第5章
この章では、ワークフローモデラーを使用してワークフロープロセスを作成する方法についての概要を説明します。この章は、次の節から構成されています。
ワークフローモデラーでは、ワークフローエンジンがランタイム時に実行できるXMLドキュメントを作成して保存することができます。 ワークフロープロセスを作成するには、3段階の手順があります。
プロパティインスペクタを使用して、exteNd Director環境のリソースにプロセスをリンクするアクティビティおよびリンクプロパティを設定します。
プロジェクトリソースセットにプロセスを保存します。 ワークフローモデラーは、ワークフローエンジンが実行できるようにそのプロセスをプロセス定義に変換します。
ワークフローモデラーを開始するには、新しいプロセスを作成するか、既存のプロセスを開きます。
exteNd Directorメニューから[ファイル]>[保存]の順に選択します。
ワークフローモデラーでプロセス内のミスが検出された場合、ポップアップメッセージによってそのことが通知され、それでも保存するかどうか尋ねられます。この検証は、すべての保存イベントで行われます。 警告はあとで対応できます。
初めて保存する場合は、[名前を付けて保存]ダイアログボックスが表示されます。
ワークフロープロセス定義フォルダの内容がプロジェクトリソースセットに表示されます。 ほかのディレクトリを指定することもできますが、デフォルトを受け入れることをお勧めします。
プロジェクトリソースセットのワークフロープロセスに移動します。
プロセスプロパティシートにアクセスすると、プロセスについての現在の情報を表示してUIプロパティを設定できます。
プロパティ |
説明 |
---|---|
名前 |
プロセスの正式名。 デフォルトは、プロセス記述子で指定された名前です。 |
説明 |
ワークフローモデラーユーザを対象としたプロセスの説明。 |
役割 |
このプロセスを開始してワークアイテムを作成することが認証されている既存のセキュリティ役割の、セミコロン区切りのリスト。たとえば、次のとおりです。 作成者、開発者、管理者
|
優先順位ラベルの表示 |
ワークフローグラフに優先ラベルを表示するかどうかを指定します。 アクティビティが複数のほかのアクティビティにリンクした場合、ワークフローエンジンは優先順位を使用してどのリンクに従うか決定します。 各リンクには、関連付けられた優先番号があります。 複数のリンク式がtrueに評価された場合、エンジンはtrueを返した最初のリンクから順にリンクを優先順位で評価します。 |
テンプレート |
このワークフローをほかのワークフローを作成するためのテンプレートとして使用できるかどうか指定します。 |
WorkName |
ワークフローモデラーユーザのためのわかりやすい名前。 |
画面のスペースを増やす 画面のスペースを増やすには、パネルビューセレクタをクリックしてexteNd Directorのナビゲーションペインおよび出力ペインを閉じます。
コマンド機能 ワークフローモデラーのコマンド機能は次のとおりです。
水平スクロールバーと垂直スクロールバーを使用しても、同じ結果になります。
「アクティビティ」は、ワークフロープロセスの「ワークアイテム」を表します。 アクティビティアイコンまたはノードにプロパティを設定することによって、アクティビティをワークアイテムまたはビジネスロジック、あるいはその両方に関連付けます。
ワークフローモデラーのアクティビティの要約を次に示します。 アクティビティプロパティおよび使用法の詳細については、該当するアイテムをクリックしてください。
プロパティはアクティビティに対して固有です。詳細については、ワークフローアクティビティタイプを参照してください。
「リンク」は、1つのアクティビティから別のアクティビティへの単一の論理パスです。 各リンクは、単一のアクティビティを終了するワークアイテムの可能なルーティングを表します。 ワークフローモデラーでは、リンクは矢印によって表されます。
リンクには、次の2つのタイプがあります。
リンクタイプ |
ツールバーアイコン |
説明 |
---|---|---|
|
1つのアクティビティから1つまたは複数の別のアクティビティへの単一の論理パス。 リンクプロパティでは、次のことを指定します。 |
|
|
1つのアクティビティから1つまたは複数の別のアクティビティへの単一の論理パス。 リンクプロパティで、ルールエディタを使用して作成した条件マクロを指定します。 |
アクティビティをクリックし、開始アクティビティからターゲットアクティビティにドラッグしてマウスボタンを放します。
リンクセグメントの描画も参照してください。
プロパティはリンクに対して固有です。詳細については、ワークフローリンクタイプを参照してください。
「セグメント」は、リンクの2点間の線です。セグメントは、単に表面的なものです。 これを使用することによって、プロセスモデルの読みやすさと外観を強化できます。
