次の節で、ワークステーションインベントリの展開方法を説明します。
重要:次の構成は一般的に推奨されるものです。企業内のトポロジに基づいて、さらに調整が必要になる場合があります。
例に示す構成では、1つのサイトと最大5000台のインベントリ対象ワークステーションでネットワークが構成されています。インベントリサーバのコンポーネントおよびデータベースはスタンドアロンサーバに置かれており、このスタンドアロンサーバにインベントリ対象ワークステーションのスキャンが送られます。
次の図は、この場合の構成例を示しています。
図 73-1 ワークステーションインベントリの単純な展開
次の節では、単一のサイトで、ワークステーションインベントリを展開するために役立つ情報を紹介します。
ワークステーションにインベントリエージェントをインストールする前に、ワークステーションのスキャンを受信するインベントリサーバを展開しておく必要があります。インベントリエージェントに対するオプションの展開の詳細については、インベントリエージェントの展開を参照してください。
ワークステーションインベントリのインストール時に、[インベントリのスタンドアロンの設定]を設定します。詳細については、『Novell ZENworks 7 Desktop Managementインストールガイド』を参照してください。
ワークステーションインベントリのインストール効果の詳細については、セクション 73.1.4, ワークステーションインベントリのインストールの効果の理解を参照してください。
ワークステーションインベントリポリシーを設定します。
ZENworks 7 Desktop Managementをインストールすると、自動的にインベントリサービスが開始されます。
Novell Support KnowledgebaseのTID 10093255から最新バージョンのディクショナリを手動でダウンロードし、ソフトウェアディクショナリを更新する必要があります。
メモ:ディクショナリは、このTIDで3ヶ月ごとに更新および発行されます。
インベントリスキャンサイクルは次のとおりです。
次の図に、Novell Clientをインストールしたスタンドアロンシナリオにおけるインベントリスキャンサイクルを示します。
図 73-2 Novell Clientをインストールしたスタンドアロンシナリオにおけるインベントリスキャンサイクル
例に示す構成では、ワークステーション数が5000を超える単一のサイトでネットワークが構成されています。インベントリは2つ以上のスタンドアロンサーバで構成され、各サーバで5,000を超えるインベントリ対象ワークステーションからスキャンを受信します。すべてのスタンドアロンサーバはインベントリデータを単一データベースに保存します。
次の節では、単一のサイトで、ワークステーションインベントリを展開するために役立つ情報を紹介します。
ワークステーションにインベントリエージェントをインストールする前に、インベントリのスキャンを受信するインベントリサーバを展開しておく必要があります。インベントリエージェントに対するオプションの展開の詳細については、インベントリエージェントの展開を参照してください。
ワークステーションインベントリのインストール時に、[インベントリのスタンドアロンの設定]を設定します。ワークステーションインベントリのインストールに関する詳細は、『Novell ZENworks 7 Desktop Managementインストールガイド』を参照してください。
ワークステーションインベントリのインストール効果の詳細については、セクション 73.1.4, ワークステーションインベントリのインストールの効果の理解を参照してください。
ワークステーションインベントリポリシーを設定します。
ZENworks 7 Desktop Managementをインストールすると、自動的にインベントリサービスが開始されます。
次のいずれかの方法で、ソフトウェアディクショナリを更新できます。
メモ:ディクショナリは、このTIDで3ヶ月ごとに更新および発行されます。
インベントリスキャンサイクルは次のとおりです。
インベントリ対象ワークステーションにNovell Clientがインストールされていない場合、スキャナがZENworks 7 Desktops Management Middle Tier Serverを通じてeDirectoryにアクセスします。
インベントリ対象ワークステーションにNovell Clientがインストールされていない場合、スキャナは各インベントリ対象ワークステーションのスキャンデータをZENworks 7 Desktop Management Middle Tier Serverを経由して、インベントリサーバに送信します。
インベントリ対象ワークステーションにNovell Clientがインストールされていない場合、スキャナがZENworks 7 Desktops Management Middle Tier Serverを通じてeDirectoryにアクセスします。
次の図は、Novell Clientがインストールされている場合とされていない場合のスタンドアロンシナリオでのインベントリスキャンサイクルを示しています。
図 73-3 Novell Clientをインストールしたスタンドアロンシナリオにおけるインベントリスキャンサイクル
図 73-4 Novell Clientをインストールしたスタンドアロンサーバにおけるインベントリスキャンサイクル
次の節では、複数または企業サイトにおけるワークステーションインベントリを展開するために役立つ情報を紹介します。
企業または複数サイトで、次の作業を順番に実行して、インベントリツリーを構築します。
