LinuxまたはSolarisシステムでのNovell eDirectoryの設定

Novell eDirectoryには、さまざまなeDirectoryコンポーネントの設定を簡易化する設定ユーティリティが含まれています。次のセクションでは、Novell eDirectoryに含まれているLinuxまたはSolaris設定コンポーネントの機能と使用法について説明します。


eDirectory設定ユーティリティを使用して、Novell eDirectoryを設定する

次のセクションでは、eDirectory設定ユーティリティの使用法について説明します。


ndsconfigユーティリティを使用して、eDirectoryサーバを設定する

ndsconfigユーティリティを使用して、eDirectoryを設定できます。このユーティリティは、既存のツリーにNDSレプリカサーバを追加するときや新しいツリーを作成するときにも使用できます。また、NDSレプリカサーバを削除するときにも使用できます。詳細については、「ndsconfigユーティリティを使用して、eDirectoryレプリカサーバを追加または削除する」を参照してください。

インストールされているコンポーネントの現在の設定を変更するには、次を実行します。

  1. 次の構文を使用します。

    ndsconfig {set value_list | get [parameter_list] | get help [parameter_list]}

ndsconfigのパラメータについては、「表 7」を参照してください。


ldapconfigユーティリティを使用して、LDAPサーバオブジェクトおよびLDAPグループオブジェクトを設定する

LinuxおよびSolarisシステム上でLADPサーバオブジェクトおよびLDAPグループオブジェクトの属性を変更、表示、リフレッシュするときには、LDAP環境設定ユティリティldapconfigを使用できます。詳細については、「LinuxまたはSolarisシステム上で、LDAPサーバオブジェクトおよびLDAPグループオブジェクトを環境設定する」を参照してください。


nmasconfigユーティリティを使用して、Novell Modular Authentication Serviceを設定および設定解除する

nmasconfigユーティリティを使用して、SolarisおよびLinux上のNMASサーバを設定および設定解除できます。設定および設定解除の詳細については、「nmasconfigユーティリティを使用して、NMASサーバを設定および設定解除する 」を参照してください。

nmasconfigは、ログインメソッド、ログインシーケンス、および簡易パスワードの変更の管理にも使用されます。詳細については、nmasconfig manpageのnmasconfig.1mを参照してください。


nds.confファイルを使用して、Novell eDirectoryを設定する

NDS環境設定ファイル(/etc/nds.conf)には、eDirectoryの設定に使用する環境設定パラメータのリストが含まれています。このファイルは、NDSデーモンの起動時に、このデーモンによって読み込まれます。この環境設定ファイルは、UTF-8形式で格納されます。このファイルの各エントリは、それぞれファイル内の1行を使用します。空白行やシャープ記号(#)で始まる行は、無視されます。

デフォルトでは、「表 11」に示すパラメータのすべてがnds.confファイルに入力されているわけではありません。Novell eDirectoryの設定時には、入力されているパラメータのデフォルト値を変更したり、新しいパラメータを追加することができます。ただし、nds.confファイルを変更した場合は、変更を有効にするために、NDSデーモン(ndsd)をいったん停止し、再起動する必要があります。

表 11」に、eDirectory環境設定ファイルによって実装される各パラメータとその説明を示します。


表 11. eDirectory環境設定パラメータ

eDirectory環境設定パラメータ 説明

n4u.base.tree-name

Account Managementが使用するツリー名です。この必須パラメータは、Account Managementのインストーラによって設定されます。このパラメータは設定できません。

n4u.base.dclient.use-udp

ディレクトリユーザエージェントは、eDirectoryサーバとの通信で、TCPの他にUDPも使用できます。このパラメータにより、UDP転送が可能になります。デフォルト値は0です。有効な値は、0または1です。

n4u.base.slp.max-wait

SLP(Service Location Protocol) API呼び出しのタイムアウトです。デフォルト値は30です。有効な値の範囲は、3〜100です。

n4u.uam.preferred-server

eDirectoryサービスを格納するコンピュータのホスト名です。優先サーバがある場合、ディレクトリユーザエージェントは優先サーバを使用できます。優先サーバには、マスタレプリカまたは読み書き可能レプリカを格納するいずれかのサーバを指定する必要があります。eDirectoryレプリカがLinuxまたはSolarisシステムに存在する場合は、効率をよくするためにLinuxまたはSolarisシステムのホスト名を優先サーバとして指定します。デフォルト値はNULLです。

