第1章
この章では、Novell exteNd Directorの概要について説明します。 この章の節は次のとおりです。
Novell exteNd Directorは、最先端の企業アプリケーションを作成するための一連のソフトウェア開発ツールおよびプログラミングAPIです。exteNd Directorでは、さまざまなデバイスを使用するユーザに対応したビジネス機能を実現するWebアプリケーションを作成するために必要なあらゆる技術が提供されています。exteNd Directorは、exteNd Composerで作成されたものを含め、Webサービスの使用に必要なツールも提供します。
exteNd Directorアプリケーションアーキテクチャは、ビジネス機能のユーザ表示を作成するさまざまな方法をサポートします。たとえば、exteNd Directorが提供する「ユーザプロファイル」や「コンテンツ管理機能」を活用して、個々のユーザがニーズに最も適した情報を表示できるようにします。 さらに、exteNd Directorの「ワークフロー」機能を使用してビジネスプロセスをモデル化し、ルールを使用してビジネス決定をモデル化することができます。exteNd Directorアプリケーションは、従来のデスクトップユーザだけでなく、ワイヤレスデバイスからWebコンテンツにアクセスするユーザを含め、ユーザの幅広いハードウェア要件を満たすことができます。
exteNd Directorアプリケーションには、通常「ポータル」Webサイトが含まれます。 ポータルは、exteNd Directorアプリケーションのプレゼンテーション層です。インタフェースを提供して、ユーザがWebコンテンツを取得できるようにします。
アプリケーション作成を効率よく始めるために、exteNd Directorは、Express Portalというデフォルトのプロジェクトを提供しています。これは、標準exteNd Directorプロジェクトテンプレートに基く完全なポータルアプリケーションです。 このアプリケーションをそのまま使用して、次のことを実行できます。
exteNd Directorアプリケーションアーキテクチャは、次の図に示すように、広範囲の展開設定をサポートします。
exteNd Directorは、以下を含む、いくつかの業界標準をサポートしています。
exteNd Directorは、エンタープライズクラスのアプリケーションを作成および展開するためのJ2EE互換プラットフォームです。J2EE仕様は、準拠するアプリケーションサーバが提供する必要のあるサポートの必須レベルとともに、アプリケーションサーバに展開されるアプリケーションのためのプログラミングモデルを定義します。アプリケーションは、J2EEモジュールとして、J2EE準拠のアプリケーションサーバに展開されます。 J2EEモジュールは、アーカイブにパッケージされたコンポーネントの集合です。exteNd Directorアプリケーションは、次の種類のアーカイブで展開されます。
exteNd Directorは、ポートレット標準を定義するJava Specification Request (JSR) 168に完全に準拠しています。
ポートレットとは、Webクライアントからの要求を処理し、ポータルページ上にダイナミックなコンテンツを作成する特殊なJavaクラスです。 exteNd Directorで定義するポートレットは、Java Portlet 1.0に準拠しています。
ポートレットは、ポータルアプリケーション用のプレゼンテーション層を提供する、プラグ可能なユーザインターフェース要素と考えることができます。 ユーザは、管理者が指定した初期設定に応じて、ポートレットのコンテンツと概観を独自に作成することができます。
exteNd Directorは、XForms 1.0準拠Webフォームを開発するための環境を提供します。 XForms標準の利点は、次のとおりです。
exteNd Directorは、「サブシステム」と呼ばれるコア技術のセットを含みます。 各exteNd Directorサブシステムは、ソフトウェア「サービス」のセットの論理的分類です。各サービスは、exteNd Directorアプリケーションに定義された特定のインタフェースを実装するJavaクラスです。 サブシステムは、サービス指向のアーキテクチャをサポートして、各サブシステムに含まれる個々のサービスを拡張または置換できるようにします。exteNd Directorサブシステムは、切り離して展開したり、結合して統合ソリューションを構成したりすることができます。 exteNd Directorプロジェクトを作成する際に、アプリケーションに必要なサブシステムを選択します。
exteNd Directorサブシステムは、事前作成されたユーザインタフェースとともに、新しくJ2EEアプリケーションを作成できる包括的なAPIを含みます。
exteNd Directorは、次のサブシステムを含みます。