企業全体のネットワークについて把握します。
次の図は、サーバが複数の場所に分散している企業内ネットワークの編成を示しています。
図 73-5 企業内ネットワークの編成
この図は、4つのサイト(サイトA、サイトB、サイトC、サイトD)が中央のサイトに接続されていることを示しています。サイト間の物理リンクと、帯域幅から見たリンクの種類を示しています。
インベントリツリーのルートサーバは、最上位のサーバです。したがって、インベントリデータベースはルートサーバに接続する必要があります。
ルートサーバのインベントリデータベースには、ネットワーク上の下位にあるすべてのサイトとルートサーバサイトのインベントリ情報が保存されます。
次の点を考慮する必要があります。
ルートサーバのデータベースに加え、サイト別にデータベースサーバを管理することができます。
異なる場所のインベントリを管理するために複数のサイトやサブツリーがあり、それらのサイトからネットワークへの接続リンクが低速である場合は、追加のデータベースを配置することができます。
また、単一サイトおよびサイトグループに個別のデータベースを用意すべきかどうかを判断する必要があります。製品を展開するだけなら他のデータベースを使用する必要がなくても、企業によってはさまざまなサイトにデータベースを配置する必要がある場合もあります。
メモ:ほとんどの企業では、企業全体で1つのデータベースを配置する以外に他のデータベースは必要ありません。
すべてのインベントリサーバのインベントリ情報を最も近くにあるデータベースに転送するルートを決定します。
ルートを決定するには
ZENworks 7 Desktop Managementでは、インベントリサーバごとに役割を選択します。詳細については、セクション 72.4, インベントリサーバの役割の理解を参照してください。
インベントリサーバに接続されているインベントリ対象ワークステーションの数によって、サーバの負荷が決まります。次の表は、各サーバに必要なディスク容量を示しています。
表 73-1 ZENworksインベントリサーバのディスクの要件
表のなかで、n1は、サーバに接続されているインベントリ対象ワークステーション数を示します。
sはスキャンデータファイルのサイズです。このファイルサイズは、収集されるデータによって異なります。インベントリ対象ワークステーション1台あたりのスキャンデータを400KBとして負荷を計算します。
dbgは、データベース内のインベントリ情報の保存容量を示します。
n2は、インベントリサーバにロールアップするインベントリ対象ワークステーションの数を示します。
zは、インベントリ対象ワークステーション1台あたりの圧縮済みスキャンデータのサイズを示します。平均圧縮比は、STRファイルの80~90%です。
{ }は、データベースサーバのディスク容量を示します。この容量は、データベースが同一インベントリサーバ上にあるのか、インベントリサーバに接続されているのかによって異なります。データベースが同一インベントリサーバ上にある場合、データベースの容量を含めたインベントリサーバの合計ディスク容量を計算してください。たとえば、データベースが接続されたリーフサーバという役割のサーバ上に、インベントリデータベースが搭載されている場合は、インベントリ情報の保存に必要な容量を計算し、データベースのディスク容量も加えます。
設計するインベントリツリーが次のガイドラインに沿っていることを確認してください。
インベントリツリーの設計後、ネットワークを段階的に展開していくための実装計画を立てる必要があります。ワークステーションインベントリをインストールする際には、上から下へと展開します。最上位のサーバ(ルートサーバ)からインストールを開始して、次の下位レベルのサーバのインストールに進みます。
実装計画を作成したら、その計画に従って実際の展開を開始します。
次の手順を実行します。
インベントリをセットアップするためにサーバがすでに設定されているが、別のデータベースサーバを追加したい場合は、次の手順に従ってください。
インストールプログラムを実行して、サーバにインベントリデータベースをインストールします。
インストールプログラムにより、Sybaseデータベースがインストールされます。Oracleでデータベースを管理する場合は、Oracleデータベースが存在することを確認します。詳細については、Sybaseインベントリデータベースのセットアップを参照してください。MS SQLでデータベースを管理する場合は、MS SQLデータベースが存在することを確認します。詳細については、MS SQL Server 2000インベントリデータベースのセットアップを参照してください。
Inventory Serviceをシャットダウンします。詳細については、セクション 73.1.5, インベントリサービスの開始と停止を参照してください。
選択したデータベースに基づいて、データベースの設定を確認します。詳細については、セクション 73.5, データベース場所ポリシーの設定を参照してください。
データベースが接続されていない既存のインベントリサーバに新しいデータベースを接続するには、インベントリサービスオブジェクト(Inventory Service_server_name)でインベントリサーバの役割を変更する必要があります。たとえば、既存のリーフサーバにインベントリデータベースを接続する場合、リーフサーバのインベントリサービスオブジェクトでサーバの役割をリーフサーバからデータベースが接続されたリーフサーバに変更します。
新しく設置したインベントリサーバにインベントリデータベースを接続する場合は、そのインベントリサーバに適したサーバの役割を選択します。
