36.1 障害対策機能のセットアップ

ネットワークに障害が起きると、インストールパッケージを利用できなくなる場合があります。アプリケーションのインストールパッケージが利用できないときでもアプリケーションを配布できるようにするため、インストールパッケージのバックアップをとることができます。バックアップの方法はアプリケーションのタイプによって異なります。次の節では、その方法について説明します。

ZENworks Desktop Managementは、Webアプリケーションとターミナルサーバアプリケーションの障害対策機能を備えていません。

36.1.1 MSIアプリケーションの障害対策機能のセットアップ

MSIアプリケーションの障害対策、つまりソースの復元は、複数のインストールパッケージを別々のサーバ上の場所から利用できるようにすることにより実現します。配布の途中で、あるソースに障害が起こると、Application Launcherは、別のソースから配布を試みます。

MSIアプリケーションの障害対策機能をセットアップする

  1. 追加のMSIインストールパッケージを任意のサーバ上の場所に作成します。

  2. ConsoleOne®で、障害対策機能を有効にするMSIアプリケーションオブジェクトを右クリックし、[プロパティ]をクリックしてアプリケーションオブジェクトのプロパティページを表示します。

  3. [共通]タブ>[ソース]の順にクリックして、[ソース]ページを表示します。

    MSIアプリケーションオブジェクトの[ソース]ページ

    [ソース]ページには、MSIアプリケーションオブジェクトが作成されたときに指定されたソース場所が、デフォルトで表示されます。

  4. [追加]をクリックして追加のMSIインストールパッケージのソースパスを指定し、[OK]をクリックします。ソースがリストに追加されます。

  5. すべての利用可能なソースを追加するまでステップ 4を繰り返します。

  6. 矢印ボタンを使用して、使用する順にソースを並べます。

    リストの最初に表示されたソースが最初に使用され、2番目のソースがその次、という順序で、配布が正常に実行されるか、すべてのソースが使用されるまで処理が行われます。

  7. [OK]をクリックして変更内容を保存します。

36.1.2 単純なアプリケーションまたはAOT/AXTアプリケーションの障害対策機能のセットアップ

単純なアプリケーションやAOT/AXTアプリケーションの障害対策は、複数のインストールパッケージを別々のソース場所に配置することによって実現します。配布の途中で、あるアプリケーションのソースに障害が起こると、Application Launcherは、別のソースから配布を試みます。

アプリケーションに障害対策機能をセットアップする場合に、追加のインストールパッケージを直接的にリンクするか、そのインストールパッケージを使用して作成した追加のアプリケーションオブジェクトをリンクできます。たとえば、\\server1\vol1\public\zenworks\app1にインストールパッケージがあるApp1に障害対策機能をセットアップする場合を考えてみましょう。追加のソース場所として、次の3つを作成するとします。

これら追加のインストールパッケージをそれぞれApp1のソースとして定義するか、各インストールパッケージを使用した3つのアプリケーションオブジェクトを新たに作成してApp1にリンクすることができます。

追加のインストールパッケージをそれぞれApp1のソースとして定義すると、1つのアプリケーションオブジェクトのみの設定で済むという利点があります。どのインストールパッケージを使用する場合でも、App1オブジェクトの配布設定が適用されます。

インストールパッケージを使用して追加のアプリケーションオブジェクトを定義すると、各インストールパッケージについて異なるアプリケーションオブジェクト設定を定義できます。追加のソースではなく追加のアプリケーションオブジェクトを使用するよう選択した場合は、次の制限に注意してください。

  • 1レベルでの耐障害性のみがサポートされます。Application Launcherがバックアップのアプリケーションオブジェクトにフェールオーバーし、そこでも障害が発生した場合、バックアップのアプリケーションオブジェクトに障害対策機能がセットアップされていても、配布は失敗します。
  • [リモートモード]および[強制キャッシュ]による配布では、アプリケーションオブジェクトを通じた障害対策がサポートされていません。どちらの場合も、Application Launcherがインストールパッケージファイルをワークステーションのキャッシュにコピーして、そのキャッシュからインストールを行う必要があり、その場合、追加のアプリケーションオブジェクトではなく追加のソースを使用する必要があります。

