このセクションでは、NETMAIN.ILSや他のインストールスクリプトファイルで使用する記述子やコマンドについて説明します。ユーザが作成する製品インストールスクリプトファイルにも、NETMAIN.ILSにあるものと同じタイプの記述子とコマンドを使用します。
記述子は、記号@から始まるキーワードです。インストールNLMは記述子をスキャンし、これを利用してリンクされたリストとメニューをメモリに構築します。記述子
コマンドは、先頭に@が付かないキーワードです。コマンドは、
スクリプトファイルでは、テキストを二重引用符で囲むことで自然言語を使用できます(インラインテキスト)。そのようなテキスト(メニュー項目、ヘルプテキストなどを含む)は、言語翻訳の対象として指定されます。
= { } ( ) , : - ; > < ! [ ] 名前の中で特殊文字が使用されている場合には、名前全体を単一引用符または二重引用符で囲んでください。
; <text>
コメント(セミコロンの後に続くテキスト)は、説明の目的にのみ使用されます。スクリプトファイルの動作を起動させることはありません。コメント文字は行の最後まで読み込まれた後、破棄されます。
; THIS IS A COMMENT
@CDName <name>
@CDNameは、インストールするCD-ROMボリュームの名前を指定します。CD-ROMをNetWareボリュームとしてマウントするために、この名前はMOUNTコマンド(CD MOUNT <name>)の中でCDROM.NLMに渡されます。この記述子はCD-ROM上のスクリプトでのみ使用できます。フロッピーディスク上のインストールスクリプトでは使用しないでください。BOOTファイルセットで指定されているSTARTUPディレクトリに、CDROM.NLMをコピーしてください。
@CDName NETWARE5
インストールプログラムはCD-ROMをNetWareボリュームとしてマウントしようするときに、文字列「NETWARE5」を使用します。CDROM.NLMのロードに成功すると、システムコンソールに「CD MOUNT NETWARE5」と表示されます。
@DeletePartition <comma-separated list of partition types>
@DeletePartitionを使用すると、指定した既存のパーティションが削除されます。これに対し、インストールNLMの自動パーティション生成では、次のリストにある最初の2タイプの既存パーティションが削除されます(デフォルト設定)。どちらの場合にも、アクティブなパーティションはそのまま残されます。
パーティションタイプ | 説明 | 削除の有無 |
---|---|---|
64 |
NetWare 286 |
はい |
65 |
NetWare 386 |
はい |
01 |
DOS、12ビットFAT |
いいえ |
04 |
DOS、16ビットFAT |
いいえ |
05 |
拡張パーティション |
いいえ |
06 |
巨大なDOSパーティション |
いいえ |
これらのタイプのパーティションで削除したくないパーティションがある場合、あるいは他のタイプのパーティションを追加したい場合には、@DeletePartitionを使用してリストを置き換えてください。
NETMAIN.ILSに次の記述があった場合、NetWare 386パーティションだけが削除されます。
@DeletePartition 65
@Driver
Help: "Help description for finding drivers"
[Dir: <DSK | LAN>, <subdirectory name>, <vol label>,
<disk description>]
[Dir: <DSK | LAN>, <subdirectory name>, <vol label>,
<disk description>]
...
@EndDriver
@Driverには、メンテナンスモードインストールでドライバ(またはドライバを収めているディスクとディレクトリ)を検索する際の、ヘルプを指定します。<subdirectory name>には、読み込みを行うディレクトリを指定します。フロッピーまたはネットワークによるインストールでは、通常は空白(NULL)を指定します。CD-ROMの場合は一般的に、ドライバが置かれている共通ディレクトリを指定します。<vol label>はメディアボリューム名に対応します。<disk description>には、インクルードファイルが収められているメディアに印刷された名前を指定します。@DriverはNETMAIN.ICSファイルで使用します。
@Driver
Help: "If installing from a floppy, disk drivers will be on disk NetWare-2 and LAN drivers will be on disk NetWare-3. If installing from CDROM, all drivers will be in the directory <cdrom drive>:\NW40\SERVER\DRIVERS."
