1.5 デフォルトのドライバ環境設定

この節では、次の各項目について説明します。

Identity Managerの基礎については、『Novell Identity Manager 3.0管理ガイド』を参照してください。

1.5.1 データフロー

区切りテキスト用のドライバは、発行者チャネル、購読者チャネル、およびポリシーを使用してデータフローを制御します。

発行者チャネルと購読者チャネル

区切りテキスト用のドライバは、発行者チャネルと購読者チャネルをサポートします。

  • 発行者チャネルでは、ローカルファイルシステムの入力テキストファイルからの情報が読み込まれ、その情報がメタディレクトリエンジンを介してアイデンティティボールトに送信されます。

    発行者チャネルのデフォルトの機能は、次のとおりです。

    • 1. 10秒おきに入力ディレクトリをチェックします。
    • 2. .csv拡張子のファイルを処理します。
    • 3. 処理したファイルの拡張子.csvを.bakに変更します。
    • 4. ドライバを停止するまでこのプロセスを循環させます。
  • 購読者チャネルでは、アイデンティティボールトブジェクトへの追加や変更が監視され、ローカルファイルシステム上に、これらの変更を反映する出力ファイルが作成されます。

    購読者チャネルのデフォルトでは、200トランザクションがログに記録されるか、または30秒経過するまで出力ファイルが開いたままになります。この一方のしきい値に達すると、出力ファイルがnumber.csvというファイル名で保存され、新しい出力ファイルが開かれます。

Figure 1-1 データフロー

区切りテキストドライバのデータフロー

このドライバに付属するサンプル環境設定には、購読者チャネルと発行者チャネルが含まれています。ただし、多くの環境設定では、一方向のデータフローしか必要ありません。そのような環境設定では、発行者チャネルまたは購読者チャネルのうち片方のチャネルだけが使用されます。他のチャネルは無効にされます。

ポリシー

ポリシーは、ドライバとアイデンティティボールトとの間のデータ同期を制御します。次の表は、区切りテキスト用のドライバに付属する設定済みのポリシーセットに関する情報です。これらのポリシーをカスタマイズするには、区切りテキスト用のドライバのカスタマイズで説明しているように、Novell® iManagerを使用します。

Table 1-3 設定済みのポリシー

ポリシー

説明

スキーママップ

ドライバオブジェクトで設定されます。

次のようにアプリケーション属性にアイデンティティボールトユーザプロパティをマップします。

  • 名字 > LastName
  • 名前 > FirstName
  • 役職 > Title
  • インターネット電子メールアドレス > Email
  • 電話番号 > WorkPhone
  • Fax番号 > Fax
  • 携帯電話 > WirelessPhone
  • 説明 > Description

アプリケーション属性は、ファイル内の一連の値に対応するか、または存在する場合は、名称未設定のXDS<フィールド>要素に関連付けられた属性に対応します。

入力変換

ドライバオブジェクトで設定されます。

入力ドキュメントがXMLドキュメントの場合、変換は行われません。ドキュメントが区切りテキストファイルの場合、各レコードは、スキーママップで定義された属性を持つユーザオブジェクトのXDS add要素に変換されます。

ユーザCNは、名前と名字の値を連結して作成されます。

関連付けは、ユーザの電子メール属性の値に基づいて定義されます。

出力変換

ドライバオブジェクトで設定されます。

出力ファイルの区切り記号文字としてカンマを使用すること、およびファイル形式がCSV (Comma Separated Values)であることを指定します。

作成

発行者チャネルで設定されます。

アイデンティティボールトにユーザを作成するために、名前とインターネット電子メールアドレスの属性を定義する必要があることを指定します。

一致

発行者チャネルで設定されます。

アイデンティティボールトと入力ファイルでインターネット電子メールアドレスの値が同じ場合、アイデンティティボールト内のユーザが入力ファイルで指定したユーザと同じである、ということを指定します。

一致する場合は、変更された属性だけがアイデンティティボールトで更新されます。

配置

発行者チャネルで設定されます。

新規ユーザをUsers\Activeコンテナに配置し、入力変換ルールに基づいて作成されたCNで名前を付けることを指定します。

ツリーのルートにUsers\Activeコンテナを作成してから、ドライバを起動する必要があります。

イベント変換

購読者チャネルで設定されます。

アイデンティティボールトにより変更イベントまたは同期イベントがレポートされると、それらのイベントは、完全な出力レコードを作成するために使用できるインスタンス要素に変更されます。

1.5.2 サポートされているファイルタイプ

サンプル環境設定では、現在次の2種類のファイルをサポートしています。

CSV (Comma-Separated Values)ファイル

CSV (Comma-Separated Values)ファイルは、データがフィールドとレコードに分割されているテキストファイルです。フィールドはカンマで区切られ、レコードは改行で区切られます。

特定のフィールドの値内でカンマまたは改行を必要とする場合は、フィールド全体の値を引用符で囲む必要があります。

CSVファイルの各フィールドは、その位置に基づいて解釈されるため、CSVファイル内の各レコードでフィールドの数が同じになっている必要があります。フィールド値は空白のままにすることもできますが、各レコードには同数の区切り文字が必要です。

XDS形式のXMLファイル

XDS形式は、XML形式の一種としてNovellが定義したサブセットです。これは、アイデンティティボールトからのデータの初期形式です。デフォルトのルールを変更してスタイルシートを変更すれば、区切りテキストドライバをあらゆるXML形式と連動するように設定できます。

XDS形式の詳細については、「NDS DTD Commands and Events」を参照してください。

XDS形式のXMLファイルを使用するためにドライバを設定する方法の詳細については、XDS XMLファイルの設定を参照してください。