70.2 Remote Controlセッションの管理

リモート管理により、管理対象ワークステーションをリモートで制御できます。リモートコントロール機能を使用すると、ユーザ支援を提供し、ワークステーションの問題解決を手助けすることができます。リモートコントロール接続を確立することで、リモートオペレータは管理対象ワークステーションを参照するだけでなく制御することもできるようになります。

リモートコントロールセッションは、次のタスクを実行することで、効果的に管理できます。

70.2.1 [Viewing]ウィンドウの表示の制御

管理対象ワークステーションの表示は、[リモートコントロール]ウィンドウのコントロールオプションを使用して制御します。

コントロールオプションを有効にするには

  1. [リモートコントロール]ウィンドウの左上隅にある[リモート管理エージェント]アイコンをクリックします。

  2. [設定]をクリックします。

  3. リモートセッションのために有効にするコントロールオプションを選択します。

    オプション

    Description

    エージェントに対してマウスの移動をブロックする

    ネットワーク帯域幅の消費を少なくするには、Agentに対するすべてのマウス操作をブロックします。

    高品質スケーリングを有効にする

    [サイズの調整]モードでイメージの品質が向上します。

    アクセラレータキーの有効化

    管理コンソールのアクセラレータキーを有効にして、リモートセッション中にデフォルトのアクセラレータキーシーケンスを変更できるようにします。

    暗号化を有効にする

    暗号化はオプションの機能で、セッションごとに有効になります。保存されている設定で暗号化が有効の場合、セッションはセッション開始時から暗号化されます。

    セッション全体を暗号化すると、ネットワーク経由で転送されるデータが暗号化されて、そのデータがネットワーク上でキャプチャされた場合でも重要な内容を解読することは難しいため、セキュリティが向上します。ただし、パフォーマンスに若干影響を与えるため、セキュリティ要件が厳しい場合のみ使用することをお勧めします。

    システムキーパス

    (Alt)キーシーケンスを管理コンソールから管理対象ワークステーションに渡します。

    メモ:リモートビューセッション中は、[システムキー送信]オプションが有効になっていません。

    壁紙を非表示にする

    管理対象ワークステーションに表示されている壁紙を非表示にします。デフォルトではこのオプションが有効にされています。リモートコントロールセッションまたはリモートビューセッション中に管理対象ワークステーションに壁紙を表示する場合は、このオプションを無効にします。

    Color Quality

    デフォルトでは、低速リンクのカラー品質は[標準]に設定され、高速リンクのカラー品質は256色に設定されます。低速リンクまたは高速リンクのカラー品質は次のいずれかに変更できます。

    • 16 Colors: リモート管理セッション中に、管理対象ワークステーションで16色のカラーパレットを使用するように強制します。これによって、特に低速リンクでのリモート管理のパフォーマンスが向上します。

    • 256 Colors: リモート管理セッション中に、管理対象ワークステーションで256色のカラーパレットを使用するように強制します。これにより、低速リンクでのリモート管理のパフォーマンスが向上します。

    • Normal: 色は変更されず、設定は、リモート管理セッション中、管理対象ワークステーションで同じです。

    ネットワークタイプ

    管理対象ワークステーションがLANで接続されている場合は、[高速リンク]オプションを選択してリモート管理のパフォーマンスを向上させます。

    管理対象ワークステーションがダイヤルアップまたはWANで接続されている場合は、[低速リンク]オプションを選択してリモート管理のパフォーマンスを向上させます。

  4. コントロールパラメータの設定を保存するには、[保存して終了]チェックボックスをオンにします。

    保存された設定は次のリモートコントロールセッションで適用されます。

70.2.2 [Viewing]ウィンドウのアクセラレータキーの使用

[リモートコントロール]ウィンドウの表示を制御するためのアクセラレータキーを使用できます。各アクセラレータキーオプションには、デフォルトのアクセラレータキー操作が割り当てられています。[Accelerator Keys]ダイアログボックスの各アクセラレータキーオプションの[Edit]フィールドにデフォルトのキー操作が表示されます。カスタムのアクセラレータキー操作を定義して、デフォルト操作を変更できます。詳細については、アクセラレータキーのカスタムシーケンスの定義を参照してください。

