この節では、ZENworks Desktop Management起動前サービスを理解するために役立つ、次の情報を紹介します。
イメージング処理がどのように動作するのかを理解するために、次を確認します。
PXEが有効なワークステーションがブートを開始するときには、DHCP検出要求を送信して起動前サービスのイメージングサーバのIPアドレスを決定します。DHCPサーバはクライアントが使用するIPアドレスで応答し、プロキシDHCPサーバはトランザクションサーバ、TFTPサーバ、およびMTFTP (マルチキャストTFTP)サーバのIPアドレスと、起動前サービスクライアントのファイル名で応答します。
PXEワークステーションはTFTPまたはMTFTPのいずれかを使用して、起動前サービスクライアント(dinic.sys)をダウンロードします。
起動前サービスクライアントがダウンロードされて実行されると、ワークステーションは起動前サービストランザクションサーバをチェックし、実行するイメージング処理があるかどうかを確認します。実行するイメージング処理があれば、サーバからデスクトップ管理ワークステーションイメージング環境(linux.1、linux.2、およびloadlin.exe)をダウンロードします。これで、ワークステーションはLinuxでブートされ、イメージング処理の実行が可能になります。実行するイメージング処理がない場合は、これらのファイルはダウンロードされず、ワークステーションはそのオペレーティングシステムでのブートを続行します。
次の図は、起動前サービス(PXE)クライアントワークステーションと起動前サービスのイメージングサーバ間のやり取りを示しています。このやり取りは、PXEクライアントワークステーションの電源が投入されてブートが始まると開始され、そのワークステーションでイメージング処理が始まると終了します。
3つの図は、1つのプロセス全体を示しています。最初の図は手順1~5、2つ目の図は手順6~11、3つ目の図は手順12~19を示します。各番号は、図の後の表の説明文に対応しています。
DHCPサーバと起動前サービスのイメージングサーバは追加の設定を行うと同じサーバから実行できますが、この例では、ネットワーク上の2つの別々のサーバです。また、この例はクライアントワークステーションとサーバが同じセグメントにあることを前提としています。
図 56-1 起動前サービスの処理、図1 (手順1~5)
表 56-1 起動前サービスの処理、手順1~5
手順 |
説明 |
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ワークステーションの電源が投入され、ブートが始まります。PXE (BIOS、ネットワークインタフェースカード、またはPXE-on-Diskブートディスクでトリガ)は、ネットワークにDHCP要求を送信します。DHCP要求には、PXE拡張が含まれています。 |
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DHCPサーバはワークステーションが使用するIPアドレスで応答します。この手順は、手順3の前に発生する場合もあれば、後で発生する場合もあります。 |
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プロキシDHCPサーバは、起動前サービストランザクションサーバ、起動前サービスTFTP/MTFTPサーバのIPアドレス、および起動前サービスクライアント(dinic.sys)の名前で応答します。 起動前サービスクライアントには、オペレーティングシステムがロードされる前に、ネットワークでワークステーションを使用できるようにする起動前コンポーネントが含まれています。このコンポーネントによって、ワークステーションにオペレーティングシステムがインストールされていなくても、ワークステーションはトランザクションサーバに確実に接続できます(手順7)。 |
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TFTPまたはMTFTPを使用して、起動前サービスクライアント(dinic.sys)がPXEクライアントワークステーションにダウンロードされます。 TFTPはワークステーションのブートプロセスを高速化するため、デフォルトではTFTPが使用されますが、MTFTPを使用するように設定を変更できます。詳細については、セクション 56.2, デスクトップ管理起動前サービスのインストールおよびセットアップを参照してください。 手順1でPXE-on-Diskブートディスクを使用した場合、起動前サービスクライアントをダウンロードする必要はないため、この手順は発生しません。 |
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起動前サービスクライアントがPXEクライアントワークステーションにダウンロードされます。 |
図 56-2 起動前サービスの処理、図2 (手順6~11)
表 56-2 起動前サービスの処理、手順6~11
図 56-3 起動前サービスの処理、図3 (手順12~19)
表 56-3 起動前サービスの処理、手順12~19