OES 2では、LinuxおよびNetWareプラットフォーム用に別々の(互換性のある) SLPを搭載しています。
このセクションでは、次の項目について説明します。
OES 2 NetWare: 多くの他のアプリケーションおよびサーバタイプが、サービス検出の面でSLPに依存していますが、NetWare上のOES 2サービスは、事実上、eDirectoryに統合され、eDirectoryが正しく設定されている限り、SLPなしで機能します。しかし、SLPはインストールされるその他のサービスとしてNetWareに自動的に提供されます。
OES 2 Linux: 一方、OES 2 Linux上でOES 2サービスを実行するためには、サーバは次のいずれかを必要とします。
eDirectoryレプリカがインストール済み。
1つのツリーに3個目のサーバをインストールした後、あるいは推奨ツリーに4個または5個のレプリカがある場合、これは自動では行われません。
サーバ上で実行しているOpenSLPサービスに登録されたeDirectoryがある。
これは、OES 2 Linuxインストール中かまたは手動のいずれかで、SLPの設定を行う必要があります。
プラットフォーム |
NetWare |
SLES 10 SP1 |
---|---|---|
SLPソリューション |
Novell SLP |
OpenSLP |
ソリューションについて |
Novell版のSLPでは、より堅固なサービスアドバタイジング環境を提供するために、SLP標準の一部を採用しています。 Novell SLPでは、OES 2 NetWareサービス用にデフォルトの検出メカニズムを保持しています。しかし、Novell Client™を含む、検出に使用されるすべてのNetWareサービスコンポーネントでは、DNS、eDirectory、またはローカルホスト環境設定ファイルなどの、別のメカニズムを使用することもできます。 |
OpenSLPは、RFC 2614 (SLPバージョン2.0)を含む、さまざまなIETF仕様の実装です。OpenSLPは、SLES 10にインストールされるデフォルトのSLPサービスです。 OES 2 Linuxでは、OpenSLPを必要とするアプリケーションは、OpenSLPを使用できます。実際は、デフォルトの検出メカニズムはDNSですが、SLPはそれを必要とするアプリケーション用に存在する必要があります。特に、OES 2 Linuxサーバが1つのツリーに追加された4個目以降のサーバで、自動的にeDirectoryレプリカがインストールされていない場合に必要です。 |
違い |
Novell SLPディレクトリエージェントでは、プロセスのネットワークセグメントの境界をまたいだeDirectoryを介す同一コンテキスト内で、他のディレクトリエージェントとの情報の共有が可能です。ただし、これは自動では行われず、Novell SLPは、ローカルモードではなく、ディレクトリモードで実行されている必要があります。 |
OpenSLPディレクトリエージェントはそれぞれが完全に独立し、同期されていません。 |
互換性 |
Novell SLPディレクトリエージェントは、OpenSLPディレクトリエージェントと同期しません。 Novell SLPベースのユーザエージェントまたはサービスエージェントは、OpenSLPベースディレクトリエージェントにアクセスできます(設定されている場合)。しかし、ディレクトリエージェントのタイプは、そのうちのいずれかである必要があります。SLP NLMは同一の設定で、Novell SLPおよびOpenSLP DAの両方にアクセスできません。 |
DA同期は、OpenSLPの一部ではありません。 OpenSLPベースのユーザエージェントまたはサービスエージェントは、Novell SLPベースのディレクトリエージェントにアクセスできます(設定されている場合)。しかし、ディレクトリエージェントのタイプは、そのうちのいずれかである必要があります。SLPデーモン(slpd)は同一の設定で、Novell SlpおよびOpenSLP DAの両方にはアクセスできません。 |
マニュアル |
『Novell eDirectory 8.8 Administration Guide』の |
『Novell eDirectory 8.8 Administration Guide』の |
SLPサービスは、常にNetWareおよびSLES 10 SP1 (OES 2 Linuxプラットフォームを基礎とする)の両方の一部としてインストールされます。NetWareでは、Novell SLPサービスは、eDirectoryおよび他のサービスと共に機能するように自動的に設定されます。OES 2 Linuxでは、OpenSLPは、eDirectoryおよび他のサービスと共に機能するように、手動で設定する必要があります。
