予防的な保守作業の実行
一般的なサーバの問題を回避するには、次のセクションを参照してください。
メモリの問題を防止する
- システムに十分なメモリが装備されていることを確認します。
- NET.CFGファイルを変更して、必要なドライバだけをロードします。
- CONFIG.SYSファイルを変更して、必要なドライバだけをロードします。
- AUTOEXEC.BATファイルとCONFIG.SYSファイルをチェックして、HIMEM.SYSやEMM386.EXEなどのメモリマネージャがロードされていないこと、およびどちらのファイルにもDOS=HIGHステートメントがないことを確認します。DOSデバイスドライバがロードされていないことを確認します。
サーバ上でのメモリの解放については、「サーバメモリを一時的に解放する」を参照してください。
電源装置のエラーを防止する
不安定な電源装置は、ハードウェアの問題を引き起こす一番の原因です。最も破壊的な結果ももたらします。
停電が発生すると、ワークステーション、ネットワークサーバ、プリントサーバ、およびバックアップデバイスは再起動します。この場合、RAMに格納されていたすべての情報は失われ、場合によってはハードウェアが損傷を受けます。
急激な電圧上昇や電圧低下も、さまざまなハードウェアのエラーを引き起こします。
停電や電圧変動を想定してそれに対処する場合のみ、確実なネットワークパフォーマンスを得ることができます。次のヒントを参考にしてください。
- ブレーカボックスと重要な機器との間に専用の給電およびアース線を設置します。アース線を各接地端子に接続します。
- 無停電電源装置(UPS)または予備電源装置(SPS)を装備して、停電後も15分間は重要な機器に電源を供給できる状態にします。
このような電源装置の容量は限られており、さほど重要でないハードウェア(モニタやプリンタなど)をUPSやSPSに接続する必要はありません。
- 停電時にはデータを保存し、ネットワークをログアウトするように、ユーザに指示します。この後、サーバがUPSまたはSPS電源によって稼動している間に、ユーザを強制的にログオフすることなく、通常どおりにNetWareサーバを停止できます。
- サージ抑制装置または電源調節装置を、コンピュータが使用するすべての電力線に取り付けます。多くのUPS装置やSPS装置には、この機能がすでに組み込まれています。
- コンピュータの専用線、または電力線に、扇風機、プリンタ、コピー機、掃除機、またはその他のモーター駆動機器が接続されないように注意します。
このような機器をコンピュータが使用している電源に接続することがないように、空いているコンセントにはダミープラグを差し込んでおきます。
静電気の問題を防止する
静電気放電(ESD)を人間が感じる場合、その電圧は3000ボルトにも達していますが、マイクロチップや回路盤のように損傷を受けやすい電子部品の場合は、20〜30ボルトのESDで損傷を受けることがあります。このような小さな放電の場合、部品が直ちに異常を来たすわけではありませんが、時間が経つにつれて部品が劣化し、後日故障します。
電子部品を静電気放電から保護するために、次の注意を守ることを推奨します。
- コンピュータおよびコンピュータボードを取り扱う前に、アース用のリストバンドやマットを使って、ユーザ自身と機器をアースします。アースは毎日テストして、緩んでいたり断続的になっていないことを確認します。
警告: モニタを操作する場合はリストバンドを着用しないでください。リストバンドは大容量の電圧を帯びることがあり、これがバンドを通じて身体に達します。
- 部品や集積回路のリード線に触れないようにします。
- 集積回路の基盤を扱っている場合は、他の人に触れられないようにします。静電気が発生する可能性があります。
- 基盤や集積回路を運搬および保存する場合は、静電保護袋(通常はグレーシルバー色)に入れてください。袋に針ほどの小さな穴が空いていてもその効力が失われてしまうので、袋は完全な状態でなければなりません。帯電防止バッグ(青またはピンク)は中身を外部の静電気から保護できないので、使用しないでください。
- ポリエステル素材やプラスティックなどの絶縁体を、稼動しているコンピュータや部品から遠ざけます。絶縁体は静電気の発生源です。
- 部品を、金属などの導電面に置かないようにします。
- コンピュータの設置場所は、湿度を70〜90%に維持します。静電気の問題は、湿度が低い場合に発生する傾向があります。
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