ファイルスナップショットの設定

ファイルスナップショット機能を使用すると、バックアップユーティリティによって、すべてのデータファイルのオリジナルコピーを保持できます。たとえば、ファイルの変更中にバックアップを行ったり、クラッシュが発生すると、ファイルバックアップには新旧両方のデータが含まれる可能性があります。スナップショットでは、ファイルを最後に閉じたときのコピーがキャプチャされます。このため、バックアップサイクルの間でデータを失っても、以前に保存されたファイルの完全なコピーが残っていることになります。

ボリュームに対してファイルスナップショットを選択すると、バックアップユーティリティはメタデータ(所有者、作成日/時刻、変更者など)をすべてコピーします。書き込みリクエストが発生しているときは、書き込まれているデータのみがコピーされます。実際のファイルまたはスナップショットファイルの読み込みリクエストが発生すると、NSSは、適切なデータを返す方法を判別します。

次のNSSコマンドをサーバコンソールで使用して、ボリュームに対するファイルスナップショットを有効にします。

nss/FileCopyOnWrite=<volName>

または

nss/FileCopyOnWrite=all

ファイルスナップショットを無効にするには、次のコマンドを入力します。

nss/NoFileCopyOnWrite

ボリュームのファイルスナップショットを設定したら、ボリュームを非アクティブにする必要があります。その後ボリュームを再度アクティブにしてマウントし、スナップショットを持たないファイルが開いていないようにします。

バックアップ用にスナップショットファイルを開くには、READ_ACCESS_BITのほかに、必要な権利パラメータのビットを設定する必要があります。このビットは0x04000000です。これは、NSSヘッダファイル内では、zPR_READ_ACCESS_TO_SNAPSHOTとして定義されます。ファイルスナップショットのデフォルト設定では、ファイルシステムは、書き込みリクエストに対するopenコールを受け取ると、そのファイルを閉じるためにバックアップのopenコールを待機します。エラーを返す場合は、バックアップのopenコールで書き込み拒否ビットも設定する必要があります。

スナップショットファイルに関する情報を取得するには、getInfoコマンドを使用します。情報マスクのRNewStyleビットを設定することにより、パックされた情報を返すgetInfoの呼び出しはすべてサポートされます。情報マスクでは、さらに0x20000000のビットを設定する必要があります。このビットは、NSSヘッダファイルではRNSSInfoOnSnapshoとして定義されます。openコールおよびgetinfoコールでは、要求される権利のビットおよび追加の情報マスクのビットが必要になります。

ファイルスナップショットの情報を返す、その他のコールについて次に説明します。

ConsoleOneを使用して、ファイルスナップショット機能を選択することもできます。「論理ボリュームを作成する」を参照してください。



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