48.7 [MSI]タブ

[MSI]タブは、MSIアプリケーション用に作成されたアプリケーションオブジェクトでのみ使用できます。

[MSI]タブには、次のページがあり、Microsoft Windows Installerを使用してインストールされたMSIアプリケーションの配布を設定および管理することができます。

48.7.1 [プロパティ]ページ

次の図に示す[プロパティ]プロパティページでは、MSIパッケージに含まれているパブリックプロパティの値を上書きしたり、新しいパブリックプロパティを追加したりすることができます。

図 48-51 アプリケーションオブジェクト>[MSI]タブ>[プロパティ]ページ

MSIパッケージには、アプリケーションの管理インストール中に定義されたプロパティ値が含まれています。これらのプロパティにより、Microsoft Windows Installerがユーザのワークステーションにアプリケーションをインストールする方法が決まります。場合によっては、一部のプロパティ値を変更することもできます。たとえば、ユーザの作業ファイルを保存するデフォルトの場所をプロパティ値が定義している場合があります。そのプロパティを[プロパティ]リストに追加して、プロパティの値を変更することにより、MSIパッケージで定義されているデフォルトの場所を変更することができます。

必要に応じて、MSIパッケージに含まれていなかったパブリックプロパティを追加することができます。その場合は、MSIパッケージに有効なプロパティのみを追加するように注意する必要があります。

追加

プロパティデータを上書きするには、プロパティ値を変更して、そのプロパティ値を[プロパティ]リストに追加し、MSIパッケージで定義された値以外のプロパティ値を使用することをApplication Launcherが認識するようにします。そのためには、[追加]をクリックして、[追加するプロパティを選択してください]ダイアログボックスを表示します。[値の名前]フィールドで上書きするプロパティを選択し、[値のデータ]フィールドで新しい値を指定します。次に、[OK]をクリックすると、選択したプロパティが[プロパティ]リストに追加されます。

まだMSIパッケージに含まれていない新しいプロパティを定義するには、[追加]をクリックして、[追加するプロパティを選択してください]ダイアログボックスを表示します。[値の名前]フィールドに新しいプロパティの名前を入力し、[値のデータ]フィールドでそのプロパティの値を指定します。[OK]をクリックすると、そのプロパティが[プロパティ]リストに追加されます。

プロパティと説明のリストは、Microsoft Developer Network (MSDN)を参照してください。

新しいプロパティを追加して定義することができますが、SOURCELISTプロパティは、Application Launcher で使用するため予約されています。

メモ:アプリケーション管理でMSIアプリケーションを配布し、インストールする際には、AlwaysInstallElevatedポリシーが使用されます。このポリシーでは、昇格された(システム)権利を使用してMSIアプリケーションをインストールします。そのため、ALLUSERSプロパティ値をnullに設定してアプリケーションをユーザ単位でインストールするために、[値のデータ]フィールドを空にしておく必要があります。二重引用符(““)を使用すると、配布が失敗します。

変更

[プロパティ]リストに表示されているプロパティを変更するには、変更するプロパティを選択して、[変更]をクリックし、[文字列値の編集]ダイアログボックスを表示します。値のデータを変更して[OK]をクリックします。

削除

[プロパティ]リストからプロパティを削除するには、削除するプロパティを選択して、[削除]をクリックします。プロパティを削除すると、その後アプリケーションをインストールするときには、MSIパッケージで定義されているプロパティ値を使用することになります。

48.7.2 [変換]ページ

次の図に示す[変換]プロパティページには、配布の際にMicrosoft Windows InstallerがMSIパッケージに適用する変換が一覧表示されます。変換により、MSIパッケージのプロパティを追加、削除、または変更して、さまざまなユーザグループに合わせてインストール処理をカスタマイズすることができます。

図 48-52 アプリケーションオブジェクト>[MSI]タブ>[変換]ページ

変換は、[変換]リストに表示されている順序で適用されます。2つの変換によって同じパッケージプロパティが変更される場合、そのプロパティには、最後に実行された変換で適用された値が保持されます。

.MSIパッケージに適用する変換の作成方法については、ソフトウェアアプリケーションに付属のマニュアルを参照してください。

追加

[追加]をクリックし、[変換リスト]に追加する変換ファイル(.mstファイル)を参照して選択します。[OK]をクリックすると、選択したファイルがリストに追加されます。変換ファイルが.msiファイルと同じディレクトリにある場合は、変換ファイルを参照して選択しなくても、[変換パス]フィールドにファイル名を入力するだけで済みます。ファイルを選択する場合は、結果のパスがすべてのユーザに共通のUNCパスまたはマッピングされたパスであることを確認してください。

削除

[変換リスト]から変換を選択し、[削除]をクリックして、その変換をリストから削除します。

上方向矢印と下方向矢印

[変換リスト]から変換を選択し、上方向矢印をクリックすると、選択した変換はリストの上方に移動します。下方向矢印をクリックすると、選択した変換はリストの下方に移動します。Microsoft Windowsインストーラでは、一覧表示されている順(上から下)に変換が適用されます。

