消去する必要はありません。ただし、必要に応じて、選択したキャッシュまたはすべてのキャッシュを手動でフラッシュできます。
[Caching]ページに移動します。
ページの
セクションで、ドロップダウンからフラッシュする対象のキャッシュを選択します(または を選択します)。使用可能なキャッシュのリストは、動的なリストです。その時点でキャッシングされているデータに従って変わります。
ボタンをクリックします。
ユーザアプリケーションのディレクトリ抽象化層にもキャッシュが存在します。DirectoryAbstractLayerDefinitionsキャッシュは、すべてのデータモデル操作についてのパフォー\'83\'7dンスを最適化するために、アプリケーションサーバに抽象化層定義を格納します。
通常、ユーザアプリケーションは、DirectoryAbstractLayerDefinitionsキャッシュと、アイデンティティボールトに格納されている抽象化層定義との同期を自動的に行います。ただし、必要に応じて、最新定義を強制的にアイデンティティボールトからロードさせるために、キャッシュの消去で説明している方法でDirectoryAbstractLayerDefinitionsキャッシュを手動でフラッシュすることもできます。
ユーザアプリケーションのディレクトリ抽象化層の詳細は、「Identity Managerユーザアプリケーション:設計ガイド」を参照してください。
キャッシュのフラッシュは、クラスタアプリケーションサーバ環境および非クラスタアプリケーションサーバ環境の両方について、サポートされています。アプリケーションサーバがクラスタの一部である場合に手動でキャッシュをフラッシュすると、クラスタ内にあるすべてのサーバのキャッシュも自動的にフラッシュされます。
[キャッシング]ページを使用して、クラスタアプリケーションサーバ環境または非クラスタアプリケーションサーバ環境のキャッシュ環境設定を表示または変更できます。変更はただちに保存されますが、次回ユーザアプリケーションが再起動されるまで有効になりません。
ヒント:ユーザアプリケーションを再起動するには、アプリケーションサーバの再起動、アプリケーションの再展開(WARが変更されている場合)、アプリケーションの強制的な再起動(アプリケーションサーバのマニュアルに記載されている方法による)のいずれかを行います。
Identity Managerユーザアプリケーションでは、キャッシングはJBoss Cacheにより実装されています。JBoss Cacheは、JBoss Application Serverに含まれているオープンソースのキャッシングアーキテクチャであり、他のアプリケーションサーバでも実行できます。
JBoss Cacheの詳細については、www.jboss.org/products/jbosscacheを参照してください。
キャッシュの環境設定は、グローバルレベルとローカルレベルで制御できます。これらの設定を使って、Identity Managerユーザアプリケーションのキャッシュの動作をカスタマイズできます。キャッシュの環境設定については、表 5-1を参照してください。
表 5-1 キャッシュの環境設定
グローバル設定は、ユーザアプリケーションドライバの特定のインスタンスを使用する各アプリケーションサーバのデフォルト値と考えます。グローバル設定の変更は、サーバが個別にローカル上書きを指定している場合を除き、次回ユーザアプリケーションの再起動時に、各サーバに反映されます。
[キャッシング]ページでは、現在の(最後にユーザアプリケーションを再起動してからの)キャッシュ設定が表示されます。また、これらの設定に対応するグローバル値およびローカル値も表示され、設定を変更することもできます(変更された設定は、次回ユーザアプリケーションの再起動時から有効になります)。
グローバル設定には常に値があります。一方、ローカル設定はオプションです。
次のキャッシュ設定は、クラスタアプリケーションサーバ環境および非クラスタアプリケーションサーバ環境の両方に適用されます。
基\'96\'7b的なキャッシュ設定を行う
[Caching]ページに移動します。
ページの
を指定します。
設定 |
操作 |
---|---|
|
オブジェクトでロックが取得されるまでキャッシュが待機する間隔(ミリ秒)を指定します。ユーザアプリケーションのアプリケーションログに大量のロックタイムアウト例外が書き込まれる場合に、この設定値を増やすことができます。デフォルトは15000ミリ秒です。 |
