13.1 OES 2ストレージの概要

このセクションでは、OESに組み込まれているファイルシステムの概要について説明します。

13.1.1 データベース

OESオンラインマニュアルのdatabaseを参照してください。

13.1.2 iSCSI

OESオンラインマニュアルのiSCSIを参照してください。

13.1.3 OESにおけるファイルシステムのサポート

図 13-1に示すように、両方のOES 2サーバプラットフォームでNovell® Storage Services™および従来型ファイルシステムがサポートされています。

図 13-1 OES 2サーバ上のファイルシステムの選択

表 13-1では、OESファイルシステムの種類についての要約、および詳細情報へのリンクを掲載しています。

表 13-1 OES 2サーバ上で使用可能なファイルシステム

File System Type

Summary

詳細情報へのリンク

従来型Linuxファイルシステム

SLES 10でサポートされるファイルシステムにはさまざまな種類があり、その中でもExt3およびReiserFSが最も広く使用されているファイルシステムです。

OES 2サービスは、Ext3およびReiserFSの両方でサポートされます。

OES 2でサポートされるファイルシステムの概要については、『OES 2: File Systems Management Guide』のFile Systems Overviewを参照してください。

従来型NetWare®ファイルシステム

従来型NetWareファイルシステムは、Netwareサーバ上の古くからのファイルシステムではありますが、依然堅牢で、強力です。従来型NetWareファイルシステムは、NetWareファイルサービスアクセスモデルをサポートしています。

詳細については、『OES 2: NetWare Traditional File System Administration Guide』を参照してください。

Novell Storage Service (NSS)

NSSを使用すれば、共有ファイルストレージを組織の規模に合わせて管理できます。

NetwareのNSSは、情報の見やすさ、トラスティアクセス制御モデル、同時に複数のネームスペースをサポート、ネイティブUnicode*、ユーザとディレクトリの割り当て、豊富なファイル属性、複数のデータストリームをサポート、イベントファイルリスト、ファイルサルベージサブシステムなどの特長を備えています。

これらの機能の多くは、Linux上のNSSでもサポートされます。機能比較については、『OES 2: NSS File System Administration Guide』のComparison of NSS on NetWare and NSS on Linuxを参照してください。

NSSの概要については、『OES 2: NSS File System Administration Guide』のOverview of NSSを参照してください。

Novell Storage Service (NSS)

次の節では、NSSに関する主要事項を要約しています。

NSSの命名規約について

NSSでは、特定の命名規約を使用して、主要メディアオブジェクトを表します。これらの規約は、NSSドキュメントとNSSエラーメッセージの両方に現れます。

詳細については、『OES 2: NSS File System Administration Guide』のNSS Nomenclatureを参照してください。

NSSと他のファイルシステムの比較

OES 2は各種のファイルシステムをサポートしているため、各ファイルシステムの特徴および利点(『OES 2: NSS File System Administration Guide』の次に示す節で概説)を比較することをお勧めします。

NSSとストレージデバイス

NSSは物理デバイス(たとえば、ハードディスク)および仮想デバイス(たとえば、ソフトウェアRAIDやiSCSIデバイス)の両方をサポートしています。

NSSでサポートされている各種デバイスの詳細については、『OES 2: NSS File System Administration Guide』のManaging Devicesを参照してください。

13.1.4 ストレージの基礎(プラットフォーム別)

次の節では、LinuxおよびNetWareのストレージの基本について概説します。

Linuxおよびファイルシステム

Linux上のファイルシステムの高レベルな概要(ルート(/)ディレクトリ、マウントポイント、標準フォルダ、大/小文字の区別など)については、『OES 2: File Systems Management Guide』のUnderstanding Directory Structures in Linux Traditional File Systemsを参照してください。

NetWareディレクトリ

NetWareでは、ボリュームおよびディレクトリ(またはフォルダ)を使用して、データを系統立てて管理します。NetWareファイルシステムは、ディレクトリパス、擬似ルートディレクトリ、ディレクトリマップオブジェクト、およびドライブマッピングをサポートしています。

詳細については、『OES 2: File Systems Management Guide』のUnderstanding NetWare Directory Structuresを参照してください。

NetWareストレージデバイス

NetWareで使用できるストレージデバイスには、サーバディスク、単一ストレージデバイス、アレイ型ストレージデバイス、仮想ストレージデバイスなど、さまざまな種類があります。

