Novell Storage Servicesの設定


NSSボリュームを更新する

NetWare(R) 6にアップグレードしてサーバを再起動したら、NSSボリュームを更新する必要があります。以前のリリースからのNSSボリュームは、NetWare 6に更新するまで機能しません。これらのボリュームは、自動的にはアップグレードされません。


NDSステータスをチェックする

NSSボリュームを更新する前に、NDS(R)が正常に動作していることを確認してください。正常に動作していない場合、アップグレード処理によりトラスティが削除されることがあります。NDSの動作を確認するには、バックリンク処理のタイムスタンプを調べます。

NDSの動作を確認するには、次の操作を実行します。

  1. iMonitorを使用してアップグレード処理が完了していることを調べます。

    1. サーバのIPアドレスの後に「/nds」と入力し、iMonitorをネットワークブラウザで開きます。たとえば、「http://155.555.1/nds」と入力します。

    2. [エージェントプロセスステータス]>[外部参照ステータス]の順にクリックします。

    3. [時間]列の下に表示されるタイムスタンプの時刻が、アップグレードを開始した時刻より後、具体的にはアップグレード処理でNDSがアンロードされた時刻であることを確認します。次の図に、タイムスタンプの例を示します。


    バックリンクタイムスタンプの例

  2. タイムスタンプがアップグレードの開始時刻より前の場合、バックリンク処理は完了していません。バックリンクが完了するまで、ステップ: 1.aからステップ: 1.aを繰り返します。


NSSボリュームをアップグレードする

NSSボリュームをアップグレードするには、NetWare 6サーバコンソールで次のコマンドのいずれかを入力します。


トランザクショントラッキングシステム(TTS)

トランザクショントラッキングは、システムエラーのため不完全に終わったトランザクションを取り消すことにより、データベースアプリケーションを保護します。TTSは、すべてが従来のボリュームの場合、またはすべてがNSS論理ボリュームの場合のいずれかで使用できます。両方の種類のボリュームを使用している場合は、すべてのボリュームに対して使用できるわけはありません。従来のボリュームと論理ボリュームの両方を使用しているシステムでは、TTSはデフォルトで従来のボリュームに対してのみ機能します。両方の種類のボリュームを使用しているシステムで、論理ボリュームに対してTTSを使用する必要がある場合は、AUTOEXEC.NCFに「DISABLE TTS」と入力し、TTSを使用する論理ボリュームごとにTTSを有効にする必要があります。従来のボリュームとは異なり、TTSはデフォルトでは論理ボリュームには適用されません。TTSを論理ボリュームで有効にするには、サーバコンソールで次のコマンドを入力します。

nss/transaction=<volname>


キャッシュバッファを設定する

キャッシュバッファは、NetWareサーバメモリ(RAM)のブロック(4KB)で、データを一時的に格納します。NSSをインストールすると、デフォルトでキャッシュバッファの60%が使用されます。

キャッシュバッファを変更するためのオプションは、次のとおりです。

サーバコンソールから次のコマンドを使用して、キャッシュバッファを設定したり、キャッシュパラメータを調整します。キャッシュバッファはいつでも設定または調整できます。

タスク 目的 コマンド

キャッシュバッファの数を設定する

NSSファイルシステムのアクセスに割り当てられるキャッシュバッファの最小数を設定します。キャッシュバッファのデフォルトおよび最小数は512です。有効な値の範囲は、256〜1048576です。

nss/MinBufferCacheSize= value

キャッシュバッファを検索する

キャッシュバッファをすばやく検索するために、キャッシュは、名前をバケットにマップするハッシュアルゴリズムを使用します。また複数の名前が同じバケットにマップされる場合があります。このようなマップが行われると、キャッシュ内にあるエントリを調べるために、すべての名前を検索する必要があります。ハッシュテーブル内のエントリ数は、NSSをロードするときに使用可能な空きメモリの容量に比例します。

nss/NumHashBuckets

従来のファイルシステム用にキャッシュバッファを設定する

NSSが従来のファイルシステムのアクセスに割り当てるキャッシュバッファの最小数を設定できます。ファイルシステムのアクセスを実行するために、NSSはオペレーティングシステムにページを返します。オペレーティングシステムが十分なページを確保するまで、またはNSSがページの最小数に達するまで、NSSはページを返します。デフォルトは1024です。有効な値の範囲は、1024〜1048576です。

nss/MinOSBufferCacheSize

ファイルおよびディレクトリエントリ用にキャッシュを設定する

名前キャッシュエントリの数を設定します。NSSは、最後に検索したファイルおよびディレクトリの名前のキャッシュを保持します。これにより、ファイルのオープンおよびパスの検索が高速化します。デフォルトは2111です。有効な値の範囲は、3〜65521です。