Dir: DDSK, '', 'NETWARE-2', 'NetWare-2'
Dir: LAN, '', 'NETWARE-3', 'NetWare-3'
@EndDriver
ディスクNetWare-2では、.DSKと.DDIファイルがスキャンされます。ディスクNetWare-3では、.LANと.LDIファイルがスキャンされます。
@FileSet
Description: "...[fileset description]..."
Class: {MANDATORY | CORE | OPTIONAL | OPTIONAL_OFF |
BOOT}
Name: <text name - no spaces allowed>
Bytes: <total transfer size for this fileset>
[DiskBytes: <total disk space for this fileset>]
[Attribute: <attribute1>, <attribute2>]
[Flags: <flags>]
<fileset commands...See 構文.>
@EndFileSet
@FileSetを使用して、コピーの対象となる論理的に類似したグループのファイル、およびそのファイルのコピーとインストールに必要なコマンドを指定します。
OPTIONALとOPTIONAL_OFFクラスのファイルセットの場合、コピー前に、DescriptionとDiskBytesの情報がメニューに表示されます。ファイルのコピーの間に、全ファイルセットの説明が表示されます。Bytesの情報は、ステータスバーの更新と表示に利用されます。ステータスバーは、選択した全ファイルセットに対してコピーするバイト数の合計を表します。
Classでは、ファイルセットの使用方法を指定します。
すべてのクラスのファイルに対して、ファイルのコピーの際にファイルグループステータスが表示されます。ステータスには、コピー中のファイル名とコピーが完了したファイルセットのパーセンテージも含まれています。
Name行は、論理ファイルセットを相互に関連付ける際に使用します。ファイルセットが互いに異なる対象ファイルで宣言されている場合にも使用できます。同じ論理名を持つファイルセットが複数ある場合、すべてのファイルセットに1つのDescriptionと1つのクラスが適用されます。たとえば「OS2」という名前をもつファイルセットが複数宣言され、クラスがOPTIONALだった場合、「OS2」ファイルのDescriptionエントリだけが選択肢としてユーザに提示されます。ユーザがこれを選択すると、「OS2」という名前のファイルセットすべてがコピーされます。
BOOTファイルには、SERVER.EXE、SERVER.MSG、NWCONFIG.NLM、NWCONFIG.MSG、NUT.NLM、NUT.MSGなどがあります。BOOTファイルセットは、内部でのみ使用できます。製品ファイルでBOOTファイルセットを宣言することはできません。BOOTファイルを圧縮したり、リネームしたりしないでください。
Attributeの値に、最後のファイル属性を指定します。attribute1のデフォルト値は00060081(読み込み専用、共有可能、リネーム禁止、削除禁止)です。
DOSファイルの場合
Attribute1 | 意味 |
---|---|
00000001 |
読み込み専用 |
00000002 |
隠し |
00000004 |
システム |
00000008 |
ボリュームラベル |
NetWareファイルの場合
Attribute2の意味は00000001(ファイルの復元または処理の禁止)です。Attribute2のデフォルト値は0です。通常の環境ではこの設定を使用します。
@FileSet
Class: CORE
Name: SYSTEM_FILES
Description: "System Files"
Bytes: 10192463
CopyToServer 'SYSTEM', '*.*', 'SYSTEM-1', "NetWare System-1 Files"
@EndFileSet
この例では、*.*ファイルがボリュームSYSTEM-1:からコピーされ、コピー中にはコピーの進行状況がパーセンテージで表示されます。
@IncludeFile
File: <filename>
[DiskDescription: "...[disk description]..."]