次のいずれにも該当する場合は、OES 2 LinuxサーバにOpenSLPをセットアップする必要があります。
OES 2 Linuxサーバに作成中の新しいツリーに、4台以上のサーバをインストールする予定である。
既存のNovell SLPサービスが存在しないか、またはNovell SLPサービスを今後使用しない。
重要:OpenSLPのセットアップが必要な場合、そのツリーに4番目のOES 2 Linuxをインストールする前、またはNetWareサーバを1台でもインストールする前に、OpenSLPの設定を行う必要があります。すべてのOES 2 LinuxサーバにSLPサービスをセットアップするよう推奨します。
OpenSLPが必要で、まだネットワークにOpenSLP ディレクトリエージェント(DA)が存在しない場合、操作上の利便性から、ツリー上の最初のOES 2 LinuxサーバをOpenSLP DAとしてセットアップするよう推奨します。SLPサービスはディレクトリエージェントがなくても管理できますが、その方法は堅固というには程遠く、マルチキャストが必要となり、またOES 2 Linuxではファイアウォールが無効になります。
DAの作成後は、その後にインストールするサーバすべてで、そのDAをポイントするかまたは後で作成する他のDAをポイントするように設定できます。
以下を実行します。
DAとなるOES 2 Linuxサーバ上で、/etc/slp.confファイルをテキストエディタで開きます。
slp.confで、次の行の先頭からセミコロン(;)を削除します。
;net.slp.isDA = true
次のようになります。
net.slp.isDA = true
次の行を見つけます。
;net.slp.useScopes = myScope1, myScope2, myScope3
重要:環境設定ファイルの例で、各カンマの後にあるスペースは無視されません。見落としがちなため、注意が必要です。
つまり、このステートメントで作成または設定されている最初のカンマの後のスコープ名には先頭にスペースが入ります。たとえば、最初のスコープ名はmyScope1
ですが、その後のスコープ名には、 myScope2
、 myScope3
と、先頭にスペースが入ります。特に、2番目以降の名前が、後続のSLPの設定で最初の名前となって、先頭のスペースが無視された場合に問題が発生します。
例に示されたスコープ名を使用する場合は、エントリ間にあるスペースを削除してください。
セミコロンを削除し、ネットワーク上のサービス情報を提供するために、このDAで使用するスコープ名を入力して、この行を変更します。たとえば、次のように行を変更します。
net.slp.useScopes = Directory
重要:スコープが指定されなかった場合、SLPはデフォルトのスコープを指定しますが、slp.confにnet.slp.useScopeパラメータを設定することによって、1つまたは複数のスコープを定義するのは、常に望ましい実践例と言えます。
スコープはネットワーク上のサービスを論理カテゴリにグループ化および編成します。たとえば、アカウント管理グループで必要なサービスは、Accountingスコープにグループ化されます。
スコープの計画に関する詳細については、『Novell eDirectory 8.8 Administration Guide』のSLP Scopes
およびOpenSLP Webサイトを参照してください。
スコープが指定されなかった場合は、すべてのサービスは1つのスコープにDefaultという名前で登録されます。
SLPデーモントラフィックを許可するように、DAサーバ上のファイアウォールを、次の手順で設定します。
YaSTコントロールセンタで、[
]をクリックし、[ ]を選択します。左側のナビゲーションフレームで、[
]をクリックします。[
]ドロップダウンリストをクリックし、[ ]を選択します。[
]、[ ]の順にクリックします。をクリックします。
コマンドプロンプトで、次のコマンドを入力してSLPデーモンを再始動します。
rcslpd restart
(条件により) OES 2およびeDirectoryのインストール後にこれを行った場合は、次のコマンドを入力してeDirectoryを再始動する必要があります。
rcndsd restart
環境に合わせて、次の節に移ります。
ツリーにインストールしたOES 2 LinuxサーバにOpenSLP DAを作成し、SLPがサーバ上で正しく設定された場合は、次の手順を実施する必要はありません。
eDirectoryツリーにインストールしたその他の全OES 2 Linuxサーバでは、次の中から環境に適した手順の1つを完了する必要があります。
『OES 2: Linux Installation Guide』のNovell eDirectory Services
