17.3 ファイルサービスの共存とマイグレーション

ネットワークサーバへの共有データの保存処理は、全体機能の半分にすぎません。残りの半分では、Winodws、Macintosh、およびUNIX/Linuxワークステーションの各ユーザが、データにアクセスできるようにします。一部のネットワークでは、クライアントアクセスを提供するために、ワークステーション上で特別なソフトウェアのインストールを行うことができます。それ以外では、ワークステーションに特殊なソフトウェアをインストールすることなく、ユーザが共有データへアクセスできることが必要です。

この節では、次のサービスのマイグレーションについて説明します。

17.3.1 Novell Client (NCP)

Windows用Novell Clientは、WindowsワークステーションからNetWareデータへのNCPアクセスを提供するための、長い間認められてきたソフトウェアソリューションです。Novell Clientは、eDirectoryへの認証、ネットワークの参照およびサービスの解決、およびセキュアなファイルシステムのアクセスのようなNovellサービスの全範囲にアクセスするために、Windowsデスクトップの機能を拡張します。Novell Clientは、NCP、RSA、およびNDAPのような従来型のNovellプロトコルをサポートすると共に、LDAPのようなオープンプロトコルと相互運用します。Novell Client for Windowsの詳細については、『Novell Client 4.91 for Windows XP/2003 Installation and Administration Guide』を参照してください。

Novell Client for Linuxは、これらと同等のサービスをLinuxワークステーション用に提供します。Novell Client for Linuxの詳細については、『Novell Client 2.0 for Linux Administration Guide』を参照してください。

LinuxでNCPを利用できるようになったため、Novell Clientユーザは、NetWareサーバに接続する場合と同様に、簡単にOES 2 Linuxサーバに接続できます。 NCP Server for Linuxは、ログインスクリプト、OES 2 Linuxサーバへのドライブのマッピング、および一般にNovell Clientアクセスに関連付けられる他のサービスをサポートできます。

Linux用NCPサーバの詳細については、『OES 2: NCP Server for Linux Administration Guide』を参照してください。

17.3.2 Native File Access Protocols

NetWareでは、Windows、Macintoch、およびUNIX/Linuxワークステーションのユーザが、NFAP (Native File Access Protocols)によって、それぞれ固有のインターフェースでNetWareサーバにアクセスできます。Novell Clientソフトウェアは必要ありません。

NFAPでは、Windowsワークステーションでは、CIFS (Common Internet File System)プロトコル経由でデータにアクセスできます。Macintoshワークステーションでは、AFP (AppleTalk * Filing Protocol)経由でデータにアクセスできます。UNIX/Linuxワークステーションでは、NFS (Network File System)プロトコル経由でデータにアクセスできます。

17.3.3 iFolder 3.6

iFolder 3.6は、スケーラブルなファイルストレージおよびセキュアなファイルの配布を提供するために、ユーザごとの複数のiFolder、ユーザ制御の共用、およびネットワークサーバの集中化をサポートします。複数のiFolderにあるフォルダの共用、および別のユーザのグループと各iFolderフォルダを共用できます。iFolderフォルダに参加できるユーザとiFolder内のファイルへのアクセス権を制御します。また、他のユーザが共用しているiFolderフォルダに参加することもできます。

Novell iFolder 3.6はOES 2 Linuxでのみ使用可能です。

iFolder 2のデータをiFolder 3.6に移行するための「Migration Assistant」については、『Novell iFolder 3.6 Administration Guide』のMigrating from iFolder 2.x to iFolder 3.6を参照してください。

iFolder 2からiFolder 3.6への移行ツールは、OES 2のリリース後の早い時期に使用できるようになります。現在の情報については、『Novell iFolder 3.6 Administration Guide』のNovell iFolder Upgrade, Migration And Coexistenceを確認してください。

17.3.4 NetStorage

NetStorageは、ブラウザやPDAのようなWeb対応デバイスから、OES 2サーバにあるフィルおよびディレクトリへのWebアクセスを可能にします。

OES 2では、NetStorageはNetWareおよびLinuxの両方で使用可能で、両方とも他方にあるファイルシステムを指示することができます。NetStorageは、さまざまな場所にあるファイルサービスへのアクセスを容易にするサービスですが、実際にはファイルを保存しないため、ファイルの共存またはマイグレーションに関する考慮すべき問題はありません。

NetStorageの詳細については、『OES 2: NetStorage for Linux Administration Guide』の「OES 2: NetStorage for NetWare Administration Guide」を参照してください。

17.3.5 Samba

OES 2 Linuxには、サーバのファイルに対するMicrosoft CIFSアクセスおよびHTTP-WebDAVアクセスを提供する、Sambaソフトウェアが搭載されています。これは特に、Novell Clientを使用しないユーザにとって、便利な機能です。

Novell CIFS (NFAP)からSambaへのマイグレーションパスはありません。

OES 2のSambaに関する詳細については、『OES 2: Samba Administration Guide』を参照してください。