nss/NameCacheSize

名前キャッシュをオンまたはオフにする

名前キャッシュを[ON]または[OFF]に設定します。デフォルトは[ON]です。

nss/(No)NameCache

キャッシュバランスに整数ではなくパーセンテージを使用する

バッファキャッシュに使用する空きメモリの動的バランスについて、バッファを整数ではなくパーセンテージで設定します。デフォルトは[ON]です。このスイッチは、/MinBufferCacheSizeと共に使用します。

nss/(No)CacheBalance

NSSが従来のファイルシステムから取得するキャッシュ量を設定する

NSSとサーバ間のキャッシュの割合です。CacheBalanceのパーセンテージによって、NSSが独自のキャッシュとして従来のファイルシステムから取得するキャッシュブロックの数が決まります。キャッシュバランスのパーセンテージが高いと、従来のファイルシステムのパフォーマンスが低下します。キャッシュバランスが低いと、NSSのパフォーマンスが低下します。キャッシュバランスパラメータは、NSSに割り当てる総ディスク容量のパーセンテージと等しくなるように設定することをお勧めします。ただし、80%を超えないようにします。最初はパラメータを50%に設定し、この値を必要に応じて調整できます。デフォルトは60%です。有効な値の範囲は、1〜99%です。

nss/CacheBalance=value

キャッシュバッファの数を制限する

必要なキャッシュバッファの最大数です。キャッシュバランスを実行するときは常に、キャッシュバッファの数がこの値によって制限されます。

nss/ cacheBalanceMaxBuffer

サーバコンソールにキャッシュヒット率を表示する

キャッシュヒットの数を、キャッシュからのファイルキャッシュバッファの取得回数で割った値です。90%を超える値が適切です。これは、システムが短時間でディスクからデータを取得していることを表します。数値が低い場合は、NSSのメモリを増やす必要があります。この場合は、キャッシュバランスのパーセンテージを高く設定します。

キャッシュヒットは、必要なファイルブロックをNSSがキャッシュバッファ内で検出した回数です。

キャッシュミスは、必要なブロックをNSSがキャッシュバッファ内で検出できなかった回数です。

NSSに割り当てるメモリを増やすと、キャッシュヒットのパーセンテージが上がります。物理メモリを追加する、キャッシュバランスを上げる、またはNSSのキャッシュバッファの最小数を増やすといった方法でメモリを増やすことができます。ただしOSのキャッシュバッファの最小数を減らすことはお勧めしましません。

nss/CacheHit

Authorizationキャッシュエントリの数を設定する

このパラメータは、認証リクエストを高速化するのに使用されるキャッシュバッファの数を指定します。さまざまなファイルやディレクトリに多数のトラスティが設定されている場合は、この数を増やすことをお勧めします。デフォルトは1024です。有効な値の範囲は、16〜50000です。

nss/AuthCacheSize

NSSが使用するキャッシュ容量のバランスをとる頻度を決定する

このタイマにより、サーバの総メモリ量に対してNSSが使用するキャッシュ容量のバランスを再度とる頻度を秒単位で決定できます。メモリ不足のためNLMのロードに問題がある場合は、このタイマの設定を低い値にすることができます。低い値に設定すると、NSSが再度バランスをとる回数が多くなります。サーバが安定している場合はこのタイマの値を増やして、NSSがこの処理を頻繁に実行しないようにします。これにより、キャッシュのバランスが維持されます。NSSはキャッシュバッファの総数を調べて、CacheBalanceのパーセンテージが適切であるかを判別します。その後で、キャッシュバッファ数が適切になるようにタイマを調整します。デフォルトは30です。有効な値の範囲は、1〜3600です。

nss/CacheBalanceTimer

変更されたキャッシュバッファのフラッシュ時間を設定する

変更されたキャッシュバッファのフラッシュ時間を秒単位で設定します。デフォルトは1秒です。有効な値の範囲は、1〜3600秒です。

nss/BufferFlushTimer

キャッシュバッファの統計情報を表示する

キャッシュバッファの統計情報を表示します。

nss/CacheStats

キャッシュの統計情報をリセットする

このコマンドにより、現在の統計情報をクリアして、統計を取り直します。システムに加えた変更の結果を調べるのに便利です。

nss/reset


ConsoleOneを使用してNovell Storage Servicesを設定する

ConsoleOneTMは、NSSのパーティション、ストレージプール、およびボリュームを設定および保守するための主要なユーティリティです。ConsoleOneを開いて必要なオプションにアクセスするには、次の操作を実行します。