exteNd Directorは、完全な開発環境、およびブラウザ内で実行できるいくつかの事前パッケージされたWeb層(Webアプリケーション)を提供します。
exteNd Director 開発環境は、最も低いレベルで、以下のユーティリティツールおよび機能を含むファイルシステムベースのツールセットです。
グラフィカルおよびテキストベースエディタ - Javaファイル、JSPファイル、XMLファイル、XSLファイル、CSSファイル、WSDLファイル、HTMLファイル、プレーンテキストファイル、および展開記述子用です。
ウィザード - 必要なときには新規ファイル作成を支援し、複雑なテクノロジ(J2EEなど)を使っていく上でのガイド役となります。
プロジェクトツール - プロジェクトの作成、J2EEアーカイブの生成や検証、およびサポートされているJ2EEサーバへのアーカイブの展開を行います。
exteNd Directorは、いくつかの事前作成されたWeb層を含みます。各Web階層は、exteNd Directorプロジェクトを展開した後で直ちに使用可能なWebアプリケーションです。それぞれのWeb階層はブラウザで実行されます。
exteNd Directorは次のWeb階層を含みます。
これらのツールは、アプリケーション開発者、システム管理者、およびコンテンツ開発者の使用をそれぞれ想定しています。
内部では、これらのWeb階層は、Framework、Portal、User、Directory、およびContent Managementサブシステムを含む多くのexteNd Directorサブシステムのサービスを使用します。
exteNd Directorをインストールすると、すぐに実行できるExpress Portalアプリケーションを使用できます。 これを使用するために、exteNd Director開発環境からアプリケーションを展開する必要はありません。 使用するには、ブラウザを起動して、アプリケーションを開始するだけです。
Express Portalの使用の詳細については、『ポータルガイド』のポータルアプリケーションおよびExpress Portalに関する章を参照してください。
DAC (Director管理コンソール)は、パラメータの設定、ポータルオブジェクトへのアクセスのセキュリティ管理、ポートレット、ページ、およびスタイルの検査、ユーザプロファイルの管理などの管理タスクをサポートします。
Director管理コンソールの使用方法についての詳細は、を参照してください。
CMS Administrationコンソールは、コンテンツ管理システムのインフラストラクチャを設定して維持するためのインタフェースを提供します。 CMS Administrationコンソールでは、ポータルアプリケーション用のHTMLとXMLコンテンツを作成、編集、および公開できます。
CMS Administrationコンソールの使用方法の詳細については、『コンテンツ管理ガイド』を参照してください。
exteNd DirectorアプリケーションのJavaコードを記述するには、JavaコードでexteNd Director APIを使用して、そのメソッドを呼び出します。exteNd Director APIには、いくつかのパッケージに整理されるパブリッククラス(およびインタフェース)が提供されています。これらは、サブシステムによって整理されます。
exteNd Director APIは、Java 2 API (J2SEおよびJ2EE)に基づいています。これは、この中にはJava 2から継承したクラスが含まれ、Java 2インタフェースを実装することを意味します。 Java 2 APIに精通している場合は、exteNd Director APIをすぐに理解して使用することができる知識があるといえます。
exteNd Director APIの使用の詳細については、を参照してください
exteNd Directorアプリケーションは、単一のexteNd Director EAR またはWARファイルでパッケージ化されています。 開発環境でexteNd Director プロジェクトウィザードを実行することによって、EARまたはWARの新しいプロジェクトを作成できます。 また、開発環境でExpress Portalのプロジェクトを開いて、プロジェクトを開始することもできます。
exteNd Directorを初めてご利用になる場合、まずExpress Portalアプリケーションを使用することをお勧めします。
Express Portalアプリケーションは、インストールプロセスが終わったらすぐに実行できます。 Express Portalは、アプリケーションをカスタマイズするときに使用できるWebベースツールのセットを提供します。 たとえば、ユーザページおよび共有ページを作成して、いくつかの事前定義ポートレットをこれらのページに追加できます。
