持続的検索

持続的検索によって、指定した検索条件に一致するLDAPサーバ上にあるエントリのセットへの変更内容を追跡できます。最初に検索が行われた後、サーバは検索条件に基づく追跡を続行し、検索条件に一致するすべてのエントリに対する追加、変更、削除、およびリネームについて、その情報を返します。

持続的検索は標準のLDAP検索操作とは異なり、検索条件に一致する最初のエントリのセットが返された後でも、検索を終了しません。クライアントによって検索操作が破棄されるか、クライアントによってバインド解除されるまで、LDAPサーバは検索操作を続行します。この検索操作では、持続的検索に関連するクライアントとサーバは稼動中のチャネルを使用して、変更の情報(および変更に伴って発生する補足の情報)を取得します。

このセクションでは、次の情報について説明します。


持続的検索の利点

持続的検索には次のような利点があります。


キャッシュの整合性

高いパフォーマンスが要求されるLDAPクライアントアプリケーションでは、LDAPの検索、比較、バインド操作で取得された情報に対して、一時的なローカルキャッシュの維持が必要になる場合があります。 パフォーマンスを向上するために、LDAPサーバに要求が送信される前には、ローカルキャッシュが常に参照されます。キャッシュを準備する必要がある場合は、changesOnlyフラグをFALSEに設定した持続的検索要求が使用されます。キャッシュを準備する必要がない場合は、通常、changesOnlyはTRUEに設定されます。

キャッシュはパフォーマンスの向上以外の理由でも使用されます。特定のアプリケーションの設計上、キャッシュが必要になる場合があります。たとえば、LDAPサーバで保持される情報の管理用に設計されたLDAPクライアントでは、LDAPサーバから収集された情報を示す画面の表示が必ず行われます。この画面表示は一種のキャッシュで、アプリケーションのユーザが何らかの操作を行って別の情報を表示しない限り、画面表示の内容は変更されず、表示が継続されます。画面をリフレッシュするボタンや同様のコントロールを使用すると、キャッシュされた表示内容を更新できます。これに対して、持続的検索要求は管理アプリケーションで使用され、画面の情報元となるLDAP情報に変更が発生した時点で自動的に画面表示が更新されます。


同期

ポータブルコンピュータで実行される一部のLDAPクライアントでは、LDAPサーバに保存されたエントリの一部もしくは全体のオフラインコピーを保持できます。このようなクライアントは、ネットワークに接続されているときに、すべてのクエリを、保持しているデータのコピーに適用し、持続的検索を使用してオフラインコピーの内容を使用可能な状態に維持します(あるいは、クライアントはデータのソースであるLDAPサーバに要求を適用する場合もあります)。


トリガーされたアクション

LDAPクライアントアプリケーションでは、ディレクトリ内のエントリが変更されたときに、何らかの処理が必要になる場合があります。持続的検索要求を使用すると、単一または複数のLDAPサーバを監視をして、アプリケーションによって実行される特定の処理の原因となる、重要な変更内容を事前に調べることができます。たとえば、電子メールのレポジトリでは、新しい人のエントリがLDAPディレクトリに追加された場合には「メールボックスの作成」タスクを実行する必要があり、LDAPディレクトリからある人のエントリが削除された場合には「メールボックスの削除」タスクを実行する必要があります。


持続的検索を有効化および設定する

  1. ConsoleOneで、LDAPサーバオブジェクトを右クリックします。

  2. [持続的検索]タブをクリックします。

  3. 持続的検索を有効化または無効化するには、[持続的検索の有効化]をクリックします。

  4. 同時に実行できる持続的検索操作の最大数を指定します。

    検索操作を無制限に実行するには、0を入力します。

  5. 持続的検索要求によって最初の検索結果が返された後で、サイズと時間の制限を無視するかどうかを指定します。

    このオプションを選択しないと、すべての持続的検索操作は検索制限の制約を受けます。サイズと時間のいずれかの制限に達した場合、検索操作は失敗し、該当するエラーメッセージが返されます。

  6. [OK]をクリックします。