[DiskVolume: 11 char vol name>]
@EndIncludeFile
@IncludeFileを使用して、ファイル(<filename>)に構文解析コマンドと実行コマンドを指定します。DiskDescriptionでは、インクルードファイルの位置を示すメディアに印刷されている名前を指定します。DiskVolumeは、対応するメディアボリューム名です。
コマンドファイルを収めたディレクトリが最初に検索されます。インクルードファイルがそこになかった場合、指定されたディスクボリュームがチェックされます。<filename>が<path>\<file>の組み合わせになっている場合、まず最初にコマンドファイルディレクトリで<file>の有無がチェックされ、次に<path>オフセットのディスクボリュームがチェックされます。<file>にワイルドカード記号が含まれている場合には、そのパターンに一致するすべてのファイルが対象になります。ワイルドカードを含むファイル名に一致するファイルがなかった場合、対象ファイルは選ばれず、エラーも発生しません。ワイルドカードを含まないファイル名のファイルが検出されなかった場合は、エラーが発生します。単一引用符で囲まれた%{NWLANG}を含むファイル名は、%{NWLANG}部分が言語番号(4=英語)で置き換えられます。
NETMAIN.ILSファイルに対する設定です。ここでは、NETMAIN.ICSはNETMAIN.ILSと同じディレクトリにないものとします。
@IncludeFile
File: NETMAIN.ICS
DiskDescription: '[1]'
DiskVolume: SYSTEM-1
@EndIncludeFile
このファイルは@EndIncludeFileステートメントの直後から構文解析されます。NETMAIN.ILSのあるディレクトリでNETMAIN.ICSを検出できなかった場合、CDを要求するメッセージを表示し、CDがドライブにセットされるとそこからNETMAIN.ICSを読み込んで構文解析します。
@MessageFile
File: <filename>
[Version: <message file version number>]
@EndMessageFile
@MessageFileを使用して、メッセージ文字列を含むファイル(一般的には.MSGという拡張子のファイル)を指定します。通常、このファイルはスクリプトファイルと同じディレクトリか、NLSサブディレクトリにあります。スクリプトファイルの残りの(@IncludeFileを含む)部分を構文解析する場合、名前変数<message file version number>が見つかったときに、この記号はメッセージファイルの定義で置き換えられます。
メッセージファイルの検索順序は次のとおりです。
Versionは、スクリプトファイルとメッセージを最終的に同期させるために使用します。Versionを指定しない場合、バージョンのチェックは実行されません。現状では、@Version記述子の有無に関わらず、バージョンのチェックは実行されません。
NETMAIN.ILSファイル(NETMAIN.MSGと同じディレクトリにある)を使用した場合の設定です。
@MessageFile
File: NETMAIN.MSG
@EndMessageFile
NETMAIN.MSGはメモリに読み込まれ、<message file version number>文字列を逆参照するために使用されます。
@StartAppObject
AppPlatform: <Supported Platforms>
AppName: <Name of the object to create>
AppPath: <UNC Path to the executable>
[AppDescription: "...Text..."]
[AppContact: <List of contacts>]
[AppMapping: <List of drive mappings>]
[AppFlags: <>]
[AppIcon: <Filename of Icon>]
[AppCaption: "...Text..."]
[AppParameters: <List of Parameters for AppPath>]
[AppPrinter: <Printer Ports>]
[AppShutdownScript: <Filename of Script>]
[AppStartupScript: <Filename of Script>]
[AppWorkingDir: <Startup directory for App>]
[AppUser: <List of users>]
[AppAdminNotes: "...Text..."]
