44.6 データベースからのレポートの作成

Application Launcherによって記録されたアプリケーションイベントに関する情報を確認するには、ZENworks Database Managementに含まれている定義済みレポートを使用するか、自分のデータベースツールを使用して独自のカスタムレポートを作成することができます。次の節ではそれらの手順について説明します。

44.6.1 定義済みレポート

ZENworks Desktop Managementには、定義済みのレポートが含まれており、成功したアプリケーションイベントと失敗したアプリケーションイベントを確認することができます。

定義済みのレポートを生成するには、次の手順を実行します。

  1. デスクトップ管理データベースオブジェクトを右クリックし、[レポート中]をクリックします。

  2. [使用可能なレポート]リストで、[ZENworks Application Launcher]カテゴリを展開し、必要なレポートを選択します。

  3. [選択したレポートの実行]をクリックします。

44.6.2 カスタムレポート

カスタムレポートを作成すると、定義済みレポートに含まれていない情報を検索したり、様々な形式のレポートを生成したりできます。次のサンプルは、ZENworksに同梱されているSybaseデータベースを使用する場合に、レポートの生成に使用できるSQLクエリを示しています。詳細については、データベースのテーブルおよびフィールドを参照してください。

イベントのすべてのフィールド

次のクエリは、データベースに格納された成功イベント、失敗イベント、またはローグプロセス管理イベントのすべての情報フィールドを返します。イベントは、データベースに入力された順にソートされます。

SELECT * FROM T_SUCCESS
SELECT * FROM T_FAILURE
SELECT * FROM T_INFO

イベントのすべてのフィールド(特定のフィールドでソート)

特定のフィールドでリストをソートするには、次の例のようにORDER BY field_nameを追加します。

SELECT * FROM T_SUCCESS ORDER BY zenWSTDN
SELECT * FROM T_FAILURE ORDER BY zenAppTDN
SELECT * FROM T_INFO ORDER BY zenUserTDN

有効なフィールド名は、データベースのテーブルおよびフィールドの表に一覧表示されています。

特定のイベントタイプの全フィールド

あるイベント(成功、失敗など)の特定のイベントタイプ(起動、配布など)のみを含めるには、次の例のようにWHERE zenEventType="event_type"を追加します。

SELECT * FROM T_SUCCESS WHERE zenEventType="Launch Success"
SELECT * FROM T_FAILURE WHERE zenEventType="Launch Failure"
SELECT * FROM T_INFO WHERE zenEventType="Process Terminated"

有効なイベントタイプは、データベースのテーブルおよびフィールドの表に一覧表示されています。

イベントの特定のフィールド

特定のフィールドのみを含めるには、次の例のように「*」をカンマで区切られたフィールドリストに置き換えます。

SELECT zenEventType,zenDateTime,zenUserTDN,zenAppTDN FROM T_SUCCESS WHERE zenEventType="Cache Success" ORDER BY zenUserTDN

44.6.3 データベースのテーブルおよびフィールド

データベースは次の3つのテーブルを含んでいます。

  • T_Success: 成功イベントに関する情報を格納します。

  • T_Failure: 失敗イベントに関する情報を格納します。

  • T_Info: ローグプロセス管理イベントに関する情報を格納します。ローグプロセス管理の詳細については、セクション 41.0, ローグプロセスの制御を参照してください。

各データベーステーブルには17個の情報フィールドが含まれています。次の表に、フィールドとそのフィールドを含むデータベーステーブルを一覧表示します。すべてのフィールドのデータ型はvarchar (256)です。

表 44-2 データベースのテーブルおよびフィールド

フィールド

テーブル

説明

zenEventType

T_Success T_Failure T_Info

発生したイベント。

  • 成功イベントタイプ(T_Success)は次のとおりです。

    Launch SuccessDistribute SuccessUninstall SuccessCache SuccessProcess Terminated

  • 失敗イベントタイプ(T_Failure)は次のとおりです。

    Launch Failed Distribute Failed Uninstall Failed Cache Failed Filter Hide Filter Show