  1. ConsoleOneを開きます。

  2. 操作するツリーを開きます。

  3. 目的のサーバオブジェクトを右クリックします。

  4. [プロパティ]をクリックします。

    ConsoleOneインタフェースが開き、NSSを管理するためのスナップインにアクセスできます。NSS設定機能はメディアスナップインにあります。


ワークステーションのConsoleOneを設定する

クライアントワークステーションでConsoleOneを使用するには、ConsoleOne 1.3以降をロードする必要があります。ロードした後で、サーバからクライアントマシンにNSS JARファイルをコピーします。

  1. 次の3つのNSS JARファイルを、ローカルLIBディレクトリにコピーします。

    public\mgmt\consoleone\1.3\lib\nssadmin.jar
    public\mgmt\consoleone\1.3\lib\nssc1lib.jar
    public\mgmt\consoleone\1.3\lib\nssjavalib.jar
  2. 次の2つのJARファイルを、ローカルRESOURCESディレクトリにコピーします。

    public\mgmt\consoleone\1.3\resources\nssadminres.jar
    public\mgmt\consoleone\1.3\resources\nssc1libres.jar
  3. 次のJARファイルを、ローカルSNAPINSディレクトリにコピーします。

    public\mgmt\consoleone\1.3\snapins\nssadminreg.jar

ディスク容量を設定する

NSSストレージ/ファイルシステムを設定するには、次の作業を順番に実行します。

  1. RAIDデバイスを作成します(オプション)。

    RAIDデバイスを作成する」を参照してください。

  2. パーティションを作成します。

    パーティションを作成する」を参照してください。

  3. パーティションをミラーリングします。

    パーティションを作成する」を参照してください。

  4. ストレージプールを作成します。

    ストレージプールを作成する」を参照してください。

  5. 論理ボリュームおよび従来のボリュームを作成します。

    論理ボリュームを作成する」および「従来のボリュームを作成する」を参照してください。


RAIDデバイスを作成する

NSSを使用すると、システム上の複数のドライブ間でデータをストライプすることにより、RAID 0デバイスを作成できます。このRAID設定は、ソフトウェアレベルで実現されます。このRAID機能は、論理ボリュームおよび従来のボリュームの両方で使用できます。

NSS RAIDに関する重要な情報

  1. ConsoleOneで、目的のツリーを開きます。

  2. サーバオブジェクトを右クリックして、[プロパティ]を選択します。

  3. [Media]>[Raid Devices]>[New]の順にクリックします。

  4. 各ストレージデバイスから取得する領域の容量をメガバイト単位で入力します。

  5. セグメントのサイズを選択します。

  6. ストライプのサイズを選択します。

  7. RAIDの種類を選択します。

    RAIDの種類は、異なるディスク間でデータをストライプする方法を表します。

  8. [Next]をクリックします。

  9. RAIDの構成で使用するデバイスを選択します。

    1つ以上のデバイスを選択できますが、RAIDの構成に使用するもののみを選択してください。

  10. [Finish]をクリックします。

    ファイルシステムは最初に仮想デバイスを作成し、次にRAIDデバイスを作成します。


RAIDデバイスを削除する

RAIDデバイスを削除すると、ファイルシステムは、RAIDの構成で使用されているすべての物理ストレージデバイスからすべてのパーティションおよびボリュームを削除します。

  1. ConsoleOneで、目的のツリーを開きます。

  2. サーバオブジェクトを右クリックして、[プロパティ]を選択します。

  3. [Media]>[Raid Devices]の順にクリックします。

  4. 削除するRAIDデバイスを選択します。

  5. [Delete]をクリックします。

    ファイルシステムは、RAIDデバイスの削除を確認する警告メッセージを表示します。

  6. [Yes]または[No]をクリックします。


RAIDデバイスのサイズを増やす

RAIDデバイスのサイズは、他のストレージデバイスからセグメントを追加することにより増やすことができます。1つのディスク上に複数のRAIDセグメントを配置しないでください。これを行うとファイルシステムのパフォーマンスが著しく低下します。

  1. ConsoleOneで、[Media]>[Raid Devices]の順にクリックします。

  2. サイズを増やすRAIDデバイスを選択します。

  3. [Increase Size]をクリックします。

  4. RAIDの構成に追加するデバイスを選択します。

  5. [Finish]をクリックします。

    RAIDデバイスに他の物理ストレージデバイスを追加したら、RAIDの構成を再度ストライプする必要があります。これにより、追加した新しいデバイスにデータがストライプされます。

    注:  再度ストライプしているときに、ファイルシステムのパフォーマンスが低下する場合があります。[Restripe]をクリックする前に、RAIDデバイスに物理ストレージデバイスをすべて追加したことを確認してください。

  6. [Restripe]をクリックします。

    [Restripe]オプションによりRAIDの構成に追加される新しいデバイスが認識され、すべてのデバイス間にデータが分散されます。


デバイスをクラスタリングで共有可能にする

ストレージデバイスの中には、SAN (Storage Area Network)に存在するものがあります。これらのデバイスは、クラスタ内にある複数のサーバによって共有されます。

