このセクションでは、ハードウェア障害が起こったときに特定のサーバのeDirectoryに関して必要な情報について詳しく説明します。Windows NTのeDirectoryツリー全体をバックアップおよび復元する方法については、「Windows NTでのバックアップサービスおよび復元サービスの使用」を参照してください。
複数サーバ環境では、1つのサーバがダウンしても、そのレプリカリスト内の残りのサーバが正常に稼働していれば問題はありません。
１つのNTサーバでeDirectoryファイルを含むハードディスクが破損した場合は、サーバからeDirectoryが削除されたことに匹敵します。
単一のサーバにeDirectoryを復元するには、次の手順を実行する必要があります。
詳細な手順については、次のセクションを参照してください。
次の手順は、障害が発生したサーバのサーバ固有情報の最新バックアップがあることを前提としています。
重要: 障害が発生したサーバのバックアップが存在しない場合、「Support Document 10012033」の説明に従って、ツリーからサーバオブジェクトを削除し、eDirectoryを復元する必要があります。
バックアップホストサーバでSMSTMを実行し、テープバックアップからローカルサーバ情報のファイルを復元します。
ローカルサーバ情報ファイルは、災害回復計画の一部として定期的にバックアップを作成する必要があります。これらのファイルは、NDS ServicesコンソールからINSTALL.DLMをロードし、［ローカルサーバ情報のバックアップ］オプションを選択したときに、novell\nds\DIBfilesディレクトリに作成されます。
次のファイルが復元されます。
$SVNDS.BAK トラスティ割り当てを可能にするサーバ固有のNDS情報と、その他のNetWare情報が含まれます。
DSBACKUP.LOG レプリカ、レプリカの種別、および障害が発生したサーバのレプリカリングのメンバーであるその他のサーバのリストが含まれます。
これらのファイルは、以降の処理でいつでも使用できる状態にしておいてください。
SMSの使用方法の詳細については、 『Storage Management Services Administration Guide』を参照してください。
この手順では、次の方法について説明します。
マスタレプリカの再割り当て: 障害が発生したサーバにいずれかのパーティションのマスタレプリカがある場合、DSREPAIRを使用してレプリカリスト内の別のサーバに新しいマスタレプリカを指定します。
障害が発生したサーバに対するレプリカリストの参照の削除 障害が発生したサーバを含むレプリカリングのメンバーである各サーバに対して、障害が発生したサーバが利用できなくなったことを通知する必要があります。
DSBACKUP.LOGファイル内の情報を使用して、障害が起こったサーバにどのレプリカが格納されていたかを調べます。
NDS Servicesコンソールで、DSREPAIR.DLMを選択し、［コマンドライン］フィールドに「-a」と入力して［開始］をクリックします。
警告: -aオプションを指定してDSREPAIRを実行する場合、正しく使用しないとツリーが破損することがあります。これらのオプションの詳細については、テクニカルサポートのWebサイトの「Solution 2938493」を参照してください。
DSREPAIRブラウザウィンドウで、パーティションリストを展開し、マスタとして指定するレプリカを選択して、［パーティション］>［このサーバを新しいマスタレプリカに設定］の順にクリックします。
この時点で、対象のレプリカリングは新しいマスタレプリカを保持しています。リングを構成するすべてのレプリカに対して、新しいマスタが存在することが通知されます。
DSREPAIRブラウザウィンドウでパーティションリストを展開し、サーバを削除するレプリカ、次に障害が発生したサーバを選択して、［パーティション］>［レプリカリング］>［リングからサーバを削除］の順にクリックします。
DSREPAIRを終了します。
レプリカリングを構成するすべてのサーバにレプリカリング更新の通知が行われます。
障害が発生したサーバを含んでいる各レプリカリングごとに、1つのサーバ上で、この手順を繰り返します。
DSRepairで、すべてのレプリカの同期を強制的に実行します。［レプリカリング］>［リング内のすべてのレプリカにすべてのオブジェクトを送信］の順に選択します。
この手順では、WindowsオペレーティングシステムのインストールとeDirectoryのインストールについて説明します。
新しいハードディスクまたはサーバハードウェアをインストールします。
製造元から提供されている指示に従って、サーバのハードディスクが動作することを検証します。新しいハードディスクには、置き換えられる元のドライブと同じまたはそれ以上の記憶容量が必要です。ローカルサーバ情報のファイルを使用して、環境設定情報を確認します。
Windows 2000またはNTオペレーティングシステムをインストールします。
新しいサーバにNTのeDirectoryをインストールします。「eDirectory for Windows NT/2000のインストール」を参照してください。
ツリー名を入力するように求められたら、新しいツリー名を入力し、サーバがその固有の一時ツリーにインストールされるようにします。
NDS Servicesコンソールから、INSTALL.DLMを選択し、［スタート］>［ディレクトリサービスの削除］>［終了］の順にクリックします。
管理者のログイン名とパスワードを入力し、［OK］をクリックしてプロンプトの指示に従います。
eDirectoryが削除されます。
NDS Servicesコンソールから、INSTALL.DLMを選択し、［ハードウェア障害後にローカルサーバ情報を復元］>［次へ］の順にクリックします。
$SVNDS.BAKファイルへのパスを指定して、［OK］をクリックします。
eDirectoryは、この時点で$SVNDS.BAKの情報を使用して復元されますが、この後もディレクトリを統合する準備をして、パーティションおよびレプリカを再確立する必要があります。
次のDSREPAIRコマンドを新しく復元されたサーバから指定された順番で実行して、復元したディレクトリを元のツリーに統合する準備をします。
警告: 次のDSREPAIRコマンドは、この手順でのみ使用し、所定の順番で実行する必要があります。これらのコマンドは、一般的なDSREPAIR操作では使用しないでください。
DSREPAIR -si (パーティションオブジェクトのレプリカ番号を修復する)
［修復］>［ローカルデータベースの修復］の順に選択
［サーバ］>［すべてのネットワークアドレスの修復］の順に選択
［スキーマ］>［ローカルスキーマのリセット］の順に選択
これはクリーンアップ処理です。クリーンアップの間にエラーメッセージが表示されても問題はありません。
DSTRACEを使用して、スキーマが完全に同期したことを確認します。NDS Servicesコンソールから、dstraceを選択し、［スタート］をクリックします。［編集］>［オプション］の順にクリックし、 スキーマおよび着信同期を選択して、［OK］をクリックします。
「All processed = YES」というメッセージを確認します。
スキーマの同期が終了した時点で、レプリカを再確立する準備ができました。
この処理によって、新しいサーバでのレプリケーションは障害が発生したサーバでのレベルと同じ状態になります。
DSBACKUP.LOGの内容を確認します。
この中には、バックアップが作成された時点でサーバに存在していたレプリカリストのコピーが入っています。
ConsoleOneを使用して、障害が発生したサーバでレプリカを再確立します。
左側の画面で、レプリカを作成するパーティションのルートコンテナを右クリックし、［ビュー］>［パーティションとレプリカビュー］の順にクリックします。
ツールバーの［レプリカの追加］ボタンをクリックします。
［サーバ名］フィールドの横にある［参照］ボタンをクリックし、復元したサーバを選択して、［OK］をクリックします。
レプリカのタイプを選択して、［OK］をクリックします。
障害が発生したサーバがマスタレプリカを保持していた場合は、同じレプリカのセットをマスタレプリカとして設定できます。
ConsoleOneの使用方法については、オンラインヘルプを参照してください。
ConsoleOneを使用してサーバのレプリカステータスがオンであることを確認します。
左側の画面でサーバを右クリックし、［ビュー］>［パーティションとレプリカビュー］の順にクリックします。