第5章

SilverJ2EEClient

この章では、J2EEアプリケーションのJavaベースのクライアントをホストするためにNovell exteNd Application Serverで提供されている機能であるSilverJ2EEClientについて説明します。トピックは次のとおりです。

SilverJ2EEClientについて

運用環境に「J2EEアプリケーションクライアント」が含まれている場合、これらを実行しているユーザコンピュータでは、SilverJ2EEClientをインストールして使用する必要があります。SilverJ2EEClientは、サポートJ2EEサービスの強力なセット(展開、JNDIネームスペースアクセス、およびセキュリティ認証を含む)を使用してクライアントをホストする、管理負荷の低いJ2EEアプリケーションクライアントコンテナです。

For more information J2EEアプリケーションクライアントの開発の詳細については、exteNd Directorヘルプを参照してください。

SilverJ2EEClientの機能

ユーザは、SilverJ2EEClientを呼び出して、アプリケーションサーバに展開したJ2EEアプリケーションクライアントを実行します。これらのクライアントをサポートするためにSilverJ2EEClientに用意されている機能には、次のものが含まれます。

機能	説明
コンテナインストール	SilverJ2EEClientは、簡単にサーバからダウンロードしてユーザコンピュータにインストールできます。
クライアント展開	ユーザが特定のクライアントを起動すると、SilverJ2EEClientは、そのクライアントの展開済みJARファイルの適切なバージョンがユーザコンピュータにすでに存在するかどうかを確認します。適切なバージョンがない場合は、サーバから自動的にダウンロードします。
通信プロトコル	サーバからユーザコンピュータにJARをダウンロードする際、SilverJ2EEClientは、通信プロトコルとしてHTTP (またはHTTPS)を使用します。その他すべての場合(EJBや他のリソースへのアクセスなど)は、RMI-IIOPまたはRMI-IIOP over SSL(保護されたEJB用)を使用します。その上、特定のタスクに必要な任意の通信プロトコルを使用するために、自由にクライアントクラスをコード化できます。
ユーザ認証	SilverJ2EEClientは、クライアントJARをダウンロードするためにサーバに接続したときに、必要なユーザ認証を自動的に処理します(ユーザ名とパスワードの入力を求めるメッセージを表示することなどによって)。または、ユーザ名とパスワードのコマンドラインオプションを渡すことができます(RMI-IIOP通信中に認証をサポートするため)。
サーバアクセス	サーバにアクセスする際、SilverJ2EEClientは、RMIセッションの確立を自動的に処理します。この処理に使用するコードをクライアントクラスで作成する必要はありません。
ネームスペースアクセス	SilverJ2EEClientは、クライアントのJNDIネームスペースを自動的に提供します。これによって、クライアントクラスは、環境エントリ、EJB参照、およびリソース参照にアクセスできます。
クライアント移植性	管理はSilverJ2EEClientによって処理されるため、クライアントクラスにベンダ固有のコードを作成する必要はありません。

SilverJ2EEClientのインストール

管理の手間を最小限に抑えるため、Novell exteNd Application Serverでは、SilverJ2EEClientの現在のバージョンをユーザがダウンロードしてセットアップできる「インストーラ」をホストできます。また、適切なインストーラの種類(Windows、UNIX、またはLinux)をユーザが簡単に選択できる「インストールページ」も提供されています。

サーバ上でのSilverJ2EEClientインストーラのホスト

Novell exteNd Application Serverを製品CDからインストールした場合、SilverJ2EEClientインストーラは含まれていません。アプリケーションサーバ上でインストーラをホストするには、Novell開発者向けWebサイトからインストーラをダウンロードして、サーバの適切なディレクトリに格納する必要があります。

Procedure インストーラをホストする

developer.novell.com/ndk/j2eeclient.htmからSilverJ2EEClientインストーラファイルをダウンロードします。
ダウンロードしたインストーラファイルを、アプリケーションサーバコンピュータの次のNovell exteNd ディレクトリにコピーします。
```
  AppServer\Resources\SilverJ2EEClientInstall
```