|
次を行うまでにキャッシュ強制更新ポリシーが待機する間隔(秒)を指定します。
|
|
使用するキャッシュ立ち退きポリシーのクラス名を指定します。デフォルトは、JBoss Cacheが提供するLRU強制更新ポリシーです。 org.jboss.cache.eviction.LRUPolicy この設定は、必要に応じて、JBoss Cacheがサポートする別の強制更新ポリシーに変更できます。 サポート対象の立ち退きポリシーについては、www.jboss.org/products/jbosscacheを参照してください。 |
|
キャッシュで許容される最大ノード数を指定します。制限がない場合には、次を指定します。 0 一部のキャッシュホルダに対して、この設定をカスタマイズできます。詳細については、カスタマイズできるキャッシュホルダを参照してください。 |
|
ノードが一掃されるまでのアイドル時間(秒)を指定します。制限がない場合には、次を指定します。 0 一部のキャッシュホルダに対して、この設定をカスタマイズできます。詳細については、カスタマイズできるキャッシュホルダを参照してください。 |
|
エントリが作成されてからキャッシュホルダ内に存在できる秒数を指定します。制限がない場合は、次の値を指定します: 0 この設定は、カスタマイズできるキャッシュホルダでのみ利用できます。 |
これらの設定は必\'90\'7bです。各設定にはグローバル値が必要であり、オプションでローカル値も使用します。
設定のグローバル値をローカル値で上書きする場合は、その設定の
チェックボックスを選択します。次に、ローカル値を指定してください。(ローカル値がすべて有効であることを確認してください。そうしないと変更を保存できません)。メモ:
チェックボックスを選択しない場合、保存時に既存のローカル値が削除されます。[
]をクリックします。保存した設定を反映できる状態になったら、該当アプリケーションサーバ上でユーザアプリケーションを再起動します。
一部のキャッシュホルダに対して、表 5-2を参照してください。
、 、 の設定をカスタマイズできます。これらのキャッシュホルダについては、表 5-2 カスタマイズできるキャッシュホルダ
キャッシュホルダ名 |
説明 |
---|---|
DirectoryAbstractionLayerDefinitions |
すべてのデータモデル操作のパフォーマンスを最適化するために、ディレクトリ抽象化層定義をキャッシュします。詳細については、ディレクトリ抽象化層キャッシュのフラッシュを参照してください。 |
DirectoryService.ContainerCacheHolder |
ディレクトリ層のコンテナをキャッシュします。コンテナは多くのユーザ/グループと共有され、ディレクトリ層から読み込まれる際にはネットワーク通信(LDAPサーバを使用)とオブジェクト作成を伴います。デフォルトでは、キャッシュのコンテナ数は50に制限されています。また、LRUのTTL(有効期間)は、デフォルト値の10分になっています。社内のディレクトリトポグラフィに応じて、最大ノード数やTTLを調整してください(コンテナオブジェクトに対するクエリがLDAPサーバに集中し、パフォーマンスが低下しているような場合)。大量の使用可能コンテナがある環境で設定値を大きくしすぎると、メモリが無駄に消費されネットワークパフォーマンスが低下する可能性があります。 |
DirectoryService.DelProxyRuntimeServiceDelegate |
委任割り当てをキャッシュします。 |
DirectoryService.DelProxyRuntimeService.Delegation |
ユーザ可用性設定をキャッシュします。 |
DirectoryService.DelProxyRuntimeService.Delegator |
委任者エンティティをキャッシュします。 |
DirectoryService.DelProxyRuntimeService.Proxy |
代理人割り当てをキャッシュします。 |
DirectoryService.GroupCacheHolder |