の節に記載された手順を使用してOES 2 Linuxをインストールする際には、次を実行します。
インストールのSLPの場面に達したら、[
]を選択します。最初のオプション[
]は、これがツリー内にインストールされた4番目以降のサーバの場合、eDirectoryおよびその他のサービスで問題を引き起こします。2番目のオプション[ ]では、サーバのファイアウォールを無効にする必要があります。ファイアウォールは常に有効にしておくことを推奨します。[ステップ 4に定義したスコープを指定します。追加のスコープも、カンマで区切ってスペースなしで指定できます。
]フィールドで、たとえば、作成したDAに割り当てるスコープ名として、Directoryをフィールドに入力します。
[OpenSLP DAサーバのセットアップに定義したDAサーバのIPアドレスを入力します。追加のDAアドレスも、カンマで区切って指定できます。
]フィールドでは、『OES 2: Linux Installation Guide』の Novell eDirectory Services
の手順に戻ります。
SLES 10 SP1サーバ上のOES 2 Linuxをインストールする前にDAアクセスを設定しても、あるいはSLES 10 SP1およびOES 2の同時インストール後にDAアクセスを設定しても、手動による設定プロセスは同じです。
テキストエディタで/etc/slp.confを開きます。
次の行を見つけます。
;net.slp.useScopes = myScope1, myScope2, myScope3
重要:環境設定ファイルの例で、各カンマの後にあるスペースは無視されません。見落としがちなため、注意が必要です。
つまり、このステートメントで作成または設定されている最初のカンマの後のスコープ名には先頭にスペースが入ります。たとえば、最初のスコープ名はmyScope1
ですが、その後のスコープ名には、 myScope2
、 myScope3
と、先頭にスペースが入ります。特に、2番目以降の名前が、後続のSLPの設定で最初の名前となって、先頭のスペースが無視された場合に問題が発生します。
例に示されたスコープ名を使用する場合は、エントリ間にあるスペースを削除してください。
セミコロンを削除し、このサーバからアクセスするスコープの名前を入力して、この行を変更します。ステップ 4に定義したスコープを含めてください。
例えば、次のように行を変更します。
net.slp.useScopes = Directory
次の行を見つけます。
;net.slp.DAAddresses = myDa1,myDa2,myDa3
セミコロンを削除して、OpenSLP DAサーバのセットアップに定義したOpenSLP DAの実際のIPアドレスを入力して、行を変更します。
net.slp.DAAddresses = IP_Address
ファイルを保存して閉じます。
Linuxのコマンドプロンプトで、次を入力して、SLPデーモンを再始動して設定をリセットします。
rcslpd restart
重要:NetWareはデフォルトでNovell SLPを使用し、可能な場合、そのサービス用にサーバを設定します。NetWareサーバ用にNovell SLPではなく、OpenSLPを使用する場合にのみ、この後の節の手順にしたがいます。
環境に応じて、次のいずれか1つを完了します。
ネットワークボード用のIPアドレスを設定するダイアログで、[
]をクリックします。[
]タブをクリックします。最大で3個までのOES 2 Linux DAサーバのIPアドレスを指定します。
NetWareサーバからアクセス可能な設定済みDAが対応するスコープのリストを入力します。
重要:マルチキャストはファイアウォールを無効にするため、マルチキャストを使用するサーバの設定は推奨しません。ファイアーウォールは常に有効にしておくことを推奨します。
[OK]をクリックします。
テキストエディタを使用して、NetWareサーバ上のSYS:ETC/slp.cfgファイルを開き、NetWareからアクセスするDAサーバごとに次の行を追加します。
ここで、IP_AddressXは、OES 2 Linux DAサーバのIPアドレスです。
インストールのときに作成された、NetWareサーバをポイントするすべての行を削除します。
ファイルを保存して閉じます。
NetWareコンソールプロンプトで、NetWareサーバからアクセスするスコープを指定し、レジストリにSLPキャッシュを書き込み、SLPサービスを再始動します。
次のコマンドを入力して、SLPが正しく機能していることを確認します。
display slp services
NetWareツリーがある場合は、ネットワーク上には自動的にNovell SLPが存在します。いずれのOES 2プラットフォームでも、SLPサービスとしてNovell SLPを継続して使用できます。
