76.8 インベントリデータベースからの重複したワークステーションオブジェクトの削除

Dupremoveユーティリティを使用すると、インベントリデータベースから重複したワークステーションオブジェクトを削除できます。

重複したワークステーションオブジェクトとは、インベントリデータベースに複数のエントリを持つワークステーションです。インベントリデータベースにワークステーションオブジェクトの重複があると、データベース領域が無駄に使用されるだけでなく、Inventory ConsoleOneユーティリティ(照会、概要、インベントリレポート、データエクスポート)によるレポートに重複した情報が含まれる結果にもなります。

次の節では、Dupremoveユーティリティの使い方について説明します。

76.8.1 Dupremoveユーティリティの実行

  1. Inventory Serviceを停止します。詳細については、セクション 73.1.5, インベントリサービスの開始と停止を参照してください。

  2. データベースサーバが稼動していることを確認します。

  3. Dupremoveユーティリティを実行します。

    • NetWareインベントリサーバ:

      sys:\system\dupremove.ncfを編集して、必要なパラメータを設定します。パラメータの設定については、dupremove.ncfを参照してください。パラメータの詳細については、セクション 76.8.2, Dupremoveスイッチについてを参照してください。

      ファイルを編集したら、インベントリサーバシステムのコンソールプロンプトからsys:\system and enter dupremoveに移動します。

    • Windowsインベントリサーバ:

      Inventory_server_installation_directory\zenworks\inv\server\wminv\bin\dupremove.batを編集して必要なパラメータを設定します。パラメータの設定については、dupremove.batを参照してください。パラメータの詳細については、セクション 76.8.2, Dupremoveスイッチについてを参照してください。

      ファイルを編集したら、インベントリサーバのコマンドプロンプトからInventory_server_installation_directory\zenworks\inv\server\wminv\bin and enter dupremoveに移動します。

    • Linuxインベントリサーバの場合:

      /opt/novell/bin/dupremoveを編集して必要なパラメータを設定します。パラメータの設定については、dupremoveを参照してください。パラメータの詳細については、セクション 76.8.2, Dupremoveスイッチについてを参照してください。

      ファイルを編集したら、インベントリサーバのコマンドプロンプトから/opt/novell/bin and enter ./dupremoveに移動します。

    重要:dupremove.ncf、dupremove.bat、またはdupremoveファイル内では、パラメータを二重引用符で囲む必要があります。また、二重引用符内に空白を含めてはいけません。例: “-dbtype=1”。

    誤ったパラメータを指定したり、二重引用符内に空白を含めた場合、Dupremoveユーティリティは再試行を無限に繰り返します。

    NetWareインベントリサーバでこのプロセスを停止するには、最初にサーバプロンプトで「java -show」と入力してDupremoveユーティリティのプロセスIDを取得してから、「java -killDupremove_process_ID」と入力します。

    WindowsまたはLinuxインベントリサーバでプロセスを停止するには、<Ctrl>+<C>を押します。

  4. Inventory Serviceを起動します。詳細については、セクション 73.1.5, インベントリサービスの開始と停止を参照してください。

  5. 影響を受けるすべてのワークステーションオブジェクトまたはインベントリデータをこのインベントリサーバに送信するすべてのワークステーションオブジェクトのフルスキャンを実行します。

    • インベントリデータをこのインベントリサーバに送信するすべてのワークステーションオブジェクトのフルスキャンを実行するには、インベントリサービスオブジェクトのフルスキャンを実行します。詳細については、セクション 73.3, インベントリサービスオブジェクトの設定 を参照してください。
    • 影響を受けるワークステーションオブジェクトのフルスキャンを実行するには
    1. ConsoleOneで、ワークステーションオブジェクトを右クリックし、[プロパティ]をクリックします。

