Novellでは、サーバでロックアップまたは異常終了が発生し、他のトラブルシューティングの方法が失敗したときは、コアダンプを要求する場合があります。コアダンプは、サーバが異常終了した時点でのNetWareサーバのメモリをコピーしたものです。コアダンプは、Novellエンジニアによって解析され、多くの場合、ソフトウェアバグを見つけるための貴重な手がかりとなります。ただし、現在は、サーバが大量のRAMを使用することが多いので、通常のトラブルシューティングの手順として、コアダンプを作成することは少なくなりました。診断を行うためには、ABEND.LOGファイルも同様の価値があります。
重要: コアダンプを作成する前に、必要なパッチがすべてインストールされている必要があります。コアダンプファイルをNovellに送信するには、まずサポート事項を開く必要があります。この作業は有料です。その事項が解決されるか、または閉じられるまでは課金されません。問題の原因がNovellのバグであり、パッチが取得できなかった場合は、課金されません。
コアダンプファイルを作成する手順を次に示します。ただし、この手順については、連絡先のサポート担当者が説明します。
次の種類のコアダンプを実行できます。
完全コアダンプ では、すべてのサーバメモリをローカルドライブまたはローカルデバイスにコピーします。
完全コアダンプ(キャッシュを除く) では、ファイルキャッシュ(ディスクキャッシュ)を除く、すべてのサーバメモリをローカルドライブまたはローカルデバイスにコピーします。キャッシュレスコアダンプの方がサイズは小さいですが、重要な情報の量は、完全コアダンプと同じです。
コアダンプを開始するには、2つの方法があります。
[Type?]プロンプトで、前に説明した完全コアダンプまたはキャッシュレスコアダンプのいずれかを指定できます。
[Device?]プロンプトで、ローカルドライブまたはDOS書き込み可能デバイスのいずれかを指定できます。
注: 今後、他の種類のコアダンプも作成できるようになる可能性があります。その場合は、Novellテクニカルサポート担当者が通知します。
サーバが完全にフリーズしていない場合は、<Shift>+<Shift>+<Alt>+<Esc>を押すことによって、デバッガを起動できます。 ヒント: 左の<Shift>を左手で、右の<Shift>と<Alt>を右手で押します。次に、<Esc>を左手の使いやすい指で押します。
次に、「.C」と入力すると、コアダンプを選択する画面が表示されます。 コアダンプの作成が終了したら、「G」と入力してデバッガを終了し、システムコンソールのプロンプトに戻ります。または、「Q」と入力して、DOSに移ります。
コアダンプの作成を開始すると、メモリイメージファイルの書き込み先として、DOSドライブ名とファイルパスを指定するように要求されます。完全なイメージファイルのサイズは、サーバにインストールされているRAMの総容量とほぼ同じになります。キャッシュレスコアダンプの場合、イメージファイルのサイズは、RAMの総容量からファイルキャッシュ(ディスクキャッシュメモリ)の容量を差し引いた大きさになります。
書き込み先ドライブには、十分な空き容量がある任意の書き込み可能なDOSデバイスを指定できます。ただし、指定するドライブは、サーバが異常終了する前に設定する必要があるだけでなく、サーバを起動する前に設定する必要があります。
サーバ上のローカルハードディスクに書き込まれたイメージファイルのデフォルトの名前は、C:COREDUMP.IMGになります。ハードディスクに書き込まれたファイルは、圧縮、ディスクにコピー、テープにバックアップ、またはFTP経由でftp.novell.comに送信できます(サポート事項を開いてある場合)。
また、イメージファイルは、サーバが起動済みで稼動中になったら、ネットワークドライブにコピーすることもできます。この操作を行うには、IMGCOPY.NLMを使用するか、または、同じ機能を持つ任意のサードパーティ製のNLMを使用します。IMGCOPY.NLMを探すには、NovellのWebサイトで[Patches and Files]ページの検索機能を使用します。
メモリイメージをNovellに送信する前に、サポート担当者に連絡してサポート事項を開きます。担当のテクニカルサポートエンジニアが割り当てられ、メモリのイメージファイルの分析作業をサポートしてくれます。テクニカルサポートエンジニアは、イメージを、通常のメールまたはインターネット経由で受信できるようにし、使用するのに最も適したメディア形式について助言してくれます。