48.3 [実行オプション]タブ

[実行オプション]タブには、次のページがあり、ワークステーションでのアプリケーション実行方法を設定することができます。

48.3.1 [アプリケーション]ページ

[アプリケーション]プロパティページは、単純なアプリケーション、AOT/AXTアプリケーション、およびMSIアプリケーション用に作成されたアプリケーションオブジェクトでのみ使用できます。Webアプリケーションおよびターミナルサーバアプリケーション用に作成されたアプリケーションオブジェクトでは使用できません。

次の図に示す[アプリケーション]プロパティページでは、ワークステーションでアプリケーションを実行するときにApplication Launcherが使用する一般的なオプションを定義します。

図 48-17 アプリケーションオブジェクト>[実行オプション]タブ>[アプリケーション]ページ

インストールのみ(実行可能ファイル不要)

配布後にApplication Launcherが起動する実行可能ファイルを配布に含めない場合は、このオプションを選択します。たとえば、アプリケーションオブジェクトの目的が、ワークステーション上の一部のファイル(ドライバやフォントに関するもの)を更新することや、レジストリ設定などの一部のワークステーション設定を変更することに限定されている場合は、このオプションを使用します。

ファイルへのパス

アプリケーションの配布後にApplication Launcherが実行する実行可能ファイルへのパスを入力または参照します。通常このパスは、アプリケーションオブジェクトの作成時に定義され、ネットワーク上の実行可能ファイルの場所、または配布後に実行可能ファイルが保存されるワークステーション上の場所へのパスが含まれています。パスを入力する場合、アプリケーション実行可能ファイル名には必ず.exe拡張子を付けてください(たとえば、「notepad」ではなく、「notepad.exe」と入力してください)。

重要:ZENworksデスクトップ管理エージェントおよびMiddle Tier Serverは、ネットワーク上の場所からのアプリケーションの起動をサポートしていません。実行可能ファイルがネットワーク上に置かれている場合は、ユーザがNetWare®サーバまたはWindowsサーバから起動するためのネットワーククライアント(Novell ClientやMicrosoft Client for Networks)をインストールしている場合にのみ、このオプションを使用できます。

.exe以外の種類のファイルに対するパスを入力することもできます。その場合、ユーザがアプリケーションオブジェクトをダブルクリックすると、Application LauncherはファイルをWindowsシステムに渡します。Windowsシステムでは、そのファイルの種類に関連付けられているアプリケーションを使用して、ファイルを開くことができます。たとえば、.txtファイルを入力した場合、.txtファイルに関連付けられているアプリケーションを使用してファイルが開かれます。

マッピングされたドライブやUNCパスを使用できます。有効なパス構文は次のとおりです。

  • server\volume:path
  • \\server_name\volume\path
  • \\IP_address\volume\path
  • volume_object_name:path
  • directory_map_object_name:path
  • driveletter:\path

UNCパスを使用する場合、Windows 2000サーバ上で動作するアプリケーションでは、WindowsのUNCパスの解決方法に起因して起動に時間がかかることがあります。詳細については、Microsoft Knowledge Base Article Q150807を参照してください。

このフィールドではマクロも使用できます。マクロの詳細については、セクション 49.0, リファレンス:マクロを参照してください。

パラメータ

[ファイルへのパス]フィールドで指定された実行可能ファイルに渡す必要があるコマンドラインパラメータを指定します。このフィールドに入力できる文字数は250以下です。

Application Launcherは、入力したとおりにパラメータを渡します。したがって、使用するパラメータ構文は、実行可能ファイルで必要とされる構文に正確に一致している必要があります。たとえば、word.exe/f=filepathパラメータで、スペースを含むパスを引用符で囲む必要がある場合は、次のように入力します。