Netwareでのストレージデバイスの接続方法および使用方法を理解するには、『OES 2: NetWare Server Disks and Storage Devices』のOverview of Server Disks and Storage Devices for NetWareを参照してください。

13.1.5 ストレージオプション

次の節では、OESのストレージオプションについて要約しています。

Dynamic Storage Technology

OES 2 LinuxのDynamic Storage Technologyでは、2つの分割されたNSSボリュームを、シャドウボリュームと呼ばれる、見かけ上1つのボリュームのように、単一化したNSSボリュームとして表せます。

プライマリボリュームにアクセスするNCP™クライアントユーザおよびSamba/CIFSユーザには、両方のボリュームからのファイルおよびサブディレクトリを、それらが1つのボリューム上に存在するように表示されます。ユーザが行う、名前変更、削除、移動、などのアクションは、Dynamic Storage Technologyによって、2つのボリューム間で同期されます。

NCPクライアントとは異なり、バックアップツールはボリュームを別々に認識し、プライマリボリュームに対して1つのバックアップポリシーを割り当て、セカンダリボリュームに対して他のバックアップポリシーを割り当てることができます。

Dynamic Storage Technologyを使用するこにより、使用頻度の低いファイルを安価なストレージメディアに配置するなど、ストレージにかかる経費を抑えることができます。新しい、より高価なSANまたはRAIDストレージを採用して、「move on demand」マイグレーション戦略を実施できます。その戦略では、最初、プライマリボリュームとしてのストレージは空で、Dynamic Storage Technologyを設定することにより、データがアクセスされたときのみに、プライマリストレージにデータが移行されます。

さらに、Dynamic Storage TechnologyではHSMソリューションに見られるようなパフォーマンス上の問題は発生しません。

Dynamic Storage Technologyの詳細については、『OES 2: Novell Dynamic Storage Technology Administration Guide』を参照してください。

直接接続型ストレージオプション(NSSおよびTraditional)

図 13-1に示すように、両方のOESプラットフォーム上に従来型ボリュームおよびNSS (Novell Storage System)をインストールできます。これらのデバイスはサーバ内にインストールすることも、また外部SCSIバスを通じてサーバへ直接に接続することもできます。

詳細については、『OES 2: Storage and File Services Overview』のDirect Attached Storage Solutionsを参照してください。

高度なストレージオプション(NSSのみ)

OES 2: Storage and File Services Overview』に記載されているように、NSSボリュームは次の高度なストレージソリューションをサポートしています。

  • NAS (Network Attached Storage)ソリューション

    既存のネットワークインフラストラクチャを介して、またイーサネットやTCP/IPなどの従来型LANプロトコルを使用することによって、ユーザおよびアプリケーションサーバが集中的にストレージにアクセスできるようにする専用データサーバまたはアプライアンス。ギガビットイーサネットを使用している場合、アクセス速度は直接接続型ストレージデバイスの速度とほぼ同じです。

    短所は、ネットワーク帯域幅でデータ要求とデータの競合が発生することです。

  • SAN (Storage Area Network)ソリューション

    Fibre Channelのような、高速相互接続を通じて接続されたサーバおよびストレージメディアから構成される、別個の専用データネットワーク。

    • Novell iSCSI

      Novell iSCSIを使用して作成したSANにより、Novell eDirectory™を使ったiSCSIリソース管理(トラスティ権の付与やユーザファイルアクセス)を可能にします。詳細については、『OES 2: iSCSI 1.1.3 for NetWare Administration Guide』を参照してください。

  • 対障害性および高可用性アーキテクチャ

    次のテクノロジを1つまたは複数使用します。

13.1.6 Linux上でのNetWare Core Protocolサポート(Novell Clientサポート)

多くの組織で、ファイルストレージサービスへの確実で安全なアクセスのために、Novell Client™ソフトウェアおよびNCP™ (NetWare Core Protocol ™)が利用されています。

NSS (Novell Storage Services)ボリュームは本来NCPボリュームですが、NCPボリュームとして従来型Linuxボリュームを定義することもできます。NSSボリュームと従来型Linuxボリューム間のアクセス制御の主な違いは、NSS拡張ファイルおよびディレクトリ属性が、従来型Linuxボリュームでは使用できないところです。

OES 2 LinuxのNCPサーバでは、Novell Clientソフトウェアを使用して、NCPボリュームとして定義されたLinuxの従来型ボリュームに接続できます。詳細については、セクション 17.6, NCPの実装と保守を参照してください。