これらの手順を完了すると、ユーザがサーバからSilverJ2EEClientインストーラにアクセスできるようになります。

SilverJ2EEClientインストールページへの移動

デフォルトでは、SilverJ2EEClientインストールページは、サーバ上の次のURLから利用できます。

  http://servername/SilverStream/Pages/SilverJ2EEClient.html

ブラウザでこのURLを直接入力するようユーザに指示したり、より簡単にアクセスできるよう、このURLにリンクするページを提供したりできます。

インストールページの使用 SilverJ2EEClientインストールページを表示すると、次をダウンロードするためにユーザがクリックできるリンクが提供されます。

SilverJ2EEClientインストーラのWindowsバージョン
SilverJ2EEClientインストーラのUNIXまたはLinuxバージョン(サポートされているプラットフォーム用)

このページには、インストーラの使用手順、およびSilverJ2EEClientのインストール後の起動手順も含まれています。

インストーラへの直接アクセスの提供最初にSilverJ2EEClientインストールページに移動せずに、ユーザがSilverJ2EEClientインストーラを直接ダウンロードできるようにしたい場合があります。このような場合は、次のURLの1つを入力するようユーザに指示するか、または自分のページからこのURLにリンクすることができます。

直接リンクするSilverJ2EEClientインストーラのバージョン	使用するURL
Windows	SilverJ2EEClientInstall.exe
UNIX (Solaris)	SilverJ2EEClientInstallSolaris.sh
Linux	SilverJ2EEClientInstallLinux.sh

これらのURLは、すべて次で始まります。

  http://servername/SilverStream/SilverJ2EEClientInstall/

インストーラのNetWareサポート Novell NetWare上では、アプリケーションサーバは、Windows、UNIX、およびLinuxクライアント向けのSilverJ2EEClientインストーラをホストできます。アプリケーションサーバからSilverJ2EEClientのインストールページにアクセスして、これらのインストーラをダウンロードできます。NetWareはサーバプラットフォームであるため、ユーザがダウンロードするSilverJ2EEClientインストーラのNetWareバージョンはありません。

SilverJ2EEClient自体は、アプリケーションサーバのインストール時に、NetWareコンピュータ上に自動的にインストールされます。また、NetWareに付属しているNovell Clients Software CDを使用して、Microsoft WindowsコンピュータにNovell exteNd Application Serverクライアント(SilverJ2EEClientが含まれています)をインストールすることもできます。

For more information NetWareのインストールに関する問題の詳細については、「Novell exteNdのインストール」を参照してください。

Windowsへのインストール

SilverJ2EEClientインストーラのWindowsバージョンをダウンロードすると、ローカルマシンに次のファイルが保存されています。

  SilverJ2EEClientInstall.exe

このファイルを実行して、SilverJ2EEClientと、SilverJ2EEClientに必要なサポートコンポーネントをインストールします。

インストールされる内容インストールが終了すると、ローカルマシンには、次のものを含むSilverJ2EEClientのディレクトリが作成されます。

SilverJ2EEClient実行可能ファイル(SilverJ2EEClient.exe)
exteNd ランタイムファイル(APIパッケージのZIPおよびJARと、サポートファイル)
JRE (Java 2 Runtime Environment)
Java HotSpot Performance Engine
Novell exteNd ORB (JavaベースのCORBA ORB。コンピュータのデフォルトのORBとしてセットアップされます)

これで、このマシンでSilverJ2EEClientを使用する準備が整いました。

UNIXまたはLinuxへのインストール

UNIXまたはLinuxバージョンのSilverJ2EEClientインストーラをダウンロードすると、ローカルコンピュータにファイルSilverJ2EEClientInstallPlatform.shが保存されています。このファイルを実行して、SilverJ2EEClientと、SilverJ2EEClientに必要なサポートコンポーネントをインストールします。

例は次のとおりです。

Solarisでは、「sh SilverJ2EEClientInstallSolaris.sh」と入力します。
Linuxでは、「sh SilverJ2EEClientInstallLinux.sh」と入力します。

インストールされる内容インストールが終了すると、ローカルマシンには、次のものを含むSilverJ2EEClientのディレクトリが作成されます。

SilverJ2EEClient実行可能ファイル(SilverJ2EEClient)
exteNd ランタイムファイル(APIパッケージのZIPおよびJARと、サポートファイル)
JRE (Java 2 Runtime Environment)
exteNd ORB (JavaベースのCORBA ORBで、コンピュータのデフォルトのORBとしてセットアップされます)