    2. [ZENworksインベントリ]タブをクリックし、[ワークステーションのスキャン設定]サブオプションをクリックします。

    3. [フルスキャンの開始]を選択します。

    4. [適用]>[閉じる]の順にクリックします。

    5. 影響を受けるすべてのワークステーションオブジェクトに対してステップ 5.aからステップ 5.dまでを実行します。

76.8.2 Dupremoveスイッチについて

-host

インベントリデータベースが動作しているサーバのIPアドレスを指定します。

-dbtype

インベントリデータベースの種類です。次のいずれかの値を指定できます。

表 76-2 Dbtype値の一覧

インベントリデータベースが実行されているプラットフォーム

Dbtype値

Sybase

0

Oracle

1

MS SQL

2

-sid

インベントリデータベースを識別するサービスIDです。-sidは、JDBCに接続する必要があります。次のいずれかの値を指定できます。

表 76-3 サンプルのsid値

インベントリデータベースが実行されているプラットフォーム

サンプルのSID値

Sybase

mgmtdb

Oracle

orcl

MS SQL

mgmtdb

-port

インベントリデータベースが動作しているポート番号です。次のいずれかの値を指定できます。

表 76-4 サンプルのport値

インベントリデータベースが実行されているプラットフォーム

サンプルのPort値

Sybase

2638

Oracle

1521

MS SQL

1433

Dupremoveの関数

次に示すDupremoveの関数は、dupremove.batdupremove.ncf、またはdupremoveで一度に1つだけ使用する必要があります。

重要:Dupremove関数の値では大文字と小文字が区別されます。

表 76-5 Dupremove関数の詳しい説明および例

Dupremoveのスイッチ

Description

可能な値/パターンタイプ

-listwsdup

インベントリデータベースに重複したエントリを持つワークステーションをすべて表示します。

---

Sybaseインベントリデータベースに重複したエントリを持つワークステーションオブジェクトをすべて表示するには、dupremove.batdupremove.ncf、またはdupremoveで次のようにJavaコマンドを編集します。

java -Djava.compiler= com.novell.zenworks.desktop.inventory.storer.DatabaseOperator "-host=127.0.0.1" "-listwsdup" "-dbtype=0" "-sid=mgmtdb" "-port=2638"

-listwsdirty

スキャンデータがインベントリデータベース内で更新されておらず、フルスキャンが必要なワークステーションをすべて表示します。

--

Oracleインベントリデータベースに重複したエントリを持つワークステーションオブジェクトをすべて表示するには、dupremove.batdupremove.ncf、またはdupremoveで次のようにJavaコマンドを編集します。

java -Djava.compiler= com.novell.zenworks.desktop.inventory.storer.DatabaseOperator "-host=127.0.0.1" "-listwsdirty" "-dbtype=1" "-sid=orcl" "-port=1521"

-listwspattern

定義したパターンに従ってワークステーションオブジェクトを表示します。

  • 特定の文字または文字列で始まるワークステーション名
  • 特定の文字または文字列を含むワークステーション名
  • 特定の文字または文字列で終了するワークステーション名

重要:ワークステーションの型指定を含むDNを入力する必要があります。

  • DNの先頭に“cn=ws”が付き、Sybaseインベントリデータベースに重複したエントリを持つワークステーションオブジェクトをすべて表示するには、dupremove.batdupremove.ncf、またはdupremoveで次のようにJavaコマンドを編集します。

    java -Djava.compiler= com.novell.zenworks.desktop.inventory.storer.DatabaseOperator"-host=127.0.0.1”"-listwspattern=cn=ws%%""-dbtype=0" "-sid=mgmtdb" "-port=2638"

  • DNに“ou=novell”を含み、Oracleインベントリデータベースに重複したエントリを持つワークステーションオブジェクトをすべて表示するには、dupremove.batdupremove.ncf、またはdupremoveで次のようにJavaコマンドを編集します。

    java -Djava.compiler= com.novell.zenworks.desktop.inventory.storer.DatabaseOperator"-host=127.0.0.1""-listwspattern=%%ou=novell%%""-dbtype=1" "-sid=orcl" "-port=1521"

  • DNの末尾に“T=novell_inc”が付き、MS SQLインベントリデータベースに重複したエントリを持つワークステーションオブジェクトをすべて表示するには、dupremove.batdupremove.ncf、またはdupremoveで次のようにJavaコマンドを編集します。

    java -Djava.compiler= com.novell.zenworks.desktop.inventory.storer.DatabaseOperator"-host=127.0.0.1""-listwspattern=%%T=novell_inc""-dbtype=2" "sid=mgmtdb" "-port=1433"

