ZENworks Asset Managementでは、購入したソフトウェアライセンス数をインベントリスキャン中に検出された実際のソフトウェアインストール数と比較して、組織がソフトウェア使用許諾に従っているかどうかを監視できます。
Asset Managementライセンスコンプライアンスは、強力で柔軟なツールです。この結果、ライセンスコンプライアンスを設定する際に複数のアプローチと方法を使用できます。次のセクションでは、ライセンスコンプライアンスを監視する製品をすばやく設定するため、最小限の説明で基本的な手順を説明します。この基本シナリオを把握したら、『ZENworks Asset Managementリファレンス』のライセンスコンプライアンス
を参照して、詳細な情報と手順を理解してください。
コンプライアンス監視の実行を開始する前に、次の例とそれに続くテキストで説明されているように、関連するコンポーネントやその機能について把握する必要があります。
図 8-1 ライセンスコンプライアンスコンポーネント
管理ゾーン内のデバイスをスキャンして、インストールされたソフトウェア製品のリストを収集します。これらは、検出製品と呼びます。上記の例では、インベントリスキャンで、ProductAが15個のデバイスにインストールされていることがわかります。
組織で購入したソフトウェア製品を示すカタログ製品を作成します。一般に、各カタログ製品は特定の製作会社の部品番号に対応します。上記の例では、ProductAだけがカタログ製品です。ただし、ProductA、ProductA Upgrade、ProductBなどのカタログ製品がある場合もあります。
ソフトウェア製品の購入注文または請求書を示す購入記録を作成します。ライセンス購入記録の各細目には、カタログ製品と購入数量が表示されます。カタログ製品が複数の購入記録にリストされている場合、そのカタログ製品の総ライセンス数は両方の購入記録の購入数量に等しいです。上記の例において、1つの購入記録にはProductAの10個のライセンスがあり、もう1つの購入記録には8個のライセンスがあります。ProductAの総ライセンス数は18です。
ライセンス製品を作成し、検出された対応製品とカタログ製品をライセンス製品に関連付けます。これを行うことで、製品のライセンス数やインストール数が示された単一のライセンス製品を確認できます。その結果、製品の使用状況が製品ライセンス契約に準拠しているかどうかがすぐに示されます。上記の例で、ProductAのライセンス数は18個で、15個のデバイスにインストールされているので、ProductAはライセンス契約にコンプライアンスしています。
管理ゾーンのデバイスをスキャンしてインストールされている製品(検出製品と呼ばれる)についての情報を収集していない場合は、ソフトウェアインベントリおよびハードウェアインベントリの収集の手順を完了してください。
製品を検出した後、監視するコンプライアンスを選択します。
ZENworksコントロールセンターで、アセット管理タブをクリックし、次にライセンス管理タブをクリックします。
[ライセンス管理]パネルで、検出された製品をクリックし、[検出された製品]リストを表示します。
リストを参照して、使用する検出製品を選択します。
製品は、インストール済み数量列に少なくとも1つのインストールが表示されている必要があります。可能な場合、購入注文または請求書を使用できる製品を選択します。これによって、実際の情報を使用したシナリオが完了します。この方法を採用しない場合は、実際の購入ごとに購入情報を作成できます。後で使用できるように、選択した製品を記録しておいてください。
次のセクションのカタログ製品と購買記録の作成に進みます。
検出製品から、製品のインストール情報が得られます。製品購入についての情報を取得するには、カタログ製品と購買記録を作成します。
カタログ製品はソフトウェア製品を示します。購買記録からカタログ製品に購入した製品ライセンス数が入力されます。
次の手順では、インストールされた製品の検出で選択した検出製品に対してカタログ製品と購買記録を作成する方法を説明します。
ZENworksコントロールセンターで、アセット管理タブをクリックし、次にライセンス管理タブをクリックします。
カタログ製品を作成する:
[ライセンス管理]パネルで、カタログ製品をクリックします。
新規>カタログ製品の順にクリックして、新規カタログ製品の作成ウィザードを起動します。
次のフィールドに入力します。
製造元: ソフトウェア制作会社をリストから選択します。リストに正しい製造元がない場合は、製造元名を入力します(例、Novell、Symantec、Microsoftなど)。