/f=”c:\my docs\sample.doc”
作業ディレクトリ

[ファイルへのパス]フィールドで指定した実行可能ファイルの作業ディレクトリを指定します。通常は、これは実行可能ファイルが保存されているディレクトリです。ただし、アプリケーションの実行に必要な追加ファイルが別のディレクトリに保存されている場合は、そのディレクトリを指定します。詳細については、Windowsのマニュアルを参照してください。

有効なパス構文は次のとおりです。

  • server\volume:path
  • \\server\volume\path
  • volume_object_name:path
  • directory_map_object_name:path
  • driveletter:\path

このフィールドではマクロも使用できます。マクロの詳細については、セクション 49.0, リファレンス:マクロを参照してください。

アプリケーションを一度だけ実行

このオプションを選択すると、Application Launcherでアプリケーションを一度だけ実行し、その後でアプリケーションオブジェクトのアイコンをワークステーションから削除することができます。アプリケーションオブジェクトのバージョン番号([配布オプション]>[オプション]ページ)が更新されると、新しいバージョンを配布できるように、アプリケーションオブジェクトのアイコンが再び表示されます。

このオプションは、アプリケーションオブジェクトの目的がソフトウェアをワークステーションにインストールすることに限られている場合に役立ちます。アプリケーションの配布後もアプリケーションオブジェクトのアイコンを表示したままにしておくと、配布中にアプリケーションのショートカットやプログラムグループアイコンを作成した場合([配布オプション]>[アイコン/ショートカット]ページを参照)などに特にユーザの混乱を招くことになります。

このオプションは、アプリケーションオブジェクトの他の設定と組み合わせて使用することもできます。たとえば、アプリケーションを[関連付け]ページで[強制実行]に設定(Application Launcherでアプリケーションを使用できるようになり次第、ユーザによる操作を必要とせずにアプリケーションが実行されます)しておくと、アプリケーションは一度だけ強制的に実行されます。

アプリケーションがワークステーションに関連付けられている場合はユーザとして強制実行する

ワークステーションに関連付けられたアプリケーションが[強制実行]([関連付け]タブ>[関連付け]ページ)として設定されている場合、ワークステーションが起動するとすぐに(通常は、ユーザがWindowsにログインする前に)Workstation Helperがアプリケーションを起動します。つまり、強制実行するように指定した、ワークステーションに関連付けられたアプリケーションのみが、ユーザの介入を必要としないアプリケーションになります。

ワークステーションに関連付けられたアプリケーションの強制実行を、Application Launcherが起動するまで遅らせる場合に、このオプションを選択します。この場合、Workstation HelperではなくApplication Launcherがアプリケーションを配布および起動します。Application Launcherは、ワークステーションのファイルシステム権を使用してアプリケーションを配布し、ユーザのファイルシステム権を使用してアプリケーションを起動します。

基本的に、このオプションは、強制実行が指定され、ワークステーションに関連付けられているアプリケーションが、強制実行が指定され、ユーザに関連付けられているアプリケーションと同様に機能するように設定します。

48.3.2 [使用環境]ページ

[使用環境]プロパティページは、単純なアプリケーション、AOT/AXTアプリケーション、およびMSIアプリケーション用に作成されたアプリケーションオブジェクトでのみ使用できます。Webアプリケーションおよびターミナルサーバアプリケーション用に作成されたアプリケーションオブジェクトでは使用できません。

次の図に示す[使用環境]プロパティページでは、Application Launcherがアプリケーションを実行する環境を定義します。

図 48-18 アプリケーションオブジェクト>[実行オプション]タブ>[使用環境]ページ

実行

アプリケーションの初期ウィンドウサイズを選択します。サイズは、[標準]、[最小化]、[最大化]、[隠し]から選択します。[隠し]モードでは、ユーザインタフェースを使用できない状態でアプリケーションが正常に実行されます。これは、ユーザによる操作を必要とすることなく、アプリケーションで処理を実行するような場合に役立ちます。たとえば、タスクバーにリモートコントロールエージェント(Remote Control agent)を表示しないようにする場合は、リモートコントロールエージェントに対してこのモードを使用できます。