アクセラレータキーオプションを有効にするには

  1. [リモートコントロール]ウィンドウの左上隅にある[リモート管理エージェント]アイコンをクリックします。

  2. [設定]をクリックします。

  3. [アクセラレータキーの有効化]を選択します。

[Accelerator Keys]ダイアログボックスを開くには

  1. [リモートコントロール]ウィンドウの左上隅にある[リモート管理エージェント]アイコンをクリックします。

  2. [アクセラレータキー]をクリックします。

表 70-2 ウィンドウのアクセラレータキーの表示

オプション

デフォルトのキー操作

Description

フルスクリーン切り替え

<Ctrl>+<Alt>+<M>

管理コンソールおよび管理対象ワークステーションの解像度設定が同じ場合にのみ使用できます。

[リモートコントロール]ウィンドウのサイズを、ウィンドウの境界線を表示せずに画面のサイズに変更します。

リフレッシュスクリーン

<Ctrl>+<Alt>+<R>

[リモートコントロール]ウィンドウをリフレッシュします。

セッションの再起動

<Ctrl>+<Alt>+<T>

管理対象ワークステーションとの接続を再確立します。

アクセラレータキーの有効化

<Ctrl>+<Alt>+<A>

デフォルトのアクセラレータキー操作を変更できるようにします。

ビュー停止

左の<Shift>+<Esc>

[リモートコントロール]ウィンドウを閉じます。

ダイアログの設定

<Alt>+<M>

[コントロールパラメータ]ダイアログボックスを開きます。

アクセラレータキーダイアログ

<Alt>+<A>

[アクセラレータキー]ダイアログボックスを開きます。

フルスクリーンのポーリング

<Alt>+<L>

管理対象ワークステーションの画面全体の情報を継続的にスキャンして描画します。

サイズの調整

<Ctrl>+<Alt>+<G>

スクロールバーを非表示にして、[リモート管理]ウィンドウのサイズを画面に合うように調整します。

システムキーパス

<Ctrl>+<Alt>+<S>

管理コンソール上での(Alt)キーシーケンスを管理対象ワークステーションに渡します。

マウスおよびキーボードのロック

<Ctrl>+<L>

管理対象ワークステーションのキーボードとマウスをロックします。

Blank Screen

<Ctrl>+<Alt>+<B>

管理対象ワークステーションの画面を消去します。

Reboot

<Ctrl>+<Alt>+<D>

<Ctrl>+<Alt>+<Del>のキー操作を管理対象ワークステーションに送信します。

[セキュリティ]ウィンドウをWindows 2000/XPの管理対象ワークステーションに表示します。再起動確認ダイアログをWindows 98の管理対象ワークステーションに表示します。

開始

<Alt>+<R>

管理対象ワークステーションに[スタート]メニューを表示します。

Switch Applications

<Ctrl>+<T>

管理対象ワークステーション上のアプリケーションを切り替えます。

70.2.3 [Viewing]ウィンドウのツールバーボタンの使用

次の表は、[Viewing]ウィンドウのツールバーオプションについての説明です。

表 70-3 [Viewing (表示)]ウィンドウのツールバーオプション

ボタン

デフォルトのキー操作

主要な機能

Screen Blanking

<Ctrl>+<Alt>+<B>

管理対象ワークステーションの有効なリモートコントロールポリシーで、[ユーザ画面の消去を許可]オプションが有効になっている場合にのみ使用できます。

管理対象ワークステーションの画面を消去します。リモートオペレータがこのオプションを選択すると、管理対象ワークステーションの画面が黒くなり、管理対象ワークステーション上でリモートオペレータが実行する操作が、管理対象ワークステーションのユーザ側からは見えなくなります。

一部のディスプレイアダプタでは、この機能を使用することができません。この機能をサポートしていないディスプレイアダプタのリストについては、ZENworks 7 Desktop Management Readmeを参照してください。

Mouse and Keyboard Lock

<Ctrl>+<L>

管理対象ワークステーションのキーボードとマウスをロックします。リモートオペレータがこのオプションを選択すると、管理対象ワークステーションのユーザは、管理対象ワークステーション上のキーボードとマウスを使えなくなります。

System Start

<Alt>+<R>

管理対象ワークステーションに[スタート]メニューを表示します。

Application Switcher

<Ctrl>+<T>

(Alt)-(tab)のキー操作を管理対象ワークステーションに送信します。

管理対象ワークステーション上のアプリケーションを切り替えます。ツールバーのボタンを使用する場合は、ボタンを続けてクリックしてアプリケーション間を移動し、(Tab)キーを押して希望するアプリケーションを選択する必要があります。<Ctrl>+<T>アクセラレータキーを使用する場合は、<Alt>+<Tab>シーケンスと同じように使用して、アプリケーション間を切り替える必要があります。

