32.5 ワークステーションインベントリのアップグレード

ワークステーションインベントリをZENworks 6.5.x Desktop ManagementからZENworks 7にアップグレードするには、次の作業を示されている順序で実行します。

  1. セクション 32.5.1, アップグレードを実行する前に確認すべき事項の情報を確認します。
  2. セクション 32.5.2, アップグレードおよびデータベース移行の前に実行する必要がある作業で説明されている作業を実行します。
  3. セクション 32.5.3, ZENworks 6.5xワークステーションインベントリコンポーネントのアップグレードで説明されている作業を実行します。
  4. セクション 32.5.4, データベース移行後の作業で説明されている作業を実行します。

32.5.1 アップグレードを実行する前に確認すべき事項

インベントリコンポーネントをZENworks 6.5x Desktop ManagementからZENworks 7にアップグレードする場合は、事前に次の節で説明されている点を確認してください。

Inventory Server

  • ZENworks 7インベントリサーバとZENworks 6.5.xインベントリサーバは同じeDirectory™ツリーに共存させることができます。
  • ZENworks 6.5.x Desktop ManagementインベントリサーバはインベントリデータをZENworks 7インベントリサーバにロールアップできますが、ZENworks 7インベントリサーバはインベントリデータをZENworks 6.5.x Desktop Managementインベントリサーバにロールアップできません。

    インベントリデータをロールアップする場合は、ZENworks 6.5.x Desktop Managementインベントリサーバを上の階層から順にZENworks 7にアップグレードする必要があります。最初にルートサーバ、次に中間サーバ、最後にリーフサーバをアップグレードします。

  • ZENworks 6.5.x Desktop ManagementインベントリサーバおよびZENworks 7インベントリサーバはどちらも、ZENworks 7にアップグレードしたZENworks 6.5.x Desktop Managementロールアップポリシーを使用できます。
  • ZENworks 7インベントリデータベースを直接ZENworks 6.5.x Desktop Managementインベントリサーバに接続しないでください。同様に、ZENworks 6.5.x Desktop Managementインベントリデータベースを直接ZENworks 7インベントリサーバに接続しないでください。インベントリサーバとそのデータベースは同時にアップグレードします。サポートされるデータベース(Sybase、Oracle、およびMS SQL)はすべて移行できますが、ZENworks 7 Desktop ManagementのインストールではSybaseデータベースのみが自動的にアップグレードされます。
  • ZENworks 6.5.x Desktop ManagementインベントリサーバとZENworks 7インベントリサーバで、同じインベントリデータベースに直接インベントリデータを格納しないでください。
  • ZENworks 7インベントリサーバはZENworks 6.5.x Desktop Managementインベントリサーバの.zipファイルを処理できます。
  • インベントリサーバをZENworks 7にアップグレードした後、ZENworks 6.5.x Desktop ManagementインベントリサーバのSCANDIRディレクトリにあるZENworks 6.x Desktop Managementの.strおよび.zipファイルを削除しないでください。
  • ZENworks 6.5.x Desktop ManagementインベントリサーバをZENworks 7にアップグレードしても、インベントリサーバの役割は変更されません。

Inventory Agent(インベントリエージェント)

  • ZENworks 6.5.x Desktop Managementインベントリエージェントは、ZENworks 7インベントリサーバにインベントリデータを送信できます。つまり、データをZENworks 7インベントリデータベースに格納できます。

    ZENworks 7インベントリエージェントは、ZENworks 6.5.x Desktop Managementインベントリサーバにインベントリデータを送信できません。つまり、データをZENworks 6.5.x Desktop Managementインベントリデータベースに格納できません。

    インベントリサーバとインベントリデータベースのアップグレードを完了するまで、ZENworks 7 Inventory Agentにアップグレードしないでください。

  • ZENworks 6.5.x Desktop ManagementインベントリエージェントおよびZENworks 7インベントリエージェントはいずれも、ZENworks 7にアップグレードされたZENworks 6.5.x Desktop Managementインベントリポリシー、またはZENworks 7デスクトップ管理スナップインで作成されたZENworks 7インベントリポリシーを使用できます。
  • ZENworks 6.5.x Desktop Managementエージェントをワークステーションイメージングでインストールまたはアップグレードする場合は、必ず、未登録のZENworks 7 Desktop Managementワークステーションでイメージを取得してください。

管理コンソール

  • ConsoleOneのZENworks 7デスクトップ管理スナップインを使用して、ZENworks 6.5x Desktop ManagementとZENworks 7のインベントリデータとインベントリオブジェクト(インベントリサービスオブジェクト、データベースオブジェクト、ワークステーションインベントリポリシー、ロールアップポリシー、ディクショナリ更新ポリシー、データベースの場所ポリシーなど)を管理できます。
  • ZENworks for Desktops 6.5x Desktop ManagementのConsoleOneスナップインを使用して、ZENworks 7 Desktop Managementのインベントリデータやインベントリオブジェクトを管理することはできません。
  • ZENworks 6.5x Desktop ManagementまたはZENworks 7 Desktop Managementの管理コンソールを使用して、同じZENworks for Desktops 4.xインベントリオブジェクトを設定しないでください。