[AppFaultTolerance: <List of fallover apps>]
[AppLoadBalancing: <List of load balancing apps>]
@EndAppObject
@StartAppObjectを使用して、Novell(R) Application LauncherTM (NAL)製品と共に使用するNDSオブジェクトを作成します。NetWare for Small Businessで使用します。
@StartAppObject
AppPlatform: 3x 95 NT
AppName: "Netscape Install"
AppPath: "SYS\\PUBLIC\\NETSCAPE\\NTSCINST.EXE"
AppCaption: "Netscape Install"
AppDescription: "Install the Netscape Internet browser"
AppContacts: admin
AppFlags: "No Cleanup"
AppIcon: "sys:public\\netscape\\netscape.ico"
AppWorkingDir: "sys\\public\\netscape"
AppUsers: "All Users" Action Standard Desktop
@EndAppObject
この例では、「Netscape* install」という名前のNDSアプリケーションオブジェクトを作成します。NALが実行中であれば、ユーザはこのオブジェクトをデスクトップにインストールするように指示されます。
@Other
Description: "...[text]..."
[DiskDescription: "...[disk description]..."]
[DiskVolume: <11 char vol name>]
[File: <filename>]
[Flags: <flags>]
@EndOther
Descriptionは、@Other設定オプションで表示されるメニューの説明です。このラベルは@Otherオプションに含まれるラベルの中で、最初に記述する必要があります。
Fileを使用して、実行する*.IPSファイル、または@OtherオプションをインストールするためにロードするNLMを指定します。
DiskDescriptionは、ユーザに別のフロッピーディスクを要求する際に表示されるプロンプト名です。
DiskVolumeは、DiskDescriptionで指定したディスクのボリューム名です。DiskVolumeラベルが定義されていると、ドライブA:(ドライブはユーザが変更できます)で特定のボリュームを要求するメッセージがDiskDescriptionを使用して表示されます。これはファイルが検出されるか、ユーザがキャンセルするまで続きます。DiskVolumeが定義されていない場合、インストールプログラムはドライブA:に別のフロッピーディスクを要求するメッセージを表示し、ファイルを検出するか(Fileを定義した場合)、ユーザがキャンセルするまでこれを続けます。Fileを指定しないと、インストールプログラムはすべての*.IPSファイル、またはPINSTALL.NLMファイルを検索します。
検出されたファイルのファイル名の拡張子が.IPSであれば、スクリプトと見なされ構文解析されます。拡張子が.NLMであれば、そのファイルはロードされ、NLMとして実行されます。
@Other
Description: "Install NetWare for Macintosh"
DiskDescription: 'NWM System 1'
DiskVolume: 'MAC-1'
File: PINSTALL.NLM
Description: "Install TCP/IP Protocol"
DiskDescription: 'TCPIP System 2'
DiskVolume: 'TCPIP-2'
File: TCPIP.IPS
@EndOther
メニュー項目[Install NetWare for Macintosh*]および[Install TCP/IP Protocol]が表示されます。[Install NetWare for Macintosh]を選択すると、NWMシステム1 CDを要求するメッセージが表示されます。CDをセットすると、ボリュームMAC-1:にあるPINSTALL.NLMが実行されます。[Install TCP/IP Protocol]を選択すると、TCPIPシステム2 CDを要求するメッセージが表示されます。CDをセットすると、コマンドファイルTCPIP.IPSが構文解釈されます。
@SyntaxVersion <major version>.<minor version>
