48.9 [障害対策]タブ

[障害対策]タブには、次のページがあり、複数サーバ間でアプリケーションをホストするのに必要な負荷を分散させたり、サーバ障害が発生した場合にバックアップアプリケーションにアクセスできるようにしたりすることができます。

48.9.1 [障害対策]ページ

[障害対策]プロパティページは、単純なアプリケーションおよびAOT/AXTアプリケーション用に作成されたアプリケーションオブジェクトでのみ使用できます。MSIアプリケーション、ターミナルサーバアプリケーション、およびWebアプリケーション用に作成されたアプリケーションオブジェクトでは使用できません。

この節では、[障害対策]プロパティページのフィールドについて説明します。障害対策の設定の詳細については、セクション 36.1, 障害対策機能のセットアップを参照してください。

次の図に示す[障害対策]プロパティページでは、このアプリケーションオブジェクトが使用できなくなった場合に、Application Launcherがバックアップとして使用するインストールパッケージソースまたはアプリケーションオブジェクトを指定します。Application Launcherは、[ソースリスト]または[アプリケーションリスト]に表示されている順序(上から下)で、パッケージソースまたはアプリケーションオブジェクトを試します。

図 48-57 アプリケーションオブジェクト>[障害対策]タブ>[障害対策]ページ

[障害対策]ページは、アプリケーションのタイプによって異なります。シンプル/AOT/AXTアプリケーションの場合、ページはこのようになります。Webアプリケーションの場合は、ソースリスト機能がサポートされていないため、アプリケーションリストのみがページに表示されます。

障害対策を有効にする

このオプションを選択すると、障害対策機能が有効になります。他の耐障害性オプションは、このオプションが有効になっている場合に限り使用できます。

ソースリストを使用する

Application Launcherでインストールパッケージソースのリストをバックアップとして使用する場合は、このオプションを選択します。パッケージソースを少なくとも1つは作成しておく必要があります([共通]>[ソース]ページ)。

追加

パッケージソースを[ソースリスト]に追加するには、[追加]をクリックし、パッケージソースを参照して選択し、[OK]をクリックします。

削除

[ソースリスト]からパッケージソースを削除するには、[ソースリスト]からパッケージソースを選択し、[削除]をクリックします。

上方向矢印と下方向矢印

[ソースリスト]からパッケージソースを選択し、上方向矢印をクリックすると、選択したソースがリストの上方に移動します。下方向矢印をクリックするとソースがリストの下方に移動します。Application Launcherは、リストに表示されている順序(上から下)でソースの使用を試みます。

アプリケーションリストを使用する

Application Launcherでアプリケーションオブジェクトのリストをバックアップとして使用する場合は、このオプションを選択します。アプリケーションの追加アプリケーションオブジェクトを事前に作成しておく必要があります。それらのアプリケーションファイルが、このアプリケーションとは別のサーバまたはボリュームに保存されている必要があります。アプリケーションが使用できない場合、Application Launcherは、指定された順序で各アプリケーションオブジェクトを試します。

1レベルでの耐障害性のみがサポートされます。Application Launcherがこのリスト内のいずれかのバックアップアプリケーションオブジェクトにフェールオーバーし、そのバックアップアプリケーションオブジェクトに障害が発生した場合、そのバックアップアプリケーションオブジェクトの耐障害性が有効であっても、配布は失敗します。

メモ:Application Launcherは、リモート接続を検出してリモートモードで動作している場合、耐障害性について[アプリケーションリスト]を使用しません。この場合、Application Launcherは[ソースリスト]のみを使用します。

追加

アプリケーションオブジェクトを[アプリケーションリスト]に追加するには、[追加]をクリックし、アプリケーションオブジェクトを参照して選択し、[OK]をクリックします。

削除

アプリケーションオブジェクトを[アプリケーションリスト]から削除するには、[アプリケーションリスト]からアプリケーションオブジェクトを選択し、[削除]をクリックします。

上方向矢印と下方向矢印

[ソースリスト]からアプリケーションオブジェクトを選択し、上方向矢印をクリックすると、選択したアプリケーションオブジェクトはリストの上方に移動します。下方向矢印をクリックすると、選択したアプリケーションオブジェクトはリストの下方に移動します。Application Launcherは、リストに表示されている順序(上から下)で、アプリケーションオブジェクトの使用を試みます。

48.9.2 [負荷バランス]ページ

[負荷バランス]プロパティページは、単純なアプリケーション、AOT/AXTアプリケーション、およびMSIアプリケーション用に作成されたアプリケーションオブジェクトでのみ使用できます。ターミナルサーバアプリケーションおよびWebアプリケーション用に作成されたアプリケーションオブジェクトでは使用できません。