インベントリサーバの役割を変更するには
ConsoleOneで、インベントリサービスオブジェクトを右クリックし、
> タブの順にクリックします。Inventory Serviceオブジェクトの新しい役割を選択してから、
をクリックします。役割を変更するために必要なアクションを実行します。詳細については、セクション 73.1.7, インベントリサーバの役割変更を参照してください。
Inventory Serviceオブジェクトのフルスキャンを指定していることを確認します。
ConsoleOneで、インベントリサービスオブジェクトを右クリックし、
> タブの順にクリックします。オプションを選択し、 をクリックします。
インベントリサービスを開始します。詳細については、セクション 73.1.5, インベントリサービスの開始と停止を参照してください。
この節では、構成例をいくつか紹介します。
この構成では、WAN経由で多くのリモートサイトが中央サイトに接続されたネットワークが構成されています。各リモートサイトには、同じサイトに置かれているワークステーションからインベントリ情報を収集するリーフサーバがあり、中央サイトに置かれているルートサーバにインベントリ情報をロールアップします。リーフサーバ自体にインベントリデータベースが接続されているため、リモートサイトは中央サイトから管理されます。
ヒント:リモートサイトをローカルで管理するには、リーフサーバにインベントリデータベースを接続し、インベントリサーバの役割をデータベースに接続されたリーフサーバに変更する必要があります。インベントリサーバの役割を変更する方法については、セクション 73.1.7, インベントリサーバの役割変更を参照してください。
次の図は、この場合の構成例を示しています。
図 73-6 WANにおける中間サーバを使用したインベントリの展開
この構成では、4つのリモートサイト(A、B、C、およびD)と中央サイトでネットワークが構成されています。サイトAおよびサイトBは低速リンクでサイトCに接続され、中央サイトには直接接続されていません。サイトCは高速WANリンクで中央サイトに接続されています。サイトDは高速リンクで中央サイトに直接接続されています。サイトA、B、Cは、サイトCで管理されます。
次の図は、この場合の構成例を示しています。
図 73-7 WANにおける中間サーバを使用したインベントリの展開
中央サイトから企業ネットワークを管理し、さらにサイトCからサイトAおよびサイトBを管理するには、次のようにします。
この構成では、これまでに紹介したいずれの構成でも展開できます。一方のeDirectoryツリー内の最上位のインベントリサーバは、他方のeDirectoryツリーに配置されているインベントリサーバにインベントリ情報をロールアップします。
次の図は、このインベントリ環境設定を展開できる構成例を示しています。
図 73-8 eDirectoryツリー間のインベントリ情報のロールアップ
AとBの2つの組織があります。各組織には、eDirectoryツリーとインベントリツリーがあります。組織Aのインベントリツリーには2台のリーフサーバと1台のルートサーバが配置されています。組織Bのインベントリツリーにも2台のリーフサーバと1台のルートサーバが配置されています。両方の組織とインベントリツリーを統合し、それぞれのeDirectoryツリーは残すことが決定されました。統合すると、eDirectoryツリーT2のルートサーバの役割は、データベースが接続されている中間サーバに変更され、インベントリ情報は中間サーバからeDirectoryツリーT1にあるルートサーバにロールアップされます。
この構成では、インベントリツリーおよびeDirectoryツリーの統合が可能です。eDirectoryツリーを統合すると、Inventory serviceを起動する前に、Inventory_server_installation_drive or volume\zenworks\inv\server\wminv\properties\config.propertiesファイルでeDirectoryツリー名およびInventory ServiceのDN (オプション)を手動で変更する必要があります。eDirectoryツリーの統合の詳細については、Novell eDirectory Documentation Webサイトを参照してください。
インベントリツリーを統合するには、一方のインベントリツリーのルートサーバの役割を、他方のインベントリツリーのインベントリサーバにロールアップするように変更する必要があります。
eDirectoryツリー名とインベントリサーバのDNを変更するには、config.propertiesファイルの次のエントリを編集します。
NDSTree=Target_eDirectory_tree_name
InventoryServiceDN=New_DN_of_the_Inventory_server
WANリンクで接続されているサイトAおよびサイトBの2つのサイトがあります。サイトAのインベントリサーバはサイトBのインベントリサーバにロールアップします。サイトAからサイトBへの通信は、すべてサイトBのファイアウォールを経由します。
次の図は、このインベントリ環境設定を展開できる構成例を示しています。
図 73-9 ファイアウォール間のインベントリサーバの展開
ロールアップを有効にするには
ファイアウォールでこのポート上のプロキシサーバへの要求を許可する必要があります。XMLプロキシサーバがファイアウォールによって許可されている標準ポートをリッスンするように設定できます。