n4u.nds.advertise-life-time

指定の時間が過ぎると、eDirectoryはディレクトリエージェントに再び自己登録します。デフォルト値は3600です。有効な値の範囲は1〜65535です。

n4u.server.signature-level

この署名レベルによって、拡張セキュリティサポートのレベルが決まります。この値を増やすとセキュリティは強化されますが、パフォーマンスは低下します。デフォルト値は1です。有効な値の範囲は0〜3です。

n4u.nds.dibdir

eDirectoryディレクトリ情報データベースです。デフォルト値は「/var/nds/dib」です。このパラメータはインストール時に設定されます。後から変更することはできません。

n4u.nds.server-name

eDirectoryサーバの名前です。デフォルト値はNULLです。

n4u.nds.bindery-context

バインダリコンテキストの文字列です。デフォルト値はNULLです。

n4u.nds.server-context

eDirectoryサーバの追加先コンテキストです。このパラメータは設定できません。

n4u.nds.external-reference-life-span

使用されていない外部参照を削除するまでの時間数です。デフォルト値は192です。有効な値の範囲は、1〜384です。

n4u.nds.inactivity-synchronization-interval

サーバ上のeDirectoryが格納する情報に何も変更が行われていない期間後に、レプリカの完全同期を実行するまでの時間間隔(分)です。デフォルト値は60です。有効な値の範囲は、2〜1440です。

n4u.nds.synchronization-restrictions

値を[Off]に設定すると、DSの任意のバージョンと同期できます。値を[On]に設定すると、パラメータとして指定した番号のバージョンと同期されます(例:ON,420,421)。デフォルト値は[Off]です。

n4u.nds.janitor-interval

eDirectory janitor処理の実行間隔(分)です。デフォルト値は2です。有効な値の範囲は、1〜10080です。

n4u.nds.backlink-interval

eDirectoryバックリンクの整合性チェックの実行間隔(分)です。デフォルト値は780です。有効な値の範囲は、2〜10080です。

n4u.nds.flatcleaning-interval

flatcleaner処理によるデータベースからのエントリの自動パージおよび削除の実行間隔(分)です。デフォルト値は720です。有効な値の範囲は、1〜720です。

n4u.nds.server-state-up-threshold

サーバの稼動状態のしきい値(分)です。このしきい値に達すると、eDirectoryはサーバの状態をチェックし、その後-625エラーを戻します。デフォルト値は30です。有効な値の範囲は、1〜720です。

n4u.nds.heartbeat-schema

Heartbeatベーススキーマの同期間隔(分)です。デフォルト値は240です。有効な値の範囲は、2〜1440です。

n4u.nds.heartbeat-data

Heartbeat同期間隔(分)です。デフォルト値は60です。有効な値の範囲は、2〜1440です。

n4u.nds.drl-interval

eDirectory分散リファレンスリンクの整合性チェックの実行間隔(分)です。デフォルト値は780です。有効な値の範囲は、2〜10080です。

n4u.server.tcp-port

n4u.server.interfacesパラメータでポート番号が指定されなかった場合に使用されるデフォルトポートです。

n4u.server.interfaces

eDirectoryサーバが、クライアント接続のために受信待機する場合のIPアドレスおよびポート番号です。設定の組み合わせを複数指定する場合は、値をカンマ区切りのリスト形式で指定できます。値は、<Interface name>|<IP Address>@<port>のように指定します。文字列すべてを指定するか、インタフェース名またはIPアドレスのいずれか1つの値を指定できます。nds.confファイルにパラメータが指定されていない場合、eDirectoryサーバは、n4u.server.interfacesパラメータで指定されたデフォルトポートを持つIPアドレスのいずれかを取得します。n4u.server.interfacesパラメータも指定されていない場合、デフォルトのポートは524になります。指定可能な値を次に示します。

  • Interface name | IP Address - eDirectoryサーバは、デフォルトポートを持つインタフェース名またはIPアドレスを取得します。
  • Interface name | IP Address@port - eDirectoryサーバは、指定したポート番号を持つインタフェース名またはIPアドレスを取得します。

n4u.server.active-interval

スレッドプール内の作業スレッドは、作動可能キューでジョブを実行できる場合は、アクティブな状態です。このパラメータの値が指定する時間(ミリ秒)内にスレッドプールに戻ったスレッドは、アクティブと見なされます。この時間は、設定されたプロセッサの数に対応して内部で計測されます。デフォルト値は10,000ミリ秒(10秒)です。

n4u.ldap.lburp.transize

1つのLBURPパケットでNovell Import Conversion ExportクライアントからLDAPサーバに送られるレコード数です。トランザクションのサイズを増やして、1つの要求で確実に複数の追加操作が実行できます。デフォルトのトランザクションサイズは25です。1〜250のハード制限範囲内の任意のトランザクションサイズを指定できます。