NetWare 6へのアップグレード

NetWare Accelerated Upgradeを実行するには、次の作業を行います。

  1. ワークステーションを準備する
  2. 設置サーバを準備する
  3. ネットワークを準備する
  4. ターゲットサーバを準備する
  5. NetWare Accelerated Upgradeを実行する
  6. アップグレード後の作業を完了する

ワークステーションを準備する

次のセクション「設置サーバを準備する」に進んでください。


設置サーバを準備する

設置サーバには、NetWare 6オペレーティングシステムCDに含まれるファイルのコピーが保持されます。この1つの場所から、すべてのターゲットサーバをアップグレードできます。設置サーバには、アップグレードを予定しているサーバおよびNetWare Accelerated Upgradeを実行するクライアントワークステーションを除く、任意のサーバを使用できます。

  1. 次のいずれかを実行します。

    • NetWare 6オペレーティングシステムCDのファイルを設置サーバ上のボリュームにコピーします。すべてのターゲットサーバが設置サーバおよびクライアントワークステーションにアクセスできることを確認してください。
    • NetWare 6オペレーティングシステムCDを設置サーバ上のボリュームとしてマウントします。

  2. (状況によって実行)NICIがインストールされていないターゲットサーバをアップグレードする場合は、NetWare 6 NICIファイルをターゲットサーバにコピーします。次のいずれかを実行します。

    • ステップ: 1でNetWare 6 CDのファイルをコピーした場合は、コピーしたNetWare 6オペレーティングシステムCDのルートにLicenseという名前のディレクトリを作成し、NetWare 6ライセンス/暗号化フロッピーディスクの#.NFKファイルを新しく作成したLicenseディレクトリにコピーします。
    • NetWare 6オペレーティングシステムCDをマウントした場合は、#.NFKファイルの名前をNICIFK (拡張子は不要)に変更してから、NICIがインストールされていないすべてのアップグレード対象のターゲットサーバ上のSYS:SYSTEMディレクトリに#.NFKをコピーします。

  3. (オプション)ディスクドライバを手動で指定します。

    推奨されてはいませんが、NetWare 6オペレーティングシステムCDに含まれていないディスクドライバをロードしたり、NetWare Accelerated Upgradeの実行中に行われるハードウェアの自動検出をスキップしたりできます。詳細については、「ディスクドライバの手動指定」を参照してください。

  4. (オプション)NetWare Accelerated Upgradeスクリプトファイルをカスタマイズします。

    警告:  インストールプロセスをカスタマイズすると、NetWare 6のインストールに影響が出る可能性があります。その結果、アップグレードが失敗し、サーバが使用できなくなる場合があります。

    スクリプトファイルをカスタマイズすることにより、メニューオプションを追加したり、NetWare 6インストールの標準機能ではない追加のソフトウェアやパッチをインストールしたりできます。

    スクリプトファイルの使い方の詳細については、Novell Developer NetのWebサイトの「Upgrading an Enterprise Using the NetWare Accelerated Upgrade」(AppNotes、1999年4月)を参照してください。

ソースサーバの準備ができたら、次のセクション「ターゲットサーバを準備する」に進みます。


ターゲットサーバを準備する

ターゲットサーバは、NetWare 6にアップグレードするNetWare 4またはNetWare 5のサーバです。ターゲットサーバが次に示す最低要件を満たしていることを確認してください。

警告:  ツリー内の最初のサーバをNetWare 6にアップグレードする場合は、NetWare Accelerated Upgradeを使用しないでください。NetWare Accelerated Upgradeを使用するには、NetWare 6が動作しているサーバがツリー内にすでに存在する必要があります。NetWare 6が動作しているサーバがない場合は、ツリー内の1つのサーバに対してインプレースアップグレードを実行してから、NetWare Accelerated Upgradeを使用してツリー内の他のサーバをアップグレードします。

NetWare 4またはNetWare 5からのアップグレードに関して、NetWare Accelerated Upgradeがサポートしていない手順を次の表に示します。


表: 1. NetWare 4またはNetWare 5のターゲットサーバをアップグレードするときにサポートされていない手順

アップグレード時にサポートされていない手順 推奨される手順

アップグレード時のIPプロトコルの追加

INETCFGなどのNetWare 6ユーティリティを使用してアップグレード後にIPプロトコルを追加するか、またはNetWare 6インストールプログラムを使用してアップグレードします。