メモ:一部のアプリケーションは、[最小化]、[最大化]、または[隠し]モードで実行できません。アプリケーションによっては、初期ウィンドウサイズ設定が無視される場合があります。たとえば、calc.exeは[隠し]モードで実行できません。

Windows NT/2000/XP

これらのオプションを使用して、Windows 2000/XPワークステーションでのアプリケーションの実行方法を指定します。

16ビットアプリケーションの実行モード

16ビットアプリケーションをWindows 2000/XPで実行するように設定している場合は、共有または個別のWOW(Windows on Windows)セッションのいずれかを指定します。16ビットアプリケーションをWindows 2000/XPで実行するには、Windows 3.1の機能をエミュレートするVDM(Virtual DOS Machine)上で実行する必要があります。16ビットのWindowsアプリケーションは専用のWOWセッションで実行できます。他の16ビットアプリケーションとWOWセッションを共有することもできます。WOWセッションを共有すると、メモリを節約でき、同じWOWセッション内のアプリケーション間でDDEやOLEを使用した対話を実現できます。アプリケーションを専用のWOWセッションで実行する場合は、他の16ビットアプリケーションとは別に実行されるため、操作が安定します。専用WOWセッションでは正常に実行されないアプリケーションもあるため、デフォルトでは、16ビットアプリケーションを共用WOWセッションで実行するように設定されています。

実行プログラムのセキュリティレベル

Windows 2000/XPでは、([アプリケーション]ページ[ファイルへのパス]フィールドで定義された)アプリケーション実行可能ファイルを「ユーザ」スペースまたは「システム」スペースのいずれかで実行できます。デフォルトでは、[通常の実行]オプションが選択されています。このオプションを選択した場合、アプリケーションは「ユーザ」スペースで実行され、ログインユーザと同じワークステーションセキュリティレベルを継承します。

ログインユーザのセキュリティレベルでは、アプリケーションを実行するための十分な権利やファイルアクセスが許可されない場合、アプリケーションを「システム」スペースで実行するように設定することができます。[通常の実行]オプション(「ユーザ」スペース)、および2つの「システム」スペースオプションについて次に説明します。

  • [通常の実行]: アプリケーションは、ログインユーザのアカウント情報を継承します。たとえば、レジストリおよびファイルシステムに対するアプリケーションの権利は、ログインユーザが持つ権利と同じになります。

  • [保護されたシステムユーザとして実行]: アプリケーションは、ローカルシステムユーザ下で実行され、管理者レベルのアカウント情報を継承します。たとえば、アプリケーションには、レジストリおよびファイルシステムへのフルアクセス権が設定されます。セキュリティレベルが[Secure(保護)]に設定されているため、アプリケーションのインタフェースはユーザには表示されず、アプリケーションはタスクマネージャにのみ表示されます。このオプションは、ワークステーションへのフルアクセス権を必要とするが、ユーザによる操作は必要としないアプリケーション(サービスパックやアップデートなど)を配布するときに役立ちます。

  • [保護なしのシステムユーザとして実行]: このオプションは、アプリケーションのインタフェースがユーザに表示される点を除けば、[保護されたシステムユーザとして実行]と同じです。つまり、ダイアログボックスを表示して、必要に応じてユーザに情報を要求することができます。これにより、ユーザは、アプリケーションによってワークステーション上で提供される機能をすべて実行できます。たとえば、REGEDITを保護なしのシステムユーザとして実行すると、ワークステーションのユーザは、任意のレジストリ値を編集することができます。

ターミナルサーバ環境では、ユーザがターミナルサーバクライアントセッションでApplication Launcherを実行している場合、[保護されたシステムユーザとして実行]および[保護なしのシステムユーザとして実行]オプションを使用しないでください。これらのオプションを使用すると、NALサービス(ターミナルサーバ上で実行)によってアプリケーションが起動されます。NALサービスはシステムユーザとして実行されるため、起動されたアプリケーションは、ターミナルサーバのタスクマネージャ([保護されたシステムユーザとして実行]を指定した場合)またはターミナルサーバのデスクトップ([保護なしのシステムユーザとして実行]を指定した場合)でのみ表示されます。ユーザのターミナルサーバクライアントセッションには表示されません。

