64.5 セッション(マルチキャスト)モード(img session)

セッション(マルチキャスト)モードは、あるワークステーションのイメージを作成して、そのイメージを、1度の操作で、ネットワークを介して他の複数のワークステーションに同時に適用する場合に使用します。

重要:マルチキャストを正しく機能させるには、ネットワーク上のルータおよびスイッチでマルチキャスト機能を設定する必要があります。この設定を怠ると、マルチキャストパケットが正しくルーティングされない場合があります。

マルチキャストセッションを実行できるさまざまな方法の手順については、次の節を参照してください。

マルチキャストを実行するためには、各参加ワークステーションをイメージングデバイスからブートし、次の説明に従いこのモードでZENworksイメージングエンジンを実行する必要があります。イメージの取得元となるワークステーションはマスタ、イメージを受信するワークステーションは参加ワークステーションと呼ばれます。

ZENworks for Desktops 4以降では、イメージングサーバからマルチキャストセッションを開始できます。この方法でマルチキャストセッションを開始する場合は、セッションマスタとしてワークステーションではなくマルチキャストの対象となるイメージファイルを指定します。

bashプロンプトを使用して、次の例は、セッションパラメータと一緒に使用できる構文や利用可能なパラメータを説明します。

img session name [master|client] [clients=count [t=minutes]]

コマンド

表 64-9 Img Sessionのパラメータ

パラメータ

Description

name

マルチキャストセッション名。セッションに参加する各ワークステーションで、このパラメータに同じ値を使用します。

メモ:この名前は同時に実行されるマルチキャストセッションとは別の特有のものにする必要があります。マルチキャストセッション用のクラスDのIPアドレスを生成するうえで、ZENworksイメージングエンジンによりハッシュされます。簡単にトラブルシューティング(問題を突き止める)できるように、すべてのデスクトップ管理ワークステーションイメージングマルチキャストのアドレスを231で開始するようにします。たとえば、セッション名「mcast01」の生成するマルチキャストアドレスは231.139.79.72になります。

master|client

このワークステーションがセッションマスタまたはセッションクライアントであることを指定するためのパラメータです。

このパラメータが指定されていない場合は、どれか1つのワークステーションで「m」が押され、マスタとなるワークステーションが指定されるまで、または[Manually Start Multicast (マルチキャストを手動で開始)]が選択され、必要な情報の入力後に[はい]の選択によりイメージングサーバからイメージングセッションが開始されるまでの間、ZENworksイメージングエンジンは待機します。

clients=count

イメージングを開始するまでにマスタに関連付けて登録する必要がある参加ワークステーションの数。このオプションは、セッションマスタにのみ適用されます。

このパラメータが指定されていない場合、ZENworksイメージングエンジンはマスタユーザが「g」を押すのを待機します。イメージングが開始後、参加ワークステーションの登録要求は拒否されます。

time=minutes

登録済み参加ワークステーションの数がcountに指定されている数に達していない場合に、次の参加ワークステーションの登録を受け付けるマスタコンピュータの待機時間を示す分数。この時間が経過すると、イメージングプロセスが開始されます。このオプションは、セッションマスタにのみ適用されます。

このパラメータが指定されていない場合は、countに指定されている数に達するか、マスタユーザが「g」を押すまで、イメージングプロセスが開始されません。それ以降は、参加ワークステーションの登録要求は拒否されます。

表 64-10 Img Sessionの例

説明

img session mcast01

マルチキャストセッションmcast01を開始します。イメージングの開始前に順次このコマンドを発行した各ワークステーションが、セッションに参加します。いずれかのユーザが、「m」を押してそのコンピュータをマスタとして指定した後で、「g」を押してイメージングを開始するか、[Manually Start Multicast (マルチキャストを手動で開始)]を選択して必要な情報を入力した後で、[はい]を選択してイメージングサーバからイメージングセッションを開始するまで、イメージングは開始されません。

img session mcast01 m

マルチキャストセッションmcast01を開始し、そのワークステーションをマスタとして指定します。イメージングの開始前に順次img session mcast01を発行した各ワークステーションが、参加ワークステーションとしてセッションに参加します。マスタユーザが「g」を押すまで、イメージングは開始されません。

img session mcast01 master clients=5

マルチキャストセッションmcast01を開始します。イメージングの開始前に順次img session mcast01を発行した各ワークステーションが、セッションに参加します。いずれかのユーザが、「m」を押してそのワークステーションをマスタとして指定するか、[Manually Start Multicast (マルチキャストを手動で開始)]を選択して必要な情報を入力した後で[はい]を選択してイメージングサーバからイメージングセッションを開始するまで、イメージングは開始されません。セッションを開始するには、あと5台の参加ワークステーションの登録が必要です。

img session mcast01 master clients=5 time=20

マルチキャストセッションmcast01を開始します。イメージングの開始前に順次img session mcast01を発行した各ワークステーションが、セッションに参加します。いずれかのユーザが、「m」を押してそのワークステーションをマスタとして指定するか、[Manually Start Multicast(マルチキャストを手動で開始)]を選択して必要な情報を入力した後で[はい]を選択してイメージングサーバからイメージングセッションを開始するまで、イメージングは開始されません。セッションは、他の5台の参加ワークステーションが登録されるか、参加登録の入力がないまま20分を経過するか、どちらか早い方の時点に開始されます。