この節では、[負荷バランス]プロパティページのフィールドについて説明します。負荷バランスの設定の詳細については、セクション 36.2, 負荷分散機能のセットアップを参照してください。

次に示す[負荷バランス]プロパティページを使って、アプリケーションの配布に関する負荷を分散させることができます。負荷分散機能が有効になっている場合、Application Launcherは、アプリケーションを提供しているすべてのサーバからアプリケーションファイルを配布し、複数のサーバ間で負荷を分散させます。

図 48-58 アプリケーションオブジェクト>[障害対策]タブ>[負荷バランス]ページ

[負荷バランス]ページは、アプリケーションのタイプによって異なります。シンプル/AOT/AXTアプリケーションの場合、ページはこのようになります。MSIアプリケーションの場合、ページはこのようになりますが、[負荷分散を有効にする]オプションのみが選択可能となります。Webアプリケーションの場合は、ソースリスト機能がサポートされていないため、アプリケーションリストのみがページに表示されます。

負荷分散機能を使用するには、アプリケーションに対して複数のインストールパッケージソースまたはアプリケーションオブジェクトが定義してあり、アプリケーションのソースファイルが別々のサーバに保存されている必要があります。ユーザがアプリケーションを起動すると、Application Launcherは、パッケージソースまたはアプリケーションオブジェクトの中から1つを選択して使用します。そのパッケージソースまたはアプリケーションオブジェクトが使用できない場合、Application Launcherは、別のソースパッケージまたはアプリケーションオブジェクトを選択します。

負荷分散を有効にする

このオプションを選択すると、負荷分散機能が有効になります。他の負荷分散オプションは、このオプションが有効になっている場合に限り使用できます。

MSI (Microsoft Windows Installer)パッケージを使用するアプリケーションオブジェクトの場合、このページで有効になっているオプションは[負荷分散を有効にする]だけです。[ソースリストを使用する]および[アプリケーションリストを使用する]は無効になっています。.MSIアプリケーションオブジェクトに対して負荷分散機能を有効にするには、このオプションを選択してから、アプリケーションオブジェクトの[ソース]ページ([共通]タブ)を使用して、アプリケーション用の追加インストールパッケージを作成するソースの場所リストを定義します。Application Launcherは、ソースの場所をリストからランダムに選択して負荷を分散します。

ソースリストを使用する

Application Launcherでパッケージソースのリストを負荷分散のために使用する場合は、このオプションを選択します。パッケージソースを少なくとも1つは作成しておく必要があります([共通]>[ソース]ページ)。

追加

パッケージソースを[ソースリスト]に追加するには、[追加]をクリックし、パッケージソースを参照して選択し、[OK]をクリックします。

削除

[ソースリスト]からパッケージソースを削除するには、[ソースリスト]からパッケージソースを選択し、[削除]をクリックします。

アプリケーションリストを使用する

Application Launcherでアプリケーションオブジェクトのリストを負荷分散のために使用する場合は、このオプションを選択します。アプリケーションの追加アプリケーションオブジェクトを事前に作成しておく必要があります。それらのアプリケーションファイルが、このアプリケーションとは別のサーバまたはボリュームに保存されている必要があります。

追加

アプリケーションオブジェクトを[アプリケーションリスト]に追加するには、[追加]をクリックし、アプリケーションオブジェクトを参照して選択し、[OK]をクリックします。

削除

アプリケーションオブジェクトを[アプリケーションリスト]から削除するには、[アプリケーションリスト]からアプリケーションオブジェクトを選択し、[削除]をクリックします。

48.9.3 [サイトリスト]ページ

[サイトリスト]プロパティページは、単純なアプリケーション、AOT/AXTアプリケーション、MSIアプリケーション、およびターミナルサーバアプリケーション用に作成されたアプリケーションオブジェクトでのみ使用できます。Webアプリケーション用に作成されたアプリケーションオブジェクトでは使用できません。

この節では、[サイトリスト]プロパティページのフィールドについて説明します。サイトリストの設定の詳細については、セクション 36.3, サイトリストのセットアップを参照してください。

次の図に示す[サイトリスト]プロパティページでは、あるサイト(サイト1)のアプリケーションを別のサイト(サイト2)のアプリケーションにリンクすることができます。ソースインストールパッケージが異なるサイトにあるサーバに保存されているアプリケーションをリンクすることによって、ユーザに最も近いサーバからアプリケーションを配布することができます。

