56.3 起動前サービスサーバのセットアップの確認

この節では、デスクトップ管理起動前サービスのインストール後にその設定を確認する方法、および標準のDHCPサービスとプロキシDHCPサービスを同じサーバ上にセットアップする方法について説明します。

56.3.1 起動前サービスコンポーネントの概要

起動前サービスのコンポーネントは、サポートされているイメージングサーバによって異なります。

Linuxイメージングサーバ用の起動前サービスのコンポーネント

NetWareおよびWindowsイメージングサーバ用の起動前サービスのコンポーネント

起動前サービスの一部として、次のコンポーネントがインストールされます。

プロキシDHCPサーバ

起動前サービスプロキシDHCPサーバは標準のDHCPサーバと共に稼動し、TFTPサーバ、MTFTPサーバ、およびトランザクションサーバのIPアドレスを起動前サービスクライアントに通知します。また、プロキシDHCPサーバはPXEクライアントに応答し、使用するブートサーバ(TFTPまたはMTFTP)を示します。

TFTP/MTFTPサーバ

起動前サービスTFTP/MTFTPサーバは、イメージング処理の実行に必要なファイルを要求する起動前サービスクライアントによって使用されます。TFTPサーバは、これらのイメージングファイル(linux.1linux.2、およびloadlin.exe)の中央リポジトリも提供します。

PXEクライアントは、このサーバを使用して起動前サービスクライアントをダウンロードします。

TFTPはワークステーションのブートプロセスを高速化するため、デフォルトではTFTPが使用されますが、MTFTPを使用するように設定を変更できます。

トランザクションサーバ

起動前サービスクライアントはトランザクションサーバに接続し、ワークステーションで実行する必要のあるイメージング処理があるかどうかを確認します。

56.3.2 イメージングサーバのセットアップの確認

イメージングサーバでのセットアップの確認の方法は、サーバのプラットフォームによって異なります。

Linuxサーバでのセットアップの確認

NetWareサーバでのセットアップの確認

デスクトップ管理起動前サービスコンポーネントをインストールしたら、次のサービスをサーバにインストールして実行する必要があります。

  • pmap.nlm
  • tftp.nlm
  • pdhcp.nlm
  • dts.nlm

pxestart.ncfファイルを使用すると、1つのコマンドで起動前サービスを開始できます。

pxestop.ncfファイルを使用すると、1つのコマンドで起動前サービスを停止できます。

環境でデフォルトのマルチキャストIPをすでに使用している場合、またはPXEインストール済みファイルをデフォルトディレクトリから移動した場合を除き、これらのサービスのデフォルト設定を変更する必要はありません。

これらのサービスの設定方法については、NetWareでの起動前サービスサーバの設定を参照してください。

起動前サービスコンポーネントが、標準DHCPサーバでもあるNetWare® 6.xサーバにインストールされている場合は、NetWare 6.x DHCPサーバを参照してください。

Windowsサーバでのセットアップの確認

デスクトップ管理起動前サービスコンポーネントをインストールしたら、次のサービスをサーバにインストールして実行する必要があります。

  • プロキシDHCPサーバ
  • MTFTPサーバ
  • TFTPサーバ
  • トランザクションサーバ

環境でデフォルトのマルチキャストIPをすでに使用している場合、またはPXEインストール済みファイルをデフォルトディレクトリから移動した場合を除き、これらのサービスのデフォルト設定を変更する必要はありません。

これらのサービスの設定方法については、サーバの設定を参照してください。

起動前サービスコンポーネントがインストールされた2000/XP/2003サーバがDHCPサーバでもある場合は、Windows 2000 Advanced Serverを参照してください。

56.3.3 同じサーバ上への、標準のDHCPサービスおよびProxy DHCPサービスのセットアップ

標準のDHCPサービスおよびProxy DHCPサービスが同じサーバ上にある場合、サーバのプラットフォームに応じて次の操作を行います。

Linux DHCPサーバ

NetWare 6.x DHCPサーバ

同じNetWare 6.x DHCPサーバで標準DHCPサービスとプロキシDHCPサービスをセットアップするには、次の手順に従います。

重要:NetWare 5.1のDHCPプロトコルはオプション60を配布しないため、標準DHCPサーバをすでに実行しているNetWare 5.xサーバにプロキシDHCPサーバをインストールして実行することはできません。

NetWare 5.1サーバを実行していても、DHCPサービスをNetWare 6.xにアップグレードしている場合は、ステップ 1からステップ 6に従ってください。NetWare 6.xサーバを実行している場合は、ステップ 7から開始してください。

  1. NetWare 6.xからDNS-DHCPクライアントをインストールします。

  2. dhcpsrvr.nlmdnipinst.nlm、およびnddprefs.datを、サーバのsys:\systemディレクトリからバックアップの場所にコピーします。

  3. dhcpsrvr.nlmdnipinst.nlm、およびnddprefs.datを、NetWare 6.x CDのsys\systemディレクトリから、サーバのsys\systemディレクトリにコピーします。

  4. DNS-DHCPコンソールを使用して、DNSおよびDHCPのレコードをエクスポートします。

    DNS-DHCPロケータとグループオブジェクト、およびDNSゾーンオブジェクトのNovell eDirectory™の場所を確認します。

  5. システムコンソールで「load DNIPINST -R」と入力し、DNS-DHCPおよび関連するスキーマ拡張を削除します。

  6. システムコンソールで「load DNIPINST」と入力し、最新のDNS-DHCPおよびスキーマ拡張をインストールします。

  7. DNS-DHCPコンソールを使用して、DNSおよびDHCPのレコードをインポートします。

  8. DNS-DHCPコンソールで、ツールバーの[Global Preferences (グローバル初期設定)]をクリックし、[Global DHCP Options (グローバルDHCPオプション)]タブをクリックします。

    または

    DNS-DHCPコンソールで、左パネルのサブネットをクリックし、[Other DHCP Options (他のDHCPオプション)]タブをクリックします。

  9. [変更]をクリックします。

  10. [Available DHCP Options (使用可能なDHCPオプション)]の下の[Option 60 (オプション60)]を選択し、[追加]をクリックします。

  11. [Vendor Class Identifier (ベンダクラス識別子)]テキストボックスに「PXEClient」と入力し、[OK]を2回クリックします。

  12. このサーバがDNSサーバでもある場合には、システムコンソールで「load NAMED」と入力します。

  13. システムコンソールで「load DHCPSRVR」と入力します。

  14. テキストエディタを使用して、sys\system\pdhcp.iniに次の変更を加えます。

    USE_DHCP_Portを0に設定します。

    USE_BINL_PORTが1に設定されていることを確認します。

  15. pdhcp.nlmをアンロードし、再ロードします。

Windows 2000 Advanced Server

同じWindows 2000 Advanced Serverで標準DHCPサービスとプロキシDHCPサービスをセットアップするには、次の手順に従います。

  1. コマンドプロンプトで、「netsh」と入力します。

  2. netshプロンプトで、「dhcp server」と入力します。

  3. dhcpサーバプロンプトで、次のように入力します。

    add optiondef 60 ClassID STRING 0 PXEClient
    
  4. DHCPセットアップメニューで定義の種類を追加します。