製品名: 製品の名前を入力します。製品は、購入したソフトウェア製品パッケージ(SKU)を示す必要があります。たとえば、購入パッケージは「Product A Single License」または「Product A 10-Pack」となります。カタログ製品を作成している製品の請求記録がある場合、請求書の製品名を使用します。
パッケージ別ライセンス: 製品パッケージに含まれるライセンス数を指定します。
製品タイプ – 注: これらのフィールドは、オプションです。これらを使用して製品をさらに絞り込むことができます。
除外: このチェックボックスは選択しません。
次へをクリックして[概要]ページを表示してから、完了をクリックして、製品を[カタログ製品]リストに追加します。
ライセンス管理(ページの最上部にあるブレッドクラムパスにある)をクリックし、[ライセンス管理]ページに戻ります。
購買記録を作成する:
[ライセンス管理]パネルで、購入記録をクリックします。
新規>購入記録の順にクリックし、新規購入記録の作成ウィザードを起動します。
次のフィールドを入力します。
PO番号: ソフトウェア製品購入と関連付けられた購入注文番号または請求書番号を指定します。この製品に対する発注書または請求書がない場合は、任意の番号を使用します。
注文日付: ソフトウェアの購入日付を選択します。
受信者 – 販売者: これらのフィールドは、オプションです。これらを使用して購入記録を詳しく確認することができます。
[次へ]をクリックして[概要]ページを表示します。
追加のプロパティの定義ボックスを選択してから、完了をクリックして、購入記録を作成し、その[購入詳細]ページを表示します。
追加をクリックして、[購入詳細の追加]ダイアログボックスを表示してから、次のフィールドを入力します。
製品名:
をクリックして、ステップ 2で作成したカタログ製品を参照し、選択します。
数量: 購入製品の数量を指定します。たとえば、選択したカタログ製品がProductA 10パックで、購入注文がProductA 10パック5個の場合は、5を指定します。
ユニットMSRP -増値: これらのフィールドは、必須です。メーカー希望小売価格(MSRP)、支払った価格(ユニット単位)、および増値を指定します。総額フィールドを空白にすると、ウィザードから購入数量と単価を掛け合わせた数値が入力されます。
請求書番号 - コメント: これらのフィールドは、オプションです。これらを使用して購入をさらに特定することができます。
OKをクリックします。
次のセクションの「ライセンス製品の作成」に進みます。
Asset Managementでは、購入情報を電子ファイルからインポートすることもできます。処理中に、購買記録の他、購買記録に含まれるソフトウェア製品のカタログ製品も作成されます。詳細については、『ZENworks Asset Managementリファレンス』のライセンスコンプライアンス
を参照してください。
ソフトウェア製品のコンプライアンス設定の最終手順では、ライセンス製品を作成し、検出された製品とカタログ製品とに関連付けます。これによって、ライセンスコンプライアンスステータスの判定に必要なインストールとライセンスの情報がライセンス製品に指定されます。
次の手順では、自動調整ウィザードでライセンス製品を作成し、検出された製品とカタログ製品とに関連付ける方法を説明します。
ZENworksコントロールセンターで、アセット管理タブをクリックし、次にライセンス管理タブをクリックします。
[ライセンス管理]パネルで、ライセンスされた製品をクリックします。
[ライセンス製品]パネルで、アクション]>[自動調整済み: ライセンス製品の作成の順にクリックして、自動調整ウィザードを起動します。次の表からの情報を使用してフィールドに入力し、ウィザードを完了します。
[ウィザード]ページ |
詳細 |
---|---|
検出された製品フィルタ |
自動調整ウィザードは、既存の検出製品からライセンス製品を作成します。検出製品を検索するには、次の手順に従います。
|
作成するライセンス製品の選択 |
[検出された製品フィルタ]で指定した情報に基づいて、このページには検出された製品と、それに対して作成されるライセンス製品が表示されます。 ウィザードでは、[製造元]フィールドと[製品]フィールドを比較して、カタログ製品と検出製品の照合を試みます。作成したカタログ製品と検出した製品をウィザードで照合できた場合、カタログ製品もリストされます。ライセンス製品と関連付けるカタログ製品を選択します。 ウィザードでカタログ製品と検出製品を照合できなかった場合、ウィザードを終了してからカタログ製品を手動で割り当てる必要があります。 |
