NDSの移行

NDSの移行手順で移行に失敗した場合は、NDSの移行を再実行する前に、移行元および移行先のサーバを元の設定に復元する必要があります。サーバを元の設定に復元する方法は、データの移行がどの段階で失敗したかによって異なります。

3番目のボタンの[Begin NDS Migration]の処理が失敗し、移行先サーバのリブートおよび移行元サーバの名前と識別情報の引き継ぎが行われなかった場合は、「移行元サーバを元の設定へ復元する」の操作を実行します。

3番目のボタンの[Begin NDS Migration]の処理が正しく完了し、移行先サーバのリブートおよび移行元サーバの名前と識別情報の引き継ぎが完了した場合は、次のセクションの操作を実行します。

  1. 移行先サーバからNDSを削除する
  2. 移行元サーバからNDSを削除する
  3. 移行元サーバへNDSを復元する
  4. 移行先サーバを再インストールする

移行元サーバを元の設定へ復元する

3番目のボタンの[Begin NDS Migration]の処理が失敗し、移行先サーバのリブートおよび移行元サーバの名前と識別情報の引き継ぎが行われなかった場合は、NDSを移行元サーバに復元します。NDSが復元されると、移行元サーバが元の設定に復元され、NDSの移行を再実行できる状態になります。

  1. 移行元サーバのサーバコンソールで、次のいずれかのコマンドを入力します。

    • 移行元サーバでNetWare 4が動作している場合は、「LOAD INSTALL」と入力します。
    • 移行元サーバでNetWare 5以降が動作している場合は、「NWCONFIG」と入力します。

  2. [Directory Options]>[Directory Backup and Restore]>[Restore Local DS Information after Hardware Upgrade]の順に選択します。

  3. <F3>を押し、バックアップファイルの場所を要求するプロンプトが表示されたら、「SYS:SYSTEM\NUW30\NDSBU」と入力します。

    以上で、NDSが移行元サーバに復元されます。

    重要:  移行先サーバはリブートしないでください。移行元サーバの識別情報が移行先サーバに引き継がれていないので、NDSの移行を再実行する前には、他の操作を行う必要はありません。

  4. NDSの移行を再実行するには、Migration Wizardを起動し、使用していたプロジェクトを開きます。プロジェクトが開き、[Project Window]が表示されたら、[Begin NDS Migration]ボタンをクリックし、「NDSの移行の開始」の操作を実行します。


移行先サーバからNDSを削除する

3番目のボタンの[Begin NDS Migration]の処理が正しく完了し、移行先サーバのリブートおよび移行元サーバの名前と識別情報の引き継ぎが完了した場合は、移行元サーバにNDSを復元する前に、移行先サーバからNDSを削除する必要があります。

  1. 移行先のサーバコンソールで、「NWCONFIG」と入力します。

  2. [Directory Options]>[Remove Directory Services from This Server]の順に選択します。

  3. Directory Servicesを削除しないように指示する警告が表示されたら、<Enter>を押します。

    NDSの削除時に表示されるその他のエラーはすべて無視します。

  4. [Remove Directory Services]というプロンプトに対して[Yes]を選択します。

  5. 管理者のユーザ名とパスワードを入力します。

  6. <Enter>を押して、別のオブジェクトを参照します。

    このオブジェクトは、移行元サーバにNDSが復元されるときに使用されます。

    警告:  <Esc>は押さないでください。<Esc>を押すと、入力したサーバ参照が保存されず、サーバに復元できなくなります。

  7. プレースホルダオブジェクトの識別名として、管理者の完全なユーザ名を入力します。

  8. 変更前の識別名として「[Root]」と入力します。

  9. シングルリファレンスタイムソースに関する情報が表示された場合は、情報を確認して<Enter>を押します。

  10. サーバがレプリカのマスタコピーを保持している場合は、警告が表示されます。<Enter>を押します。

  11. マスタレプリカを保持するために、別のサーバを指定します。NWCONFIGを使用して別のサーバをランダムに選択することも、ユーザが特定のサーバを指定することもできます。

  12. NWCONFIGユーティリティに戻り、[Remove Directory Services from This Server]の選択によって、NDSが削除されたかどうかを確認します。

    NDSがすでに削除されているというメッセージが表示された場合は、移行先サーバを停止して、次のセクション「移行元サーバからNDSを削除する」に進んでください。

    NDSが正しく削除されなかった場合は、NWCONFIGを終了し、移行先のサーバコンソールで、「NWCONFIG -DSREMOVE」と入力して、この手順を再度ステップ 2から実行します。