ネットワークリソースのクリーンアップ

このオプションを選択すると、アプリケーションを実行するために設定したネットワーク接続、ドライブマッピング、およびポートキャプチャをクリーンアップすることができます。このオプションを選択しない場合、ネットワークリソースは引き続き有効です。Application Launcherがアプリケーションを起動したときにリソースがすでに使用中である場合、他のすべての配布済みアプリケーションがそのリソースの使用を終了するまで、そのリソースはクリーンアップされません。Application Launcherが終了した時点で、配布されたアプリケーションがまだ実行中の場合は、割り当てられたリソースはそのまま維持されます。

監視するモジュール

アプリケーションが起動されているとき、Application Launcherはそのアプリケーションの実行可能ファイルを監視します。実行可能ファイルが終了すると、ネットワークリソースのクリーンアップ処理が始まります。ただし、実行可能ファイルの名前が、実際には環境を設定し、他の実行可能ファイルを実行してから終了したした“ラッパ”である可能性もあります。Application Launcherが監視しているのがラッパプログラムである場合は、アプリケーションが終了する前に、ネットワークリソースのクリーンアップが開始してしまうことがあります。アプリケーションがラッパプログラムを使用しているかどうかは、各アプリケーションのマニュアルを参照してください。ラッパプログラムが使用されている場合は、実行中のままになるモジュールの名前を調べてください。表示されるテキストボックスにそのモジュールの名前を(拡張子を付けずに)入力します。

48.3.3 [スクリプトを実行する]ページ

[スクリプトを実行する]プロパティページは、単純なアプリケーション、AOT/AXTアプリケーション、およびMSIアプリケーション用に作成されたアプリケーションオブジェクトでのみ使用できます。Webアプリケーションおよびターミナルサーバアプリケーション用に作成されたアプリケーションオブジェクトでは使用できません。

アプリケーション起動処理の一部として、Application Launcherではスクリプトエンジンを起動して、「起動前に実行」スクリプトと「起動後に実行」スクリプトを実行することができます(スクリプト実行順序の詳細については、スクリプトの実行順序を参照してください)。次の図に示す[スクリプトを実行する]プロパティページでは、Application Launcherが使用するスクリプトエンジン、および実行するスクリプトを定義します。

図 48-19 アプリケーションオブジェクト>[実行オプション]タブ>[スクリプトを実行する]ページ

Windows 2000/XPでは、スクリプトは常にユーザスペースで実行されます。つまり、スクリプトはログインユーザに割り当てられているファイルシステムに対する権利を継承します。このことは、アプリケーションの実行可能ファイルがシステムスペースで実行されるように設定されている([実行オプション]タブ>[使用環境]ページ>[実行プログラムのセキュリティレベル]オプション)場合にも当てはまります。この動作は、保護されたシステムスペースで実行される配布スクリプト([配布オプション]タブ>[配布スクリプト]ページ)の動作とは異なります。

起動前に実行

このテキストウィンドウを使用して、アプリケーションの起動前に実行するスクリプトコマンドを入力します。スクリプト内で拡張文字を使用しないでください。拡張文字はサポートされていません。

スクリプトの例については、スクリプトの例を参照してください。

起動後に実行

このテキストウィンドウを使用して、ユーザがアプリケーションを終了した後に実行するスクリプトコマンドを入力します。スクリプト内で拡張文字を使用しないでください。拡張文字はサポートされていません。