ディレクトリ層のグループをキャッシュします。グループはしばしば多くのユーザに共有され、ディレクトリ層から読み込まれる際にはネットワーク通信(LDAPサーバを使用)とオブジェクト作成を伴います。デフォルトでは、キャッシュのグループ数は500に制限されています。また、LRUのTTL(有効期間)は、デフォルト値の10分になっています。社内のユーザ/グループトポグラフィに応じて、最大ノード数やTTLを調整してください(グループオブジェクトに対するクエリがLDAPサーバに集中し、パフォーマンスが低下しているような場合)。大量の使用可能グループがある環境で設定値を大きくしすぎると、メモリが無駄に消費されネットワークパフォーマンスが低下する可能性があります。 |
DirectoryService.MemberhipCacheHolder |
ユーザとグループのセット間の関係をキャッシュします。ユーザが所属するグループセットをクエリすると、ネットワークとLDAP サーバのCPUに負荷がかかることがあります(特にダイナミックグループを使用している場合)。そのため、グループ内の包含/除外基準(時間ベースのダイナミックグループなど)の変更が反映されるように、関係が有効期限までキャッシュされます。MaxAgeのデフォルトは、5分です。ただし、きめ細かく時間を制御する必要があるダイナミックグループを使用する場合は、このキャッシュホルダのMaxAgeをダイナミックグループの必要に応じて調節した最小時間をわずかに下回るように変更することができます。この値が小さいほど、セッション時にユーザのグループがより多くクエリされます。大きすぎる値を指定すると、ユーザ/グループの関係がユーザのセッションよりも長くメモリに保管され、不要にメモリを消費してしまいます。 |
DirectoryService.RolesMembershipCacheHolder |
役割によるアプリケーション役割メンバーシップリストをキャッシュします。 |
DirectoryService.TeamManagerRuntime.Team |
アプリケーションチームインスタンスとチームプロビジョニング要求をキャッシュします。 |
DirectoryService.UserCacheHolder |
ディレクトリ層のユーザをキャッシュします。ディレクトリ層からのユーザの読み込みには、ネットワーク通信(LDAPサーバを使用)とオブジェクト作成の両方が含まれます。デフォルトでは、キャッシュのユーザ数は1000に制限されています。また、LRUのTTL(有効期間)は、デフォルト値の 10分になっています。社内のユーザトポグラフィに応じて、最大ノード数やTTLを調整してください(ユーザオブジェクトに対するクエリがLDAPサーバに集中し、パフォーマンスが低下しているような場合)。多数のユーザがログインする環境で設定値を大きくしすぎると、メモリが無駄に消費されネットワークパフォーマンスが低下する可能性があります。 |
GlobalCacheHolder |
汎用キャッシュホルダです。この設定は、カスタマイズ不可能すべてのキャッシュホルダ(この表に記載されていないすべてのキャッシュホルダ)に適用されます。 |
JUICE |
ユーザインタフェース制御とDN表示式ルックアップ結果が使用するリソースバンドルをキャッシュします。キャッシュホルダの設定を変更すると、ユーザアプリケーション内でDN表示式ルックアップが頻繁に使用されるため、パフォーマンスが低下する可能性があります。下限値には300秒以上の値を指定してください。上限値は900秒を超えても構いません。DN表示式で使われる属性が頻繁に変更される場合は、下限値を使用します。 |
RoleManager.RolesCacheHolder |
ユーザ役割メンバーシップをユーザ別にキャッシュします。 |
Workflow.Model.Process |
プロビジョニングプロセスXMLオブジェクト構造をキャッシュします。 |
Workflow.Model.Request |
プロビジョニング要求XMLオブジェクト構造をキャッシュします。 |
Workflow.Provisioning |
完了していないプロビジョニング要求インスタンスをキャッシュします。LRUキャッシュの最大容量のデフォルトは500です。この容量を変更するには、 タブをクリックして、[エンジンおよびクラスタの設定]を選択します。このページには、[プロセスキャッシュ最大容量]が表示されます。このキャッシュは、パフォーマンスに影響を与えずにワークフロー処理のメモリ占有量を減らします。 |
この節では、Identity Managerユーザアプリケーションをアプリケーションサーバのクラスタで実行する場合のキャッシングの設定方法について説明します。