移行元サーバからNDSを削除する

移行先サーバからNDSを削除したら、移行元サーバからもNDSを削除します。

  1. DOSコマンドプロンプトで「Server」と入力して、移行元サーバを再起動します。

  2. LOAD INSTALL -DSREMOVE」と入力します。

    このコマンドを実行すると、NDSを削除するときに、INSTALLまたはNWCONFIGで警告やエラーがすべて無視されます。

    移行元サーバでNetWare 4が動作している場合は、「LOAD INSTALL -DSREMOVE」と入力します。

    移行元サーバでNetWare 5以降が動作している場合は、「NWCONFIG -DSREMOVE」と入力します。

  3. [Directory Options]>[Remove Directory Services from This Server]の順に選択します。

  4. すべての警告画面で、<Enter>を押して先に進みます。

  5. [Yes]を選択してNDSを削除します。

  6. NDSがロックされていることを示すエラーメッセージが表示された場合は、<Enter>を押して先に進みます。

    その他のNDSエラーメッセージが表示された場合は、無視してかまいませんが、記録しておいてください。

  7. INSTALLメニューまたはNWCONFIGメニューが再表示されたら、[Remove Directory Services]を再度選択します。

NDSがすでに削除されたというメッセージが表示されたら、次のセクション「移行元サーバへNDSを復元する」に進んでください。

NDSが正しく削除されなかった場合は、Novellテクニカルサポート(1-800-858-4000)にご連絡ください。


移行元サーバへNDSを復元する

移行元サーバからNDSを削除することによって、移行元サーバのパーティションを保持していたすべてのレプリカリングからサーバが削除されました。この時点で次を実行し、移行元サーバにNDSを復元する必要があります。

  1. サーバコンソールで、次のいずれかのコマンドを入力します。

    • 移行元サーバでNetWare 4が動作していた場合は、「LOAD INSTALL」と入力します。
    • 移行元サーバでNetWare 5以降が動作していた場合は、「LOAD NWCONFIG」と入力します。

  2. [Directory Services]>[Install Directory Services onto This Server]の順に選択します。

  3. 移行前に移行元サーバが格納されていたNDSツリーを選択します。

  4. タイムゾーンおよび時間設定のパラメータを選択します。

    NDSの復元中に表示される警告やエラーは無視してかまいませんが、<Esc>を押す前にエラーを記録しておいてください。

  5. 管理者の名前とパスワードを入力します。

  6. 移行前に移行元サーバが格納されていたコンテキストを入力し、<F10>を押します。

  7. NDS(ディレクトリ)情報を保存します。

  8. サーバとNDSツリーの同期には時間がかかるので、しばらく待機します。

  9. INSTALLユーティリティまたはNWCONFIGユーティリティに戻り、[Directory Options]>[Select Directory Back Up and Restore]>[Restore Local DS Information after Hardware Upgrade]>[Restore Reference from another Object to This Server]の順に選択します。

    これにより、移行先サーバからNDSを削除するときに割り当てたサーバオブジェクトに対する参照が、すべて復元されます。

  10. <Enter>を押します。

  11. プレースホルダオブジェクトの識別名として管理者の完全なユーザ名を入力し、変更前の識別名として「[Root]」と入力します。

  12. NWCONFIGユーティリティまたはINSTALLユーティリティを終了します。

  13. 移行元サーバのサーバコンソールで、「LOAD DSREPAIR」と入力します。

  14. [Unattended Full Repair]>[Advanced Options]>[Check Volume Objects and Trustees]の順に選択します。

  15. 管理者のユーザ名とパスワードを入力します。

  16. DSREPAIRを終了します。

  17. 移行を実行したワークステーションで、プロジェクトを開きます。

  18. Migration Wizardの[Tools]メニューから[Restore Trustees]をクリックして、トラスティ割り当てを復元します。

  19. 移行元サーバにパーティションのマスタレプリカがあり、NDSの移行を再実行する前にこれらのパーティションを復元する場合は、DSREPAIRを使用してパーティションを再作成します。

    以上で、移行元サーバは元の設定に復元されました。

次のセクション「移行先サーバを再インストールする」に進んでください。


移行先サーバを再インストールする

移行を再実行するには、移行先サーバにオペレーティングシステムを再インストールする必要があります。

ヒント:  サーバのイメージファイルが作成されている場合は、再インストールする代わりにイメージを復元することができます。

  1. 移行先サーバを停止します。

  2. NetWareをインストールします。インストール時には、画面の指示に従います。

移行先サーバでNetWareのインストールが完了すると、NDSの移行を再実行できます。「NDSの移行の開始」の操作を実行してください。



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