これで、このマシンでSilverJ2EEClientを使用する準備が整いました。

For more information UNIXまたはLinuxプラットフォームサポートの詳細については、リリースノートを参照してください。

製品CDからのインストール

SilverJ2EEClientをインストールする別の方法は、製品CDからNovell exteNd インストールプログラムを使用することです。このプログラムを使用すると、SilverJ2EEClient (およびサポートファイル)を単独でインストールしたり、その他のサーバコンポーネントとともにインストールすることができます。

この方法によるSilverJ2EEClientのインストールは、主に開発者向けです。このインストールの結果は、サーバからSilverJ2EEClientインストールページ(SilverJ2EEClient.html)にアクセスしてインストールを行った場合と同じです。

For more information Novell exteNd インストールプログラムの使用の詳細については、「Novell exteNdのインストール」を参照してください。

Novell NetWareを使用している場合は、インストーラのNetWareサポートを参照してください。

SilverJ2EEClientの起動

SilverJ2EEClientは、使用しているプラットフォーム(Windows、NetWare、UNIX、またはLinux)によって、いくつかの異なる方法で起動できます。

Windowsでの実行

Windowsでは、次のいずれかの方法でSilverJ2EEClientを起動できます。

実行可能ファイルの使用

または
SJCファイルの使用

実行可能ファイルの使用 SilverJ2EEClientは、SilverJ2EEClient.exe実行可能ファイルを呼び出すことによって、コマンドプロンプトから起動できます。次のように入力します。

  installdirectory\bin\SilverJ2EEClient [options] 
     [protocol://]hostname[:port] databasename clientname [appargs]

各パラメータの説明は、次のとおりです。

パラメータ	指定する内容
installdirectory	SilverJ2EEClientがインストールされるユーザコンピュータのルートディレクトリ。例は次のとおりです。 c:\SilverJ2EEClient
options	(オプション) SilverJ2EEClientの実行を制御するための起動オプション。0個以上指定します。例は次のとおりです。 -as_username=sam -as_password=icecream 起動オプションの使用を参照してください。
protocol	(オプション)次のHTTPプロトコルのいずれか。 `http://` (デフォルト) `https://` (SSL通信用)
hostname	アクセスするNovell exteNd Application Serverのホスト名(またはインターネットアドレス)。例は次のとおりです。 corporate
port	(オプション)サーバで使用するTCP/IPポート番号。例は次のとおりです。 8080 デフォルトは80です。
databasename	実行するクライアント展開が含まれている展開データベースの名前。例は次のとおりです。 sales
clientname	実行するJ2EEアプリケーションクライアント展開の名前。例は次のとおりです。 quotaclient
appargs	(オプション)処理するためにクライアントに渡すアプリケーション固有の引数。0個以上指定します。例は次のとおりです。 myarg -myswitch -y 2003 アプリケーション引数の受け渡しを参照してください。

例は次のとおりです。

  c:\SilverJ2EEClient\bin\SilverJ2EEClient 
     -as_username=sam -as_password=icecream 
     http://corporate:8080 sales quotaclient 
     myarg -myswitch -y 2003

このコマンドを毎回入力したくない場合は、コマンドを発行するバッチ(BAT)ファイルを作成できます。

SJCファイルの使用コマンドプロンプトからSilverJ2EEClientを起動する別の方法は、SJCファイルを使用することです。SJCは、入力しなくて済むようにすべての引数を保存したSilverJ2EEClientアプリケーションファイルです。SJCファイルを開くと、SilverJ2EEClient実行可能ファイルのSilverJ2EEClient.exeが自動的に呼び出され、これらの引数が使用されます。

SJCファイルの拡張子とSilverJ2EEClient.exeの関連付けは、SilverJ2EEClientをインストールするときにWindowsに自動的にセットアップされます。

Procedure SJCファイルを作成する

新しいテキストファイルを任意のエディタで開きます。

1行に次のように入力します。

  [options] [protocol://]hostname[:port] databasename clientname 
     [appargs]

例は次のとおりです。

  -as_username=sam -as_password=icecream
     http://corporate:8080 sales quotaclient 
     myarg -myswitch -y 2003

SJCという拡張子を付けて、このテキストファイルを保存します。例は次のとおりです。
```
  quota.sjc
```

SJCファイルを作成すると、次の操作を実行できます。

ファイルを起動するWindowsショートカットを作成する。
他のユーザに電子メールでファイルを送信する。
任意のHTMLページからファイルにリンクする。例は次のとおりです。
```
  <a href="quota.sjc">Quota Client</a>
```