スコープパスを使用すると、データをワークフローアクティビティおよびリンクに関連付けることができます。exteNd Directorでは、Scoped Path Navigatorを使用してアクセスできる定義済みのスコープパスのセットを提供します。
スコープパスのバックグラウンド情報については、『exteNd Directorアプリケーションの開発』のスコープパスの操作に関する章を参照してください。
この節では、次の作業を行う方法について説明します。
スコープパスを使用してオブジェクトをアクティビティに関連付けることができます。 これを行うには、スコープパスをアクティビティのプライマリプロパティの値として指定します。
関連付けることができるアクティビティ 次に示すアクティビティのタイプに関連付けることができます。
2つの手順 スコープパスをアクティビティに関連付けるには、2つの手順が必要です。
スコープパスをアクティビティのプライマリプロパティに関連付ける
プロパティインスペクタで、プライマリプロパティがあるタブをクリックします。 一般的に、このタブにはアクティビティと同じ名前が付いています。 たとえば、ページフローアクティビティには、プライマリプロパティを設定できるページフロータブがあります。
選択したアクティビティのプライマリプロパティをクリックします。詳細については、ワークフローアクティビティタイプを参照してください。
このアクティビティタイプのデフォルトの定義済みパスを示す[スコープXPathの選択]ダイアログボックスが表示されます。
[XMLファイルコンテンツの表示]チェックボックスがブラウズオプションに表示されます。 オンにした場合は、XPathナビゲータによって、XMLファイルのツリーコンテンツが表示されます。 オフにした場合は、コンテンツは表示されません。詳細については、新しいパスをブラウズするを参照してください。
これには、スコープパスの構文が必要です。 詳細については、『exteNd Directorアプリケーションの開発』の定義済みのスコープパスに関する節を参照してください。
リストの最初にある別の定義済みパスを選択するか、リストの最後にある現在のパス(このフローに対してすでに定義済み)を選択します。
ヒント: リソースセットにアクセスする現在のパスを選択した場合、 [参照]ボタンの横にあるアイコンをクリックすると、ファイルのコンテン ツが表示されます。
[参照]をクリックすると、XPath Navigatorが表示されます。
XPath Navigatorは、対話型ツールで、ツリービュー(該当する場合)およびXPath式ビルダを使用してパスを指定することができます。 利用できるオプションは、選択したスコープパスによって異なります。
XPath Navigatorの使用方法の詳細については、『exteNd Directorアプリケーションの開発』のXPath Navigatorの使用方法に関する節を参照してください。
スコープパスの編集 既存のスコープパスを編集するには、上の2つの手順を繰り返します(スコープパスをアクティビティのプライマリプロパティに関連付けるおよびスコープパスを指定する)。
開始および終了アクティビティを除いてほかのアクティビティの実行前または実行後にスコープパスをコピーできます。また、リンクの実行後にスコープパスをコピーできます。
スコープパスのコピーに関連する設計上の考慮事項については、『exteNd Directorアプリケーションの開発』のスコープパスのコピーに関する節を参照してください。
アクティビティの実行前または実行後にスコープパスをコピーする
プロパティインスペクタで、[スコープXPathのコピー]タブをクリックします。
ダイアログボックスに、このアクティビティタイプに対するデフォルトの定義済みのスコープが表示されます。 別のスコープを使用する場合は、ドロップダウンリストからそれを選択します。
パスを指定するには、スコープパスを指定するに説明されているメソッドの1つを使用します。
プロパティインスペクタで、[スコープXPathのコピー]の下にあるリンク[スコープXPathの編集]をクリックします。
ダイアログボックスに、このアクティビティタイプに対するデフォルトの定義済みのスコープが表示されます。 別のスコープを使用する場合は、ドロップダウンリストからそれを選択します。
パスを指定するには、スコープパスを指定するに説明されているメソッドの1つを使用します。
フロー内の選択されたオブジェクトまたはフロー内のすべてのオブジェクトに使用される現在のパスをすべて表示できます。
アクティビティまたはリンクの現在のスコープパスにアクセスする
[使用可能なスコープXPath]ダイアログボックスで、選択したパスをクリップボードにコピーして必要な場所に貼り付けることができます。
リンク式では、ランタイムのワークアイテム値に基いて作業をダイナミックにルーティングすることができます。 式ビルダを使用すると、trueまたはfalseと評価される単純または複雑な式のワークアイテムプロパティをテストできます。 式は、単純なリンクにのみ適用されます。