SyntaxVersion文字列は、スクリプトファイルパーサのバージョンを表します。SyntaxVersion文字列はすべてのスクリプトファイルに記述します。パーサの構文バージョンが、スクリプトファイルの構文バージョンと一致する必要があります。
@SyntaxVersion 1.02
この文字列と、インストールユーティリティにある内部構文文字列が比較されます。2つの文字列が一致しなかった場合、インストールプログラムは他のファイルを要求するメッセージを表示します。@SyntaxVersion記述子を含むすべての対象スクリプトで、SyntaxVersion文字列との照合が行われます(「@IncludeFile
@EndIncludeFile」を参照してください)。
@StartSchemaMod
SchemaFileName: <Filename>, <Description>
@EndSchemaMod
@StartSchemaModを使用すると、インストールスクリプト全体でNDSスキーマを拡張できます。
SchemaFileNameにはスキーマファイルのファイル名を指定し、Descriptionには変更の間に画面に表示されるメッセージを指定します。
@StartSchemaMod
SchemaFileName: "sys:\\system\\schema\\nwadmin.sch", "NetWare Administrator"
@EndSchemaMod
この例ではNWADMIN.SCHファイルがNDSスキーマを拡張し、ディレクトリサービスをインストールする間、「NetWare Administrator」というメッセージを表示します。
@TimeZone
Description: <tz description>
Standard: <tz abb.>, <tz adj.>
[Daylight: <dst abb.>, <dst adj.>]
[DSTStart: <start rule>, <seq number>, <day number>,
<weekday number>, <month number>, <time>]
[DSTEnd: <end rule>, <seq number>, <day number>,
<weekday number>, <month number>, <time>]
@EndTimeZone
Descriptionには、時刻サービスをインストールする際に表示されるタイムゾーンの説明文を指定します。
Standardには、タイムゾーンが選択された後に表示する情報を指定します。この情報にはタイムゾーンの略語と、GMT(グリニッジ標準時)またはUTC(協定世界時)との時差(+/-x:xx:xx)が含まれます。
夏時間がある場合には、Daylightに指定します。ここには夏時間の略語と、標準時との時差(+/-x:xx:xx)を指定します。
DSTStartとDSTEndを使用して、夏時間の指定を行います。規則(wは月の平日、dは日を表す)、通し番号(1から開始)、日番号(1から開始)、週番号(1から開始)、月番号(1から開始)、24時間表示での時間を指定します。
通し番号の意味は次のとおりです。 | ||
---|---|---|
1 |
1日目 |
(日番号を無視) |
2 |
2日目 |
(日番号を無視) |
3 |
3日目 |
(日番号を無視) |
4 |
4日目 |
(日番号を無視) |
5 |
5日目 |
(日番号を無視) |
6 |
最終日 |
(日番号を無視) |
7 |
>= 日番号 |
|
8 |
<= 日番号 |
|
@TimeZone
Description: "United States, Mountain Time Zone",
Standard: "MST", '7:00'
Daylight: "MDT", '+1:00'
DSTStart: w, 1, 1, 1, 4, '2:00'
DSTEnd: w, 6, 1, 1, 10, '2:00'
Description: "United States, Central Time Zone",
Standard: "CST", '6:00'
Daylight: "CDT", '+1:00'
DSTStart: w, 1, 1, 1, 4, '2:00'
DSTEnd: w, 6, 1, 1, 10, '2:00'
@EndTimeZone
タイムゾーンが2つ表示されます。どちらかを選択すると、スクリプトの記述に従って時間パラメータに値が入力されます。ユーザはその値を確認でき、必要であれば編集できます。
@TranslateModule
<old driver name1>,<new driver name1>,
<old driver name2>,<new driver name2>,
...