重要:  ディスクドライブのクラスタリングでの共有は、システムハードウェアが自動的に使用可能にしたり、使用不能にすることはありません。ストレージシステムの設定に従い、それぞれのデバイスを手動で設定する必要があります。

ドライブをクラスタリングで共有可能にする場合の重要な情報を、次に説明します。

  1. ConsoleOneで、目的のツリーを開きます。

  2. サーバオブジェクトを右クリックして、[プロパティ]を選択します。

  3. [Media]>[Devices]の順にクリックします。

  4. デバイスを選択します。

  5. [Sharable for Clustering]を選択します。

  6. [OK]をクリックします。


パーティションを作成する

NSSを設定する最初の作業では、NSSストレージプールおよび論理ボリューム用のパーティションを、ストレージデバイス上に作成します。

  1. ConsoleOneで、目的のツリーを開きます。

  2. サーバオブジェクトを右クリックして、[プロパティ]を選択します。

  3. [Media]>[Partitions]>[New]の順にクリックします。

  4. パーティションを作成するデバイスを選択します。

  5. 作成するパーティションの種類([NSS]、[Traditional]、[Remote Storage Device])を選択します。

  6. パーティションのサイズをバイト(B)、キロバイト(KB)、メガバイト(MB)、またはギガバイト(GB)単位で入力します。

  7. ホットフィックスのエラー修正機能用に領域を予約するには、[Hot Fix]を選択して、予約する領域の容量またはパーセンテージを入力します。

    ミラーリングされたパーティションのデータ領域のサイズには、互換性を持たせる必要があります。つまり、新しいパーティションは、少なくともグループ内の他のパーティションとサイズが等しいか、またはわずかに大きくなければなりません。パーティションの物理サイズ(データとホットフィックスを合わせたサイズ)は、ミラーリンググループ内にある既存のパーティションのデータサイズと比べた場合、最低でも100KB以上大きく、また120MBを超えていないサイズであることが必要になります。

  8. パーティションをミラーリングするには、[Mirror]を選択して、次のオプションのいずれかを選択します。

    • Create New Mirror:このオプションにより、パーティションをミラーリンググループに追加できるようになります。実際にグループを作成するのは、作成したパーティションに、ミラーリングされた他のパーティションを追加してからです。
    • Existing Mirror Group(このオプションを選択する場合は、ミラーリングされたパーティションのIDも選択します):データ領域のサイズに互換性のある、既存のミラーリンググループのリストが表示されます。このオプションにより、リスト内のミラーリンググループのいずれかに、新しいパーティションを追加できます。

  9. パーティションのラベルを選択します(オプション)。

  10. [OK]をクリックします。


パーティションを削除する

パーティションを削除すると、そのパーティションにあるすべてのボリュームおよびデータが削除されます。そのパーティションがミラーリングされている場合、削除されるパーティションのデータは、ミラーリンググループ内にある対応するパーティションに保存されます。ミラーリングされているパーティションを削除する場合は、削除する前にそのパーティションのミラーリングを解除する必要があります。


パーティションのミラーリングを解除する

  1. ConsoleOneで、目的のツリーを開きます。

  2. サーバオブジェクトを右クリックして、[プロパティ]を選択します。

  3. [Media]>[Partitions]>[Mirror]の順にクリックします。

  4. 削除する予定のパーティションを選択して、[Remove]をクリックします。

    これにより、そのパーティションがミラーリンググループから削除されます。これでパーティションを削除できます。


    パーティションを削除する

  1. ConsoleOneで、目的のツリーを開きます。

  2. サーバオブジェクトを右クリックして、[プロパティ]を選択します。

  3. [Media]>[Partitions]の順にクリックします。

  4. 削除するパーティションを選択して、[Delete]をクリックします。


ストレージプールを作成する

パーティションを作成および設定したら、そのパーティション内にストレージプールを作成できます。ストレージプールを作成するときは、サーバの各ストレージデバイスから使用する領域の容量を決めることができます。

ストレージプールは、パーティション化されたディスク容量を使用して作成します。ただし、パーティション化されていない容量を選択できます。この操作によって作成されるパーティションとストレージプールのサイズは同じになります。これは、パーティションはストレージプールごとに1つしか持つことができないためです。

  1. ConsoleOneで、目的のツリーを開きます。

  2. サーバオブジェクトを右クリックして、[プロパティ]を選択します。

  3. [Media]>[NSS Pools]>[New]の順にクリックします。

  4. 新しいストレージプールの名前を入力して、[Next]をクリックします。

  5. プールに使用するために、既存のNSSパーティションを選択するか、またはパーティション化されていない空き容量を選択します。

    パーティション化されていないデバイスを選択した場合は、この列の数字をダブルクリックして、ストレージデバイスから取得する現在の領域の容量を編集できます。ストレージプールサイズは、プール内の全デバイスの総計になります。