Identity Managerユーザアプリケーションでは、キャッシングのクラスタサポートはJGroupsにより実装されます。JGroupは、オープン\'83\'5cースのクラスタリングアーキテクチャであり、JBoss Application Serverに含まれていますが他のアプリケーションサーバでも実行できます。
ユーザアプリケーションのクラスタは、JGroupsを実行し、共通のグループIDを使用するネットワーク上のノードから構成されます。デフォルトでは、ユーザアプリケーションのクラスタに用意されているグループIDは、次のようなUUIDとなります。
c373e901aba5e8ee9966444553544200
UUIDにより一意性が保たれるため、ユーザアプリケーションのクラスタのグループIDが環境内にある他のクラスタのグループIDと競合することはありません。たとえば、JBoss Application Serverでは複数のJGroupsクラスタが使用され、それぞれ対応するグループIDであるDefaultPartitionやTomcat-Clusterなどの関係名は予約されています。
JGroupsの詳細については、www.jboss.org/products/jgroupsを参照してください。
ユーザアプリケーションを起動すると、アプリケーションの
ページのクラスタ設定により、クラスタに参加してそのクラスタ内の他のノードのキャッシュ変更を無効化するかどうかかが判断されます。クラスタリングが有効になっている場合、ユーザアプリケーションは、変更発生時にキャッシュエントリ無効メッセージを各ノードに送信することによりこれを実行します。クラスタ間でキャッシュを使用する
JGroupsクラスタを設定します。この作業には、インストールプログラムを使ったIdentity Managerユーザアプリケーションのクラスタ内の各アプリケーションサーバへのインストールが含まれます(セクション 2.7, クラスタリングを参照)。
ユーザアプリケーションのキャッシュ環境設定におけるクラスタ使用の有効化
詳細については、クラスタのキャッシュ設定の実行を参照してください。
クラスタの使用準備ができたら、クラスタのキャッシングサポートについての設定を実行します。
[Caching]ページに移動します。
ページの[Cluster Configuration
を指定します。
設定 |
操作 |
---|---|
|
グループIDが指定するクラスタ内の他のノードへのキャッシュ変更を無効化するには、 を選択します。クラスタに参加しない場合は、 を選択します。 |
|
参加対象のJGroupsクラスタのグループIDを指定します。別のクラスタを使用する場合を除き、ユーザアプリケーションのクラスタのために用意されているグループIDのデフォルトを変更する必要はありません。 グループIDは一意で、DefaultPartitionやTomcat-Clusterなどの既知のJBossクラスタ名は使用できません。 ヒント:グループIDをログメッセージに表示する場合は、キャッシングログ(com.sssw.fw.cachemgr)のレベルが「情報」以上になっていることを確認します。 |
|
グループIDが示すクラスタのJGroupsプロトコルスタックを指定します。これは、クラスタのプロパティを調整する必要がある熟練した管理者の方向けの設定です。熟練管理者でない場合は、デフォルトのプロトコルスタックを変更しないでください。 現在のクラスタのプロパティを\'95\'5c示するには、[ ]をクリックします。JGroupsプロトコルスタックの詳細については、www.joss.org/wiki/Wiki.jsp?page/JGroupsを参照してください。 |
設定のグローバル値をローカル値で上書きする場合は、その設定の
チェックボックスを選択します。ローカル値を指定します。チェックボックスを選択しない場合、保存時に既存のローカル値が削除されます。
クラスタ内のすべてのノードの[グループID]および[クラスタのプロパティ]が同じ設定になっていることを確認します。特定のノードについてこれらの設定を確認する場合には、そのサーバ上のユーザインタフェースのURLを参照することにより、そのノードで実行しているIdentity Managerユーザインタフェースにアクセスし、それから[キャッシング]ページを表示する必要があります。
デフォルトのUDPプロトコルの代わりにTCPプロトコルを使用する場合は、ユーザアプリケーションクラスタグループのキャッシングの環境設定を参照してください。