スクリプトの例については、スクリプトの例を参照してください。

起動後に実行スクリプトは、ネットワークリソースがクリーンアップ([実行オプション]>[使用環境]ページ)される前に実行されます。ただし、[ネットワークリソースのクリーンアップ]オプションを使用しても、起動前に実行スクリプトによって作成されたドライブマッピングおよびポートキャプチャはクリーンアップされません。これらのリソースをクリーンアップするには、起動後に実行スクリプトに適切なコマンドを入力します。

スクリプトエンジンの場所

スクリプトエンジンにより、使用する必要があるスクリプトコマンドとスクリプト言語が決まります。[スクリプトエンジンの場所]フィールドでスクリプトエンジンを定義しない場合、Application LauncherはNovell Clientをスクリプトエンジンとして使用します(ワークステーションにNovell Clientがインストールされている場合)。つまり、Novell Clientのほとんどのログインスクリプトコマンドを使用することができます(サポートされているNovell Clientログインスクリプトコマンドを参照)。

Novell Client以外のスクリプトエンジンを使用する場合は、そのスクリプトエンジンを指定します。スクリプトエンジンは、ローカルドライブなど、ユーザが常に使用可能な場所に置く必要があります。スクリプトエンジンをネットワークサーバ上に置くことができるのは、たとえば、Novell ClientやClient for Microsoft Networksを通じて、ユーザがそのサーバにドライブをマッピングできる場合に限られます。Application Launcherがスクリプトエンジンを検出できない場合は、ユーザに対してエラーメッセージが表示され、アプリケーションの起動は失敗します。

スクリプトエンジンとしてWindowsコマンドインタープリタを使用する場合は、次の例に示すように/cスイッチを含める必要があります。

  • Windows 2000/XP:%*winsysdir%\cmd.exe /c
  • Windows 98:%*windir%\command.com /c

%*winsysdir%変数および%*windir%変数は、Windowsシステムディレクトリ(たとえばc:\winnt\system32)を指定します。/cスイッチは、コマンドインタープリタに対して、スクリプトを実行した後に停止するように指示します。/cスイッチを使用しない場合、スクリプトは完了しません。

スクリプトの例については、スクリプトの例を参照してください。

スクリプトファイルの拡張子

ファイル拡張子が必要になるのは、[スクリプトエンジンの場所]フィールドでスクリプトエンジンを指定した場合のみです。

アプリケーションを起動するときに、Application Launcherは、配布前に実行スクリプトおよび配布後に実行スクリプトの一時スクリプトファイルを作成します。これらのファイルはスクリプトエンジンに渡され、スクリプトエンジンによってスクリプトが実行されます。ファイル拡張子を指定する必要があります。スクリプトエンジンでスクリプトファイルを処理するためにはファイル拡張子が必要です。

スクリプトの例については、スクリプトの例を参照してください。

スクリプトの例

次のスクリプトは、スクリプトエンジンとしてWindows 2000/XPのコマンドインタープリタを使用します。起動の実行前に、c:\ディレクトリのリスティングがテキストファイルに保存され、autoexec.batファイルがバックアップされます。

[配布前に実行]フィールド

dir c:\>c:\1.txt
copy autoexec.bat autoexec.bak /y

[スクリプトエンジンの場所]フィールド

cmd.exe /c

[スクリプトファイルの拡張子を入力または選択する]フィールド

.bat

スクリプトの実行順序

Application Launcherは、アプリケーションの配布時および起動時に、最大4つの異なるスクリプトを実行できます。

  • 配布スクリプト: [配布前に実行]および[配布後に実行]([配布オプション]タブ>[配布スクリプト]ページ)

  • 実行スクリプト: [起動前に実行]および[起動後に実行]([実行オプション]タブ>[スクリプトを実行する]ページ)

Application Launcherでは、次の順にスクリプトが実行されます。

  1. 起動前に実行スクリプトが実行されます。
  2. 配布前に実行スクリプトが実行されます。
  3. アプリケーションが配布されます(ファイルがコピーされ、設定が変更されます)。
  4. 配布後に実行スクリプトが実行されます。
  5. アプリケーションが起動します。
  6. ユーザがアプリケーションを終了します。
  7. 起動後に実行スクリプトが実行されます。