  6. パーティション化されているNSS容量またはパーティション化されていない容量から取得するサイズを入力して、[Next]をクリックします。

    次のオプションを選択できます。

    • Create a Logical Volume with this same name:プールを作成するときに論理ボリュームを自動的に作成します。
    • Sharable for Clustering:クラスタリングソフトウェアがインストールされており、その機能を使用する場合に使用できます。
    • Activate:プールを作成するときに、プールおよびすべての論理ボリュームをアクティブにします。このオプションを使用しなくても、後からアクティブにすることができます。

  7. [Finish]をクリックします。


論理ボリュームを作成する

ストレージプールを作成すると、使用できる物理的な容量に応じて、必要な数の論理ボリュームをそのストレージプールに対して作成できます。論理ボリュームを作成するとき、論理ボリュームを一定の容量に割り当てたり、プールのサイズにまで拡張できます。

1つのボリュームのサイズは、ストレージプールのサイズを超えることはできません。ただし、複数のボリュームを結合したサイズが、ストレージプールのサイズを超えることは可能です。これをオーバーブッキングと呼びます。たとえば、それぞれが100MBに設定された8つのボリュームを持つ、800MBのストレージプールがあるとします。この場合は、800MBがプールで使用できる最大の容量になります。プールをオーバーブックするには、ストレージプール内の全ボリュームがいっぱいにならないことを確認した上で、ボリュームを追加するか、または既存のボリュームのサイズを増やします。ボリュームがいっぱいになった場合は、ディスク容量を追加する必要があります。

NSSはDOS、Macintosh*、UNIX*、およびロングネームスペースを認識します。

  1. ConsoleOneで、目的のツリーを開きます。

  2. サーバオブジェクトを右クリックして、[プロパティ]を選択します。

  3. [Media]>[NSS Logical Volumes]>[New]の順にクリックします。

  4. ボリュームの名前を入力して、[Next]をクリックします。

  5. パーティション化されていない容量またはパーティション化されているNSS容量を格納するストレージプールを選択します。

    パーティション化されていない容量を選択した場合、NSSは、NSSパーティション、ストレージプール、ボリュームの順に作成します。

  6. 次のいずれかを実行します。

    • ボリュームのサイズを制限する場合は、ボリュームの割り当てサイズを入力します。
    • ボリュームをプールサイズにまで拡張する場合は、[Allow volume quota to grow to the pool size]をオンにします。

  7. [Next]をクリックします。

  8. 次の説明を参考にして、新しい論理ボリュームに対する属性設定を選択します。

    • Backup:ボリュームをバックアップするかどうかを示します。バックアップするデータがボリュームに含まれている場合は、このフラグを設定します。ボリュームが空であるか、またはデータのバックアップが不要の場合は、このフラグをクリアします。このバックアップオプションは、サードパーティ製のバックアップシステムとは関連がありません。つまり、使用しているバックアップシステムがこのオプションの選択を認識しない場合があります。
    • Compression:論理ボリュームのファイル圧縮をアクティブにします。
    • Data Shredding:データシュレッドのセキュリティ機能をアクティブにします。この機能では、ディスクリーダによる情報のアクセスを防ぐため、削除されるすべてのデータが暗号化されます。削除されたファイルをデータシュレッダで暗号化する回数を入力します。1〜7回のうちから選択できます。
    • Directory Quotas:ディレクトリが持つことのできる容量の最大割り当て量を指定する機能をアクティブにします。
    • Flush Files Immediately:ファイルを閉じたときに、ファイル内のすべてのデータを直ちにディスクにフラッシュする機能をアクティブにします。
    • Modified File List (MFL):前回のバックアップ以後に変更が加えられた、すべてのファイルのリストを提供します。これを使用するには、サードパーティのベンダが変更ファイルリスト機能を実装している必要があります。
    • Salvage Files:削除されたファイルをサルベージする機能をアクティブにします。ファイルシステムは、他のデータのために容量が必要になるまでは、割り当てられた容量内に、削除済みのすべてのファイルを保存します。他のデータのために容量が必要になるまでは、サルベージ機能によりファイルを追跡し、そのデータを取得できます。ボリューム内のファイルをサルベージするには、このオプションを選択する必要があります。
    • Snapshot-File Level(ファイルスナップショット):ファイルレベルでのスナップショット機能をアクティブにします。スナップショット機能を使用すると、最後に閉じたファイルのバージョンに関するスナップショットを、バックアップユーティリティでキャプチャできます。たとえば、ファイルが開いているときにシステムがバックアップまたはクラッシュした場合でも、この機能によって、そのファイルを開く前のコピーが保存されます。新しい情報のいくつかは失われますが、以前の情報はすべて保持されています。
    • User Space Restrictions:作成したボリュームに対してユーザスペース制限機能をアクティブにします。
    • Activate:論理ボリュームを作成と同時にアクティブにします。
    • Mount:論理ボリュームを作成と同時にマウントします。

