eDirectoryのパーティション化では、データベースの各部分が複数のサーバに分割して格納されます。パーティション化によって、eDirectoryデータ処理と保管の負荷がネットワーク内の複数のサーバに分散されるため、ネットワークの使用を最適化できます。デフォルトでは、パーティションは1つだけ作成されます。パーティションの詳細については、「パーティション」を参照してください。パーティションの作成については、「パーティションおよびレプリカの管理」を参照してください。
次のガイドラインは、ほとんどのネットワークに適用できる一般的な規則です。特定の環境設定、ハードウェア、およびトラフィックの処理量など、それぞれのネットワークの運用条件に合わせて若干の調整が必要になる場合もあります。
ツリーをピラミッド型に設計するのと同じように、パーティションもピラミッド型に構成します。パーティションの構造は、ツリーの最上位に小数のパーティションがあり、下位になるに従ってパーティションの数が増えていくようにします。このような設計では、下位層より上位層のほうがパーティション数が多いツリー構造に比べて、作成されるサブオーディネートリファレンスの数が少なくなります。
ツリーをピラミッド型に設計するには、常にリーフオブジェクト(特にユーザ)の比較的近くにパーティションを作成するようにします(インストール時にツリーのルートに作成されるパーティションについては例外です)。
上位層のパーティションを設計する場合は、次の点を考慮します。
WANリンクによって区切られている各サイトのコンテナを作成し(各サーバオブジェクトをそのローカルコンテナに格納)、その後、各サイトのパーティションを作成します。
パーティションを場所ごとに作成すれば、異なるサイト間のレプリケーショントラフィックによってWAN帯域幅が不必要に消費されることはありません。
WANトラフィック管理の詳細については、「WANトラフィックマネージャ」を参照してください。
eDirectoryツリーの下位層のパーティションを設計する場合は、次を考慮します。
eDirectoryでは、パーティションのサイズについて次の設計制限を推奨しています。
表 14. パーティションサイズの設計制限
パーティションのサイズ |
無制限のオブジェクト レプリカDIB(ディレクトリ情報ベース)はITBに制限 |
ツリー内のパーティションの総数 |
無制限 |
ペアレントパーティションごとのチャイルドパーティション数 |
150 |
パーティションごとのレプリカ数 |
50 レプリカDIBによる制限 |
レプリカサーバごとのレプリカ数 |
250 |
NDS 6および7からのこの設計ガイドラインの変更は、NDS 8におけるアーキテクチャの変更によるものです。これらの推奨値は、企業などの分散環境に適用されています。これらの推奨値は、e-businessやアプリケーションには適用されない場合があります。
一般的なe-businessユーザはすべてのデータを単一のサーバに保管することを必要としますが、eDirectory 8.6では、ツリー内のさまざまなエリアに属するオブジェクトや属性のサブセットを格納するフィルタ済みレプリカを作成できます。この機能を利用することによって、1つのサーバにすべてのデータを保管しなくても、同じようにe-businessに対応できます。詳細については、「フィルタ済みレプリカ」を参照してください。
パーティションを設計する場合は、次のネットワーク変数について考慮します。