宛先フォルダ |
新しいライセンス製品を配置するフォルダを選択します。 フィールドのデフォルト値は現在のフォルダです(自動調整ウィザードを起動したフォルダ)。別のフォルダを指定するには、 |
ライセンスエンタイトルメント |
各ライセンス製品には、少なくとも1つのエンタイトルメントとライセンスモデルが必要です。 エンタイトルメントは通常、使用許諾契約です。多くの場合、1つのライセンス製品にはエンタイトルメントが1つしかありません。ただし、複数のエンタイトルメントを許可することで、複数の使用許諾契約があるライセンス製品のコンプライアンスを判定できます。たとえば、同一製品で、フルライセンス契約とアップグレードライセンス契約を指定できます。同一製品に対して2つのライセンス製品を作成するのではなく、2種類のエンタイトルメントを持つ1つのライセンス製品を作成できます。 ライセンスモデルは、ライセンスの計上方法を指定します。ライセンスは、インストール、ユーザ、またはデバイス単位で計上できます。 このシナリオでは、説明としてインストールごとを指定し、ライセンスモデルとしてインストールごとを選択します。これによって、製品のインストールごとにライセンスが使用されます。 |
自動調整作成サマリ |
データを確認します。 |
まだこの操作を行っていない場合は、完了をクリックしてライセンス製品を作成し、[ライセンスされた製品]リストに追加します。
自動調整ウィザードでカタログ製品をライセンス製品と関連付けられない場合は、次の手順に従います。
ライセンス製品をクリックします。
ライセンスエンタイトルメントタブをクリックします。
[エンタイトルメント]パネルで、エンタイトルメントをクリックします。
所有権の証明タブをクリックします。
[カタログ製品]パネルで、追加をクリックします。
カタログ製品を選択し、OKをクリックして[カタログ製品]パネルに追加します。
[カタログ製品]パネルに、カタログ製品の購入数量が表示されます。これは、購入したカタログ製品の単位数です(購買記録に従う)。ライセンス数量も表示され、これは購入した単位に含まれるライセンスの合計数です。
コンプライアンスの監視に関する情報については、次のセクション、「コンプライアンスデータの表示」に進みます。
ライセンス製品のコンプライアンスステータスの確認に使用できるビューは2つあります。[ライセンスされた製品]ページを表示して、すべての製品のコンプライアンスステータスの概要を把握したり、ソフトウェアコンプライアンスレポートを生成してさらに詳細な情報を確認したりすることができます。
ZENworksコントロールセンターで、アセット管理タブをクリックし、次にライセンス管理タブをクリックします。
[ライセンス管理]パネルで、ライセンスされた製品をクリックし、[ライセンスされた製品]ページを表示します。
[ライセンスされた製品]リストには、すべてのライセンス製品と現在のコンプライアンスステータスが示されます。
ソフトウェア製品は正しくライセンスされています。購入ライセンスの数はインストール数と同じです。
このソフトウェア製品は必要以上のライセンスが取得されています。購入ライセンス数はインストール済みの数よりも多いです。
このソフトウェア製品はライセンス数が不足しています。購入ライセンス数はインストール済みの数よりも少ないです。
ZENworksコントロールセンターで、アセット管理タブをクリックし、次にライセンス管理タブをクリックします。
[ライセンス管理]パネルで、ライセンス管理レポートをクリックします。
[ライセンス管理の標準レポート]パネルで、ソフトウェアコンプライアンスをクリックします。
このパネルで、コンプライアンスレポートをクリックします。
ライセンス別のコンプライアンスデータが示されているレポートが表示されます。データはコンプライアンスステータス、製造元と値、または人口統計の条件別にフィルタできます。特定のライセンス製品のコンプライアンスの詳細を確認するには、ライセンス数量を展開します。その他のレポートの情報については、『ZENworks Asset Managementリファレンス』を参照してください。
前のセクションで説明したシナリオでは、ZENworks Asset Managementで使用できるライセンスコンプライアンス機能のほんの一部を紹介しました。詳細については、『ZENworks Asset Managementリファレンス』のライセンスコンプライアンス
を参照してください。