図 48-59 アプリケーションオブジェクト>[障害対策]タブ>[サイトリスト]ページ

たとえば、Site1およびSite2の2つの異なるサイトがあるとします。両方のサイトの従業員が、同じスプレッドシートプログラムを使用しています。サイト1にはサイト1のサーバからスプレッドシートプログラムを配布するためのアプリケーションオブジェクト(App1)があり、サイト2にはサイト2のサーバからこのプログラムを配布するためのアプリケーションオブジェクト(App2)があります。App1をApp2にリンクした場合、サイト1の従業員がサイト2に移動してApp1を起動すると、サイト2のサーバからApp2がインストールされます。同様に、サイト2の従業員がサイト1に移動してApp2を起動すると、サイト1のサーバからApp2がインストールされます。

サイトリストは、未配布のキャッシュされていないアプリケーションにのみ適用される配布手段です。アプリケーションがユーザのワークステーションにすでに配布またはキャッシュされている場合は、サイトリストには関係なく、そのアプリケーションが使用されます。

Novell ClientとZENworks Middle Tier Server

ユーザがNovell ClientではなくZENworks Middle Tier Serverを通じてNovell eDirectoryにログインする場合、サイトリストの動作は少し異なります。ユーザの場所を決定するためにNovell Clientが使用されるのとは異なり、Middle Tier Serverで場所が決定されます。つまり、ZfD Middle Tier Serverに最も近いアプリケーションが使用されます。これは、ユーザに最も近いアプリケーションが必ずしも該当するわけではありません。先の例では、サイト1のユーザはサイト2のサーバからではなく、引き続きサイト1のサーバからアプリケーションを配布されます。

サイトリストの作成方法

一度にリンクできるアプリケーションオブジェクトは1つのみです。ただし、最初にリンクしたアプリケーションオブジェクトは、2番目にリンクしたアプリケーションオブジェクトのリンク先のアプリケーションオブジェクトに自動的にリンクされます。たとえば、3つの同一アプリケーションオブジェクトが(App 1、App 2、App 3)、それぞれ異なるサイトにあるとします。App1をApp2にリンクすると、各アプリケーションオブジェクトに対して次のようなサイトリストが作成されます。

App1リスト

App2リスト

App3リスト

App2

App1

(なし)

アプリケーションオブジェクトは、他の1つのアプリケーションオブジェクトにしかリンクできないため、App3をApp1またはApp2のいずれか一方にリンクする必要があります。そのようにリンクすると、各アプリケーションオブジェクトに対して次のようなサイトリストが作成されます。

App1リスト

App2リスト

App3リスト

App2

App1

App1

App3

App3

App2

リンク

アプリケーションオブジェクトを[アプリケーションサイトリスト]に追加するには、[リンク]をクリックし、リンク先のアプリケーションオブジェクトを参照して選択し、[OK]をクリックします。選択されたアプリケーションオブジェクトがリンクされているその他のアプリケーションオブジェクトもすべて、リストに追加されます。

リンク解除

[リンク解除]をクリックすると、[アプリケーションサイトリスト]に表示されているアプリケーションオブジェクトへのリンクが削除されます。

48.9.4 [リモート代替アプリケーション]ページ

[リモート代替アプリケーション]プロパティページは、すべてのアプリケーションタイプ(シンプル、AOT/AXT、MSI、Webおよびターミナルサーバ)用のアプリケーションオブジェクトで使用できます。

次の図に示す[リモート代替アプリケーション]プロパティページでは、ユーザのワークステーションがローカルモードではなくリモートモードで実行されている場合にApplication Launcherが起動する、代替アプリケーションを指定することができます。通常、この代替アプリケーションになるのは、低速な接続での使用を考慮したターミナルサーバアプリケーションまたはWebアプリケーションです。

図 48-60 アプリケーションオブジェクト>[障害対策]タブ>[リモート代替アプリケーション]ページ

リモート実行時に使用するアプリケーションオブジェクト

代替アプリケーションにするアプリケーションオブジェクトを選択します。

リモート実行時にこの代替アプリケーションを常に使用する

デフォルトでは、ユーザのワークステーションにオリジナルのアプリケーションがインストールされている場合に、Application Launcherはこの代替アプリケーションを使用せず、代わりにローカルにインストールされたアプリケーションを使用します。ただし、代替アプリケーションの使用時に限って使用できるデータベースやその他のネットワークリソースにアクセスする必要がある場合は、このオプションを選択して、ローカルにインストールされたアプリケーションではなく代替アプリケーションを使用するようにApplication Launcherを強制します。