NetWareでの実行

NetWareでは、SilverJ2EEClient.nlm実行可能ファイル(SYS:\exteNd\AppServer\binにインストールされています)を呼び出すことによって、システムコンソールからSilverJ2EEClientを起動できます。次のように入力します。

  SilverJ2EEClient [options] [protocol://]hostname[:port] 
     databasename clientname [appargs]

各パラメータの説明は、次のとおりです。

パラメータ	指定する内容
options	(オプション) SilverJ2EEClientの実行を制御するための起動オプション。0個以上指定します。例は次のとおりです。 -as_username=sam -as_password=icecream 起動オプションの使用を参照してください。
protocol	(オプション)次のHTTPプロトコルのいずれか。 `http://` (デフォルト) `https://` (SSL通信用)
hostname	アクセスするNovell exteNd Application Serverのホスト名(またはインターネットアドレス)。例は次のとおりです。 corporate
port	(オプション)サーバで使用するTCP/IPポート番号。例は次のとおりです。 83 デフォルトは80です。
databasename	実行するクライアント展開が含まれている展開データベースの名前。例は次のとおりです。 sales
clientname	実行するJ2EEアプリケーションクライアント展開の名前。例は次のとおりです。 quotaclient
appargs	(オプション)処理するためにクライアントに渡すアプリケーション固有の引数。0個以上指定します。例は次のとおりです。 myarg -myswitch -y 2003 アプリケーション引数の受け渡しを参照してください。

例は次のとおりです。

  SilverJ2EEClient -as_username=sam -as_password=icecream 
     http://corporate:83 sales quotaclient 
     myarg -myswitch -y 2003

このコマンドを毎回入力したくない場合は、コマンドを発行するNCFファイルを作成できます。

UNIXまたはLinuxでの実行

UNIXまたはLinuxでは、SilverJ2EEClientは、実行可能プログラムのSilverJ2EEClientを呼び出すことによって、コマンドプロンプトから起動できます。次のように入力します。

  installdirectory/bin/SilverJ2EEClient [options] 
     [protocol://]hostname[:port] databasename clientname [appargs]

各パラメータの説明は、次のとおりです。

パラメータ	指定する内容
installdirectory	SilverJ2EEClientがインストールされるユーザコンピュータのルートディレクトリ。例は次のとおりです。 /export/home/sam/SilverJ2EEClient
options	(オプション) SilverJ2EEClientの実行を制御するための起動オプション。0個以上指定します。例は次のとおりです。 -as_username=sam -as_password=icecream 起動オプションの使用を参照してください。
protocol	(オプション)次のHTTPプロトコルのいずれか。 `http://` (デフォルト) `https://` (SSL通信用)
hostname	アクセスするNovell exteNd Application Serverのホスト名(またはインターネットアドレス)。例は次のとおりです。 corporate
port	(オプション)サーバで使用するTCP/IPポート番号。例は次のとおりです。 8888 デフォルトは8080です。
databasename	実行するクライアント展開が含まれている展開データベースの名前。例は次のとおりです。 sales
clientname	実行するJ2EEアプリケーションクライアント展開の名前。例は次のとおりです。 quotaclient
appargs	(オプション)処理するためにクライアントに渡すアプリケーション固有の引数。0個以上指定します。例は次のとおりです。 myarg -myswitch -y 2003 アプリケーション引数の受け渡しを参照してください。

例は次のとおりです。

  /export/home/sam/SilverJ2EEClient/bin/SilverJ2EEClient 
     -as_username=sam -as_password=icecream 
     http://corporate:8888 sales quotaclient 
     myarg -myswitch -y 2003

デスクトップ環境で作業する場合は、コマンドを発行するアイコンをセットアップしたり、ファイルマネージャから実行したりすることができます。

コンソールウィンドウの表示

この節では、WindowsでSilverJ2EEClientを実行中に開発者が画面にコンソール情報を表示する方法について説明します。

SilverJ2EEClientのコンソールバージョンの使用 WindowsにおけるNovell exteNd Application Server開発環境では、SilverJ2EEClientからの標準出力とエラーメッセージを表示できます。SilverJ2EEClient_c.exe (サーバの\binディレクトリ内にあります)は、通常のエンドユーザ実行可能ファイル(SilverJ2EEClient.exe)の代わりに呼び出すことのできるSilverJ2EEClientのコンソールバージョンです。これは、次のように入力することによって、コマンドプロンプトから開始できます。

  serverdirectory\bin\SilverJ2EEClient_c [options] 
     [protocol://]hostname[:port] databasename clientname [appargs]