@EndTrandlateModuel
@TranslateModuleは、NETMAIN.ILSの内部で使用されます。以前のリリースから変更されたディスクドライバ名やLANドライバ名を指定します。名前はアップグレードの際にSTARTUP.NCFまたはAUTOEXEC.NCFで変更されます。
@SyntaxVersion <major version>.<minor version>
@Version文字列は、スクリプトファイルのバージョン(および対応するスクリプトデータ)を表します。NETMAIN.ILSスクリプトファイルの場合、@Versionが示すバージョンはインストールNLMに要求されるバージョンと同等以上である必要があります。@Versionを含む対象スクリプトファイルがいくつかある場合、各ファイルのバージョン番号はすべて一致している必要があります。@Versionは、新しいスクリプトをリリースするたびに上げていきます。
製品スクリプトでは、バージョン文字列は完全なオプションになっています。製品スクリプトのバージョン文字列はインストールNLMのバージョンとは比較されませんが、対象となるすべての製品スクリプトに適合するバージョン文字列が含まれている必要があります。
@Version 1.01
インストールプログラムのバージョン文字列が、このバージョン文字列と比較されます。適合しなかった場合、インストールプログラムは他のファイルを要求するメッセージを表示します。@Version記述子を含むすべての対象スクリプトで、バージョン文字列との照合が行われます(「@IncludeFile
@EndIncludeFile」を参照してください)。
Command <command handler name>
Commandを使用して、ファイルに含まれていないコマンドのオプションコマンドハンドラの名前を指定できます。コマンドハンドラ名は8文字以下に設定し、外部コマンドエントリポイントをエクスポートするNLMの名前と一致させる必要があります。
Command ICMD.NLM
ICMD.NLMにより、外部コマンドがサポートされます(「外部コマンドの構文」を参照してください)。本マニュアルに記載されているコマンド構文だけではなく、他のコマンドもサポートされます。
CopyDriverToServer <target_directory_path>, <file_spec>, <source_volume>, <source_description>
CopyDriverToServerコマンドを使用して、<target_directory_path>にあるドライバファイルを新しいドライバファイルで置き換えることができます。ソースファイルは配布CD (これはユーザ指定のディレクトリにコピーされていることもあります)に収められているものを使用します。
<file_spec>には、コピーするファイルの名前を指定します。ファイル名の形式は、*.LAN、*.DSK、<directory>/*.LAN、<directory>/*.DSKです。<source_volume>にはフロッピーディスクのボリュームラベル名を指定し、<source_description>にはフロッピーディスクを要求するメッセージの文字列を指定します。インストールソースがCD-ROMやネットワークドライブの場合、<source_volume>と<source_description>は無視されます(ただし、コマンドには記述する必要があります)。
CopyDriverToServer SYSTEM, '*.LAN', 'NETWARE-3', "NetWare diskette [3]"
*.LANファイルがSYS:SYSTEMディレクトリにコピーされます。
CopyDriverToStartup <file_spec>, <source_volume>, <source_description>
CopyDriverToStartupコマンドを使用すると、スタートアップディレクトリまたは起動ディレクトリ(STARTUP.NCFが置かれたディレクトリ)にあるドライバファイルが新しいドライバファイルに置き換えられます。ソースファイルは配布CD (これはユーザ指定のディレクトリにコピーされていることもあります)に収められているものを使用します。<file_spec>には、コピーするファイルの名前を指定します。ファイル名の形式は、*.LAN、*.DSK、<directory>/*.LAN、<directory>/*.DSKです。<source_volume>にはフロッピーディスクのボリュームラベル名を指定し、<source_description>にはフロッピーディスクを要求するメッセージの文字列を指定します。インストールソースがCD-ROMやネットワークドライブの場合、<source_volume>と<source_description>は無視されます(ただし、コマンドには記述する必要があります)。
CopyDriverToStartup '*.LAN', 'NETWARE-3', "NetWare diskette [3]"
サーバ起動ファイルが置かれた、ユーザ指定のDOSスタートアップディレクトリに、*.LANファイルがコピーされます。
CopyToServer <target_directory_path>, <file_spec>, <source_volume>, <source_description>
CopyToServerを使用して、サーバのシステムボリュームにコピーするファイル(またはワイルドカードを使ったファイルのグループ)を指定します。