  • ローグプロセス管理イベントタイプ(T_Info)は次のとおりです。

    Process Terminated Process Ignored

zenDateTime

T_Success T_Failure T_Info

イベントが発生した日時。

zenUserTDN

T_Success T_Failure T_Info

イベントが発生した対象ユーザの識別名とツリー。

zenWSTDN

T_Success T_Failure T_Info

イベントが発生したワークステーションの識別名とツリー。ワークステーションがワークステーションオブジェクトとしてeDirectoryにインポートされていない場合は、このフィールドに「WORKSTATION NOT REGISTERED」が表示されます。

zenWSAddr

T_Success T_Failure T_Info

イベントが発生したワークステーションのIPX™またはIPアドレス。

zenAppTDN

T_Success T_Failure T_Info

イベントが発生した対象アプリケーションオブジェクトの識別名とツリー。

ローグプロセスはアプリケーションオブジェクトを持たないので、T_Infoテーブルでは常にこのフィールドは「ZEN Process Management」になります。

zenAppGUID

T_Success T_Failure T_Info

アプリケーションオブジェクトに割り当てられたGUID。GUIDは、アプリケーションオブジェクトの[オプション]ページ([配布オプション]タブ)に表示されます。

ローグプロセスはアプリケーションオブジェクトを持たないので、T_Infoテーブルでは常にこのフィールドは空になります。

zenAppVer

T_Success T_Failure T_Info

アプリケーションオブジェクトに割り当てられたバージョン番号。0~65535の範囲の番号です。バージョン番号は、アプリケーションオブジェクトの[オプション]ページ([配布オプション]タブ)に表示されます。

ローグプロセスはアプリケーションオブジェクトを持たないので、T_Infoテーブルでは常にこのフィールドは空になります。

zenMajor

T_Success T_Failure T_Info

成功イベント(T_Successテーブル)では、このフィールドは常に「0」になります。

失敗イベント(T_Failureテーブル)では、このフィールドには、Application Launcherによって生成されたエラーコードが表示されます。

ローグプロセスのイベント(T_Infoテーブル)では、このフィールドは空のままです。

zenMinor

T_Success T_Failure T_Info

成功イベント(T_Successテーブル)では、このフィールドは常に「0」になります。

失敗イベント(T_Failureテーブル)では、このフィールドには追加のエラーコード情報が表示されます。

ローグプロセスのイベント(T_Infoテーブル)では、このフィールドは空のままです。

zenEventString1

T_Failure T_Info

失敗イベント(T_Failureテーブル)では、このフィールドに失敗の理由について記述する追加情報が表示される場合があります。

ローグプロセスイベント(T_Infoテーブル)では、このフィールドにはローグプロセスの実行可能ファイルへのパスが表示されます。

zenEventString2

T_Failure T_Info

失敗イベント(T_Failureテーブル)では、このフィールドに失敗の理由について記述する追加情報が表示される場合があります。

ローグプロセスイベント(T_Infoテーブル)では、このフィールドにはプロセスの元のファイル名が表示されます。

zenEventString3

T_Failure T_Info

失敗イベント(T_Failureテーブル)では、このフィールドに失敗の理由について記述する追加情報が表示される場合があります。

ローグプロセスイベント(T_Infoテーブル)では、このフィールドにはプロセスID (PID)が含まれます。

zenEventString4

T_Failure T_Info

失敗イベント(T_Failureテーブル)では、このフィールドに失敗の理由について記述する追加情報が表示される場合があります。

ローグプロセスイベント(T_Infoテーブル)では、このフィールドには親プロセスID (親PID)が含まれます。

zenEventString5

T_Failure T_Info

失敗イベント(T_Failureテーブル)では、このフィールドに失敗の理由について記述する追加情報が表示される場合があります。

ローグプロセスイベントでは、このフィールドにはイベントアクション「process ignored」または「process terminated successfully」が表示されます。

zenAppFlags

T_Success T_Failure T_Info

成功イベント(T_Successテーブル)と失敗イベント(T_Failureテーブル)では、このフィールドにはアプリケーションオブジェクトのビットマスクが表示されます。

ローグプロセスのイベント(T_Infoテーブル)では、このフィールドは常に0です。