76.7 重複するインベントリ対象ワークステーションのインベントリデータベースからの削除

インベントリ削除サービスを使用すると、インベントリデータベースから、不必要なインベントリ対象ワークステーション、重複するインベントリ対象ワークステーション、または古くなったインベントリ対象ワークステーションを削除できます。

インベントリ削除サービスは、インベントリサーバ上で実行する手動によるサービスです。このサービスは、inventoryremovallist.txtファイルを使用してインベントリデータベースからインベントリ対象ワークステーションを削除します。inventoryremovallist.txtファイルには、インベントリデータベースから削除する必要があるインベントリ対象ワークステーションのリストが含まれています。

重要:インベントリ削除サービスを実行するときは、インベントリサービスマネージャがロードされていることを確認する必要があります。

中間サーバにインベントリ対象ワークステーションまたはデータベースが接続されている場合のみ、中間サーバでインベントリ削除サービスを実行できます。

インベントリデータベースからインベントリ対象ワークステーションを削除するには

  1. 次のいずれかの方法で、inventoryremovallist.txtを作成します。

    • inventoryremovallist.txtを自動的に作成するには、NDS Lookup for DBユーティリティを使用します。デフォルトでは、このユーティリティは、インベントリ対象ワークステーションのリストを含むルックアップファイルdeletewslist.txtを作成します。NDS Lookup for DBユーティリティの詳細については、セクション 76.7.1, NDS Lookup for DBユーティリティについてを参照してください。

      ルックアップファイルを生成したら、次の操作を行います。

      • ルックアップファイルの名前をinventoryremovallist.txtに変更します。
      • (オプション)ルックアップファイル内で、インベントリデータベースから削除する必要があり、ルックアップファイル内にまだリストされていない他のインベントリ対象ワークステーションのDNを追加します。
    • inventoryremovallist.txtを手動で作成するには、任意のテキストエディタを使用して次の内容のファイルを作成します。
      DN of the inventoried workstation (as stored in the Inventory database) to be removed from the Inventory database
      DN of the inventoried workstation (as stored in the Inventory database) to be removed from the Inventory database
      ...
      ...
      DN of the inventoried workstation (as stored in the Inventory database) to be removed from the Inventory database
      

    次はinventoryremovallist.txtファイルの一例です。

    CN=WS1.OU=WORKSTATIONS.OU=WEST.O=XYZ.T=XYZ-TREE
    CN=WS99.OU=WORKSTATIONS.OU=NORTH.O=XYZ.T=XYZ-TREE
    CN=WS50.OU=WORKSTATIONS.OU=EAST.O=XYZ.T=XYZ-TREE
    

    削除する必要があるインベントリ対象ワークステーションのリストを生成するには、選択された基準に基づいて照会を実行するか、インベントリ対象ワークステーションの名前を手動で入力します。照会の詳細については、セクション 77.1.3, データベース照会によるインベントリ情報の表示を参照してください。

  2. inventoryremovallist.txtファイルをZENworks_installation_path\zenworks\inv\server\wminv\propertiesディレクトリにコピーします。

    Linuxの場合、inventoryremovallist.txtファイルを/etc/opt/novell/zenworks/inv/ディレクトリにコピーします。

  3. ZENworks_installation_path\zenworks\inv\server\wminv\properties\inventoryremoval.propertiesファイルで、FilePathの値がinventoryremovallist.txtの場所(ステップ 2で指定)であることを確認します。

    Linuxの場合、/etc/opt/novell/zenworks/inv/InventoryRemoval.propertiesファイルで、FilePathの値がinventoryremovallist.txtの場所であることを確認します。

    メモ:パスの区切り文字が「\」ではなく、「/」であることを確認します。

  4. サーバコンソールのプロンプトで、「StartSer RemoveInventory」と入力してインベントリ削除サービスを起動します。

    Linuxの場合、サーバコンソールのプロンプトで、「/opt/novell/bin/StartSer RemoveInventory」と入力してインベントリ削除サービスを起動します。

インベントリ削除サービスは次の順序で実行します。

  1. インベントリ削除サービスは、inventoryremovallist.txtファイルの各行を読み込み、inventoryremovallist.txtファイルで一覧にされている各インベントリ対象ワークステーションについてdelete strファイルを作成します。

    セレクタが実行されている場合、delete strファイルはscandirディレクトリに保存されます。それ以外の場合、delete strファイルは、インベントリサーバの役割に応じて、dbdirディレクトリまたはentmergedirディレクトリに保存されます。

  2. セレクタは、delete strファイルを検証し、dbdirディレクトリとentmergedirディレクトリにそのファイルをコピーします。
  3. Storerは、dbdirディレクトリからdelete strファイルを読み込み、接続されているインベントリデータベースからインベントリ対象ワークステーションを削除します。
  4. インベントリ展開でスキャンデータをロールアップする場合、delete strも次のレベルのインベントリサーバにロールアップされます。

    インベントリ対象ワークステーションは、企業レベルで展開されているすべてのインベントリサーバのインベントリデータベースから削除されます。

76.7.1 NDS Lookup for DBユーティリティについて

NDS Lookup for DBは、インベントリデータベースに格納されているにもかかわらずeDirectoryに対応するエントリがないインベントリ対象ワークステーションのリストを自動的に生成します。デフォルトでは、deletewslist.txtという名前がこのルックアップファイルに付けられます。

このような余分なワークステーションがインベントリデータベース内に存在する理由は、これらのワークステーションがeDirectoryから削除されているのにもかかわらず対応するエントリがデータベースから削除されていないからです。

NDS Lookup for DBによって生成されたリストから、インベントリ削除サービスを使用してインベントリデータベースから削除すべき不要なワークステーションオブジェクトを確認できます。

重要:このユーティリティは、インベントリデータベースの接続先のインベントリサーバ上でのみ実行する必要があります。また、このユーティリティを実行するときは、サービスマネージャがロードされていることを確認する必要があります。

このユーティリティを実行するには

  1. inventory_server_installation_path\inv\server\wminv\properties\ inventoryremoval.propertiesにルックアップファイルのパスを指定します。

    Linuxの場合、/etc/opt/novell/zenworks/inv/InventoryRemoval.propertiesにルックアップファイルのパスを指定します。

    メモ:パスの区切り文字が「\」ではなく、「/」であることを確認します。

  2. (オプション)サーバ役割プロパティファイルにルックアップファイル名を設定します。サーバ役割プロパティファイルは、インベントリサーバの役割に応じて、root_db_wks.propertiesroot_db.propertiesint_db_wks.propertiesint_db.propertiesleaf_db_wks.properties、またはstandalone.propertiesのいずれかです。

    サーバ役割プロパティファイルには、[NDSLookupForDB Service]セクションがあり、そのARGUMENTSパラメータにルックアップファイル名が指定されています。デフォルトのルックアップファイル名はdeletewslist.txtです。

    重要:ルックアップファイル名は、英数字のみで構成する必要があります。

  3. サーバコンソールプロンプトで、「startser NDSLookupForDB」と入力します。

    Linuxの場合、サーバコンソールプロンプトで「/opt/novell/bin/StartSer NDSLookupForDB」と入力します。