XMLプロキシは商用Webサーバをサポートしていません。XMLプロキシに割り当てられたポート番号が同じサーバ上で実行される他のサービスで使用されていないことを確認しておく必要があります 。
XMLプロキシサーバのアドレスとポート番号を使用して、ロールアップポリシーを設定する必要もあります。
ワークステーションにインベントリエージェントをインストールする前に、ワークステーションのスキャンを受信するようにインベントリサーバを展開しておく必要があります。インベントリエージェントに対するオプションの展開の詳細については、インベントリエージェントの展開を参照してください。
ワークステーションインベントリのインストールに関する詳細は、『Novell ZENworks 7 Desktop Managementインストールガイド』を参照してください。
ワークステーションインベントリのインストール効果の詳細については、セクション 73.1.4, ワークステーションインベントリのインストールの効果の理解を参照してください。
次の表は、ワークステーションインベントリのサーバをセットアップするために必要な作業を示しています。
表 73-2 インベントリサーバのセットアップに必要なポリシー
セットアップするサーバタイプ |
操作手順 |
---|---|
Standalone Server (スタンドアロンサーバ) |
|
Root Server (ルートサーバ) |
|
Root Server with Inventoried Workstations (インベントリ対象ワークステーションが接続されているルートサーバ) |
|
Intermediate Server (中間サーバ) |
|
Intermediate Server with Database (データベースが接続されている中間サーバ) |
|
Intermediate Server with Inventoried Workstations (インベントリ対象ワークステーションが接続されている中間サーバ) |
|
Intermediate Server with Database and Inventoried Workstations (データベースとインベントリ対象ワークステーションが接続されている中間サーバ) |
|
Leaf Server (リーフサーバ) |
|
Leaf Server with Database (データベースが接続されているリーフサーバ) |
|
ZENworks 7 Desktop Managementのインストール時に、[インベントリのスタンドアロンの設定]を設定した場合にのみ、インベントリサービスがインストール後に自動的に開始されます。
インベントリサービスを手動で起動するには、セクション 73.1.5, インベントリサービスの開始と停止を参照してください。
次のいずれかの方法で、ソフトウェアディクショナリを更新できます。
メモ:ディクショナリは、このTIDで3ヶ月ごとに更新および発行されます。
インベントリ展開でインベントリ情報をサーバ間でロールアップする場合は、次のようなプロセスでスキャンが実行されます。
インベントリ対象ワークステーションにNovell Clientがインストールされていない場合、スキャナがZENworks 7 Desktops Management Middle Tier Serverを通じてeDirectoryにアクセスします。
インベントリ対象ワークステーションにNovell Clientがインストールされていない場合、スキャナは各インベントリ対象ワークステーションのスキャンデータをZENworks 7 Desktop Management Middle Tier Serverを経由して、インベントリサーバに送信します。
インベントリ対象ワークステーションにNovell Clientがインストールされていない場合、スキャナがZENworks 7 Desktops Management Middle Tier Serverを通じてeDirectoryにアクセスします。
メモ:次のレベルのインベントリサーバは、同じeDirectoryツリー、別のeDirectoryツリー、またはファイアウォールを越えて配置することができます。
中間サーバ上で、Receiverはエンタープライズプッシュディレクトリのファイルをコピーします。データベースが接続されている中間サーバ上またはデータベースとインベントリ対象ワークステーションが接続されている中間サーバ上で、Receiverはentpushdirのファイルをコピーして、データベースディレクトリのファイルをコピーします。
ルートサーバ上またはインベントリ対象ワークステーションが接続されているルートサーバ上では、Receiverはdbdirのファイルのみをコピーします。
次の図は、Novell Clientがインストールされている場合とされていない場合のロールアップ構成でのインベントリスキャンサイクルを示しています。
図 73-10 Novell Clientをインストールしたロールアップシナリオにおけるインベントリスキャンサイクル
図 73-11 Novell Clientをインストールしていないロールアップシナリオにおけるインベントリスキャンサイクル
ワークステーションにインベントリエージェントをインストールする前に、ワークステーションのスキャンを受信するインベントリサーバを展開しておく必要があります。
重要:インベントリエージェントを展開する前に、ソフトウェアスキャンルールをカスタマイズして基本の設定を作成しておくことをお勧めします。詳細については、セクション 76.2, スキャンするハードウェアインベントリ情報のカスタマイズを参照してください。
