この項に含まれる情報は、Novell Identity Managerシステムの実装により自動化できる一部のビジネスプロセスを特定します。Identity Managerが提供しているビジネス自動化ソリューションについてすでに知っている場合は、セクション 4.0, Identity Managerアーキテクチャに示されている技術紹介に進んでください。
IDのニーズの管理は、大部分のビジネスの中枢となる機能です。たとえば、月曜の朝を想像してください。キュー内の要求リストを下方向にスクロールします。
Jim Taylorの携帯電話番号が変更されています。HRデータベースおよび他の4つの独立したシステムでその情報を更新する必要があります。
長い休暇から戻ってきたばかりのKaren Hansenが自分の電子メールのパスワードを忘れてしまっています。彼女がパスワードを取得するか、リセットするのを手伝う必要があります。
Jose Altimiraは先ほど新しい従業員として雇われました。従業員にネットワークアクセスおよび電子メールアカウントを付与する必要があります。
Ida McNameeがOracle財務データベースにアクセスしたいと考えています。3名の異なるマネージャから承認を得る必要があります。
John Harrisは買掛金部門から法務部門に異動したところです。法務チームの他のメンバーと同じリソースへのアクセス権を付与し、買掛金リソースへのアクセス権を削除する必要があります。
上司のKarl Jonesが、Oracle財務データベースへのアクセス権を求めるIda McNameeによる要求を見て、アクセス権を持つユーザの数が増えることを心配しています。上司のためにデータベースへのアクセス権を持つすべてのユーザを表示するレポートを生成する必要があります。
意気込んで最初の要求に着手しますが、すべての要求に対応すること、まして自分に割り当てられた他のプロジェクトを完了するための時間を確保することが難しいことは分かっています。
このような状況が繰り返される職場においては、Identity Managerが役立つ可能性があります。実際に、次の説明で紹介するIdentity Managerの主な機能は、以上のすべての業務を含めたさまざまな業務を自動化するのに役立つ可能性があります。これらの機能(ワークフロー、役割、検証、セルフサービス、監査、およびレポーティング)は、ビジネスポリシーが主導するマルチシステムのデータ同期を使用してユーザのプロビジョニングやパスワードの管理という、IT組織において最も困難かつ時間のかかる2つの職務に関わるプロセスを自動化させます。
図 1-1 Identity Managerの主な機能
次のセクションでは、Identity Managerの機能と、これらの機能を組織の識別ニーズをうまく満たすように役立てる方法について紹介します。