エクスプレスインストールまたはカスタムインストールを使用して、exteNdスイートをインストールすると、.Express Portalプロジェクトがスイートインストールディレクトリに追加されます。 次に、exteNd Directorでプロジェクトを開いて、独自のビジネスロジックでプロジェクトをカスタマイズできます。たとえば、新しいポートレット、ポートレットページ、およびJSPやサーブレットなどのその他のWebリソースを追加できます。
Express Portalプロジェクト内でアプリケーションを作成する場合に従う必要のある一般的な手順について説明します。
Express PortalプロジェクトをexteNd Directorで開きます。
exteNd DirectorでExpress Portalプロジェクトにアクセスするには、Express Portalプロジェクトでの作業を参照してください。
このプロジェクト内のアプリケーションに必要なオブジェクトを追加します。 たとえば、ページフロー、フォーム、およびポートレットをアプリケーションに追加します。
注記: Expressインストールオプションを使用して、exteNdスイートをインストールした場合、Express Portalは、インストール時にexteNd Application Serverに展開され、実行できるようになります。 開始するには、『ポータルガイド』のExpress Portalアプリケーションの開始に関する節を参照してください。
ダイナミックローディングとリソースセット exteNd Directorは、リソースセットと呼ばれる特別なロケーションを提供します。これは、作成するアプリケーションリソースを管理します。 リソースセットは、ページフロー、ポートレット、ルール、スタイル、およびアプリケーションが正しく機能するために必要なその他のオブジェクトの定義を保持できます。 リソースセットは、実装するJavaクラスも保持できます。 リソースセットの項目を変更する場合、アプリケーションを再展開する必要はありません。これは、これらのリソースがダイナミックにロードされるからです。
新しいプロジェクトを作成する場合、exteNd Director プロジェクトウィザードを実行する必要があります。 このウィザードでは、使用するサブシステムを選択して、これらのサブシステムの設定プロパティを指定できます。 また、このウィザードで、カスタムWebアプリケーションを設定します。 選択が終了すると、ウィザードによってアプリケーションで必要なJ2EEモジュールを含むプロジェクトが作成されます。
ウィザードを実行したら、アプリケーション固有のJ2EEモジュールをプロジェクトに追加できます。また、J2EEアプリケーションでの操作と同じように、サブシステムを追加または削除するか、EARまたはWARの構造およびコンテンツに必要な変更を加えることもできます。
アプリケーションを展開する準備が整えば、exteNd Director開発環境で提供されている展開ツールを使用して、EARまたはWARを1つまたは複数のサーバに展開できます。
exteNd Director アプリケーションを新しいプロジェクトで作成および展開する場合に従う必要のある一般的な手順について説明します。
exteNd Directorアプリケーションに対して新しいデータベースを作成して、お使いのJDBCドライバによって要求される場合は、新ししく作成されたデータベースにODBCのDSN (データソース名)を定義します。exteNd Directorでは、データソースにはexteNd Directorのデフォルト名が使用されますが、独自の名前を使用することもできます。
このデータベースには、いくつかのサブシステムで必要なデータを含むexteNd Directorテーブルが維持されます。
Novell exteNd Application Serverでは、この手順は展開データベースとは異なる可能性があります。 一般的な方法は、exteNd DirectorアプリケーションをSilverMasterデータベースに展開して、exteNd Directorデータには個別のデータベースを使用することです。
exteNd Director プロジェクトウィザードおよびexteNd Directorテンプレートを使用して、新しいexteNd Director EARプロジェクトまたはWARプロジェクトを作成します。
詳細については、exteNd Directorプロジェクトの作成を参照してください。
頻繁に展開することなくアプリケーションリソースをテストできるように、ダイナミックロードを設定します。
詳細については、リソースおよびクラスのダイナミックローディングを参照してください。
サーバに必要な展開設定を行います。 設定の一部はexteNd Directorで実行できます。その他の設定については、サーバのツールを使用します。
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