ZENworks管理ゾーンに、1つ以上のサーバ(プライマリサーバおよびサテライト)が含まれている場合、デバイスがどのサーバに接続されるのかを指定する必要があります。[最近接サーバルール]パネルでは、デバイスが接続するサーバを決めるルールを作成できます。最近接サーバルールでは、サテライトとして設定されているデバイスは、サーバと見なされます。
デバイスがサーバに接続する理由として、次の基本的な機能があります。
コレクション: インベントリおよびメッセージログの情報は各デバイスから収集され、ZENworksコントロールセンターで表示したり、レポートに出力することができます。各ZENworksプライマリサーバおよび任意のサテライトはコレクションサーバとして動作できます。
コンテンツ: 管理対象デバイスにコンテンツが提供されます。各ZENworksプライマリサーバおよび任意のサテライトはコンテンツサーバとして動作できます。
設定: 環境設定および登録情報はデバイスに適用されます。ZENworksプライマリサーバのみが設定サーバとして機能できます。
認証: 管理対象デバイスは、ZENworksサーバにコンタクトして、管理ゾーンに対して認証します。各ZENworksプライマリサーバおよび任意のサテライトは認証サーバとして動作できます。
デバイスは、すべての機能に対して1つのサーバにコンタクトするか、各機能に対して別々のサーバにコンタクトすることができます。各デバイスには、適用される最密サーバルールが1つのみ存在します。デバイスの有効なルールは次のようにして決定されます。
デバイスの設定: デバイスに設定されたすべてのルールを評価します。デバイスがルールの基準を満たす場合、そのルールがデバイスの有効なルールになります。
フォルダ設定: 適用されるデバイスルールがない場合は、デバイスの親フォルダに設定されているすべてのルールが評価されます。デバイスがルールの基準を満たす場合、そのルールがデバイスの有効なルールになります。満たさない場合は、1つ上の階層のフォルダに設定されているルールを評価します。
管理ゾーン: 適用されるフォルダルールがない場合、管理ゾーンで設定されているすべてのルールを評価します。デバイスがルールの基準を満たす場合、そのルールがデバイスの有効なルールになります。基準を満たさない場合は、デバイスにデフォルトルールを適用します。
デフォルトルール: デバイス、フォルダ、または管理ゾーンのルールが適用されない場合は、デフォルトルールがデバイスに適用されます。このルールは、デバイスにコンタクトさせたい順番にコンテンツサーバを並べただけのリストです。
最近接サーバデフォルトルールは、ZENworks 11.4.xデバイスおよびZENworks 2017デバイスに適用できます。最近接サーバデフォルトルールをデバイスの最近接サーバの決定に使用したくない場合は、カスタマイズした最近接サーバルールを作成できます。ZENworks 11.4.xデバイスの最近接サーバルールは、3つのレベル(管理ゾーン、デバイスフォルダ、デバイス)で作成できます。管理ゾーンをZENworks 2017に対するベースラインにすると、これらの設定は無効になります。ZENworks Configuration Management 11.4.xデバイス用にカスタマイズした最近接サーバルールを作成する場合は、セクション 5.2.1, ZENworks 11.4.xデバイス用最近接サーバルールの作成を参照してください。ZENworks 2017デバイスの場合、カスタマイズした最近接サーバは、場所で設定されます。詳細については、『ZENworks Location Awareness Reference』のAdding Closest Servers to Locations
を参照してください。
次の各セクションを参照してください。
ZENworksコントロールセンターを起動します。
次のいずれかの操作を行います。
管理ゾーン向けの最近接サーバルールを作成するには、[設定]タブをクリックして、[インフラ管理]([管理ゾーンの設定]パネル)>[最近接サーバルール]の順にクリックします。
デバイスフォルダ向けの最近接サーバルールを作成するには、フォルダの詳細ページを開いて、[設定]>[インフラ管理]([設定]パネル)>[最近接サーバルール]の順にクリックします。
デバイス向けの最近接サーバルールを作成するには、デバイスの詳細ページを開いて、[設定]>[インフラ管理]([設定]パネル)>[最近接サーバルール]の順にクリックします。
(条件付き)デバイスまたはデバイスフォルダ向けに最近接サーバルールを作成する場合、[設定の上書き]をクリックし、[最近接サーバルール]パネルをアクティブ化します。
[上書き]オプション(描画なし)は、デバイスおよびデバイスフォルダレベルでのみ表示されます。