サポートされているNovell Clientログインスクリプトコマンド

スクリプトエンジンとしてNovell Clientを使用する場合、次のコマンドを除くすべてのスクリプトコマンドを使用できます。

表 48-2 サポートされているNovell Clientログインスクリプトコマンド

CLS

INCLUDE

PCOMPATIBLE

DISPLAY

LASTLOGINTIME

SCRIPT_SERVER

EXIT

NO_DEFAULT

SET_TIME

FDISPLAY

NOSWAP

SWAP

IF MEMBER OF

PAUSE

WRITE

Application Launcherは、画面に何も表示しません。スクリプトエラーも表示しません。

スクリプトのコマンド、構文、および例については、Novell Documentation WebサイトNovell Client documentationを参照してください。

48.3.4 [環境変数]ページ

[環境変数]プロパティページは、単純なアプリケーション、AOT/AXTアプリケーション、およびMSIアプリケーション用に作成されたアプリケーションオブジェクトでのみ使用できます。Webアプリケーションおよびターミナルサーバアプリケーション用に作成されたアプリケーションオブジェクトでは使用できません。

次の図に示す[環境変数]プロパティページでは、アプリケーションの実行前にApplication Launcherが設定する環境変数を指定します。たとえば、PATH環境変数にアプリケーションの作業ディレクトリを指定することができます。

図 48-20 アプリケーションオブジェクト>[実行オプション]タブ>[環境変数]ページ

重要: Windows 98ワークステーションでは、Novell Clientがインストールされていない場合、Application Launcherで環境変数を設定することはできません。Windows 2000/XPワークステーションでは、この問題は発生しません。

環境変数

[環境変数]リストには、アプリケーションの実行前に変更されるすべての変数が表示されます。Application Launcherは、このリストに表示されている変数だけを変更します。

ファイル

このオプションを使用すると、[環境変数]リスト内の変数や変数データを検索したり、別のアプリケーションオブジェクトからこのリストに変数をインポートしたりすることができます。

[ファイル]をクリックし、次のいずれかのオプションを選択します。

  • [検索]: [環境変数]リスト内の変数や変数データを検索します。

  • [次を検索]: 検索の条件として指定した項目に一致する次の候補を検索します。

  • [インポート]: 変数、別のアプリケーションオブジェクトの.aotファイルまたは.axtファイルからインポートします。[開く]ダイアログボックスでは、デフォルトでファイルの種類として*.axtが表示されます。.aotファイルからインポートする場合、.aotファイルを選択するためには、ファイルの種類の表示を[*.aot]または[すべてのファイル]に変更する必要があります。

追加

[環境変数]リストに変数を追加するには、[追加]をクリックして、[環境変数の編集]ダイアログボックスを開きます。変数の名前とデータを入力し、[区切り文字を使って既存のデータに付加する]を選択します(ワークステーションの既存の変数にデータを追加する場合のみ)。次に、区切り文字を入力して[OK]をクリックします。

変更

変更する変数を[環境変数]リストから選択して[変更]をクリックします。

削除

削除する変数を[環境変数]リストから選択して[削除]をクリックします。

48.3.5 Web URL

[Web URL]プロパティページは、Webアプリケーション用に作成されたアプリケーションオブジェクトでのみ使用できます。単純なAOT/AXTアプリケーション、MSIアプリケーション、およびターミナルサーバアプリケーション用に作成されたアプリケーションオブジェクトでは使用できません。

次の図に示す[Web URL]プロパティページでは、Webアプリケーションの場所(URL)を指定します。

図 48-21 アプリケーションオブジェクト>[実行オプション]タブ>[Web URL]ページ

URL

このフィールドのデフォルト値は、アプリケーションオブジェクトの作成時に入力したURLです。このURLは、Webアプリケーションのプライマリファイル、またはWebアプリケーションへのアクセスが可能なWebページを指定していなければなりません。URLは、必要に応じて変更できます。

