28.2 eDirectoryでのアプリケーションの設定

アプリケーションの配布準備が終了したら(セクション 28.1, 単純なアプリケーションの準備を参照)、eDirectory™でアプリケーションオブジェクトとしてアプリケーションを作成し、アプリケーションの配布ルールを定義し、アプリケーションとユーザおよびワークステーションを関連付けることができます。

任意のコンテナにアプリケーションオブジェクトを作成できます。Application Launcherはログインユーザやワークステーションに代わってオブジェクトにアクセスするので、ワイドエリア接続ではなくローカルエリア接続を介して、ユーザまたはワークステーションが使用できるパーティション(パーティションのレプリカ)を含むコンテナにオブジェクトを入れる必要があります。詳細については、セクション 51.0, リファレンス:アプリケーションオブジェクトの場所を参照してください。

eDirectoryでアプリケーションオブジェクトを作成して設定するには

  1. ConsoleOne®で、アプリケーションオブジェクトを作成するコンテナを右クリックし、[新規][アプリケーション]の順にクリックして、[新しいアプリケーションオブジェクト]ダイアログボックスを表示します。

    [新しいアプリケーションオブジェクト]ダイアログボックス
  2. [新しいアプリケーションオブジェクト]ダイアログボックスで、[単純なアプリケーション(.AOT/.AXT/.MSI以外)]オプションを選択し、[次へ]をクリックします。

  3. [オブジェクト名]フィールドにアプリケーションオブジェクトの名前を入力します。

    アプリケーションオブジェクトの名前は、次の規則に従って入力します。

    • コンテナ内で一意の名前にします。
    • 特殊文字を使用することもできます。ただし、正符号(+)、等号(=)、ピリオド(.)を使用するときは、その前に円マーク(\)を付けます。
    • 次の文字は、アプリケーションオブジェクトの名前では使用できますが、Windowsのフォルダおよびファイルの名前では使用できません。
      \ / : * ? " < > |
      

      アプリケーションオブジェクトの名前でこれらの文字を使用した場合、Novell Application LauncherではなくWindowsによって制御される場所(Windowsデスクトップなど)に表示されるときに、これらの文字がアンダースコア(_)で置き換えられます。

    • 大文字と小文字、アンダースコアと空白は最初に入力したとおりに表示されますが、区別はされません。たとえば、ZENworks_Desktop_ManagementとZENWORKS DESKTOP MANAGEMENTは、同一の名前として認識されます。

    ここで入力したアプリケーションオブジェクトの名前は、eDirectoryに表示されます。デフォルトでは、ユーザのワークステーション上でApplication Launcherに表示されるアプリケーションオブジェクトのアイコンのタイトルにも、この名前が使われます。アプリケーションオブジェクトの作成後にも、必要に応じてアイコンのタイトルを変更できます(アプリケーションオブジェクト>[識別]タブ>[アイコン]ページ)。

  4. [次へ]をクリックして[ファイルへのパス]フィールドを表示し、アプリケーションの実行可能ファイルを実行する場所へのパスを入力します。

    パスを指定するときは、次の事項に注意します。

    • パスには実行可能ファイルを含めます。
    • 配布処理の一部として、Application Launcherが実行可能ファイルをワークステーション上のターゲットディレクトリにコピーする場合は、その場所をパスとして指定します。
    • Application Launcherがアプリケーションをネットワークサーバから起動できるようにするには、ワークステーションに適切なネットワーククライアント(Novell Client™またはClient for Microsoft Networks)がインストールされている必要があります。これは、ZENworksデスクトップ管理エージェントおよびMiddle Tier Serverでは、ネットワークサーバのファイルを開いたり、実行したりできないためです。ファイルのコピーのみがサポートされています。クライアントを使用しない環境では、アプリケーションをネットワークサーバから起動する代わりに、Application Launcherでアプリケーションファイルをローカルワークステーションにコピーしてから、ローカルでアプリケーションを起動します。クライアントを使用しない環境でのファイルシステムへのアクセスについて詳細は、セクション 23.2, ファイルシステムへのアクセス権の概要を参照してください。
    • ネットワークサーバへのパスを指定する場合は、マップされたドライブ、または(サーバの名前またはIPアドレスを含む)UNCパスを使用できます。UNCパスを使用する場合で、ワークステーションに複数のクライアントがインストールされている場合は、WindowsのMUPが適切なネットワーククライアントへのUNCパスを解決する必要があるため、マップされたドライブを指定するよりもアプリケーションの起動に時間がかかる可能性があります。詳細については、Microsoft Knowledge Base Article Q150807を参照してください。
  5. [次へ]をクリックし、ワークステーションがアプリケーションの要件を満たすかどうかを決定するためにApplication Launcherが使用するルールを定義します。

    この配布ルールにより、アプリケーションをサポートできないワークステーションには、Application Launcherによってアプリケーションが配布されないことが保証されます。たとえば、アプリケーションがWindows 2000/XP上でのみ動作する場合は、Windows 98ワークステーションへの配布を禁止するオペレーティングシステムルールを作成します。