単純なアプリケーションまたはAOT/AXTアプリケーションに障害対策機能をセットアップするには

  1. 追加のインストールパッケージを任意のサーバ上の場所にコピーします。

  2. (条件付き)追加のインストールパッケージを使用してそれぞれのアプリケーションオブジェクトを作成し、リンクする場合は、アプリケーションオブジェクトを作成します。必要に応じて、セクション 28.2, eDirectoryでのアプリケーションの設定を参照してください。

  3. ConsoleOneで、障害対策機能を有効にするアプリケーションオブジェクトを右クリックし、[プロパティ]をクリックしてアプリケーションオブジェクトのプロパティページを表示します。

  4. (条件付き)インストールパッケージのみを使用する(アプリケーションオブジェクトを使用しない)場合は、インストールパッケージをアプリケーションの追加のソースとして定義します。手順は次のとおりです。

    1. [共通]タブ>[ソース]の順にクリックして、[ソース]ページを表示します。

      アプリケーションオブジェクトの[ソース]ページ
    2. [追加]をクリックして追加のインストールパッケージのソースパスを指定し、[OK]をクリックします。ソースがリストに追加されます。

    3. すべての利用可能なソースを追加するまでステップ 4.bを繰り返します。

  5. [障害対策]タブ>[障害対策]の順にクリックして、[障害対策]ページを表示します。

    アプリケーションオブジェクトの[障害対策]ページ
  6. 次の各フィールドに情報を入力します。

    [障害対策を有効にする]: このオプションを選択すると、障害対策機能が有効になります。他の耐障害性オプションは、このオプションが有効になっている場合に限り使用できます。

    [ソースリストを使用する]: Application Launcherでソースのリストをバックアップとして使用する場合は、このオプションを選択します。最低1つのインストールパッケージソースを作成しておく必要があります(ステップ 4を参照)。

    ソースを[ソースリスト]に追加するには、[追加]をクリックし、ソースを参照して選択し、[OK]をクリックします。

    ソースを削除するには、[ソースリスト]からソースを選択し、[削除]をクリックします。

    アプリケーションの配布が失敗すると、Application Launcherは、リストに表示されている順序(上から下)で、別のソースの使用を試みます。ソースの順序を変更するには、[ソースリスト]からソースを選択し、上向き矢印をクリックしてソースをリストの上方に移動させるか、下向き矢印をクリックしてリストの下方に移動させます。

    [アプリケーションリストを使用する]: このオプションは、Application Launcherでバックアップのインストールパッケージとしてアプリケーションオブジェクトを使用する場合に選択します。アプリケーションの追加アプリケーションオブジェクトを事前に作成しておく必要があります。インストールパッケージは、このアプリケーションとは別のサーバまたはボリュームに保存されている必要があります(ステップ 2を参照)。

    アプリケーションオブジェクトを[アプリケーションリスト]に追加するには、[追加]をクリックし、アプリケーションオブジェクトを参照して選択し、[OK]をクリックします。

    [アプリケーションリスト]からアプリケーションオブジェクトを削除するには、アプリケーションオブジェクトを選択し、[削除]をクリックします。

    アプリケーションの配布が失敗すると、Application Launcherは、リストに表示されている順序(上から下)で、アプリケーションオブジェクトの使用を試みます。[アプリケーションリスト]の順序を変更するには、[アプリケーションリスト]からアプリケーションオブジェクトを選択し、上向き矢印をクリックしてアプリケーションオブジェクトをリストの上方に移動させるか、下向き矢印をクリックしてリストの下方に移動させます。

  7. [OK]をクリックして変更内容を保存します。