このセクションでは、.NCFバッチファイルを使って、モジュールをロードする方法、システムコンソールコマンドを実行する方法、およびサブシステムを設定する方法について説明します。手順については、次のセクションを参照してください。
サーババッチファイルは、サーバコンソールコマンドで構成される実行可能ファイルです。システムコンソールプロンプトでファイル名を入力すると、ファイルが実行されます。ファイル内のすべてのコマンドが順番に実行されます。
デフォルトでは、サーバの起動時に常に実行される2つのバッチファイルが、NetWareインストールプロセスによって作成されます。
STARTUP.NCF---このファイルが最初に実行されます。サーバのディスクドライバとネームスペースをロードし、他では実行できない特定のサーバパラメータを実行できます。このファイルは、サーバの起動ディレクトリのC:\NWSERVERにあります。
AUTOEXEC.NCF---このファイルはSTARTUP.NCFが実行され、SYS:ボリュームがマウントされた後に実行されます。このファイルでは、時間同期パラメータとバインダリコンテキストの設定、サーバ名の保存、通信プロトコルのロード、LANドライバとネットワークボード設定のロード、インストールされたドライバへのプロトコルのバインド、他のNLMプログラムのロード、およびサーバパラメータの実行が行われます。このファイルはSYS:SYSTEMディレクトリにあります。
SYS:SYSTEMにSHUTDOWN.NCFという名前のバッチファイルを作成して、サーバをシャットダウンするときにコマンドを実行することもできます。SHUTDOWN.NCFは、サーバのシャットダウン時にDOWNコマンドによって自動的に実行されます。このため、SHUTDOWN.NCFファイルにDOWNコマンドを指定してはなりません。
任意のバッチファイルを必要に応じて作成できます。単にテキストファイルを作成し、.NCF拡張子を指定します。バッチファイルには、NetWareコンソールコマンドを実行する順に指定します。
注: ファイルを保存するたびに、ファイルサイズは4KBずつ増えていきます。
システムコンソールプロンプトで、次のコマンドを入力します。
[LOAD] EDIT [path]
パスを指定する場合は、ディレクトリとファイル名の両方を指定します。ファイルは、マウント済みのボリューム、またはサーバのローカルドライブ上になければなりません。
パスの指定を省略するとプロンプトが表示され、ファイル名を入力するか、ブラウズウィンドウを表示できます。
フィル名だけを入力した場合は、SYS:SYSTEMのデフォルト位置が使用されます。
ファイルが存在しない場合は、ファイルを作成するかどうか確認を求められます。新しいファイルを作成する場合は[Yes]を選択し、ファイル名のプロンプトを再表示する場合は[No]を選択します。[Yes]を選択すると、空白の画面が表示され、ファイルにテキストを入力できます。
ボリュームまたはディレクトリの内容を表示するには、ボリューム名またはディレクトリ名を選択し、<Enter>を押します。矢印キーを使って、ファイルとディレクトリのリストをスクロールできます。ファイルを表示するには、ファイル名を選択して<Enter>を押します。
必要に応じてファイルを作成および編集します。
Editの使用中にキーストロークの説明を参照するには、<F1>を押します。
作業が終了したら、<Esc>を押します。ファイルを保存する場合は[Yes]を選択し、変更を保存せずにファイルを終了する場合は[No]を選択します。
パス名のプロンプトが再表示されます。
別のファイルを編集または作成するには、ファイルのパス名を入力します。システムコンソールプロンプトを再表示するには、<Esc>を押します。
詳細については、『Utilities Reference』の「EDIT」を参照してください。
NWCONFIGを使ってSTARTUP.NCFファイルおよびAUTOEXEC.NCFファイルを作成または編集する方法について説明します。
システムコンソールプロンプトで、次のコマンドを入力します。
[LOAD] NWCONFIG
[NCF Files Options]を選択します。
STARTUP.NCFファイルとAUTOEXEC.NCFファイルを作成または編集するオプションと、NetWare 3.1x AUTOEXEC.NCFファイルをアップグレードするオプションで構成されるメニューが表示されます。
目的のオプションを選択し、<Enter>を押します。