次の構成例でインベントリエージェントを展開できます。
この構成では、インベントリ対象ワークステーションとインベントリサーバは同じLAN環境にあります。
インベントリエージェントからインベントリサーバに直接スキャンが送信されます。
WANリンクで接続されているAとBという2つのサイトがある構成について考えてみます。サイトBからサイトAへの通信はすべてサイトAのファイアウォールを通過します。サイトBにはインベントリエージェントがインストールされているワークステーションが5台ありますが、これらのワークステーションにはNovell Clientはインストールされていません。この5台のワークステーションはインベントリ対象で、スキャンは直接サイトAのインベントリサーバに送信されます。サイトAにはMiddle Tier Serverをインストールする必要があります。詳細については、『Novell ZENworks 7 Desktop Managementインストールガイド』を参照してください。サイトBは高速WANリンクでサイトAに接続する必要があります。この場合、eDirectory内のポリシーにアクセスし、インベントリサーバにスキャンを送信するときにワークステーションによって生成されるトラフィックに対処するための十分な帯域幅が必要です。
次の図は、このインベントリ環境設定を展開できる構成例を示しています。
図 73-12 ファイアウォールを越えてWAN経由でスキャンを送信するワークステーションへのエージェントの展開
この構成では、ネットワークに定期的に接続されるワークステーションにインベントリエージェントをインストールします。
インベントリ対象ワークステーションはネットワークに定期的に接続されます。ワークステーションポリシーは、インベントリ対象ワークステーションがネットワークに接続されるときに更新されます。スキャンスケジュールの期限が切れた場合、インベントリエージェントは、インベントリ対象ワークステーションがネットワークに接続されるまでワークステーションのスキャンを延期します。
インベントリ対象ワークステーションがネットワークに接続されるときに合わせてスキャンスケジュールを設定することをお勧めします。
詳細については、セクション 76.5, 定期的にネットワークに接続されるワークステーションのスキャンを参照してください。
この構成では、ネットワークに接続されていないワークステーションにインベントリエージェントをインストールします。詳細については、ネットワークに接続されたことのないワークステーションのインベントリの収集を参照してください。
ワークステーションインベントリのインストールプログラムは、インベントリサーバ上で次の作業を実行します。
この節では、次の内容について説明します。
さまざまなインベントリサービスの詳細については、セクション 74.1, インベントリサービスマネージャの理解を参照してください。
インベントリサービスを開始する前に、Inventoryデータベースが稼働していることを確認します。インベントリデータベースは、インストール後に自動的に起動します。
NetWareインベントリサーバ上でInventory Serviceを起動するには、サーバコンソールのプロンプトで「startinv」と入力します。
Inventory Serviceを開始するには、サーバコンソールのプロンプトで「startser inventory_service_name」と入力します。さまざまなインベントリサービスの詳細については、サービスのリストを参照してください。
インベントリサービスを起動した後に、インベントリサービスが稼動していることを確認します。すべてのサービスを一覧表示するには、サーバコンソールのプロンプトで、「listser *」と入力します。Inventory serviceをリスト表示するには、サーバコンソールのプロンプトで「listser inventory_service_name」と入力します。
Inventory Serviceが稼働していない場合、サーバステータスログをチェックします。サーバステータスログの詳細については、セクション 78.4, サーバのインベントリコンポーネントのステータス表示を参照してください。
Inventory Serviceを停止するには、サーバコンソールのプロンプトで「stopser Inventory_service_name」と入力します。
すべてのInventory Serviceを停止するには、サーバコンソールのプロンプトで、「stopser *」と入力します。
インベントリサービスを開始する前に、Inventoryデータベースが稼働していることを確認します。インベントリデータベースは、インストール後に自動的に起動します。
Windows 2000/2003インベントリサーバ上でインベントリサービスを開始するには
コントロールパネルで[管理ツール]をダブルクリックします。
[サービス]をダブルクリックします。
[Novell Inventory Service]を選択し、[開始]をクリックします。
インベントリ サービスをコンソールのプロンプトから開始するには
installation_directory\inv\server\wminv\binディレクトリに移動します。
プロンプトで、「startser inventory_service_name」と入力します。
インベントリサービスを起動した後に、インベントリサービスが稼動していることを確認します。すべてのサービスを一覧表示するには、サーバコンソールのプロンプトで、「listser “*”」と入力します。コンソールプロンプトからインベントリサービスの一覧を表示するには