例は次のとおりです。

  c:\Program Files\Novell\exteNdn\AppServer\bin\SilverJ2EEClient_c 
     -as_username=sam -as_password=icecream 
     http://corporate:8080 sales quotaclient 
     myarg -myswitch -y 2003

SilverJ2EEClientからの標準出力とエラーメッセージは、実行元のコマンドプロンプトウィンドウにすべて表示されます。表示されるメッセージには、起動時の問題に関連するものも含まれます。

独自のスプラッシュスクリーンの表示

SilverJ2EEClientでは、好みのJPGファイルをスプラッシュスクリーンとして指定して、SilverJ2EEClientの起動時に表示することができます。

Procedure スプラッシュスクリーンイメージを指定する

次のいずれかの方法で、JPGファイルをユーザコンピュータにインストールします。
- ファイルシステムで、次で終わるパス上にインストールする
```
  com\sssw\jrunner\Splash.jpg
```
- このパスを含むJARまたはZIPファイル内にインストールする
次のいずれかを指定するようにAGCLASSPATH環境変数を設定します。
- comディレクトリを指すパス
```
  set AGCLASSPATH=c:\myapp
```
- JARまたはZIPファイルのパス
```
  set AGCLASSPATH=c:\myapp\mysplash.jar
```

開発環境でのSilverJ2EEClient

開発環境でSilverJ2EEClient (またはSilverJ2EEClient_c)を呼び出してクライアント展開をテストする場合は、現在のディレクトリが、そのクライアントのローカル開発バージョン(コンパイルされたクラスやJARなど)が含まれるディレクトリではないことを確認します。テストするクライアントのローカル開発バージョンがディレクトリに含まれていると、クラスパスが正しく区別されず、クライアントが正しく動作しなくなる可能性があります。

起動オプションの使用

SilverJ2EEClientの起動時に指定できるオプションには、次の2種類があります。

-オプションこれらはNovell exteNd Application Server環境に固有のオプションで、JRunnerクラスに渡されます。
+オプション (Windowsの場合のみ)これらのオプションの一部は、Javaインタープリタに直接渡されます(その際、+文字は-文字に変更されます)。他のオプションは、Javaインタープリタを起動するためにSilverJ2EEClient実行可能ファイルによって処理されます。

-オプションの使用

次の表は、SilverJ2EEClientの起動時に指定できる-オプションの説明について説明しています。

オプション	説明
-as_username=username	Novell exteNd Application Serverにログインするときに使用するユーザ名を指定します。例は次のとおりです。 -as_username=sam このオプションを指定しなかった場合に、ユーザ認証が必要なときは、ユーザ名とパスワードの入力を求めるダイアログボックスが表示されます。
-as_password=password	Novell exteNd Application Serverにログインするときに使用するパスワードを指定します。例は次のとおりです。 -as_password=icecream このオプションを指定しなかった場合に、ユーザ認証が必要なときは、ユーザ名とパスワードの入力を求めるダイアログボックスが表示されます。
-as_proxy=proxyserver	使用するプロキシサーバを指定します。プロキシサーバ名と、オプションでそのポート番号(デフォルトは80)を含めます。例は次のとおりです。 -as_proxy=corpproxy -as_proxy=corpproxy:8080 SSLの使用プロキシサーバでSSLを使用するには、単にNovell exteNd Application Serverに対してHTTPSプロトコルを指定します。 SilverJ2EEClient -as_proxy=corpproxy https://finance payroll salaryclient SSLに対するNovell exteNd Application Serverの設定の詳細については、『管理者用ガイド』のセキュリティのセットアップに関する章を参照してください。
-as_use_ssl	ORB通信に対する保護機能を有効にします。
-? -h -help	SilverJ2EEClientの使用に関する情報と起動方法を表示します。