[
]をクリックします。保存した設定を反映できる状態になったら、該当アプリケーションサーバ上でユーザアプリケーションを再起動します。
[ドライバステータス]ペインでドライバの有効期限ステータスを判断できます。
図 5-1 トライアルドライバのサンプルのドライバステータス
有効期限が
の場合、ドライバは開始され完全にライセンスされているか、まだ開始されていません。開始されていない場合は、トライアルドライバである可能性もあります。有効期限が設定されている場合、ドライバはトライアルドライバであり、開始されています。このページは、UNKNOWNの値の意味を説明しています。[LDAPパラメータ]ペインでは、次の作業を行えます。
Identity Managerユーザアプリケーションがアイデンティティボールト(LDAPプロバイダ)に接続するときに使用する資格情報を変更する
LDAPの匿名アカウントではなく特定のゲストアカウントを使用するようにシステムが設定されている場合に、ゲストアカウントの資格情報を変更する
Identity Managerユーザアプリケーションの他のLDAPプロパティを表示する. これらの設定の値は、ユーザアプリケーションのインストール時に指定されます。
インストール時のゲストアカウントの設定によって、ユーザインタフェースに表示されるフィールドは異なります。ゲストアカウントを指定した場合、ユーザインタフェースにはそのアカウントの資格情報を更新できるフィールドが表示されます。LDAPパブリック匿名アカウントを使用するようにシステムが設定されている場合、ユーザインタフェースには次のメッセージが表示されます:「アプリケーションはパブリックな匿名アカウントを使用するように設定されています。特定のゲストアカウントを使用するには、ldap環境設定ツールを使用して、ゲストアカウントを有効にします。」
LDAP接続パラメータを管理する
[アプリケーション環境設定]ページで、左側のナビゲーションメニューから
を選択します。[LDAP Connection Parameters]パネルが\'95\'5c示されます。
必要に応じて設定の確認、あるいは変更を行います。詳細は、変更可能な設定を参照してください。
変更を適用する場合には、[Submit
[LDAP接続パラメータ]パネルでは、次の資格情報に関する設定を変更できます。
アイデンティティボールト(LDAPプロバイダ)へ接続時のIdentity Managerユーザアプリケーション。
ゲストアカウント(設定されている場合)。
資格情報の初期値は、インストール時に指定されます。これらのインストール値は、sys-configuration-xmldataファイルに書き込まれます。[管理]ページでこれらの資格情報を変更した場合、変更内容はユーザアプリケーションのデータベースに保存されます。sys-configuration-xmldataには保存されません。データベースに値が書き込まれると、ユーザアプリケーションはsys-configuration-xmldataファイルに書き込まれた値をチェックしなくなります。つまり、configupdateユーティリティを使って資格情報を変更することはできません。その資格情報は無視されてしまうからです。ただし、configupdateユーティリティを使って、ゲストユーザのタイプ(LDAPゲストまたはパブリック匿名アカウント)を変更できます。
表 5-3 LDAPパラメータ
LDAPサーバでTLSを有効にしている場合、管理ユーザ名とパスワードを更新すると次のエラーが発生します:「LDAPプロバイダを認証できません。このエラーを修正するには、iManagerでTLSを無効にしてください。」
[ログ]ページを使用すると、Identity Managerユーザアプリケーションが生成するログメッセージのレベルを制御したり、これらのメッセージをNovell Audit®に送信するかどうかを指定したりすることができます。
Identity Managerユーザアプリケーションは、Apache Software Foundationより配布されるオープンソースログパッケージであるlog4jを使用してログを行います。デフォルトでは、イベントメッセージは次の両方にログされます。
Identity Managerユーザアプリケーションが展開されるアプリケーションサーバのシステムコンソール。
