36.2 負荷分散機能のセットアップ

多くのユーザに対して同時にアプリケーションを配布すると、遅延が発生する場合があります。遅延の可能性を抑えるため、追加のインストールパッケージを複数のサーバに配置することによって、サーバ間で負荷を分散させることができます。負荷分散のセットアップ方法は、MSIアプリケーションと単純なアプリケーションまたはAOT/AXTアプリケーションで異なります。次の節では、その方法について説明します。

ZENworks Desktop Managementは、Webアプリケーションとターミナルサーバアプリケーションの負荷分散機能を備えていません。

36.2.1 MSIアプリケーションの負荷分散機能のセットアップ

MSIアプリケーションの負荷分散は、複数のインストールパッケージを別々のサーバ上の場所から利用できるようにすることにより実現します。配布の途中で、あるソースがビジー状態になっている場合、Application Launcherは、別のソースから配布を試みます。

MSIアプリケーションの負荷分散機能をセットアップする

  1. 追加のMSIインストールパッケージを任意のサーバ上の場所に作成します。

  2. ConsoleOneで、負荷分散機能を有効にするMSIアプリケーションオブジェクトを右クリックし、[プロパティ]をクリックしてアプリケーションオブジェクトのプロパティページを表示します。

  3. [共通]タブ>[ソース]の順にクリックして、[ソース]ページを表示します。

    MSIアプリケーションオブジェクトの[ソース]ページ

    [ソース]ページには、MSIアプリケーションオブジェクトが作成されたときに指定されたソース場所が、デフォルトで表示されます。

  4. [追加]をクリックして追加のMSIインストールパッケージのソースパスを指定し、[OK]をクリックします。ソースがリストに追加されます。

  5. すべての利用可能なソースを追加するまでステップ 4を繰り返します。

    負荷分散の場合は、ソースのリスト内での表示順序は関係ありません。Application Launcherは、ランダムにソース場所を選択します。

    このリストを障害対策にも使用する場合は、リストの表示順序によってソースの使用順序が決まります。詳細については、セクション 36.1.1, MSIアプリケーションの障害対策機能のセットアップを参照してください。

  6. [障害対策]タブ>[負荷バランス]の順にクリックして、[負荷バランス]ページを表示します。

    MSIアプリケーションオブジェクトの[負荷バランス]ページ
  7. [負荷分散を有効にする]チェックボックスを選択して、このオプションを有効にします。

  8. [OK]をクリックして変更内容を保存します。

36.2.2 単純なアプリケーションまたはAOT/AXTアプリケーションの負荷分散機能のセットアップ

単純なアプリケーションやAOT/AXTアプリケーションの負荷分散は、複数のインストールパッケージを別々のソース場所に配置することによって実現します。配布の途中で、あるアプリケーションのソースがビジー状態になっている場合、Application Launcherは、別のソースから配布を試みます。

アプリケーションに負荷分散機能をセットアップする場合に、追加のインストールパッケージを直接的にリンクするか、そのインストールパッケージを使用して作成した追加のアプリケーションオブジェクトをリンクできます。たとえば、\\server1\vol1\public\zenworks\app1にインストールパッケージがあるApp1に負荷分散機能をセットアップする場合を考えてみましょう。追加のソース場所として、次の3つを作成するとします。

これら追加のインストールパッケージをそれぞれApp1のソースとして定義するか、各インストールパッケージを使用した3つのアプリケーションオブジェクトを新たに作成してApp1にリンクすることができます。

追加のインストールパッケージをそれぞれApp1のソースとして定義すると、1つのアプリケーションオブジェクトのみの設定で済むという利点があります。どのインストールパッケージを使用する場合でも、App1オブジェクトの配布設定が適用されます。

インストールパッケージを使用して追加のアプリケーションオブジェクトを定義すると、各インストールパッケージについて異なるアプリケーションオブジェクト設定を定義できます。

単純なアプリケーションまたはAOT/AXTアプリケーションに負荷分散機能をセットアップするには

  1. 追加のインストールパッケージを任意のサーバ上の場所にコピーします。

  2. (条件付き)追加のインストールパッケージを使用してそれぞれのアプリケーションオブジェクトを作成し、リンクする場合は、アプリケーションオブジェクトを作成します。必要に応じて、セクション 28.2, eDirectoryでのアプリケーションの設定を参照してください。

  3. ConsoleOneで、負荷分散機能を有効にするアプリケーションオブジェクトを右クリックし、[プロパティ]をクリックしてアプリケーションオブジェクトのプロパティページを表示します。

  4. (条件付き)インストールパッケージのみを使用する(アプリケーションオブジェクトを使用しない)場合は、インストールパッケージをアプリケーションの追加のソースとして定義します。手順は次のとおりです。

    1. [共通]タブ>[ソース]の順にクリックして、[ソース]ページを表示します。

      アプリケーションオブジェクトの[ソース]ページ
    2. [追加]をクリックして追加のインストールパッケージのソースパスを指定し、[OK]をクリックします。ソースがリストに追加されます。

    3. すべての利用可能なソースを追加するまでステップ 4.bを繰り返します。

  5. [障害対策]タブ>[負荷バランス]の順にクリックして、[負荷バランス]ページを表示します。

    アプリケーションオブジェクトの[障害対策]ページ
  6. 次の各フィールドに情報を入力します。

    [負荷分散を有効にする]: このオプションを選択すると、負荷分散機能が有効になります。他の負荷分散オプションは、このオプションが有効になっている場合に限り使用できます。

    [ソースリストを使用する]: Application Launcherでパッケージソースのリストを負荷分散に使用する場合は、このオプションを選択します。最低1つのインストールパッケージソースを作成しておく必要があります(ステップ 4を参照)。

    ソースを[ソースリスト]に追加するには、[追加]をクリックし、ソースを参照して選択し、[OK]をクリックします。

    ソースを削除するには、[ソースリスト]からソースを選択し、[削除]をクリックします。

    [アプリケーションリストを使用する]: Application Launcherでアプリケーションオブジェクトのリストを負荷分散に使用する場合は、このオプションを選択します。アプリケーションの追加アプリケーションオブジェクトを事前に作成しておく必要があります。インストールパッケージは、このアプリケーションとは別のサーバまたはボリュームに保存されている必要があります(ステップ 2を参照)。

    アプリケーションオブジェクトを[アプリケーションリスト]に追加するには、[追加]をクリックし、アプリケーションオブジェクトを参照して選択し、[OK]をクリックします。

    [アプリケーションリスト]からアプリケーションオブジェクトを削除するには、アプリケーションオブジェクトを選択し、[削除]をクリックします。

  7. [OK]をクリックして変更内容を保存します。