56.5 ワークステーションでのPXEの有効化

起動前サービスを使用してワークステーションのイメージを作成する場合、ワークステーションがPXEに対応しているかどうかを調べてから、PXEが有効になっていることを確認する必要があります。

PXEコードは比較的新しい(PC 99対応以降の)ワークステーションのNICで提供されています。

この節では、次の情報について紹介します。

56.5.1 PXE対応ワークステーションでのPXEの有効化

PXEを有効にすると、ブートプロセスの時間が長くなる可能性があるため、ほとんどのNICではデフォルトでPXEが無効になっています。PXE対応ワークステーションでPXEを有効にするには、次の手順に従います。

  1. コンピュータのシステムBIOSにアクセスし、[Boot Sequence(ブートシーケンス)]のオプションを確認します。

    ワークステーションのPXEをアクティブにする方法はメーカーによって異なりますが、一般的に次の方法のいずれかを使用します。

    • 一部のBIOSでは、PXE機能を有効または無効にするための別々のエントリがBIOS設定に含まれています。この場合、[PXE Boot (PXEブート)]設定または[Network Boot (ネットワークブート)]設定を[使用可能]に設定します。
    • エントリが展開し、ユーザがブート順序を設定できるBIOSもあります。たとえば、システムがハードドライブからブートを試みる前に、フロッピーディスクからブートを試みるように指定できます。この場合、システムがフロッピーディスクまたはハードディスクからブートを試みる前に、ネットワークブートを試みるように設定します。
  2. PXEが[Boot Sequence (ブートシーケンス)]オプションに一覧表示されていない場合、およびNICがマザーボードに組み込まれている場合は、[Integrated Devices (統合デバイス)]セクションを確認します。通常、このBIOSは、PXEを有効にするオプションを含む形式のものです。PXEは、MBA (Managed Boot Agent)または起動前サービスなどの別名で呼ばれる場合があります。

    [Integrated Devices (統合デバイス)]セクションでPXEを有効にしたら、[Boot Sequence (ブートシーケンス)]のオプションを確認し、PXEがブートシーケンスの最初になるように移動します。

  3. 変更内容を保存し、システムBIOSを終了します。

  4. ワークステーションを再起動します。

ワークステーションのマザーボードにネットワークアダプタおよびPXEが統合されていない場合は、インストール済みのNIC管理ソフトウェアによって、ブートプロセスでPXEの設定を開始するように求めるメッセージが表示されます。

たとえば、PXEを認識する多くのネットワークアダプタでは、ユーザがPXE機能を設定できるように、ブートプロセスで、<Ctrl>+<S>キーを押すように求めるメッセージが表示されます。PXEを構成するために、<Ctrl>+<Alt>+<B>キーまたは他のキーの組み合わせを押すように求めるメッセージが表示されるネットワークアダプタもあります。

コンピュータシステムに統合NICがない場合は、NIC管理ソフトウェアを使用して、PXEをサポートするようにNICを設定する必要があります。PXEのサポートについては、NICのマニュアルを参照してください。

56.5.2 ワークステーションでのPXE有効化の確認

PXEをアクティブにすると、PXEがBIOSの[ブート]セクションで使用できるようになります。ワークステーションがブートプロセスでPXEセッションの確立を試みたときに、そのワークステーションでPXEが正しく有効になります。ブートプロセスでワークステーションが一時停止し、画面に次のように表示されると、PXEが有効になったことがわかります。

CLIENT MAC ADDR:00 E0 29 47 59 64
DHCP...

実際に表示されるメッセージはメーカーによって異なりますが、ワークステーションがDHCPを探すときにブートプロセスで明らかに一時停止するため、このメッセージを見分けることができます。

56.5.3 ワークステーションがPXEに対応していない場合

古いワークステーションの中には、PXEをサポートしていないものがあります。この場合、そのワークステーションにPXEをインストールする必要があります。これには、次のような方法があります。

  • NICドライバまたはNICドライバを更新します。ネットワークアダプタのほとんどのメーカーでは、PXEのブートROMチップを提供しています。これをネットワークアダプタに組み込むことによって、ワークステーションのPXEを有効にできます。NICのメーカーまたは供給業者に連絡し、PXEブートROMを販売しているかどうかを確認してください。PXEを有効にするために、現在のNICで最新のドライバが必要になる場合もあります。
  • BIOSのバージョンを更新します。ネットワークアダプタが埋め込まれたマザーボードを提供しているほとんどのメーカーが、ワークステーションのPXEを有効にするBIOSのアップグレードを提供しています。メーカーのWebサイトを確認するか、供給業者にBIOSのアップグレートについてお問い合わせください。
  • ワークステーションでPXEが使用できない場合は、デスクトップ管理起動前サービスのPXE-on-Diskユーティリティを使用します。このユーティリティを使用すると、ワークステーションをPXE環境に加えることができるブートディスクを作成できます。

    PXE-on-Diskユーティリティは、Desktop Managementの起動前サービス(PXEサポート)の一部としてイメージングサーバにインストールされています。このユーティリティには、Imaging Boot Disk Creatorの[Create PXE Disk (PXEディスクの作成)]ボタンからアクセスできます(ConsoleOneで、[ツール]>[ZENworksユーティリティ]>[イメージング]>[ブートディスクの作成または変更]の順にクリックします)。

    PXE-on-Diskの使用方法の詳細については、セクション 56.7, デスクトップ管理起動前サービスPXE-on-Diskユーティリティの使用を参照してください。