概要

Novell(R) Storage ServicesTMは、ストレージデバイス上の全領域を効率的に使用する手段を提供する、ストレージ/ファイルシステムです。大容量ボリュームや多数のファイル、および大規模なデータベースを格納し保守する機能が求められるシステムにとって、NSSは最適なツールです。

Novell Storage Servicesは、NetWare(R) 6のデフォルトのストレージ/ファイルシステムです。このシステム使用して、従来のボリュームおよびNSSボリュームの両方を作成、格納、および保守します。NSSボリュームは論理ボリュームと呼ばれます。NSSをインストールすると、ストレージプールSYS:および同等サイズのボリュームSYS:が作成されます。

ボリュームをマウントする場合、従来のファイルシステムでは、すべてのファイルおよびディレクトリをスキャンしていました。その後で、ファイルにすばやくアクセスできるように、NetWareがすべてのメタデータをメモリに格納していました。ファイルシステムのスキャンによって、マウントに時間がかかります。また、すべてのファイルのメタデータを格納するため、ファイル数の増加に応じて、より多くのメモリが必要となります。

NSSでは、ボリュームをマウントするときにファイルシステム全体をスキャンしないので、マウント処理は高速で実行されます。ユーザがファイルにアクセスするまではメタデータはメモリにロードされないため、必要になるメモリの量は少なくてすみます。

NSSはファイルシステムのすべてのトランザクションを記録したジャーナルを保持しているため、ファイルシステムがクラッシュしてもNSSボリュームではVREPAIRは実行されません。クラッシュの後にNSSはジャーナルをスキャンして、すべてのトランザクションが完了しているか、またはまだ完了していないかを確認します。このため、クラッシュ後にボリュームを再マウントするとき、ボリュームを修復する必要はありません。

NSSは、複数のストレージデバイス上にある空き容量を使用します。 これによりボリュームを無制限に作成でき、最大8テラバイトの単一のボリューム内に、最大8兆個のファイルを格納できます。 またNSSでは、最大255のボリュームを同時にマウントすることもできます。

重要:  NetWare 5では、NSSは従来のNetWareファイルシステムと並行して実行されます。NetWare 6では、NSSが主要なストレージ/管理システムになります。ただし、NSSでは従来のパーティションおよびボリュームも継続して管理できます。このマニュアルでは、主としてNSSストレージプールおよび論理ボリュームを中心に説明しますが、従来のボリュームの設定手順および保守手順についても説明します。



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