クライアント証明書オプションクライアント証明書サポートに対して、次のオプションセットの中から1つ指定できます。

セット	オプション	説明
1	-as_clientcertprompt	PKCS12 DERファイルとパスワードを指定するためのダイアログボックスを表示します。
2	-as_pkcs12file=file	証明書とプライベートキーが含まれているPKCS12 DERファイルを指定します。
2	-as_pkcs12password=password	PKCS12パスワードを指定します。
3	-as_x509file=file1	X509証明書ファイル(DERとPEMの両方の形式をサポートしています)を指定します。
	-as_pkcs8file=file2	プライベートキーが含まれているPKCS8 DERファイルを指定します。
	-as_pkcs8password=password	PKCS8パスワードを指定します。

+オプションの使用

次の表は、WindowsでSilverJ2EEClientの起動時に指定できる+オプションについて説明しています。

オプション	説明
+clientまたは+server	使用するVMを指定します。詳細については、『管理者用ガイド』のサーバの実行に関する章の使用するJVMの指定に関する節を参照してください。
+profile	セッションのプロファイルをオンにします。
+verbose:vmopts	(SilverJ2EEClient_cの場合)詳細モードで生成される他のすべての情報なしで、起動オプションだけを画面に出力するように指定します。

オプション

説明

+clientまたは+server

使用するVMを指定します。

For more information 詳細については、『管理者用ガイド』のサーバの実行に関する章の使用するJVMの指定に関する節を参照してください。

+profile

セッションのプロファイルをオンにします。

+verbose:vmopts

(SilverJ2EEClient_cの場合)詳細モードで生成される他のすべての情報なしで、起動オプションだけを画面に出力するように指定します。

標準のVMオプションは、+オプションとして指定することにより、Javaインタープリタに直接渡すこともできます。+文字は、オプションが渡されるとき自動的に-文字に変換されます。

たとえば、次のように指定したとします。

  +verbose

このオプションは、次としてJavaインタープリタに渡されます。

  -verbose

アプリケーション引数の受け渡し

J2EEアプリケーションクライアントを開発する場合、1つまたは複数のアプリケーション固有の引数をランタイム時に検索し、これらの引数に基づいて特定の処理を実行するようコード化できます。このようにコード化できるようにするために、この節では次の方法について説明します。

SilverJ2EEClientの起動時にアプリケーション引数をクライアントに渡す
クライアントで、これらの引数にアクセスし、これらの引数を使用できるようにする

渡す引数の指定

SilverJ2EEClientの起動時に、任意のアプリケーション引数をコマンドの最後(実行するクライアントの名前の後)に追加します。たとえば、-dollarsおよび2という引数を、rateclientという名前のクライアント(custservサーバ上のサービスデータベース内にあります)に渡すには、次のように指定します。

  SilverJ2EEClient custserv service rateclient -dollars 2

次に、注意を要するいくつかの追加規則を示します。

「クライアント名の前の引数」は、起動オプションと見なされ、クライアントに渡されません。
「-as_で始まる引数」は、起動オプションと見なされ、クライアントに渡されません(クライアント名の後ろにある場合でも)。
「-as_で始まっていない起動オプション」は、クライアント名の前に指定する必要があります。そうでない場合は、アプリケーション引数と見なされ、クライアントに渡されます。

For more information コマンド構文の詳細については、SilverJ2EEClientの起動を参照してください。

クライアントからの引数へのアクセス

SilverJ2EEClientでは、クライアントを起動する際に、クライアントのメインクラスのmain()メソッドを呼び出し、すべてのアプリケーション引数をString配列としてそのメソッドに渡します。その後は、Javaアプリケーションの場合と同じように、引数を読み込むことができます。

安全なEJBへのアクセスのサポート

ユーザがアクセスしようとしたときにIIOP over SSL接続が自動的に使用されるように、Novell exteNd Application Serverに展開されたEJB (Enterprise JavaBean)を保護することができます。この種の接続をサポートするために、SilverJ2EEClientには、CA (認証局)証明書のJARファイルagrootca.jarが含まれています(SilverJ2EEClientの\\Common\\libディレクトリにあります)。

このファイルにないCA証明書を使用する必要がある場合は、その証明書を追加する必要があります。JAR編集ツールは、任意のものを使用できます(Sun JARユーティリティやWinZipなど)。

For more information EJBへの安全な接続の詳細については、『管理者用ガイド』のセキュリティのセットアップに関する章を参照してください。