installation_directory\inv\server\wminv\binディレクトリに移動します。
プロンプトで、「listser inventory_service_name」と入力します。
Inventory Serviceが稼働していない場合、サーバステータスログをチェックします。サーバステータスログの詳細については、セクション 78.4, サーバのインベントリコンポーネントのステータス表示を参照してください。
Windows 2000/2003インベントリサーバ上でインベントリサービスを停止するには
コントロールパネルで[管理ツール]をダブルクリックします。
[サービス]をダブルクリックします。
[Novell Inventory Service]を選択し、[停止]をクリックします。
コンソールプロンプトからWindowsインベントリサーバのインベントリサービスを停止するには
installation_directory\inv\server\wminv\binディレクトリに移動します。
「stopser inventory_service_name」と入力します。
または
次のように入力して、Linuxの任意のディレクトリからすべてのインベントリサービスを開始します。
/etc/init.d/novell-zdm-inv start
または
次のように入力して、Linuxの任意のディレクトリからすべてのインベントリサービスを停止します。
/etc/init.d/novell-zdm-inv stop
次の表は、Linuxにインストールされていて、Linuxコンソールプロンプトでコマンドを実行してステータスを確認できるワークステーションインベントリコンポーネントを示しています。
ZENworks 7 Desktop Managementをインストールすると、インベントリサーバの役割はデフォルトでスタンドアロンに設定されています。Inventory Serviceオブジェクトを設定すると、インベントリの展開に基づいてインベントリサーバに特定の役割を割り当てることができます。
たとえば、展開計画でルートサーバ、データベースが接続されている中間サーバ、およびリーフサーバの3台のサーバがインベントリを展開するために識別されている場合、これらのサーバにワークステーションインベントリをインストールし、サーバの役割を選択します。その後でインベントリ展開を変更する場合は、サーバの役割を変更する必要があります。たとえば、既存ルートサーバにインベントリ対象ワークステーションを接続する場合、インベントリサービスオブジェクトの役割をルートサーバからインベントリ対象ワークステーションが接続されているルートサーバに変更します。新しい役割に応じて、設定する必要があるポリシーもあります。
インベントリサーバの役割を変更するには
役割の変更は、既存のインベントリの展開に影響を及ぼす可能性があるため、注意して行ってください。必要なディスク容量も考慮し、インベントリに必要な環境が設定されていることを確認します。
ConsoleOneで、インベントリサービスオブジェクト(Inventory Service_server_name)を右クリックし、 > タブの順にクリックします。
Inventory Serviceオブジェクトの新しい役割を選択してから、
をクリックします。変更したサーバ上で実行されているサービスを停止し、役割を変更するために必要なアクションを実行した後、サーバを起動します。
インベントリサービスの停止および再起動方法の詳細については、セクション 73.1.5, インベントリサービスの開始と停止を参照してください。
次の節では、インベントリサービスオブジェクトの役割を変更する際に役立つ情報を紹介します。
ルートサーバの役割を変更するには、次の表で指定されている操作を実行します。
表 73-4 ルートサーバの役割を変更するために実行するタスク
ルートサーバの変更後の役割 |
作業 |
---|---|
Root Server with Inventoried Workstations (インベントリ対象ワークステーションが接続されているルートサーバ) |
役割を変更した後に次の作業を実行します。
|
Intermediate Server (中間サーバ) |
次の作業を実行します。
|
Intermediate Server with Database (データベースが接続されている中間サーバ) |
次の作業を実行します。
|
Intermediate Server with Database and Inventoried Workstations (データベースとインベントリ対象ワークステーションが接続されている中間サーバ) |
役割を変更した後に次の作業を実行します。
|
Intermediate Server with Inventoried Workstations (インベントリ対象ワークステーションが接続されている中間サーバ) |
次の作業を実行します。
|
リーフサーバ、データベースが接続されたリーフサーバ、またはスタンドアロンサーバ |
このような変更はインベントリシステム全体に影響するため、ワークステーションインベントリでは、ルートサーバをこれらのサーバに変更することはできません。これらの役割を割り当てる必要がある場合は、ワークステーションインベントリをアンインストールした後、ワークステーションインベントリコンポーネントを再インストールする必要があります。 |
次の表の操作に従ってください。
表 73-5 インベントリ対象ワークステーションが接続されているルートサーバの役割を変更するために実行するタスク
インベントリ対象ワークステーションが接続されているルートサーバの変更後の役割 |