NetWare 3.1xファイルをアップグレードするオプションを選択した場合は、画面に表示される指示に従います。現在のNetWare設定とファイルが比較され、必要に応じてファイルに変更が加えられます。ファイルを編集して、保存します。
ファイルの1つを編集するオプションを選択した場合は、選択したファイルがウィンドウに表示されます。
ファイルの1つを作成するオプションを選択すると、既存のファイルがある場合はそのファイルが一方のウィンドウに表示され、デフォルトエントリの新しいファイルが他方のウィンドウに表示されるので、両者を比較できます。
デフォルトエントリはファイルの基本的な内容にのみ相当し、現在のシステムセットアップを反映しています。たとえば、AUTOEXEC.NCFのデフォルトエントリには、時間帯情報と、現在インストールされているLANドライバのLOADコマンドとBINDコマンドは含まれますが、オリジナルのファイルで指定したカスタム環境設定は含まれません。
カーソルは、新しいファイルでアクティブです。<Tab>を押すと、2つのファイルが切り替わります。
必要に応じて新しいファイルまたは既存のファイルを編集します。
画面の下部には、編集用のキーと移動用のキーが示されています。ヘルプを表示するには、<F1>を押します。
操作が終了したら、<F10>を押し、メッセージに対して[Yes]を選択して、ファイルを保存します。保存せずに終了するには、<Alt>+<F10>を押します。ファイルへの変更は、サーバを再起動した後に反映されます。
重要: AUTOEXEC.NCFファイルまたはSTARTUP.NCFファイルを編集するたびに、前のバージョンがAUTONCF.OLDまたはSTARTNCF.OLDとして保存されます。
詳細については、『Utilities Reference』の「NWCONFIG」を参照してください。
デフォルトでは、.NCFファイルは、ファイル内のすべてのコマンドを実行します。ただし、コマンドの前に疑問符(?)を置くことによって、コマンドをオプションにできます。
疑問符を置くと、.NCFファイルはそのコマンドの位置で一時停止し、実行するかどうか確認を求めます。これに対して「Yes」または「No」と応答できます。デフォルトの応答を指定することもできます。
たとえば、AUTOEXEC.NCFファイルに次の行を指定すると、ファイルは実行を一時停止し、LOAD MONITORコマンドを実行するかどうか確認を求めます。
? LOAD MONITOR
AUTOEXEC.NCFファイルを実行すると、次のプロンプトが表示されます。
LOAD MONITOR?Y
デフォルトは「Yes」です。プロンプトに応答しない場合は、10秒後にデフォルトの応答が実行されます。
デフォルト応答と実行待ち時間は、両方とも設定可能です。
コマンドプロンプトへのデフォルト応答を設定するには、2とおりの方法があります。
?N LOAD MONITOR
この例の場合、デフォルト応答はNです。ユーザがプロンプトに応答しない場合、MONITORはロードされません。
パラメータの設定は、コマンドラインで指定されるデフォルト値で上書きされます。
デフォルト応答が実行されるまでの待ち時間を設定するには、Command Line Prompt Time Outパラメータ(Miscellaneousカテゴリ)に目的の秒数を設定します。デフォルト値は10秒です。
サーバ名はAUTOEXEC.NCFファイルに格納されています。ファイルを編集することで、サーバ名を変更できます。ただし、AUTOEXEC.NCFファイル内のサーバ名を変更しても、Novell eDirectoryのサーバオブジェクトには影響しません。eDirectoryのサーバオブジェクトの名前を変更するには、ConsoleOneTMを使用する必要があります。
重要: eDirectoryツリーおよびTIMESYNC.CFGファイル内の以前のサーバ名への参照を更新するには、ConsoleOneを使用します。
AUTOEXEC.NCFファイルには、サーバの内部ネットワーク番号も格納されています。NovellのネイティブIPプロトコルを使用している場合も、内部ネットワーク番号はサーバIDとして使用され、引き続きAUTOEXEC.NCFファイルに格納されます。番号は削除しないでください。
AUTOEXEC.NCFファイル内のサーバ名または内部ネットワーク番号を変更するには、サーバコンソールでNWCONFIGまたはEDITを使用し、サーバを再起動します。
NWCONFIGを使って設定を変更するには、「NWCONFIGを使って起動バッチファイルを作成および編集する」を参照してください。EDITを使用するには、「EDITを使ってテキストとバッチファイルを作成および編集する」を参照してください。