Identity Managerrユーザアプリケーションが展開されるアプリケーションサーバのログファイル。たとえば、:
jboss/server/IDM/log/server.log
これはローリングログファイルです。特定のサイズに達すると、別のファイルにロールオーバーします。Novell Auditを含むように環境を設定した場合は、イベントメッセージをそこにも記録することができます。ログ環境およびNovell Auditの設定の詳細については、セクション 3.0, ログのセットアップを参照してください。
[ログ]ページでは、ログが一覧表示されます。各ログは、Identity Managerユーザアプリケーションの別々の部分からイベントメッセージを出力します。出力レベルはログごとに異なります。
ログ名はlog4j規則に基づきます。生成されるイベントメッセージに、メッセージ出力のコンテキストとともにログ名が\'95\'5c示されます。
ログの詳細は、表 5-4を参照してください。
表 5-4 Identity Managerユーザアプリケーションログ
ユーザアプリケーションログは階層構造になっています。たとえば、com.novellはその下にある他のログの親となります。他のログは、そのプロパティを継承します。
特定のログに設定されているレベルを変更することにより、そのログに書き込まれる情報量を制御できます。デフォルトでは、すべてログは[Info]に設定されています。これは中間レベルです。
ユーザアプリケーションが使用する他のパッケージのログを追加できます。
[Logging]ページに移動します。
ページ下部の
を選択し、次にドロップダウン リストからパッケージを選択します。ドロップダウン リストからログレベルを選択し、次に
をクリックします。[ログ]ページから、Identity Managerユーザアプリケーションがイベントメッセージ出力をNovell Auditに送信するかどうかを制御できます。デフォルトでは、ユーザアプリケーションのインストール時に有効にしない限り、Novell Auditへのログは無効になっています。
Novell Auditログのオン/オフを切り替える
[Logging]ページに移動します。
必要に応じて、
の設定を選択/選択解除します。[
]をクリックします。デフォルトでは、[ログ]ページで加えられた変更は、次にアプリケーションサーバが再起動されるか、ユーザアプリケーションが再展開されるまで有効です。それ以降は、ログ設定はデフォルト値に戻ります。
ただし、[ログ]ページには、設定に対する変更を保持できるオプションがあります。この機能を有効にすると、ログ設定値は、Identity Managerユーザアプリケーションが展開されたアプリケーションサーバのログ環境設定ファイルに保存されます。例:
JBossの場合、これは次のファイルになります。
jboss/server/IDM/conf/idmuserapp_logging.xml
WebSphereの場合、このファイルはカスタムプロパティidmuserapp.logging.config.dirに従って指定されます。
設定の保持を有効または無効にする:
[Logging]ページに移動します。
必要に応じて
を選択/選択解除します。[
]をクリックします。[ポータル]ページでは、Identity Managerユーザアプリケーションの特徴を参照できます。これらの情報は参考情報で、変更することはできません。これらの設定値は、ユーザアプリケーションWARに設定されています。(
には[テーマ]ページで選択している現在のテーマが反映されます)。[Themes]ページを使用して、Identity Manageryユーザインタフェースの外観や操作方法を制御できます。
「テーマ」とは外観上の特徴のセットで、ユーザインタフェース全体(Guestページ、ログインページ、
タブ、 タブ、および タブ)に適用されます。ユーザインタフェースでは常に1つのテーマだけが有効になっています。[Themes]ページでは、切り替えることができるよういくつかのテー\'83\'7dが用意されています。[Themes]ページでは、次のこともできます。
各テー\'83\'7dをプレビューして、どのように\'95\'5c示されるか確認できます。
任意のテーマをカスタマイズして、ロゴなどのブランディングを付けることができます。
テー\'83\'7dを選択する前に、テー\'83\'7dによってIdentity Managerユーザインタフェースの外観がどのように変わるかプレビューできます。