32.5.2 アップグレードおよびデータベース移行の前に実行する必要がある作業

セクション 32.5.1, アップグレードを実行する前に確認すべき事項の説明を確認してから、ZENworks 6.5.x Desktop Management からZENworks 7 Desktop Managementにアップグレードする前に、次の作業を順に実行する必要があります。

  1. Inventory Serviceを停止します。

    1. NetWare®インベントリサーバの場合:サーバコンソールのプロンプトで、「sys:\system\invstop.ncf」と入力します。

      Inventory Serviceを停止する際、Sybaseデータベースを自動的に停止させたくない場合は、sys:\system\invstop.ncf ファイルでUnload dbsrv8.nlm 行をコメント化します。

    2. Windows 2000/2003インベントリサーバの場合:コントロールパネルで[管理ツール][サービス]の順にダブルクリックします。次に、[Novell Inventory Service]を選択し、[停止]をクリックします。

  2. インベントリデータベースを停止します。

    1. NetWareの場合:Sybaseコンソールのプロンプトで、<Q>キーを押します。

    2. Windows 2000/2003の場合:コントロールパネルで[管理ツール][サービス]の順にダブルクリックし、[Novell Database - Sybase]を選択して[停止]をクリックします。

  3. ZENworks Webサーバを停止します。

    Windows 2000/2003の場合:コントロールパネルで[管理ツール][サービス]の順にダブルクリックします。次に、[Novell ZFS Web Server]を選択し、[停止]をクリックします。

  4. 対象になるNetWareサーバでJavaがアンロードされていない場合は、java.nlmをアンロードします(サーバコンソールで、「java -exit」と入力する)。

    重要:このコマンドにより、サーバで実行しているすべてのJavaプロセスが停止します。ZENworks 7 Desktop Managementを再インストールするときは、すべてのJavaプロセスが停止していることを確認してください。

  5. 対象になるWindowsサーバで、[サービス]ウィンドウを閉じます。

  6. ZENworks 6.5.x Desktop Managementデータベースのバックアップを作成し、保存したことを確認します。

  7. ConsoleOneからZENworks 6.5.x Desktop Managementデータベースにアクセスされていないことを確認します。

  8. 推奨されるZENworks 7ワークステーションインベントリ要件を満たしているかどうかを確認します。詳細については、セクション II, 準備を参照してください。

  9. ZENworks 6.5.x Desktop Managementのインストールの後にZENworks_installation_path\zenworks\inv\server\wminv\ properties\inventoryremoval.propertiesを修正していた場合には、inventoryremoval.properties.の信頼できるバックアップを作成してください。

  10. スキーマがZENworks 7に移行されていることを確認します。スキーマは、ZENworks 7 Desktop Managementのインストールプログラムを使用して移行できます。スキーマの拡張方法については、セクション 9.1.1, インストール前のスキーマの拡張を参照してください。

  11. インベントリサーバをアップグレードする前に、関連付けられたデータベースサーバのアップグレードが完了していることを確認します。

  12. ZENworks 6.5x Desktop ManagementデータベースでOracleを実行している場合は、移行前に次の作業を行う必要があります。

    1. Oracleのバージョンが9.2.0.6以降であることを確認します。

    2. inventory_database_installation_path\init.ora_path\init.oraで、次のパラメータの値を以下のように設定します。

      • db_cache_size=192M
      • sort_area_size=10000000
      • shared_pool_size = 157286400
      • open_cursors = 2048
      • log_buffer = 1024000
      • session_cached_cursors=2048
      • compatible=9.2.0

      キャッシュサイズおよびShared Global Area (SGA)を持つ共有プールのサイズは、物理RAMサイズの30~40%に増加することができます。

    3. インベントリデータベースが稼動していることを確認します。

      ORA-01555およびロールバックセグメントに関連した他の問題によりデータベースの移行およびその他データの保存が失敗する場合は、より大きなロールバックセグメントが必要になります。

    4. ロールバックセグメントの値を増やすには、次のSQLスクリプトを実行して、ロールバックセグメント(rbs)に他のデータファイルを追加し、Redoロググループを追加します。

      connect / as sysdba;
      
      alter tablespace rbs add datafile ’Inventory_database_installation_path\rbs2.ora’ size 40M autoextend on next 50K maxsize 60M;
      
      alter rollback segment rb0 storage (maxextents unlimited);
      
      alter rollback segment rb1 storage (maxextents unlimited); 
      
      ALTER DATABASE ADD LOGFILE GROUP 3 (’Inventory_database_installation_path\log3.ora’) SIZE 50M;
      
    5. インベントリデータベースを停止します。

    6. inventory_database_installation_path\path_to_init.ora\init.oraのcompatibleパラメータの値が9.2.0以上に設定されていることを確認します。

