29.1 ソフトウェアパッケージの理解

Novell GroupWiseやMicrosoft Officeなどの複雑なアプリケーションでは、多くのファイルをワークステーションにインストールし、ワークステーションの多くの環境設定を変更する必要があります。複雑なアプリケーションが正しく配布およびインストールされるようにするために、ZENworks Desktop Managementではソフトウェアパッケージの使用がサポートされています。

ソフトウェアパッケージには、ファイル、環境設定、およびアプリケーションのインストールに必要な説明が含まれています。次の節では、ZENworks Desktop Managementでサポートされている2つのタイプのソフトウェアパッケージについて説明します。

上記の節の情報のほかに、次の記事には、ソフトウェアパッケージおよびそれらを作するためのZENworks ユーティリィティに関する優れた情報が含まれています。

29.1.1 Microsoft Windows Installerパッケージ

Microsoft Windows Installerは、Windows 2000およびWindows XPオペレーティングシステムの一部として付属しているインストールおよび設定のサービスです。Windows 98のサービスパックでも提供されています。

Windows Installerによって使用されているソフトウェアパッケージは、Windows InstallerパッケージまたはMSIパッケージ(ファイルの拡張子が.msiであるため)と呼ばれます。Windows Installerパッケージは、一般的であり、Windowsアプリケーションの標準として認められています。ネイティブのWindows Installerの使用と関連する利点のため、できる限りWindows Installerパッケージを使用することをNovellではお勧めします。

ベンダから提供されたMSIパッケージ

アプリケーションをワークステーションにインストールするためにWindows Installerによって必要とされるファイルおよび環境設定を含むWindows Installerパッケージが、多くのソフトウェアベンダによって提供されています。この場合、パッケージをカスタマイズしない限り、パッケージをすぐに配布できます。

カスタマイズされたMSIパッケージ

組織内の異なるグループで同じアプリケーションを使用することがよくありますが、同じ機能セットを必要とするとは限りません。Windows Installerの利点の1つは、10個のグループで、10個の異なる機能セットまたは同じアプリケーションに対して別の修正を必要としている場合、各グループに異なる変換ファイル(MST)を適用して、10個のすべてのユーザグループに同じMSIパッケージを展開できます。

変換ファイルとは、MSIインストールに適用された変更のコレクションです。これには、機能がインストールされるかどうか、どのようにインストールされるか、どのファイル、ショートカット、およびレジストリエントリが含まれるか、および[プログラムの追加と削除]のアプレット情報などの、すべての変更情報が含まれています。

ベンダから提供されたMSIパッケージを持っている場合、FLEXnet AdminStudio 7.5 ZENworks Editionを使用して、変換を作成および管理できます。AdminStudio ZENworks Editionの使用の詳細については、セクション 46.0, リファレンス:AdminStudio ZENworks Editionを参照してください。

Windows Installer以外のインストール

すべてのWindowsアプリケーションが、Windows Installerによってインストールされるように設計されているとは限りません。多くのアプリケーションで、MacroVision InstallShieldなどの他のソフトウェアインストーラが使用されます。

AdminStudio ZENworks Editionには、Windows Installer以外のアプリケーションのMSIパッケージを作成することができるRepackagingウィザードが含まれています。AdminStudio ZENworks Editionの使用の詳細については、セクション 46.0, リファレンス:AdminStudio ZENworks Editionを参照してください。

29.1.2 ZENworks snAppShotパッケージ

Windows Installerパッケージは、アプリケーションの配布のためのお勧めするパッケージ形式です。アプリケーション用のWindows Installerパッケージを作成できない場合、ZENworks snAppShotユーティリィティを使用してソフトウェアパッケージを作成できます。

ZENworks snAppShotは、Windows Installerより前に作成されました。これにより、snAppShotパッケージまたはAOTパッケージ/AXTパッケージという、独自仕様のソフトウェアパッケージを作成できます。AOTはアプリケーションオブジェクトテンプレート(Application Object Template)の頭文字を示し、AXTはアプリケーションオブジェクトテンプレート(Application Object Text Template)の頭文字を示します。両方のパッケージには、同じ情報が含まれています。ただし、AOTパッケージは編集不可能なバイナリ形式であり、AXTパッケージは編集可能なテキストベース形式です。

snAppShotの詳細については、セクション 47.0, リファレンス:ZENworks SnAppShotを参照してください。