LinuxまたはSolarisにおけるndsmergeの使用
LinuxおよびSolarisシステムでは、ndsmergeユーティリティを使用して2つのeDirectoryツリーを結合すると、両ツリーのクライアントがこの結合されたツリーにアクセスできるようになります。ndsmergeのオプションを使用すると、次を実行できます。
- 2つのツリーのマージ
- ツリーのルートレプリカを持つすべてのサーバについて、時刻同期の確認
- ソースツリーのツリー名をターゲットツリーのツリー名に変更
- ツリー内でルートレプリカを保持しているすべてのサーバと、各サーバの時刻同期ステータスを一覧表示
LinuxまたはSolarisでndsmerge操作を実行する場合に役立つ情報については、次の2つのセクションを参照してください。
ndsmerge操作の実行における前提条件
2つのeDirectoryツリーをマージする場合には、次の前提条件を満たしている必要があります。
- ソースツリーおよびターゲットツリーを指定します。マージ操作では、ソースツリーのサーバがターゲットツリーに結合され、ソースツリーはなくなります。「target-container」を指定しないと、デフォルトでは、2つのツリーはTreeオブジェクトのレベルでマージされます。環境設定ファイルに優先ツリーが指定されていない場合、このマージによってログインするユーザに悪影響がある場合があります。
- 両ツリーで操作が正常に実行されていること、およびレプリカの同期でエラーが発生していないことを確認します。
- ツリーにあるすべてのサーバが同期されていて、同じタイムソースを使用していることを確認します。
- ソースツリーのスキーマとターゲットツリーのスキーマが一致しないと、ツリーをマージできません。スキーマが変更されるようなアプリケーションを一方のツリーにインストールした場合は、もう一方のツリーにも同じアプリケーションをインストールし、両ツリーのスキーマを一致させてください。あるいは、ndsrepairユーティリティの[リモートスキーマのインポート]オプションを使用して、ツリー間でスキーマを調整することもできます。この調整を行うには、両ツリーに対して次のコマンドを実行します。
ndsrepair -S -Ad
- マージ操作を開始する前に、両ツリーでndsrepair -Uを実行します。これにより、ツリーにあるすべてのレプリカが正常に同期をとっていることが確認され、同期エラーの検出と修正が行われます。
LinuxまたはSolarisシステムでeDirectoryツリーをマージする
2つのeDirectoryツリーをマージするには、次を実行します。
-
次の構文を使用します。
ndsmerge [-m target-tree target-admin source-admin [target_container]] [-c] [-t] [-r target-tree source-admin]
表 56. ndsmergeオプション
-m |
2つのツリーをマージします。このオプションを使用する場合は、次の属性を指定する必要があります。 - target-tree
ターゲットツリーの名前。 - target-admin
ターゲットツリーに対する管理権を持つユーザの名前(フルコンテキストで指定)。
- source-admin
ソースツリーに対する管理権を持つユーザの名前(フルコンテキストで指定)。
- target-container
ソースツリーにあるTreeオブジェクトを結合するターゲットツリー上のコンテナオブジェクトの名前(フルコンテキストで指定)。このパラメータに値を指定する場合は、ソースツリーにあるサーバが1つだけであることを確認します。
|
-c |
ツリー内のすべてのサーバと、各サーバの同期ステータスを一覧表示します。このオプションをツリーのマージ前に指定すると、マージ操作開始前に問題を検出できます。 |
-t |
ツリー内のすべてのサーバについて、時刻同期を確認します。このオプションは、Treeパーティションのマスタを保持しているサーバで使用します。これにより、ツリー内のすべてのサーバと、各サーバの時刻同期ステータスが一覧表示されます。 |
-r |
ソースツリーのツリー名をターゲットツリーのツリー名に変更します。同じ名前を持つ2つのツリーをマージする場合に、このオプションを使用します。ツリー名を変更するには、そのツリーにログインする必要があります。この操作が正常に実行されるためには、ツリーのTreeパーティションのマスタを保持しているサーバからndsmergeを実行する必要があります。ツリー内のすべてのサーバが、新しい名前のツリーにマージされます。このオプションを使用する場合は、次の属性を指定する必要があります。 |
マージ操作完了後、ndsmergeは、ルートパーティションの新しいレプリカがソースツリーのルートサーバと同期されるまで待機します。同期エラーに関するレポートが生成された場合は、ndsrepairユーティリティを実行して問題を解決する必要があります。詳細については、「ndsrepairを使用する」を参照してください。