<target_directory_path>には、ファイルをコピーするSYS:への相対ディレクトリパスを指定します。<file_spec>には、コピーするファイルの名前を指定します。サブディレクトリからファイルをコピーする場合は、「ディレクトリ/ファイル名」の形で指定します。<source_volume>にはフロッピーディスクのボリュームラベル名を指定し、<source_description>にはフロッピーディスクを要求するメッセージの文字列を指定します。インストールソースがCD-ROMやネットワークドライブの場合、<source_volume>と<source_description>フィールドは無視されます(ただし、コマンドには記述する必要があります)。
CopyToServer 'SYSTEM', '*.*', 'SYSTEM-2', "NetWare diskette [4]"
DOSファイル指定(DOSワイルドカードも含む)に一致するファイルが、ボリュームSYSTEM-2 (またはユーザが指定したハードディスクやネットワークディレクトリ)からディレクトリSYS:SYSTEMにコピーされます。ボリュームSYSTEM-2が存在しない場合は、NetWare CDをドライブに挿入するように指示するメッセージが表示されます。
CopyToStartup <file_spec>, <source_volume>, <source_description>
CopyToStartupコマンドを使用すると、ファイルをスタートアップディレクトリや起動ディレクトリ(STARTUP.NCFが置かれたディレクトリ)にコピーできます。ソースファイルは配布フロッピーディスク(これはユーザ指定のディレクトリにコピーされていることもあります)に収められているものを使用します。
<file_spec>に、コピーするファイルの名前を指定します。サブディレクトリからファイルをコピーする場合、<file_spec>は「ディレクトリ/ファイル名」の形で指定します。<source_volume>にはフロッピーディスクのボリュームラベル名を指定し、<source_description>にはフロッピーディスクを要求するメッセージの文字列を指定します。インストールソースがCDやネットワークドライブの場合、<source_volume>と<source_description>は無視されます(ただし、コマンドには記述する必要があります)。
CopyToStartup 'SERVER.EXE', 'SYSTEM-3', "NetWare diskette [3]"
サーバ起動ファイルが置かれているユーザ指定のDOSスタートアップディレクトリに、SERVER.EXEがコピーされます。
Exec <filename>
Execコマンドを使用すると、オペレーティングシステムコマンドLOAD<filename>が発行されます。インストールプログラムは停止し、チャイルドNLMがアンロードされた後に再開します。\SYSTEM以外のシステムボリュームにある他のサブディレクトリからロードする場合は、ファイル名(「SYS:ディレクトリ/ファイル名」または「ディレクトリ/ファイル名」)を指定します。
Exec MY.NLM
MY.NLMをロードし、実行します。ExecはMY.NLMを検索する際に、通常のNLM検索パスを使用します。Execが終了しアンロードした後に、制御権はインストールプログラムに戻ります。
ProductRecord <product ID (string)>, <record type>, <record data>
ProductRecordコマンドを使用して、ID文字列<product ID>と指定したレコードタイプおよびデータを含むレコードを製品データベースの中に作成します。
ProductRecord MYPROD, 1, "Description for my product"
この例では、引用符で囲んだ説明を含む「MYPROD」というIDの製品説明レコードが作成されます。
RegisterLanguage <language ID>, <language name>
RegisterLanguageコマンドを使用すると、<language ID>が対応する名前<language name>に変換されます。通常このコマンドは、非標準言語をインストールしたときにその言語を登録するために使用します。
RegisterLanguage 17, TURKISH
この例では、ID17にTURKISHという別の名前が与えられます。
SaveLanguageFile <file>
SaveLanguageFileコマンドを使用すると、DOSスタートアップディレクトリに置かれたファイル<file>が、それまでの言語のIDと同じ名前のディレクトリ(<startup directory>/<old language ID>)にコピーされます。新しいディレクトリが作成される場合もあります。新しいファイルへのディレクトリパスが存在しない場合、そのディレクトリが作成されます。
SaveLanguageFile SERVER.MSG
現在の言語IDが「4」であれば、DOSスタートアップディレクトリ(BOOTディレクトリ)にあるSERVER.MSGが、DOSスタートアップディレクトリのサブディレクトリ4にコピーされます。
Spawn <file name>
Spawnコマンドにより、オペレーティングシステムコマンドLOAD<file_name>が発行されます。その後、インストールプログラムは動作を再開します。「Exec」を参照してください。
Spawn MY.NLM
この例では、MY.NLMファイルをロードし、実行します。SpawnはMY.NLMを検索する際に、通常のNLM検索パスを使用します。インストールプログラムとチャイルドNLMは、コンテキストスイッチを使用してCPUを共有するため、どちらのプログラムも実行されます。