  9. [Finish]をクリックします。

これで、NSSシステムでファイルを格納および管理できるようになります。


ストレージプールの名前を変更する

既存のストレージプールの名前を変更できます。たとえば部署名が変更された場合、部署名に応じてストレージプールの名前を割り当てることができます。

  1. ConsoleOneで、目的のツリーを開きます。

  2. サーバオブジェクトを右クリックして、[プロパティ]を選択します。

  3. [Media]>[NSS Pools]の順にクリックします。

  4. 名前を変更するプールを選択します。

  5. [Rename]をクリックします。

  6. プールの新しい名前を入力します。

  7. [Finish]をクリックします。


論理ボリュームの名前を変更する

論理ボリュームの名前を変更できます。たとえば、ボリュームの名前を、そのボリュームを使用する部署や組織を表す名前に変更できます。

  1. ConsoleOneで、目的のツリーを開きます。

  2. サーバオブジェクトを右クリックして、[プロパティ]を選択します。

  3. [Media]>[Logical Volumes]の順にクリックします。

  4. [Rename]をクリックします。

  5. 論理ボリュームの新しい名前を入力します。

  6. [Finish]をクリックします。


ストレージプールのサイズを増やす

ストレージプールのサイズは、増やすことはできますが、減らすことはできません。

  1. ConsoleOneで、目的のツリーを開きます。

  2. サーバオブジェクトを右クリックして、[プロパティ]を選択します。

  3. [Media]>[NSS Pools]の順にクリックします。

  4. サイズを増やすストレージプールを選択して、[Increase Size]をクリックします。

  5. 容量を取得するストレージオブジェクトを選択します。

  6. 各ストレージオブジェクトから取得する領域の容量を[Used]列に入力します。

  7. [Finish]をクリックします。


NSSプールおよび論理ボリュームを削除する

他のストレージプール用の空き容量を増やすために、ストレージプールまたは論理ボリュームを削除しなければならない場合があります。パーティションから論理ボリュームまたは従来のボリュームを削除しても、そのパーティションは容量をまだ所有しています。ただし、その容量を他のストレージプールや従来のファイルシステムに再度割り当てることはできます。パーティションを削除すると、そのパーティションが使用していた容量の所有権が削除されます。

論理ボリュームまたは従来のボリュームを削除すると、空き容量が使用できるようになります。この容量を他のストレージプールに割り当てて、そのプールのサイズを増やすことができます。また、その空き容量を、従来のファイルシステムのボリュームとして使用することもできます(NSS所有権を削除した場合)。必要であれば、ボリュームを復元できます。「削除された論理ボリュームを確認および復元する」を参照してください。ストレージプールを削除した場合は、そのプール内のボリュームはいずれも復元できなくなります。

  1. ConsoleOneで、目的のツリーを開きます。

  2. サーバオブジェクトを右クリックして、[プロパティ]を選択します。

  3. [Media]>[NSS Pools]または[Logical Volumes]を順にクリックします。

  4. 削除するプールまたはボリュームを選択して、[Delete]をクリックします。


削除された論理ボリュームを確認および復元する

ボリュームを削除すると、ファイルシステムはそれをストレージプールから削除します。ただし、一定の時間内であれば、削除したボリュームの内容を確認するだけでなく、復元することもできます。この一定時間をパージ遅延時間といいます。たとえば、誤って削除したボリューム内の情報を復元するとします。この場合は、遅延時間が経過するまでにボリュームを取得します。そうしないとボリュームはシステムから削除され、以後はアクセスできなくなります。

ストレージプールを削除した場合、そのプール内のボリュームはすべて削除されます。ボリュームは復元できません。

パージ遅延時間のデフォルト設定は2日です。この時間が経過すると、NSSは自動的にボリュームをパージします。パージ遅延時間を変更して、自動的にパージされるサイクルを延長または短縮できます。「パージ遅延設定を変更する」を参照してください。また、削除したボリュームを手動でパージすることもできます。ボリュームのパージまたは復元は、[Deleted Logical Volumes on Pool]画面で行います。