ハードウェア要件が満たされている場合は、次の手順を実行してターゲットサーバをアップグレード用に準備します。

  1. 最新のNetWare Support Packを使用してターゲットサーバを更新します。

    Support Packは、NovellのサポートWebサイトで入手できます。

    • NetWare 4.11およびNetWare 4.2の場合は、NetWare 4 Support Pack 8 (IWSP6A.EXE)以降が必要です。
    • NetWare 5.0の場合は、NetWare 5 Support Pack 6以降が必要です。
    • NetWare 5.1の場合は、NetWare 5 Support Pack 2以降が必要です。

  2. (状況によって実行)NSSボリュームを使用してNDS(R) 7が動作しているマルチサーバツリー内のサーバをアップグレードする場合は、次の操作を実行します。

    1. NetWare 6オペレーティングシステムCDのルートにあるNetWare Deployment Managerユーティリティ(NWDEPLOY.EXE)を実行します。

    2. [Network Preparation]>[Prepare a Server with NDS 7 & NSS]をクリックします。

  3. (状況によって実行)クラスタリングされたマルチサーバツリー内のサーバをアップグレードする場合は、次の操作を実行します。

    1. NetWare 6オペレーティングシステムCDのルートにあるNetWare Deployment Managerユーティリティ(NWDEPLOY.EXE)を実行します。

    2. [Network Preparation]>[Prepare a Novell Cluster for Upgrade]をクリックします。

  4. ターゲットサーバのサーバコンソールで[DSREPAIR]>[Time Synchronization]を実行します。NDS(R)同期エラーが発生した場合は、処理を続ける前にエラーを解決してください。

  5. すべてのボリュームをマウントします。

    以前にディスクエラーが発生したことがある場合は、サーバ上のすべてのボリュームでVREPAIRを実行して、エラーがないことを確認する必要があります。

  6. ターゲットサーバが設置サーバおよびクライアントワークステーションと通信できることを確認します。

    重要:  クライアントワークステーション、ターゲットサーバ、および設置サーバが同じプロトコル(IPXTMまたはIP)を共有していることを確認します。

    ここで問題が発生した場合は、「サーバからサーバへの接続のトラブルシューティング」を参照してください。

  7. ターゲットサーバを含むコンテナに対してスーパバイザ権を持っていることを確認します。

ターゲットサーバの準備ができたら、次のセクション「ネットワークを準備する」に進みます。


ネットワークを準備する

マルチサーバツリーに属するサーバをNetWare 6にアップグレードする場合、最初にアップグレードするサーバにはNetWare Accelerated Upgradeを使用できないため、ツリーに属する1台のサーバでインプレースアップグレードを実行する必要があります。ツリー内にNetWare 6が動作しているサーバが1台あれば、残りのサーバはNetWare Accelerated Upgradeを利用して安全にアップグレードできます。

インプレースアップグレードの方法については、『NetWare 6概要とインストールガイド』の第3章「NetWare 6へのアップグレード」を参照してください。

シングルサーバツリーに属するサーバをNetWare 6にアップグレードする場合は、NetWare Accelerated Upgradeを利用できます。ただし、アップグレード後に手動でNDSスキーマを拡張する必要があります。NDSスキーマを自動的にアップデートしたい場合には、インプレースアップグレードを行うことをお勧めします。

次のセクション「NetWare Accelerated Upgradeを実行する」に進んでください。


NetWare Accelerated Upgradeを実行する

  1. ワークステーションから設置サーバにログインし、NetWare 6オペレーティングシステムCDのルートディレクトリにあるNetWare Accelerated Upgrade実行ファイル(ACCUPG.EXE)をダブルクリックします。

  2. [Welcome]画面の説明を読み、右矢印をクリックします。

  3. 設置サーバにコピーまたはマウントしたNetWare 6ファイルの場所を入力し、右矢印をクリックします。

  4. 設置サーバへのパスワードを入力し(設置サーバにはNetWare 6 CDのファイルがコピーされています)、[OK]をクリックします。

  5. リストからターゲットサーバを選択し、右矢印をクリックします。

  6. プロンプトが表示されたら、ユーザ名、パスワード、ツリー名、そしてターゲットサーバのコンテキストを入力し、[OK]をクリックします。

  7. 右矢印をクリックします。

    ここでNetWare Accelerated Upgradeは、選択したサーバがNetWare 6のソフトウェアおよびハードウェア要件を満たしているかどうか確認するために、ターゲットサーバのチェックを実行します。この処理には数分かかる場合があります。