-remwsdup

インベントリデータベースからワークステーションオブジェクトを削除します。

  • * (アスタリスク):データベースに重複したエントリを持つすべてのワークステーションオブジェクトからインベントリ情報を削除します。
  • Typed_DN_of_a_workstation:データベースに重複したエントリを持つ特定のワークステーションオブジェクトからインベントリ情報を削除します。
  • MS SQLインベントリデータベースに重複したエントリを持つすべてのワークステーションオブジェクトからすべての情報を削除するには、dupremove.batdupremove.ncf、またはdupremoveで次のようにJavaコマンドを編集します。

    java -Djava.compiler= com.novell.zenworks.desktop.inventory.storer.DatabaseOperator"-host=127.0.0.1" "-remwsdup=*""-dbtype=2" "-sid=mgmtdb" "-port=1433"

  • Oracleインベントリデータベースに重複したエントリを持つ単一のワークステーションオブジェクトからすべての情報を削除するには、dupremove.batdupremove.ncf、またはdupremoveで次のようにJavaコマンドを編集します。

    java -Djava.compiler= com.novell.zenworks.desktop.inventory.storer.DatabaseOperator"-host=127.0.0.1""-remwsdup=ws.novell.novell_inc""-dbtype=1" "-sid=orcl" "-port=1521"

-remwspattern

定義したパターンに従ってワークステーションオブジェクトを削除します。

  • 特定の文字または文字列で始まるワークステーション名
  • 特定の文字または文字列を含むワークステーション名
  • 特定の文字または文字列で終了するワークステーション名

重要:ワークステーションの型指定を含むDNを入力する必要があります。

  • DNの先頭に“cn=ws”が付き、Sybaseインベントリデータベースに重複したエントリを持つワークステーションオブジェクトをすべて削除するには、dupremove.batdupremove.ncf、またはdupremoveで次のようにJavaコマンドを編集します。

    java -Djava.compiler= com.novell.zenworks.desktop.inventory.storer.DatabaseOperator"-host=127.0.0.1""-remwspattern=cn=ws%%""-dbtype=0" "-sid=mgmtdb" "-port=2638"

  • DNに“ou=novell”を含み、Oracleインベントリデータベースに重複したエントリを持つワークステーションオブジェクトをすべて削除するには、dupremove.batdupremove.ncf、またはdupremoveで次のようにJavaコマンドを編集します。

    java -Djava.compiler= com.novell.zenworks.desktop.inventory.storer.DatabaseOperator"-host=127.0.0.1""-remwspattern=%%ou=novell%%""-dbtype=1" "sid=orcl" "-port=1521"

  • DNの末尾に“T=novell_inc”が付き、MS SQLインベントリデータベースに重複したエントリを持つワークステーションオブジェクトをすべて削除するには、dupremove.batdupremove.ncf、またはdupremoveで次のようにJavaコマンドを編集します。

    java -Djava.compiler= com.novell.zenworks.desktop.inventory.storer.DatabaseOperator"-host=127.0.0.1""-remwspattern=%%T=novell_inc%%""-dbtype=2" "-sid=mgmtdb" "-port=1433"

-remwsfile

名前がファイルにリストされているワークステーションオブジェクトを削除します。

ファイル名を含む、ファイルの完全パス

  • MS SQLインベントリデータベースに重複したエントリを持ち、c:\windows\wsname.txtにリストされているワークステーションオブジェクトをすべて削除するには

    java -Djava.compiler= com.novell.zenworks.desktop.inventory.storer.DatabaseOperator"-host=127.0.0.1""-remwsfile=c:\\windows\\wsname.txt" "-dbtype=2" "-sid=mgmtdb""-port=1433"

c:\windows\wsname.txtの内容は次のとおりです。

CN=a.OU=b.O=c.T=Novell_inc
CN=ws.OU=novell.T=novell_inc
WS1.novell.novell_inc
WS2.novell.novell_inc

-user

インベントリデータベースにデフォルトユーザ(mw_dba)としてログインしていない場合のみ、ユーザ名を指定します。

-password

“-user”スイッチで指定されたユーザのパスワードを指定します。