詳細については、単純なリンクを参照してください。
パスを指定するには、スコープパスを指定するに説明されているメソッドの1つを使用します。
式にさらに句を追加するには、[論理演算子]ドロップダウンリストから適切なアイテムを選択して、句を完成し、必要な句の数だけ追加して[追加]をクリックします。
注記: [否定]チェックボックスをオンにして、現在の式を否定します。
選択するたびに、設計時のプロセスを検証できます。 ワークフローモデラーは、プロセス構造を分析して発生したすべてのエラーを表示します。 検証は、設計時のプロセス構造のみに適用されます。
ラベルは、グラフ作成環境における個々のオブジェクトであり、それぞれが独自のプロパティシートを持ちます。ラベルの形式には、次の2つがあります。 「浮動」および「固定」です。
浮動ラベルは、ワークフローグラフに配置する単なるテキストで、別のワークフローグラフオブジェクトとの関連付けはありません。タイトル、バージョン番号、メモ、および凡例は、すべて浮動ラベルに使用できます。
ほとんどのラベルは、アクティビティまたはリンクに関連付けられており、固定ラベルと呼ばれます。 デフォルトでは、アクティビティとリンクは、ラベルなしで開始します。
アクティビティまたはリンクには、多くのラベルを付けることができます。 固定では、新しい場所にドラッグすることによって、自由に位置変更できます。 ドラッグする際には線が表示されます。 この線は、ラベルが付けられているアクティビティまたはリンクパスを示します。
ワークフローモデラーで、ラベルを右クリックし、[プロパティ]を選択します。
プロパティインスペクタが開き、現在のフォーマッティングプロパティが表示されます (プロパティインスペクタがすでに開いている場合は、単にラベルをクリックします)。
UIプロパティの詳細については、オブジェクト表示プロパティの設定を参照してください。
それぞれのアクティビティ、リンク、およびラベルには、それに関連付けられたグラフィカルプロパティのセットがあります。 要素を選択して右クリックすると、要素のプロパティがプロパティインスペクタの[UIの設計 ]タブに表示されます。要素の一部またはすべてに見られるグラフィカルプロパティは、次の表のとおりです。
「レイアウト」は、グラフのアクティビティ、リンク、およびラベルの配置です。 ワークフローモデラーには、読みやすさを最大限にしてスペースを最小限にするためにグラフを完全に再配置できるようにする、洗練されたレイアウト機能があります。
新しい配置が垂直または水平の方向になるようにしたり、リンクが斜線としてまたは垂直のセグメントから作成されたりするように指定することができます。
レイアウトには、次の2種類があります。 「完全レイアウト」および「増分レイアウト」です。
完全レイアウトでは、グラフのアクティビティ、リンク、およびラベルをワークフローモデラーで自由に移動できます。
たとえば、次の図は、手で配置したレイアウトを示しています。
次の図は、手で配置したレイアウトに完全レイアウトを適用した結果を示しています。
増分レイアウトでは、グラフを魅力的で整理されたものにするだけでなく、手で配置したレイアウトの基本的なデザインも維持します。
次の図は、手で配置したレイアウトに増分レイアウトを適用した結果を示しています。
ヒント: グラフでレイアウトを試し、希望しないものは[編集]>[元に戻す]の順に選択し て取り消します。
ワークフローグラフにレイアウト初期設定を行うことができます。 初期設定によって、新しい配置が垂直または水平の方向になるようにしたり、リンクが斜線としてまたは垂直のセグメントから作成してリンクされるように指定することができます。
レイアウト選択を元に戻して以前のレイアウトに戻すことができます。
ワークフローモデラーでは、次の4つの方法でズームできます。
ワークフローモデラーには、あらゆるグラフィックプログラムにおけるグリッドと同じように機能するグリッド線が含まれています。
グリッドが表示されている場合、アクティビティオブジェクトおよびラベルオブジェクトの角は、水平グリッド線と垂直グリッド線の交点を通ります。これにより、オブジェクトの整列と一貫したスペースの使用はさらに簡単になります。
バードアイビューウィンドウは、大きいグラフで作業できるように、ワークフローグラフ全体のビューを表示するポップアップウィンドウです。 バードアイビューウィンドウ
バードアイビューウィンドウの青色のアウトラインボックスを使用すると、次のような複数の便利な操作を実行できます。
ワークフローに関連付けられているすべてのリソースファイルのカスタムビューを作成できます。 ビューを作成したら、そのビューを[表示]タブに表示されるように使用できます。
ヒント: [表示]タブを表示させるには、最初にナビゲーションペインの[リソース]タブを クリックする必要があります。
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