Novell iPrintを使用すれば、Linux、Macintosh、Windowsの各ユーザは、次の操作を行うことができます。
Webブラウザを使用してネットワークプリンタを迅速に検出する。
ネイティブのプリンタのインストール方法に従って、検出されたプリンタを容易にインストールおよび設定する。
IP接続を利用して、すべての場所(Webを含め)からインストール済みのプリンタに印刷する。
この節では、Novell iPrintプリントサービスについて全体的な内容について概説します。ここでは、iPrintの基本機能を説明しています。iPrintのプリントサービスを提供するために実効する必要がある設定のステップを理解し、ユーザの観点から、iPrintがどのように機能するかを学びます。
ユーザにOESプリントサービスを提供する場合で、iPrintの動作について既に理解している場合は、この概要はスキップしてセクション 18.2, プリントサービスの計画に進んでください。
iPrintについて詳しく知る必要がある場合は、この概要セクションを読み進めてください。
Novell iPrintはさまざまなコンポーネントから構成され、そのほとんどがeDirectory™ツリーにオブジェクトとして示されます。
プリントドライバストア(Linux): ネットワークプリンタ用のドライバを保存するOES 2 Linuxサーバ上のリポジトリです。これは管理者が最初に設定するコンポーネントであり、管理者が作成するeDirectoryオブジェクトで表されます。
プリントブローカ(NetWare): ネットワークプリンタ用のドライバを保存するOES 2 NetWare®サーバ上のリポジトリです。これは管理者が最初に設定するコンポーネントであり、管理者が作成するeDirectoryオブジェクトで表されます。
プリンタドライバ: プリンタドライバとは、プラットフォーム固有のプリンタドライバおよびPostScript* Printer Description (PPD)ファイルのことです。これらは、ドライバストアまたはブローカに保存されており、ユーザがターゲットプリンタを選択するとワークステーション上にインストールされます。プリンタドライバとPPDファイルはドライバストアおよびブローカ内のファイル構造として存在するため、eDirectoryのオブジェクトとして表示されません。
プリンタオブジェクト: 管理者が作成するeDirectoryのオブジェクトで、iPrintで使用できるプリンタの情報が保存されます。オブジェクトに保存されている情報は、オブジェクトが関連付けられているプリンタがワークステーションの使用可能なプリンタのリストに追加されるたびに使用されます。
プリントマネージャ: OES 2 Linuxで実行するデーモン、またはOES 2 NetWareサーバで実行するNLM™です。ユーザからプリントジョブを受信し、ターゲットプリンタが使用できる状態になった時点で、ジョブをターゲットプリンタに転送します。管理者が設定するeDirectoryオブジェクトで表され、このオブジェクトで制御されます。
iPrintクライアント: ブラウザプラグインのセットです。MacintoshやWindowsのワークステーションでは、このクライアントは、iPrintと初めてやりとりするときに自動的にインストールされます。Linuxワークステーションでは、このクライアントは手動でインストールする必要があります。クライアントは、各プラットフォームでiPrint Webページを検索して、ターゲットプリンタを選択し、プリントドライバをインストールする必要があります。
iPrintの詳細については、OESオンラインマニュアルのPrint Services
を参照してください。
「図 18-1」では、ユーザワークステーション側から見たiPrintの動作について説明します。
図 18-1 iPrintの動作
次の表で、図 18-1に示されている情報について説明します。