このセクションでは次のことについて説明します。
NetWareをインストールするときに、代替SLPの設定を指定しないと、サーバではほとんどのネットワークの要件を満たすNovell SLPを使用するよう自動的に設定されます。Novell SLPおよびカスタマイズの手順について詳細は、『Novell eDirectory 8.8 Administration Guide』のImplementing the Service Location Protocol
を参照してください。
eDirectoryツリーにインストールした各OES 2 Linuxサーバに対し、状況に応じて、次のプロシージャのうちの1つを完了します。
『OES 2: Linux Installation Guide
』のNovell eDirectory Servicesの手順を使用してOES 2 Linuxをインストールする際には、次を実行します。
インストールのSLPの場面に達したら、[
]を選択します。最初のオプション[
]は、これがツリー内にインストールされた4番目以降のサーバの場合、eDirectoryおよびその他のサービスで問題を引き起こします。2番目のオプション[ ]では、サーバのファイアウォールを無効にする必要があります。ファイアウォールは常に有効にしておくことを推奨します。[
]フィールドで、ネットワークに定義された1つまたは複数の適切なスコープを指定します。正しいスコープ名がわからない場合は、同じネットワークセグメントのNetWareサーバのSLP設定を参照できます。サーバ上のNovellリモートマネージャにログインして、[
]をクリックし、[ ]を選択します。カンマで区切って(スペースなし)、複数のスコープを指定できます。
たとえば、そのフィールドにDirectoryと入力するとします。
[
]フィールドで、適切なDAサーバのIPアドレスを入力します。使用するアドレスがわからない場合は、NetWareサーバ上のNRMを使用できます。
追加のDAアドレスも、カンマで区切って指定できます。
『OES 2: Linux Installation Guide
』の Novell eDirectory Servicesの手順に戻ります。
SLES 10 SP1サーバ上のOES 2 Linuxをインストールする前にDAアクセスを設定しても、あるいはSLES 10 SP1およびOES 2の同時インストール後にDAアクセスを設定しても、手動による設定プロセスは同じです。
テキストエディタで/etc/slp.confを開きます。
次の行を見つけます。
;net.slp.useScopes = myScope1, myScope2, myScope3
重要:環境設定ファイルの例で、各カンマの後にあるスペースは無視されません。見落としがちなため、注意が必要です。
つまり、このステートメントで作成または設定されている最初のカンマの後のスコープ名には先頭にスペースが入ります。たとえば、最初のスコープ名はmyScope1
ですが、その後のスコープ名には、 myScope2
、 myScope3
と、先頭にスペースが入ります。特に、2番目以降の名前が、後続のSLPの設定で最初の名前となって、先頭のスペースが無視された場合に問題が発生します。
例に示されたスコープ名を使用する場合は、エントリ間にあるスペースを削除してください。
セミコロンを削除し、このサーバからアクセスするスコープの名前を入力して、この行を変更します。
正しいスコープ名がわからない場合は、同じネットワークセグメントのNetWareサーバのSLP設定を参照できます。サーバ上のNovellリモートマネージャにログインして、[
]をクリックし、[ ]を選択します。カンマで区切って(スペースなし)、複数のスコープを指定できます。
たとえば、次のように行を変更します。
net.slp.useScopes = Directory
次の行を見つけます。
;net.slp.DAAddresses = myDa1,myDa2,myDa3
セミコロンを削除し、Novell SLP DAの実際のIPアドレス(必要な場合はNRMを使用)を入力して、この行を変更します。
net.slp.DAAddresses = IP_Address
ファイルを保存して閉じます。
Linuxのコマンドプロンプトで、次を入力して、SLPデーモンを再始動して設定をリセットします。
rcslpd restart
次のコマンドを入力して、設定したDAおよびスコープが認識されていること確認します。
slptool findsrvs service:
DAサーバが一覧表示されるはずです。
slptool findscopes
スコープが一覧表示されるはずです。
OES 2 Linuxのインストール後にこれを行った場合は、次の名前を入力してツリーが見つかるかを確認します。
slp findsrvs service:ndap.novell