24.1 NALキャッシュの構造と内容
デフォルトでは次の例に示すように、NALキャッシュディレクトリはドライブのルートに隠しディレクトリ\nalcacheとして作成されます。
アプリケーションがユーザまたはワークステーションに関連付けられると、Application Launcherは\nalcacheディレクトリの下にアプリケーション用のディレクトリを作成します。アプリケーションのディレクトリには、アプリケーションオブジェクトのeDirectory識別名と同じ名前(たとえばSimple App.applications.novell)が付けられ、起動キャッシュとインストールキャッシュを構成するファイルが含まれています。これら2つのキャッシュについては次の節で説明します。
24.1.1 起動キャッシュ
アプリケーションの起動キャッシュ内のファイルには、Application Launcherがアプリケーションを起動、実行、およびアンインストールするのに必要な情報が含まれています。アプリケーションがワークステーションに配布されるときに、Application Launcherはアプリケーションの起動キャッシュを自動的に作成します。Application Launcherがまだアプリケーションをワークステーションに配布していない場合、起動キャッシュには、アプリケーションのアイコンをワークステーションのデスクトップに表示するのに必要な情報のみが含まれています。
起動キャッシュファイルはアプリケーションディレクトリ(nalcache\edirectory_tree\app_objectディレクトリ)の直下に置かれます。次の表は起動キャッシュファイルを示しています。アプリケーションオブジェクトの設定によっては、一部のファイルが必要でない場合があり、それらのファイルは起動キャッシュに含まれません。
表 24-1 起動キャッシュ
complete.bin |
アプリケーションオブジェクトの完全なeDirectory名が含まれています。このファイルがない場合、Application Launcherは不正なキャッシュと見なして、キャッシュを再作成します。 |
dsattr.bin |
アプリケーションオブジェクトのすべてのeDirectory属性が含まれています。 |
delta.bin |
デルタキャッシュとしてキャッシュにフラグを付けます。キャッシュは、Application Launcherがアプリケーションのアイコンをデスクトップに表示するために必要な情報のみを含み、Application Launcherがまだアプリケーションをワークステーションに配布していない場合のみ存在することを意味します。Application Launcherがアプリケーションを配布した後、このファイルは削除されます。 |
files.bin |
キャッシュファイルのファイル必須要素が含まれています。 |
folders.bin |
アプリケーションオブジェクトが表示されるApplication Launcherウィンドウのフォルダと[スタート]メニューのフォルダの一覧が含まれています。 |
strm1.bin |
アプリケーションオブジェクトのアイコンが含まれています。 |
strm2.bin |
テキストファイルのすべての変更内容が含まれています。 |
strm3.bin1 |
ワークステーションにコピーされるすべてのファイルが含まれています。 |
strm4.bin1 |
初期配布時に行われるレジストリの変更内容が含まれています。 |
strm5.bin1 |
初期配布時に行われるINIの変更内容が含まれています。 |
strm6.bin1 |
初期配布時に行われるショートカットの変更内容が含まれています。 |
strm7.bin |
マクロ情報が含まれています。 |
strm8.bin |
スケジュール情報が含まれています。 |
strm9.bin |
システム要件情報が含まれています。 |
strm10.bin |
管理者のメモが含まれています。 |
strm11.bin |
シャットダウンスクリプトが含まれています。 |
strm12.bin |
スタートアップスクリプトが含まれています。 |
strm13.bin1 |
アプリケーションを起動するたびに行われるレジストリの変更内容が含まれています。 |
strm14.bin1 |
アプリケーションを起動するたびに行われるINIの変更内容が含まれています。 |
strm15.bin1 |
アプリケーションが起動されるたびにワークステーションにコピーされるファイルが含まれています。 |
strm16.bin |
アプリケーションを起動するたびに行われるテキストファイルの変更内容が含まれています。 |
strm17.bin1 |
アプリケーションを起動するたびに変更されるアイコンが含まれています。 |
strm18.bin |
実行される環境変数設定が含まれています。 |
strm19.bin |
配布前のスクリプトが含まれています。 |
strm20.bin |
配布後のスクリプトが含まれています。 |
strm21.bin |
インストール前のスケジュール情報が含まれています。 |
1 アプリケーションファイル、INI設定、ショートカットアイコン、レジストリ設定を含むファイル以外のすべてのファイルは、Application Launcherが時間による更新または手動更新を実行するたびに更新されます。更新されなかったファイルは、バージョン番号(アプリケーションオブジェクト>タブ>ページの順に選択)が変わるまで変更されません。これにより、Application Launcherは必要に応じて、アプリケーション(ファイル、INI設定、ショートカット、レジストリ設定を含む)を正常にアンインストールすることができます。
24.1.2 インストールキャッシュ
インストールキャッシュには、アプリケーションをインストールまたは検証(修復)するのに必要なアプリケーションソースファイルが含まれています。次の2つの状況では、Application Launcherにより、アプリケーションのインストールキャッシュが作成されます。
- アプリケーションが[強制キャッシュ]に設定されている。アプリケーションがユーザまたはワークステーションに関連付けられている限り、Application Launcherには、強制キャッシュアプリケーションのインストールキャッシュが含まれます。
- アプリケーションが[強制キャッシュ]に設定されていないが、Application Launcherがリモートモードで実行されており、アプリケーションが起動している。この場合、Application Launcherによってアプリケーションがインストールキャッシュにコピーされ、配布されます (これによって起動キャッシュが生成されます)。アプリケーションの起動後、Application Launcherによってインストールキャッシュが削除されます。
nalcache\edirectory_tree\app_object\installディレクトリに、インストールキャッシュが作成されます。
インストールキャッシュ内のファイルは圧縮されていますが、それでもワークステーションのローカルドライブで大きなディスク容量が必要です。したがって、eDirectoryから切断されているときにユーザがアプリケーションをインストールまたは検証する必要がある場合のみ、アプリケーションをキャッシュするようにします。
アプリケーションは、インストールキャッシュにキャッシュされていなくても、切断モードで実行できます。アプリケーションを切断モードで実行するには、ワークステーションに配布(インストール)しておく必要があります。アプリケーションをインストールキャッシュにキャッシュすることによってできることは、アプリケーションを切断モードでインストールまたは検証(修復)することのみです。