System Key Pass Through

<Ctrl>+<Alt>+<S>

システムキーの送信を[On]または[Off]に設定します。

管理コンソール上での(Alt)キーシーケンスを管理対象ワークステーションに渡します。

Reboot

<Ctrl>+<Alt>+<D>

<Ctrl>+<Alt>+<Del>のキー操作を管理対象ワークステーションに送信します。

[セキュリティ]ウィンドウをWindows 2000/XPの管理対象ワークステーションに表示します。再起動確認ダイアログをWindows 98の管理対象ワークステーションに表示します。

更新

<Ctrl>+<Alt>+<R>

[Viewing]ウィンドウを更新します。

Full Screen Polling

<Alt>+<L>

管理対象ワークステーションの画面全体の情報を継続的にスキャンして描画します。

サイズの調整

<Ctrl>+<Alt>+<G>

スクロールバーを非表示にして、[リモート管理]ウィンドウのサイズを画面に合わせます。

セッションの暗号化

 

暗号化はオプションの機能で、セッションごとに有効になります。保存済みの設定で暗号化のオプションが有効になっている場合、セッションは開始の時点から暗号化されます。

セッション全体を暗号化すると、ネットワーク経由で転送されるデータが暗号化されて、そのデータがネットワーク上でキャプチャされた場合でも重要な内容を解読することは難しいため、セキュリティが向上します。ただし、パフォーマンスに若干影響を与えるため、セキュリティ要件が厳しい場合のみ使用することをお勧めします。

デフォルトのキーシーケンスを使用しない場合は、キーのカスタムシーケンスを定義できます。詳細については、アクセラレータキーのカスタムシーケンスの定義を参照してください。

70.2.4 管理対象ワークステーション上の壁紙の有効化

リモートオペレータがリモートコントロールセッションを開始したときは、管理対象ワークステーションのデスクトップに表示されていた壁紙が非表示になります。この機能は、管理コンソールからの要求に対する管理対象ワークステーションからの応答時間を短縮するためのもので、壁紙を非表示にすることにより、ネットワーク上に生じるトラフィックが軽減されます。

このオプションのコントロールパラメータは、デフォルトの設定を変更して、管理対象ワークステーションに壁紙を表示できるように設定することもできます。リモートコントロールセッションを終了すると、非表示にされていた壁紙が復元されます。

管理対象ワークステーションの非表示にされている壁紙を有効にするには

  1. [リモートコントロール]ウィンドウの左上隅にある[リモート管理エージェント]アイコンをクリックし、次に[設定]をクリックします。

  2. [壁紙を非表示にする]オプションの選択を解除します。

70.2.5 リモート管理セッションについての情報の取得

[情報]ウィンドウを使用すると、管理対象ワークステーションのユーザは、ワークステーションをリモートで管理するリモートオペレータの名前、セキュリティ設定、リモートセッションで使用されるプロトコルなど、セッションの詳細情報を表示できます。

リモートセッションについての情報を表示するには

  1. 管理対象ワークステーションのシステムトレイにある[リモート管理エージェント]アイコンを右クリックします。

  2. [情報]をクリックします。

  3. [一般]タブをクリックすると一般情報を、[セキュリティ]タブをクリックするとセキュリティ情報を表示できます。

詳細については、次の節を参照してください。

70.2.6 一般情報の取得

次の表は、[Information]ウィンドウからリモート管理セッションについて取得できる一般情報についての説明です。

表 70-4 [情報]ウィンドウからリモート管理セッションについて取得できる一般情報

パラメータ

Description

[リモート管理操作]

実行中のリモート管理セッションを一覧表示します。

[RM Information (RM情報)]>[イニシエータ]

リモートオペレータの名前を表示します。

[RM Information (RM情報)]>[プロトコル]

リモートセッション中にリモート管理エージェントが管理コンソールと通信するために使用するプロトコルを表示します。

[最適化ステータス]>[RC/RV最適化]

リモート管理セッションの最適化ドライバが有効か無効かを表示します。最適化ドライバが有効になっている場合、リモートセッションのパフォーマンスが向上します。

70.2.7 セキュリティ情報の取得

[セキュリティ情報]ダイアログボックスには、リモートセッションの次の分類に基づいた情報が表示されます。

  • リモートコントロール
  • Remote View (リモートビュー)
  • ファイル転送
  • Remote Execute (リモート実行)
  • その他