[Themes]ページに移動します。
プレビューするテーマを選び、そのテーマの
ボタンをクリックします。新しいブラウザウィンドウにそのテー\'83\'7dのプレビューが\'95\'5c示されます。
プレビューをスクロールして、テー\'83\'7dの特長を確認します。
確認できたら、
(左上隅にあります)をクリックするか、手動でプレビューウィンドウを閉じます。気に入ったテー\'83\'7dが見つかったら、そのテー\'83\'7dをIdentity Managerユーザインタフェースの現在のテー\'83\'7dとして選択できます。
[Themes]ページに移動します。
使用するテー\'83\'7dのラジオ\'83\'7bタンをクリックします。
[
ユーザインタフェースの外観が、選択したテー\'83\'7dを反映して変更されます。
どのテーマも、ユーザ独自の画像に入れ替えたり、色設定を変更したりしてカスタマイズできます。これにより、会社や組織のブランド設定に合わせてIdentity Managerユーザインタフェースをカスタム\'95\'5c示できます。
[Themes]ページに移動します。
カスタマイズするテーマを見つけ、そのテーマの
ボタンをクリックします。[Themes]ページによって、そのテー\'83\'7dの[Customize Branding]設定が\'95\'5c示されます。
必要に応じて、各タブの項目を設定、変更してください。各タブには、それぞれユーザアプリケーションインタフェースの異なる部分の設定項目がまとめられています。次のプロパティがあります。
:お気に入りアイコン、リンクの色、リンクにマウスを合わせた時の色、および左ナビゲーション領域のプロパティなどの一般的なテーマプロパティを指定できます。
:ヘッダの色、テクスチャ、ロゴ、およびユーザ名プロパティを指定できます。
:ヘッダタブのプロパティを指定できます。
: タブのプロパティを指定できます。
:ログイン画面のプロパティを指定できます。
画面の指示に従って、各項目を設定してください。変更内容は保存しないと、ユーザアプリケーションには反映されません。変更内容を保存していない場合、変更内容が保存されてないことを知らせるアスタリスク(*)が
ボタンに表示されます。[
]をクリックします。現在のテーマを編集した場合は、カスタマイズした内容が反映され、ユーザインタフェースの外観が変わります。テーマに対するカスタマイズをすべて取り消す場合は、[リセット]ボタンをクリックします。
このテーマの作業が完了したら、
ボタンをクリックします。独自のカスタムテーマを作成し、それを独自のWARファイルで配布できます。配布したカスタムテーマは、
タブのテーマ管理ページから利用できます。独自のカスタムテーマを作成する前に、次のテクノロジに関する十分な知識と作業経験があることを確認してください。J2EE WARファイルの構造、WARファイルの内容の変更方法、ファイルのアプリケーションサーバへの配布方法。
CSSファイルとXMLファイルの変更方法
テーマのグラフィック部分の作成方法
カスタムテーマを作成するには、まずユーザアプリケーションWARにある既存のテーマ(
など)をコピーします。配布したユーザアプリケーションWARファイル( IDM.WARまたはIDMProv.WAR)を、インストールディレクトリにバックアップします(例:/opt/novell/idmサブディレクトリ)。
テスト環境で、ユーザアプリケーションWARファイルの内容を抽出します。
ユーザアプリケーションのテーマを構成しているファイルは、resources\themesサブディレクトリにあります。各テーマはそれぞれ適切な名前の独立したディレクトリに保存されています。
テスト環境で、カスタムテーマ用のディレクトリを作成します。
任意の有効なディレクトリ名を使用できますが、テーマ名を反映した名前でなければなりません。また、スペースを使用することはできません。
テーマBlueGlossの内容を、抽出したWARファイルから、作成したサブディレクトリにコピーします。次のファイルに対して作業を行います。
これらのファイルの作業規則:
theme.xml、theme.css、およびprint.cssファイルのファイル名は変更できません。
CSSセレクタ名は同じでなければなりません。ただし、外観を設定するために、セレクタのプロパティは変更できます。