URLをテストする

このボタンをクリックして、Webアプリケーションを起動します。この機能を実行するためには、現在のワークステーションにWebブラウザがインストールされている必要があります。

48.3.6 [ライセンス/メータリング]ページ

[ライセンス/メータリング]プロパティページは、すべてのアプリケーションタイプ(シンプル、AOT/AXT、MSI、Webおよびターミナルサーバ)用のアプリケーションオブジェクトで使用できます。

次の図に示す[ライセンス/メータリング]プロパティページでは、Novell Licensing Servicesを使用してアプリケーションの使用状況を追跡し、アプリケーションのライセンス契約を遵守するように、Application Launcherを設定します。Novell Licensing Servicesがあらかじめインストールされ、そのアプリケーション専用のライセンスコンテナとメータリングする許可証が作成してあり、ユーザのワークステーションがNovell Clientを実行している必要があります。ライセンスメータリング設定の詳細については、セクション 45.0, ソフトウェアライセンスのメータリングを参照してください。

図 48-22 アプリケーションオブジェクト>[実行オプション]タブ>[ライセンス/メータリング]ページ

このアプリケーションにNovellライセンシングおよびメータリングを使用する

このオプションを選択すると、アプリケーションのメータリングが有効になります。

アプリケーションオブジェクトを次のライセンスコンテナに割り当てる

メータリングを有効にしたら、アプリケーション用のメータリングする許可証を作成したライセンスコンテナを選択します。

NLSが使用可能でない場合はアプリケーションを実行しない

このオプションを選択すると、Novell Licensing Servicesが実行されていない場合には、ユーザがアプリケーションを実行できないようになります。

48.3.7 [アプリケーションの依存関係]ページ

[アプリケーションの依存関係]プロパティページは、すべてのアプリケーションタイプ(シンプル、AOT/AXT、MSI、Webおよびターミナルサーバ)用のアプリケーションオブジェクトで使用できます。

この節では、[アプリケーションの依存関係]プロパティページのフィールドについて説明します。アプリケーションの依存関係を設定する方法の詳細については、高度な配布:アプリケーションの依存関係とチェーンの設定を参照してください。

次の図に示す[アプリケーションの依存関係]プロパティページでは、このアプリケーション(プライマリアプリケーション)の前に配布および起動する必要があるアプリケーション(依存アプリケーション)のリストを作成することができます。

図 48-23 アプリケーションオブジェクト>[実行オプション]タブ>[アプリケーションの依存関係]ページ

1つまたは複数の依存アプリケーションを作成することができます。たとえば、プライマリアプリケーション(アプリケーションA)が別のアプリケーション(アプリケーションB、アプリケーションC、およびアプリケーションD)に依存していると仮定します。これら3つのアプリケーションすべてをこのページの[アプリケーションの依存関係]リストに追加すると、Application Launcherは、これら3つのアプリケーションすべてを依存アプリケーションとして、アプリケーションAの実行前に配布および起動します。

依存アプリケーションは、単一のアプリケーションである場合とアプリケーションチェーンである場合とがあります。アプリケーションチェーンが存在するのは、依存アプリケーションがさらに別のアプリケーションに依存している場合です。この例で、アプリケーションCがさらにアプリケーションC1とアプリケーションC2に依存しているとすると、アプリケーションB、C、C1、C2、およびDはすべて、アプリケーションAの前に配布および起動する必要があります。

アプリケーションの依存関係を設定する場合は、次の点に注意する必要があります。

  • [配布]: 依存アプリケーションのバージョンが更新(アプリケーションオブジェクト[配布オプション]タブ>[オプション]ページ)されない限り、または配布に失敗しない限り、Novell Application Launcherが依存アプリケーションを配布するのは、ユーザがはじめてプライマリアプリケーションを起動するときだけです。Application Launcherが依存アプリケーションを配布できない場合(たとえば、使用するワークステーションが依存アプリケーションのシステム要件を満たさない場合)、プライマリアプリケーションは配布および起動されません。

