Timesyncサーバのタイプの指定

Timesyncを使用するには、NetWareサーバを環境設定する必要があります。Timesyncの環境設定では、一部のサーバをタイムプロバイダに、他のサーバをタイムプロバイダに従うタイムコンシューマにできます。タイムコンシューマは、ワークステーションおよびネットワーク上の他のサーバに時刻を提供できます。

Timesyncの環境設定時に使用する必要のあるTimesyncサーバのタイプは次のとおりです。

注:  すべてのTimesyncサーバは、NTPプロバイダおよびNTPコンシューマとの間で時刻をやり取りできます。Timesyncでは、このやり取りのために組み込みのNTPタイムコンシューマとNTPタイムプロバイダが用意されています。Timesyncは、完全にNTPに対応しているわけではありません。

タイムサーバの環境設定については、「タイムサーバの環境設定チェックリスト」を参照してください。


シングルタイムサーバ

シングルタイムサーバは、セカンダリサーバとワークステーションに時刻を提供します。

シングルサーバは、NTPタイムプロバイダまたはそれ自体の内部クロックから時刻を取得できます。このサーバは、Timesyncネットワークのマスタタイムプロバイダとして機能します。

デフォルトでは、eDirectoryツリーに最初にインストールしたサーバがシングルタイムサーバとして設定され、そのeDirectoryツリーの他のNetWareサーバは、セカンダリタイムサーバとして設定されます。

他のサーバは、すべてネットワーク上でシングルタイムサーバに接続して時刻の同期化または時刻の変更を実行できます。時刻の設定は、ネットワーク管理者がシングルタイムサーバで行います。

重要:  1つのeDirectoryツリーには、シングルタイムサーバを1台だけ配置できます。1つのTimesyncネットワークには、シングルタイムサーバを1台だけ配置できます。

次の図は、セカンダリタイムサーバに時刻を提供するシングルタイムサーバを示しています。セカンダリタイムサーバは、ワークステーションに時刻を提供します。


セカンダリタイムサーバに時刻を提供するシングルタイムサーバ


リファレンスタイムサーバ

リファレンスタイムサーバは、ワークステーションを含むプライマリサーバおよびセカンダリサーバに、時刻を提供します。

リファレンスタイムサーバは、NTPタイムプロバイダまたはそれ自体の内部ハードウェアクロックから時刻を取得できます。リファレンスタイムサーバがそれ自体の内部クロックを調整することはありません。その代わりに、プライマリタイムサーバの内部クロックが調整されてリファレンスタイムサーバとの同期が取られます。リファレンスタイムサーバは、ネットワーク時刻を設定するための中枢として機能します。サーバの起動時に、ハードウェアクロックが、外部タイムソースから取得した時刻に設定されます。

1つのTimesyncネットワークに、複数のリファレンスタイムサーバを共存させることができます。

次の図は、外部クロックと同期を取るリファレンスタイムサーバを示しています。このリファレンスタイムサーバは、別の場所に配置されたリファレンスタイムサーバだけでなく、同じグループ内のセカンダリサーバとワークステーションにも時刻を提供しています。


外部クロックと同期を取るリファレンスタイムサーバ


プライマリタイムサーバ

プライマリタイムサーバは、リファレンスタイムサーバまたは外部NTPソースと時刻の同期を取ります。プライマリタイムサーバは、セカンダリタイムサーバおよびワークステーションに時刻を提供できます。プライマリタイムサーバは、他のプライマリサーバと時刻を共有するようにも設計されています。プライマリサーバは、プライマリサーバ間で複数のサーバを参照(共通のオフセットを計算)し、共通のネットワーク時刻を決定するのに使用されます。この場合、プライマリタイムサーバよりもリファレンスタイムサーバの時刻の方が重視されます。

大規模なネットワークでは、プライマリタイムサーバを使用し、セカンダリタイムサーバに冗長パスを提供して耐障害性を高めます。1台のプライマリタイムサーバがダウンした場合、セカンダリタイムサーバは代替のプライマリタイムサーバから時刻を取得することができます。


セカンダリタイムサーバ

セカンダリタイムサーバは、シングルタイムサーバ、プライマリタイムサーバ、またはリファレンスタイムサーバから時刻を取得します。ネットワーク上の他のセカンダリタイムサーバおよびワークステーションに時刻を提供します。また、内部クロックを調整して、ネットワーク時刻と同期を取ります。ワークステーションに時刻を提供しますが、正しいネットワーク時刻の決定には参加しません。

ネットワーク上の1台のサーバをシングルタイムサーバとして指定した場合は、ネットワーク上の他のすべてのサーバをセカンダリタイムサーバとして指定します。

ネットワーク上のいくつかのサーバをプライマリタイムサーバまたはリファレンスタイムサーバとして指定した場合は、ネットワーク上の他のすべてのサーバをセカンダリタイムサーバとして指定します。


タイムサーバの環境設定チェックリスト

次の表は、互いに接続できるタイムプロバイダとタイムコンシューマの一覧です。

タイムプロバイダ タイムコンシューマ 設定の可/不可

シングルタイムサーバ

シングルタイムサーバ

不可

 

リファレンスタイムサーバ

不可

 

プライマリタイムサーバ

不可

 

セカンダリタイムサーバ

 

NTPクライアントタイムコンシューマ

リファレンスタイムサーバ

シングルタイムサーバ

不可

 

リファレンスタイムサーバ

 

プライマリタイムサーバ

 

セカンダリタイムサーバ

 

NTPクライアントタイムコンシューマ

プライマリタイムサーバ

シングルタイムサーバ

不可

 

リファレンスタイムサーバ

不可

 

プライマリタイムサーバ

 

セカンダリタイムサーバ

 

NTPクライアントタイムコンシューマ

セカンダリタイムサーバ

シングルタイムサーバ

不可

 

リファレンスタイムサーバ

不可

 

プライマリタイムサーバ

不可

 

セカンダリタイムサーバ

 

NTPクライアントタイムコンシューマ

NTPサーバタイムプロバイダ

シングルタイムサーバ

 

リファレンスタイムサーバ

 

プライマリタイムサーバ

 

セカンダリタイムサーバ

 

NTPクライアントタイムコンシューマ

(適用できません)



|