作業 |
---|---|
Root Server (ルートサーバ) |
役割を変更する前に、次の作業を実行します。
|
Intermediate Server (中間サーバ) |
次の作業を実行します。
|
Intermediate Server with Database (データベースが接続されている中間サーバ) |
次の作業を実行します。
|
Intermediate Server with Database and Inventoried Workstations (データベースとインベントリ対象ワークステーションが接続されている中間サーバ) |
役割を変更した後に次の作業を実行します。
|
Intermediate Server with Inventoried Workstations (インベントリ対象ワークステーションが接続されている中間サーバ) |
役割を変更する前に、次の作業を実行します。
|
リーフサーバ、データベースが接続されたリーフサーバ、またはスタンドアロンサーバ |
このような変更はインベントリシステム全体に影響するため、ワークステーションインベントリでは、ルートサーバをこれらのサーバに変更することはできません。これらの役割を割り当てる必要がある場合は、ワークステーションインベントリをアンインストールした後、ワークステーションインベントリコンポーネントを再インストールする必要があります。 |
次の表の操作に従ってください。
表 73-6 中間サーバの役割を変更するために実行するタスク
中間サーバの変更後の役割 |
作業 |
---|---|
Root Server (ルートサーバ) |
次の作業を実行します。
|
Root Server with Inventoried Workstations (インベントリ対象ワークステーションが接続されているルートサーバ) |
次の作業を実行します。
|
Intermediate Server with Database (データベースが接続されている中間サーバ) |
役割を変更した後に次の作業を実行します。
|
Intermediate Server with Database and Inventoried Workstations (データベースとインベントリ対象ワークステーションが接続されている中間サーバ) |
役割を変更した後に次の作業を実行します。
|
Intermediate Server with Inventoried Workstations (インベントリ対象ワークステーションが接続されている中間サーバ) |
役割を変更した後、次の作業を実行します。
|
リーフサーバ、データベースが接続されたリーフサーバ、またはスタンドアロンサーバ |
このような変更はインベントリシステム全体に影響するため、ワークステーションインベントリでは、中間サーバをこれらのサーバに変更することはできません。これらの役割を割り当てる必要がある場合は、ワークステーションインベントリをアンインストールした後、ワークステーションインベントリコンポーネントを再インストールする必要があります。 |
次の表の操作に従ってください。
表 73-7 データベースが接続されている中間サーバの役割を変更するために実行するタスク
データベースが接続されている中間サーバの変更後の役割 |
作業 |
---|---|
Root Server (ルートサーバ) |
役割を変更する前に、次の作業を実行します。
|
Root Server with Inventoried Workstations (インベントリ対象ワークステーションが接続されているルートサーバ) |
次の作業を実行します。
|
Intermediate Server (中間サーバ) |
役割を変更する前に、次の作業を実行します。
|
Intermediate Server with Database and Inventoried Workstations (データベースとインベントリ対象ワークステーションが接続されている中間サーバ) |
役割を変更した後、次の作業を実行します。
|
Intermediate Server with Inventoried Workstations (インベントリ対象ワークステーションが接続されている中間サーバ) |
次の作業を実行します。
|
リーフサーバ、データベースが接続されたリーフサーバ、またはスタンドアロンサーバ |
このような変更はインベントリシステム全体に影響するため、ワークステーションインベントリでは、中間サーバをこれらのサーバに変更することはできません。これらの役割を割り当てる必要がある場合は、ワークステーションインベントリをアンインストールした後、ワークステーションインベントリコンポーネントを再インストールする必要があります。 |
次の表の操作に従ってください。
表 73-8 データベースおよびインベントリ対象ワークステーションが接続されている中間サーバの役割を変更するために実行するタスク
次の表の操作に従ってください。
表 73-9 インベントリ対象ワークステーションが接続されている中間サーバの役割を変更するために実行するタスク
インベントリ対象ワークステーションが接続されている中間サーバの変更後の役割 |
作業 |
---|---|
Root Server (ルートサーバ) |
次の作業を実行します。
|
Root Server with Inventoried Workstations (インベントリ対象ワークステーションが接続されているルートサーバ) |
次の作業を実行します。
|
Intermediate Server (中間サーバ) |
役割を変更する前に、次の作業を実行します。