追加をクリックすると、ルール作成ダイアログボックスが表示されます。
[ルール名]フィールドに、ルールの名前を指定します。
ZENworksコントロールセンターの中の最近接サーバルールのリスト内に名前が表示されます。このリストにアクセスするには、左パネルにある[環境設定]をクリックし、[環境設定]タブをクリックし、[管理ゾーンの設定]パネルをクリックして開き、[インフラ管理]セクションをクリックして開き、最後に[最近接サーバルール]をクリックします。現在のレベルに対して定義されているすべてのルールがここに表示されます。
この最近接サーバルールに、一覧にしたサーバに最近接サーバのデフォルトルールを付加しない場合は、[最近接サーバのデフォルトルールを除外]チェックボックスをオンにします。
最近接サーバルール機能は、まずルール内で指定されているサーバを使用し、管理対象デバイスがその指定されたサーバを利用できない場合は、引き続き最近接サーバのデフォルトルール内に一覧にされている他のサーバを使用します。そのため、ルール内で指定されているサーバからのみコンテンツを取得するには、このチェックボックスをオンにして他のすべてのサーバを除外します。
[ルールロジック]フィールドを使用して、ルールの式を作成します。
式は基準オプション、演算子、および値から構成されます。たとえば、次のようにします。
DNS Name Filter equal to *.novell.com
DNS Name Filterは基準オプションで、equal toが演算子で、*.novell.comが値です。上の例では、最密サーバルールは、DNS名が.novell.comで終わるデバイスにのみ適用されることになります。
必要に応じて、NOTを使用して式の論理否定を実行できます。たとえば、次のようにします。
NOT DNS Name Filter equal to *.novell.com
上の例では、最密サーバルールは、DNS名が.novell.comで終わらないデバイスにのみ適用されることになります。
ルールには複数の式を使用できます。たとえば、次のようにします。
DNS Name Filter equal to provo.novell.com or IP Address equal to 192.168.67.12/24
次の条件を使用できます。
オプション |
説明 |
---|---|
DNS名フィルタ |
フィルタ基準を満たすDNS名に一致します。正確なフィルタを指定するか、クエスチョンマーク(?)やアスタリスク(*)をワイルドカードとして使用して、DNS名の中の1つ以上の文字と照合します。? は、1文字と一致し、*は1文字以上と一致します。例:
|
IP Address /n |
指定したCIDR (Classless Inter-Domain Routing)ブロックに含まれるIPアドレスに一致します。CIDRを使用すると、IPアドレスのドット付きの10進数の部分が、8ビットずつの4つのバイトから構成される32ビットの2進数に変換されます。スラッシュの後に続く数字(/n)は、プレフィックスの長さを表し、アドレスの左側から数えた共有初期ビットの数です。/nの数は0~32のいずれかで、8、16、24、および32が通常使われる数です。例:
|
任意のセクションに一覧にされているサーバを設定するには、次のいずれかを行います。
(条件付き)次のタスクを実行して、どのサーバリスト(コレクション、コンテンツ、設定、および認証)のそれぞれのサーバも管理できます。
タスク |
手順 |
追加の詳細 |
---|---|---|
リストにサーバを追加する |
|
デフォルトで、ZENworksサーバは、すべての機能(コレクション、コンテンツ、設定、および認証)をサポートします。したがって、どのサーバリストでも、すべてのZENworksサーバを選択できます。 ただし、サテライトは、特定の役割(コレクション、コンテンツ、イメージング、および認証)専用に設定できます。これは次のことを意味します。
サテライトの役割は、[環境設定]タブの[サーバの階層]パネルで設定されます。 |
リストを並べ替える |
|
リスト内の順序によって、コンタクトするサーバの順序が決まります。最初のリスト項目(サーバ、グループ、またはL4スイッチ)が最初にコンタクトされ、続いてリスト項目の2番目、3番目とコンタクトされます。 リスト内の項目の順序は別々に並べることができます。このため、あるリストで他のリストよりも上位に配置するサーバを変えることにより、デバイスによる作業負荷を分散できます。例:
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リストからサーバを削除する |
|
|