    メモ:アプリケーションが利用できるようになる前に定義されていたオペレーティングシステムの要件は削除されます。

    ZENworksの旧バージョンでは、配布および起動用にアプリケーションが利用可能になる前に、システム要件でOSプラットフォームを定義する必要がありました。この要件は削除されました。

    新しい動作では次のようなロジックが使用されます。アプリケーションが特定のオペレーティングシステムのみで実行する場合、オペレーティングシステムの配布ルールを定義する必要があります。アプリケーションが特定のオペレーティングシステムを必要としない場合は、配布ルールを定義する必要はありません。オペレーティングシステムの配布ルールが定義されていないアプリケーションはデフォルトで、サポートの対象になるすべてのプラットフォーム(Windows 98、Windows 2000、およびWindows XP)で利用できます。

    配布ルールを追加するには

    1. [追加]をクリックし、定義するルールのタイプを選択します。

    2. 要件に関する情報を入力します(この要件の詳細については、[ヘルプ]をクリックするか、[配布ルール]ページを参照してください)。[OK]をクリックして要件をリストに追加します。

      後でアプリケーションの配布ルールを追加する場合は、アプリケーションオブジェクトの[配布ルール]ページを使用します。詳細については、[配布ルール]ページを参照してください。

  6. [次へ]をクリックし、アプリケーションオブジェクトを、アプリケーションの配布先であるユーザまたはワークステーションに関連付けます。手順は次のとおりです。

    1. [追加]をクリックし、ユーザオブジェクトまたはワークステーションオブジェクトを参照します。

      アプリケーションに関連付ける各ワークステーションは、事前にワークステーションオブジェクトとしてeDirectoryにインポートしておく必要があります。アプリケーションに関連付けるワークステーションが、ワークステーションオブジェクトとしてインポートされていない場合は、セクション III, 自動ワークステーションインポート/削除(Automatic Workstation Import/Removal)を参照してください。

      グループオブジェクト、ワークステーショングループオブジェクト、およびコンテナオブジェクト(部門、組織、または国)も選択できます。コンテナオブジェクトを選択した場合、そのコンテナの全ユーザオブジェクトおよびワークステーションオブジェクトについて、アプリケーションに関連付けるかどうかを選択できます。

      eDirectoryのアプリケーションオブジェクトを関連付ける場合は、グループやワークステーショングループなどのコンテナオブジェクトにアプリケーションオブジェクトを関連付ける方法をお勧めします。多数(たとえば、250以上)のアプリケーションをユーザオブジェクトまたはワークステーションオブジェクトに関連付けると、サーバの利用率が増加する可能性があります。

      重要:アプリケーションオブジェクトを別名オブジェクトに関連付けないでください。別名オブジェクトはサポートされていません。

    2. ユーザまたはワークステーションをリストに追加した後、アプリケーションに適用する特性([強制実行][NAL][スタートメニュー][デスクトップ][シストレイ][クイック起動][強制キャッシュ])を設定するために、ユーザまたはワークステーションの該当するチェックボックスをオンにします。これらの各特性について詳細は、[ヘルプ]をクリックするか、[関連付け]ページを参照してください。

      後でアプリケーションに追加のユーザまたはワークステーションを関連付ける場合は、アプリケーションオブジェクトの[関連付け]ページを使用します。詳細については、[関連付け]ページを参照してください。

  7. [次へ]をクリックし、アプリケーションオブジェクトの設定を確認したら、[終了]をクリックしてアプリケーションオブジェクトを作成します。

  8. アプリケーションの配布処理の一部として、Application Launcherがファイルをワークステーションにコピーする必要がある場合は、アプリケーションオブジェクトを右クリックして[プロパティ]をクリックし、以降の手順を完了します。

    または

    アプリケーションをネットワークから実行する場合、またはアプリケーションがワークステーション上にすでに置かれている場合は、以降の手順をスキップして、セクション 28.3, ファイルシステムへのアクセス権の設定に進みます。

  9. [配布オプション]タブをクリックし、[アプリケーションファイル]をクリックします。

    Application Launcherによってファイルをワークステーションにコピーするには、[アプリケーションファイル]リストにファイルを追加する必要があります。

  10. [追加][ファイル]の順にクリックし、次のフィールドに値を入力します。

    [ソースファイル]: ワークステーションにコピーするファイル(たとえば、\\server1\sys\public\notepad\notepad.exe)を選択します。

    [ターゲットファイル]: ファイル名を含めて、ファイルのコピー先のフルパス(たとえば、c:\notepad\notepad.exe)を入力します。

  11. [OK]をクリックして、ファイルをリストに追加します。

  12. コピーするファイルごとに、ステップ 10ステップ 11を繰り返します。

  13. ファイルの追加が完了したら、[OK]をクリックしてアプリケーションオブジェクトの情報を保存します。

  14. ファイルシステムへのアクセス権の設定に進みます。