48.7.3 [検証]ページ

次の図に示す[検証]プロパティページでは、アプリケーションを検証するように指示を受けたときにMicrosoft Windows Installerが実行するアクションを定義します。

図 48-53 アプリケーションオブジェクト>[MSI]タブ>[検証]ページ

ユーザがMSIアプリケーションを検証するときに、Application LauncherはWindows Installerを起動します。オプションを何も選択していない場合、Windows Installerは完全な検証を実行します。つまり、すべてのファイル、設定などが再インストールされることになります。オプションを選択した場合、Windows Installerは選択したオプションが指定するアクションのみを実行します。

再インストールオプションは相互排他のオプションであるため、いずれか1つのオプションしか選択できません。残りの4つのオプションは互いに独立したオプションであるため、これらのオプションの一部またはすべてを選択することも、1つも選択しないことも可能です。

ファイルが見つからない場合のみ再インストールする

失われているファイルがある場合のみ、そのファイルを再インストールするようにWindows Installerに指示します。

ファイルが見つからない場合または古いバージョンである場合に再インストールする

ファイルが失われている場合、またはインストールされているファイルのバージョンがMSIパッケージに含まれているバージョンより古い場合に、そのファイルを再インストールするようにWindows Installerに指示します。

ファイルが見つからない場合や、同じまたは古いバージョンである場合に再インストールする

ファイルが失われている場合、またはインストールされているファイルのバージョンがMSIパッケージに含まれているバージョンと同じか古い場合に、そのファイルを再インストールするようにWindows Installerに指示します。

ファイルが見つからない場合または同じバージョンでない場合に再インストールする

ファイルが失われている場合、またはインストールされているファイルのバージョンがMSIパッケージに含まれているバージョンと異なる場合に、そのファイルを再インストールするようにWindows Installerに指示します。

実行可能ファイルを検証し、見つからないまたは破損している場合は再インストールする

ファイルが失われている場合、またはファイルが破損していることがチェックサムで検証された場合、すべての実行可能ファイルに対するチェックサムを実行してファイルを再インストールするようにWindows Installerに指示します。MSIパッケージのFile TableのAttributes列にmsidbFileAttributesChecksumがあるファイルのみが修復されます。

バージョンに関係なくすべてのファイルを再インストールする

すべてのファイルを再インストールするようにWindows Installerに指示します。

必要なユーザごとのレジストリエントリを確認する

ユーザごとのエントリすべてを、MSIパッケージからWindowsのシステムレジストリに記述し直すようにWindows Installerに指示します。ユーザごとのエントリとは、HKEY_CURRENT_USERレジストリハイブおよびHKEY_USERSレジストリハイブに含まれているエントリです。

必要なコンピュータごとのレジストリエントリを確認する

コンピュータごとのエントリすべてを、MSIパッケージからWindowsのシステムレジストリに記述し直すようにWindows Installerに指示します。コンピュータごとのエントリとは、HKEY_LOCAL_MACHINEレジストリハイブおよびHKEY_CLASSES_ROOTレジストリハイブに含まれているエントリです。

ショートカットを確認する

MSIアプリケーションのショートカットを再インストールして既存のショートカットやアイコンを上書きするようにWindows Installerに指示します。

パッケージをインストールするために再キャッシュソースを使用する

ソースパッケージではなく、再キャッシュ(ローカル)ソースからファイルをインストールするようにWindows Installerに指示します。

48.7.4 [パッチ]ページ

次の図に示す[パッチ]プロパティページには、配布の際にMicrosoft Windows InstallerがMSIパッケージに適用するパッチファイルが一覧表示されます。各パッチは、[MSIパッチリスト]での表示順に適用されます。

図 48-54 アプリケーションオブジェクト>[MSI]タブ>[パッチ]ページ

追加

[追加]をクリックし、[MSIパッチリスト]に追加するパッチファイル(.mspファイル、またはその他のMSIベースのパッチファイル)を参照して選択します。[OK]をクリックすると、選択したファイルがリストに追加されます。パッチファイルが.mspファイルと同じディレクトリにある場合は、パッチファイルを参照して選択しなくても、[MSIパッチファイル]フィールドにファイル名を入力すれば済みます。ファイルを選択する場合は、結果のパスがすべてのユーザに共通のUNCパスまたはマッピングされたパスであることを確認してください。

変更

[MSIパッチリスト]からパッチを選択し、[変更]をクリックして、パッチの場所を編集します。

削除

[MSIパッチリスト]からパッチを選択し、[削除]をクリックして、そのパッチをリストから削除します。

上方向矢印と下方向矢印

[MSIパッチリスト]からパッチを選択し、上方向矢印をクリックすると、選択したパッチはリストの上方に移動します。下方向矢印をクリックすると、選択したパッチはリストの下方に移動します。Microsoft Windows Installerでは、パッチはリストでの表示順に従って上から順に適用されます。