    7. データファイルのサイズが4096MBを超える場合、該当するテーブルスペースに追加のデータファイルを設定する必要があります。

    8. zenworks_installation_directory\zenworks\inv\server\wminv\properties\sql.zipから適切な、プラットフォーム固有のatlasperf_altertablespace.sqlを、C:に抽出します。

      WindowsでOracleを実行している場合は、sql.zip内のoracle\winntspecificディレクトリから atlasperf_altertablespace.sqlを抽出します。

      UNIXでOracleを実行している場合は、sql.zip内のoracle\unixspecificディレクトリからatlasperf_altertablespace.sqlを抽出します。

    9. atlasperf_altertablespace.sqlを編集し、すべてのデータファイルに対してmaxsizeの値を4GBの倍数に最も近い値に設定します。

      たとえば、CIM8.oraのサイズが5GBの場合、MAXSIZEの値を8192MBに設定します。

    10. atlasperf_altertablespace.sqlに表示されているすべてのデータファイルのファイルパスが正しいことを確認します。

    11. インベントリデータベースを再起動します。

    12. altaslperf_altertablespace.sqlを実行します。

32.5.3 ZENworks 6.5xワークステーションインベントリコンポーネントのアップグレード

ZENworks 7 Desktop Managementをインストールするコンピュータがインストール要件を満たしている場合は、ZENworks 7 Desktop Managementをインストールすることによって、ZENworks 6.5x Desktop Managementワークステーションインベントリコンポーネントをアップグレードできます。インストール要件の詳細については、セクション II, 準備を参照してください。

ZENworks 7 Desktop Managementインベントリサーバは、ZENworks 6.5x Desktop Managementと同じ役割のセットをサポートしています。したがって、ZENworks 6.5x Desktop ManagementからZENworks 7 Desktop Managementにアップグレードする場合、インベントリサーバの役割は保持されます。

ZENworks 7 Desktop Managementインストールプログラム(またはSP1インストールプログラム)によって、ZENworks 6.5x Desktop Managementのすべてのポリシーが自動的にZENworks 7 Desktop Management (またはZENworks 7 Desktop Management with SP1)に移行されます。

32.5.4 データベース移行後の作業

インベントリサーバのアップグレードとインベントリデータベースの移行が完了したら、次の作業を実行する必要があります。

  1. Inventory Serviceを停止します。

  2. インベントリデータベースがOracleを実行している場合、データベースのパフォーマンスを向上させるために次の手順を実行します。

    1. zenworks_installation_directory\zenworks\inv\server\wminv\properties\sql.zipからatlasperf_alterfreelist.sqlを抽出して、SQLPLUSプロンプトで実行します。

    2. inventory_server_installation_path\zenworks\inv\server\wminv\properties\sql.zipからoracle\common\oracle_perf.sql and oracle\common\oracle_perf2.sqlファイルを実行して、データベースにパフォーマンス向上用のインデックスを追加します。.

    3. Novell ZENworks 7 Companion 2 CD \database\oracle8i\commonディレクトリまたはNovell ZENworks 7 Companion with Support Pack 1 Companion 2 CD \database\oracle_x\commonディレクトリからoracle_dbexport_perf.sqlを実行します。

    4. (条件付き) ZENworks 6.5 Desktop Management SP1 Hot Patch 1またはHot Patch 2、またはZENworks 6.5 Desktop Management SP2から移行する場合には、zenworks_installation_directory\zenworks\inv\server\wminv\properties\sql.zipから\oracle\common\zfd65sp1hp1_65sp2_70.sqlを抽出して、SQLPLUSプロンプトで実行してください。

      インベントリデータベースのパフォーマンスの改善方法の詳細については、『Novell ZENworks 7 Desktop Management管理ガイド』の「ワークステーションインベントリ」の「Performance Tips (パフォーマンスに関するヒント)」を参照してください。.

  3. (オプション)インベントリデータベースでMS SQLを実行している場合、MS SQL Query Analyzerで、次に示す適切なユーザログインによってinventory_server_installation_path\zenworks\inv\server\wminv\properties\sql.zipから次のスクリプトを実行します。

    1. CIMとしてログインし、mssql_perf_cim.sqlを実行します。

    2. mw_dbaとしてログインし、mssql_perf_mw_dba.sqlを実行します。

    3. zenworksとしてログインし、mssql_perf_zenworks.sqlを実行します。

    4. (条件付き)ZENworks 6.5 Desktop Management SP1 Hot Patch 1またはHot Patch 2、またはZENworks 6.5 Desktop Management SP2から移行する場合は、CIMとしてログインし、\mssql\zfd65sp1hp1_65sp2_70.sqlを実行します。

      これにより、インベントリデータベースのパフォーマンスが向上します。

      インベントリデータベースのパフォーマンスの改善方法の詳細については、『Novell ZENworks 7 Desktop Management管理ガイド』の「ワークステーションインベントリ」の「Performance Tips (パフォーマンスに関するヒント)」を参照してください。.

  4. Inventory Serviceを開始します。