  1. ConsoleOneで、目的のツリーを開きます。

  2. サーバオブジェクトを右クリックして、[プロパティ]を選択します。

  3. [Media]>[Logical Volumes]の順にクリックします。

  4. [Deleted Volumes]をクリックします。

  5. 次のいずれかのオプションを選択します。

    • Purge:[Purge]をクリックすると、削除されたすべてのボリュームが直ちにパージされます。
    • Prevent Purge/Allow Purge:[Prevent Purge]をクリックすると、ボリュームのパージ処理が停止します。たとえば、削除されたボリュームに再度アクセスしたり、サーバのアクティビティが少なくなるまで待機することができます。[Pause Purge]をクリックすると、ボタンが[Allow Purge]に変わります。このボタンをクリックすると、ボリュームがパージされます。
    • Salvage:[Salvage]をクリックすると、削除されたボリュームが復元されます。
    • Refresh:[Refresh]をクリックすると、削除済みのボリュームが再スキャンされ、パネル内のリストが更新されます。

  6. [Close]をクリックして終了します。


パージ遅延設定を変更する

パージ遅延時間のデフォルトは2日です。この時間内であれば、システムからボリュームが削除される前に、そのボリュームにアクセスできます。パージ遅延時間を変更するには、サーバコンソールで次のコマンドを入力します。

NSS/logicalVolumePurgeDelay=ddd

このコマンドのdddを、自動パージの遅延時間を示す秒数に置き換えます。デフォルトは172800(2日)です。たとえば、パージ遅延時間を1日に変更する場合は、「86400」と入力します。

パージ遅延の変更コマンドは永続的なものではありません。このコマンドは、サーバを再起動するたびに入力する必要があります。新しい設定を永続的にするには、このコマンドをAUTOEXEC.NCFファイルに入力します。


従来のボリュームを作成する

NSSは、NetWare 6で使用されるデフォルトのファイルストレージ/管理システムです。またNSSでは、従来のパーティションおよびボリュームも継続して管理できます。NetWare 6で従来のボリュームを作成する場合のガイドラインは次のとおりです。

従来のボリュームを作成、マウント、および管理するには、ConsoleOneを使用します。

  1. ConsoleOneで、目的のツリーを開きます。

  2. サーバオブジェクトを右クリックして、[プロパティ]を選択します。

  3. [Media]>[Traditional Volumes]の順にクリックします。

  4. [New]をクリックします。

  5. ボリュームの名前を入力して、[Next]をクリックします。

  6. パーティション化またはパーティション化なしを選択します。

  7. ボリュームのサイズを[Used]列に入力して、[Next]をクリックします。

  8. プルダウンメニューから、ブロックサイズを選択します。

  9. 次のオプションを選択します。

    • Compression:ファイルシステムがボリューム内のファイルを圧縮できるようにします。ファイル圧縮は、ボリュームを作成するときに設定します。ファイル圧縮を有効にした場合、この機能を無効にするには、ボリュームを再作成する必要があります。
    • Migration:オペレーティングシステムが、アクセス頻度の低いデータをサーバのリモートエリアに移動できるようにします。これにより、新しく作成される、アクセス頻度のより高いデータに対する容量が確保されます。ただしこのオプションを選択しても、マイグレーションの属性が有効になるだけです。データマイグレーション機能を実現するには、マイグレーション処理を実行できるサードパーティ製のソフトウェアパッケージを使用します。
    • Suballocation:ファイルシステムで、部分的に使用されているディスクブロックを、512バイトの細分割り当てブロックに分割できるようにします。これらのブロックは、他のデータファイルで使用できます。
    • Mount Volume on Creation:ボリュームを作成と同時にマウントするように、オペレーティングシステムに指示します。このオプションを使用しなくても、後からマウントすることはできます。