|
Intermediate Server with Database (データベースが接続されている中間サーバ) |
次の作業を実行します。
|
Intermediate Server with Database and Inventoried Workstations (データベースとインベントリ対象ワークステーションが接続されている中間サーバ) |
役割を変更した後に次の作業を実行します。
|
リーフサーバ、データベースが接続されたリーフサーバ、またはスタンドアロンサーバ |
このような変更はインベントリシステム全体に影響するため、ワークステーションインベントリでは、中間サーバをこれらのサーバに変更することはできません。これらの役割を割り当てる必要がある場合は、ワークステーションインベントリをアンインストールした後、ワークステーションインベントリコンポーネントを再インストールする必要があります。 |
次の表の操作に従ってください。
表 73-10 リーフサーバの役割を変更するために実行するタスク
リーフサーバの変更後の役割 |
作業 |
---|---|
Root Server (ルートサーバ) |
次の作業を実行します。
|
Root Server with Inventoried Workstations (インベントリ対象ワークステーションが接続されているルートサーバ) |
次の作業を実行します。
|
Intermediate Server (中間サーバ) |
次の作業を実行します。
|
Intermediate Server with Database (データベースが接続されている中間サーバ) |
次の作業を実行します。
|
Intermediate Server with Database and Inventoried Workstations (データベースとインベントリ対象ワークステーションが接続されている中間サーバ) |
役割を変更した後に次の作業を実行します。
|
Intermediate Server with Inventoried Workstations (インベントリ対象ワークステーションが接続されている中間サーバ) |
この役割の変更では、特定のポリシーを変更する必要はありません。 |
Leaf Server with Database (データベースが接続されているリーフサーバ) |
役割を変更した後に次の作業を実行します。
|
Standalone Server (スタンドアロンサーバ) |
次の作業を実行します。
|
次の表の操作に従ってください。
表 73-11 データベースが接続されているリーフサーバの役割を変更するために実行するタスク
データベースが接続されているリーフサーバの変更後の役割 |
作業 |
---|---|
Root Server (ルートサーバ) |
次の作業を実行します。
|
Root Server with Inventoried Workstations (インベントリ対象ワークステーションが接続されているルートサーバ) |
次の作業を実行します。
|
Intermediate Server (中間サーバ) |
次の作業を実行します。
|
Intermediate Server with Database (データベースが接続されている中間サーバ) |
次の作業を実行します。
|
Intermediate Server with Database and Inventoried Workstations (データベースとインベントリ対象ワークステーションが接続されている中間サーバ) |
役割を変更した後、次の作業を実行します。
|
Intermediate Server with Inventoried Workstations (インベントリ対象ワークステーションが接続されている中間サーバ) |
役割を変更する前に、次の作業を実行します。
|
Leaf Server (リーフサーバ) |
役割を変更する前に、次の作業を実行します。
|
Standalone Server (スタンドアロンサーバ) |
役割を変更する前に、次の作業を実行します。
|
次の表の操作に従ってください。
表 73-12 スタンドアロンサーバの役割を変更するために実行するタスク
スタンドアロンサーバの変更後の役割 |
作業 |
---|---|
Root Server (ルートサーバ) |
次の作業を実行します。
|
Root Server with Inventoried Workstations (インベントリ対象ワークステーションが接続されているルートサーバ) |
役割を変更した後、次の作業を実行します。
|
Intermediate Server (中間サーバ) |
次の作業を実行します。
|
Intermediate Server with Database (データベースが接続されている中間サーバ) |
次の作業を実行します。
|
Intermediate Server with Database and Inventoried Workstations (データベースとインベントリ対象ワークステーションが接続されている中間サーバ) |
役割を変更した後に次の作業を実行します。
|
Intermediate Server with Inventoried Workstations (インベントリ対象ワークステーションが接続されている中間サーバ) |
次の作業を実行します。
|
Leaf Server (リーフサーバ) |
次の作業を実行します。
|
Leaf Server with Database (データベースが接続されているリーフサーバ) |
役割を変更した後、次の作業を実行します。
|