imagesサブディレクトリには任意の名前を使用できます。ただし、CSSファイルとXMLファイル内で正しい名前を指定して参照させる必要があります。
必要に応じてイメージ、CSSスタイルシート、および他の要素を変更します。次の項目を変更することをお勧めします。
theme.xml:
display-name: 自分のテーマを表す名前に変更します。ここで指定した名前が、ユーザアプリケーションの[
]タブにある[テーマ]ページに表示されます。description: この値には、テーマの説明を指定します。ここで指定した説明が、ユーザアプリケーションの
タブにある[テーマ]ページの説明として表示されます。および フィールドをローカライズするかどうかを検討してください。
graphicsディレクトリ:
thumbnails.gif: これを自分のイメージと置換します。イメージは、
タブの[テーマ]ページに前述のテーマ名や説明と一緒に表示されます。一般的にこのイメージは、対応するテーマの適用時のユーザアプリケーションのランディングページの外観を表します。グラフィックファイルの名前変更: グラフィックファイルの名前を変更した場合(同名の別の画像を使用するのではなく)、theme.xmlファイルとtheme.cssファイルに指定されているイメージ参照が、正しいファイル名を指していることを確認してください。ブランディングインタフェースでイメージを使用しない場合は(例:theme.xmlファイル内のブランド可能イメージのサブセットとして指定しない場合)、theme.cssファイル内のイメージへの参照を変更するだけで構いません。images/header_left.gifの名前をimages/my_company_name.gifに変更する場合を考えてみましょう。 この場合、theme.cssファイルを編集して、新しいイメージ名を指定します。
テーマファイルの変更がすべて完了したら、カスタマイズしたテーマのディレクトリを、カスタムテーマを保管するWARファイルに追加します。新しいWARファイルをテスト用アプリケーションサーバに展開します。テストのヒント:[テーマ]ページを開きます(
タブ)。ここには、付属のテーマと一緒に作成したテーマが表示されます。[テーマのプレビュー]アクションを使って、カスタマイズしたテーマがどのように表示されるかを確認してください。これは、テーマを意図した通りに変更できたかどうかを確認するために役立ちます。変更内容をテストし、正しく変更できたことを確認したら、カスタムテーマを含むWARファイルを実働環境のアプリケーションサーバに展開できます。
1つのWARファイルには、複数のカスタムテーマを入れることができます。カスタムテーマを保管したWARファイルは複数を展開することもできます。
テーマの公開を中止するには、アプリケーションサーバのdeployディレクトリから、該当するテーマのあるWARファイルを削除してください。公開を中止する前に、そのWARファイルに含まれているテーマがユーザアプリケーションのデフォルトテーマとして定義されていないことを確認してください。デフォルトテーマがあるWARファイルを削除した場合、[テーマ管理]画面にエラーメッセージが表示され、ユーザアプリケーションのテーマがインストール時に指定されたデフォルトのテーマに戻ります。
パスワード管理でIDMPwdMgt.WARになります。デフォルトでは、IDMPwdMgt.WARには1つのテーマ があります。 これには、このテーマを変更したり、ブランディングするユーザインタフェースは含まれていません。
を使用するように設定した場合、その外部パスワードWARに[パスワードを忘れた場合]ページのテーマが定義されます。外部パスワードWARのデフォルト名は、外部の[パスワードを忘れた場合]ページにはカスタムテーマを設定できます。カスタムテーマの定義方法については、カスタムテーマの定義を参照してください。ただし、外部の[パスワードを忘れた場合]ページの展開方法は異なっており、カスタムテーマWARの規則もより厳格になっています。カスタムテーマの定義後:
WAR内のIDMPwdMgtTheme.WARと言う名前のテーマをパッケージ化します。
IDMPwdMgtTheme.WARには1つのテーマを入れることができます。このテーマは、WAR内のresource/themes/Themeディレクトリになければなりません。
外部WARがあるアプリケーションサーバにIDMPwdMgtTheme.WARを展開します。 1回に1つのカスタムテーマしか展開できません。