  8. 重要要件画面をよく見て、ターゲットサーバがNetWare 6のサーバ要件を満たしていることを確認します。

    注:  ターゲットサーバを準備する」のリストにあるサポートパックが適用されていれば、サーバ要件は問題なく満たされます。

    リストの項目には、重要でない要件もあります。しかし次の要件については、先に進む前に満たされていることを必ず確認してください。

    • NetWareサーバのバージョン
    • ディレクトリサービスのバージョン
    • CLIBのバージョン
    • HCSSがロードされていないこと(NetWare 4のみ)
    • SFTTM IIITMサーバが使用されていないこと(NetWare 4のみ)
    • サポートされていないドライバがアンロードされていること(NetWare 4のみ)

    ターゲットサーバが重要な最低要件を満たしていない場合、そのサーバプロパティは赤く表示されます。重要な最低要件をすべて満たさなければ、NetWare Accelerated Upgradeは次のステップに進みません。

    重要:  NICIファイルをアップデートするように指示された場合は、次に進む前にステップ: 2の指示に従ってください。

  9. アップグレードの際にNetWare Accelerated Upgradeに自動的に実行させたいオプションをすべてオンにし、右矢印をクリックします。

    • アップグレードの完了後、ターゲットサーバを再起動する。

      このオプションをオンにしても、ファイルのコピーが完了した後に手動でターゲットサーバを再起動する必要が生じる場合もあります。

    • ターゲットサーバの既存のドライバを、NetWare 6のLANおよびディスクドライバにアップデートする。

      自動検出の間、STARTUP.NCFファイルはSTARTUP.AUPにリネームされています。そのためNetWare Accelerated Upgradeは元のSTARTUP.NCFファイルを復元した後に、NetWare 6でサポートされる適切な.HAMおよび.CDMドライバをロードします。

      元のSTARTUP.NCFファイルやAUTOEXEC.NCFファイルに、現在ロードされているデバイスのデバイスドライバがない場合、ファイル中のLOAD行は削除されるか新しいファイルにコピーされた後、コメントアウトされます。

      警告:  ターゲットサーバにNetWare 6と互換性のないディスクドライバがあった場合、ハードウェア自動検出プロセスでこのドライバを更新できないため、サーバをアップグレードできなくなります。これを避けるには、アップグレードを完了する前にNetWare 6と互換性のないドライバをすべてアンロードしてください。NetWare Accelerated Upgradeは、NetWare 6をサポートしないドライバを自動的に検出し、適切な処置をするように警告します。

    • ターゲットサーバにある、サポートされていないDOSユーティリティを削除する(NetWare 4サーバのみ)。

  10. NetWare Accelerated Upgradeによりインストールされる製品のリストを確認し、右矢印をクリックします。

    矢印をクリックした後、[Progress]画面が現れるまで数分間かかることもあります。

  11. [Progress]画面を監視し、NetWare 6オペレーティングシステムのファイルがターゲットサーバにコピーされたら、[Close]をクリックします。

    ターゲットサーバはNetWare 6サーバにアップグレードされました。NetWare Accelerated Upgradeでは、アップグレードの際に他のネットワーク製品はインストールされません。他のネットワーク製品をインストールするには、「他のネットワーク製品をインストールする」を参照してください。

アップグレード後の作業を完了する」に進みます。


アップグレード後の作業を完了する


ライセンス許可証をインストールする

NetWare Accelerated Upgradeユーティリティはライセンス許可証をインストールしないため、NetWare Web Manager経由でiManageを使用し、新しくNetWare 6にアップグレードしたサーバにライセンス許可証をインストールします。

注:  ライセンス許可証をNDSツリーの[ROOT]にインストールしているか、ユーザがMLAアカウントを持っている場合、ライセンスを新しくインストールする必要はありません。

  1. Webブラウザに次のURLを入力し、NetWare Web Managerを表示させます。

    https://nw6serveripaddress:portnumber

  2. iManageアイコンをクリックします。

  3. [License Management]>[Install Licenses]の順にクリックします。

  4. 画面上の指示に従います。


他のネットワーク製品をインストールする

NetWare Accelerated Upgradeでは、他のネットワーク製品はインストールされません。ネットワーク製品を追加してインストールするには、次の2つの方法があります。



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