(条件付き)グループを使用して、サーバへの接続をランダム化します。同じ順序のリストがすべてのデバイスに送られないように、サーバリストはデバイスに送信されるたびにランダム化されます。
たとえば、サーバリストに次の項目が含まれているとします。
サーバ1
グループ1(サーバ2、サーバ3、サーバ4)
サーバ5
あるデバイスは、サーバ1、サーバ3、サーバ2、サーバ4、サーバ5というリストを受け取ります。
別のデバイスは、サーバ1、サーバ4、サーバ3、サーバ2、サーバ5という別のリストを受け取ります。
どちらの場合でもサーバ1が最初にリストされ、サーバ5が最後にリストされていますが、グループ1内のサーバの順序はランダム化されています。
次のタスクを実行して、どのサーバリスト(コレクション、コンテンツ、設定、および認証)のサーバグループも管理できます。
タスク |
手順 |
追加の詳細 |
---|---|---|
サーバグループを作成する |
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|
サーバをグループに追加する |
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|
リストを並べ替える |
|
リスト内の順序によって、コンタクトするサーバの順序が決まります。最初のリスト項目(サーバ、グループ、またはL4スイッチ)が最初にコンタクトされ、続いてリスト項目の2番目、3番目とコンタクトされます。 リスト内の項目の順序は別々に並べることができます。このため、あるリストで他のリストよりも上位に配置するサーバを変えることにより、デバイスによる作業負荷を分散できます。例:
|
あるリストから別のリストにグループをコピーする |
|
グループのサーバがまだ含まれていないリストにグループをコピーすると、リストにないサーバはグループから削除されます。たとえば、グループ1にサーバ1とサーバ2が含まれ、サーバ1を含まないリストにグループ1をコピーした場合、サーバ1はグループから削除されます。 |
サーバをグループから削除する |
|
サーバはサーバリストからは削除されません。グループから削除されるだけです。 |
グループを削除する |
|
グループのサーバは削除されません。グループだけが削除されます。 |
(条件付き) L4スイッチの背後でクラスタ化したZENworksサーバまたはサテライトがある場合は、L4スイッチを定義して、サーバをその定義に追加できます。これにより、L4スイッチは、これらのサーバ間でトラフィックを分散し続けられます。
タスク |
手順 |
追加の詳細 |
---|---|---|
L4スイッチ定義を作成する |
|
|
L4スイッチ定義にサーバを追加する |
|
|
リストを並べ替える |
|
リスト内の順序によって、コンタクトするサーバの順序が決まります。最初のリスト項目(サーバ、グループ、またはL4スイッチ)が最初にコンタクトされ、続いてリスト項目の2番目、3番目とコンタクトされます。 リスト内の項目の順序は別々に並べることができます。このため、あるリストで他のリストよりも上位に配置するサーバを変えることにより、デバイスによる作業負荷を分散できます。例:
|
L4スイッチ定義からサーバを削除する |
|
サーバはサーバリストからは削除されません。L4スイッチ定義から削除されるだけです。 |
L4スイッチ定義を削除する |
|
L4スイッチ定義のサーバは削除されません。定義だけが削除されます。 |
管理対象デバイスに向けて、同時にデータを送信するZENworksサーバの数を指定します。使用できるオプションは次のとおりです。
無制限: デフォルトでは、有効なルールのリストにリストされたすべてのサーバに関するコンタクト情報が、管理対象デバイスに送信されます。さらに、デフォルトルールにリストされているサーバのうち、有効なルールで除外されていないサーバが、この有効なルールにリストされているサーバに追加されます。
制限<number>リストごとのサーバ: サーバと管理対象デバイス間の帯域幅を節約する必要がある場合は、同時に管理対象デバイスにデータを送信するサーバの数を指定します。
メモ:また、最近接サーバのデフォルトルールにある[エージェントに返されるサーバを制限する]の設定値を指定することもできます。最近接サーバルールで設定した制限によって、最近接サーバデフォルトルールで設定した制限が上書きされます。
終了したら、[OK]をクリックして[最近接サーバルール]リストにルールを追加します。
必要に応じて、ルールの作成が終了したら次の操作を行います。
[上へ移動]および[下へ移動]ボタンを使用して、[最近接ルール]リストのルールの順序を変更します。
ルールはリストの中の順番どおりに評価されます。評価したい順序でルールを配置する必要があります。
ルールの設定を変更するには、目的のルールを選択して[編集]をクリックします。