  10. [Finish]をクリックします。


従来のボリュームのサイズを増やす

従来のボリュームのサイズを増やすには、そのボリュームに他のセグメントを追加する必要があります。

  1. ConsoleOneで、目的のツリーを開きます。

  2. サーバオブジェクトを右クリックして、[プロパティ]を選択します。

  3. [Media]>[Traditional Volumes]の順にクリックします。

  4. ボリュームを選択して、[Increase size]をクリックします。

  5. 容量を取得するストレージデバイスを選択します。

  6. 選択したストレージデバイスの横にある[Used]列をダブルクリックします。

  7. 必要な容量を入力します。

  8. [Finish]をクリックします。


従来のボリュームの名前を変更する

従来のボリュームの名前を変更できます。

  1. ConsoleOneで、目的のツリーを開きます。

  2. サーバオブジェクトを右クリックして、[プロパティ]を選択します。

  3. [Media]>[Traditional Volumes]の順にクリックします。

  4. 名前を変更するボリュームを選択して、[Rename]をクリックします。

  5. 名前を入力します。

  6. [Finish]をクリックします。


従来のボリュームを削除する

従来のボリュームを削除できます。

  1. ConsoleOneで、目的のツリーを開きます。

  2. サーバオブジェクトを右クリックして、[プロパティ]を選択します。

  3. [Media]>[Traditional Volumes]の順にクリックします。

  4. 削除するボリュームを選択して、[Delete]をクリックします。


従来のボリュームをマウント解除する

従来のボリュームを修復するには、そのボリュームをマウント解除する必要があります。

  1. ConsoleOneで、目的のツリーを開きます。

  2. サーバオブジェクトを右クリックして、[プロパティ]を選択します。

  3. [Media]>[Traditional Volumes]の順にクリックします。

  4. マウント解除するボリュームを選択して、[Dismount]をクリックします。

    ボタンのラベルが[Mount]に変わります。


従来のボリュームを修復する

たとえわずかでもボリュームが破損している場合は、通常はボリュームをマウントすることはできません。場合によっては、破損したボリュームがマウントされ、処理中にエラーが発生することがあります。

VREPAIRを使用して、ボリュームの問題を修正するか、またはFAT (ファイルアロケーションテーブル)およびDET (ディレクトリエントリテーブル)からネームスペースエントリを削除します。VREPAIRの使用方法については、『Utilities Reference』の「VREPAIR」を参照してください。

注:  NSSボリュームを修復する必要がある場合は、「NSSストレージプールおよびボリュームの再構築」を参照してください。

他のボリュームをマウントしたまま、破損したボリュームに対してVREPAIRを実行できます。VREPAIRを使用する一般的な例を次に示します。

サーバの起動中にボリュームのマウントが失敗すると、VREPAIRが自動的にロードされ、そのボリュームの修復を試みます。

VREPAIRが自動的にロードされた場合は、デフォルトのオプションが使用されます。別のオプションを使用する必要がある場合は、VREPAIRを手動でロードし、VREPAIRの実行前に別のオプションを設定します。

注:  マウントできないボリュームをVREPAIRで自動修復しない場合は、「Automatically Repair Bad Volumes」というSETパラメータを使用して、デフォルトを変更します。


必要条件


手順

  1. サーバコンソールプロンプトで、次のコマンドを入力します。

    VREPAIR [volume_name] [logfile_name]

    (オプション) volume nameを、修復するボリュームの名前に置き換えます。マウント解除されているボリュームが1つのみの場合は、VREPAIRはそのボリュームだけを修復するため、このパラメータを指定する必要はありません。

    (オプション)エラーログを保存する場合は、logfile_nameを、VREPAIRで作成するファイルの名前に置き換えます。VREPAIRは、検出されたエラーのログを作成します。VREPAIRはエラーを画面に表示しますが、ファイル名が指定されている場合は、エラーをファイルに書き込みます。

    VREPAIRをロードすると、[Options]メニューが表示されます。

  2. デフォルトオプションをそのまま使用するか、または必要に応じて別のオプションを選択します。

    初めてボリュームを修復する場合は、デフォルトオプションをそのまま使用します。デフォルトオプションではボリュームの修復に失敗する場合は、他のオプションを選択します。

    1. デフォルトオプションをそのまま使用する場合は、手順3に進みます。

    2. [Options]メニューで別のオプションを設定する場合は、次のように入力して[Set VRepair Options]を選択します。

      2 Enter

  3. 修復処理を開始するには、[Options]メニューから[Repair A Volume]を選択します。

    • 複数のボリュームがマウント解除されている場合は、一覧表示されているボリュームから修復するボリュームを選択します。
    • マウント解除されているボリュームが1つのみの場合、VREPAIRはそのボリュームを修復の必要なボリュームと判断して、修復を開始します。

    ボリュームの修復中は、VREPAIRが実行中であることを示すメッセージがサーバコンソールの画面に表示されます。

  4. (オプション)修復が開始してから、エラーログの設定を変更します。

    修復処理時にVREPAIRが検出するエラーの数が多い場合は、実行時エラーの設定を変更できます。修復の開始後にこれらの設定を変更するには、<F1>を押して[Current Error Settings]メニューを表示します。

    • エラーごとにVREPAIRが一時停止しないようにするには、[Option 1]を選択します。
    • エラーログをテキストファイルに記録する場合は、[Option 2]を選択します。
    • ボリュームの修復を停止するには、[Option 3]を選択します。
    • ボリュームの修復を停止した後で修復を続行するには、[Option 4]を選択します。

  5. 修復が完了し、ディスクへの書き込みを問い合わせるプロンプトが表示されたら、「Y」と入力します。

  6. VREPAIRがエラーを検出した場合は、ステップ: 2からステップ: 6の手順を繰り返して、VREPAIRを再度実行します。VREPAIRがエラーを検出しなくなるまで、これを繰り返します。

    VREPAIRを数回実行してもボリュームをマウントできない場合は、ConsoleOneを使用してボリュームを削除し、作成し直す必要があります。



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