  • [リムーバブルメディアによる配布]: プライマリアプリケーションを、CDなどのリムーバブルメディアを使用して配布する場合(リムーバブルメディアによるアプリケーションの配布を参照)、またはイメージアドオンを使用して配布する場合([イメージング]ページを参照)、リムーバブルメディアやアドオンには依存アプリケーションも含める必要があります。

  • [Distribution to Disconnected Workstations(切断されているワークステーションへの配布)]: 切断モードでワークステーションを実行するには、ワークステーションを切断する前に、アプリケーションをワークステーションのキャッシュに格納する必要があります(キャッシュに格納しない場合は、アプリケーションをリムーバブルメディアで配布する必要があります)。依存先アプリケーションをワークステーションのキャッシュに格納した後で依存先アプリケーションの変更を行った場合は、依存先アプリケーションの再キャッシュを行うために主アプリケーションのバージョン番号を更新する必要があります。

  • [起動]: Application Launcherは、プライマリアプリケーションが起動されるたびに依存アプリケーションを起動します。起動の際に、Application Launcherは依存アプリケーションの起動前スクリプトおよび起動後スクリプトを実行し、依存アプリケーションを起動します。セットアッププログラムなどの依存アプリケーションを1回だけ実行する必要がある場合は、依存アプリケーションをそのように設定します(アプリケーションオブジェクト[実行オプション]タブ>[アプリケーション]ページ)。

  • [アンインストール]: プライマリアプリケーションをアンインストールする([共通]タブ>[アンインストール]ページまたは[関連付け]タブ>[関連付け]ページ)場合、別のアプリケーションで使用されていない依存アプリケーションもすべてアンインストールされます。

[アプリケーションの依存関係]リスト

[アプリケーションの依存関係]リストには、プライマリアプリケーションと依存関係があるアプリケーションが表示されます。このリストで依存アプリケーションは、プライマリアプリケーションの起動時にワークステーションで配布および起動される順に下から上の方向に表示されます。

追加

アプリケーションをこのリストに追加するには、[追加]をクリックし、アプリケーションオブジェクトを参照して選択して、[OK]をクリックします。アプリケーションをこのリストに追加したら、次の2つの属性を変更することができます。

  • [配布をすぐに続行する]: Application Launcherでアプリケーションを配布および実行するが、その実行終了を待たずに次のアプリケーションの配布に進むように設定する場合は、このオプションを選択します。

    このオプションを選択しない場合(デフォルト)、アプリケーションの配布と実行が終了するのを待った後に、Application Launcherはリスト上の次のアプリケーションの配布に進みます。すべてのファイル、レジストリの設定などが配布され、[ファイルへのパス]フィールド([実行]タブ>[アプリケーション]ページ)に一覧表示されているアプリケーション(またはファイル)の実行が終了した後に、Application Launcherは次の処理に進みます。

  • [再起動の待機]: アプリケーションの配布時にワークステーションの再起動が必要になる場合、このオプションを選択すると、1)再起動を必要とするリスト内の別のアプリケーション(このオプションを選択していない場合)を配布するまで、または2)リスト内のすべてのアプリケーションを配布するまで、Application Launcherは再起動を延期します。このオプションは、アプリケーションのアンインストール時にも適用されます。

削除

依存アプリケーションをリストから削除するには、リストからアプリケーションを選択し、[削除]をクリックします。

チェーンを表示する

依存アプリケーションがアプリケーションチェーンで構成されているかどうかを確認するには、リストからアプリケーションを選択し、[チェーンを表示する]をクリックします。

上方向矢印と下方向矢印

依存アプリケーションは、リスト上の表示順序に従って下から上に順番に配布および起動されます。この順序は、上方向と下方向の矢印を使用して変更できます。