サーバを監視することで、次の操作を実行できます。
NetWare Remote Managerは、ワークステーションのWebブラウザを使って、サーバをデバッグしたり監視するためのツールです。サーバのGUIからこのツールのJavaバージョンにアクセスすることもできます。詳細については、『NetWare Remote Manager管理ガイド』の「NetWare Remote Managerへのアクセス」、「リモートでのサーバの管理」、および「サーバ問題のトラブルシューティング」を参照してください。
MONITORは、サーバコンソールからサーバレベルでパフォーマンスを監視するための主要なツールです。これはNetWareカーネルで実行するので、オペレーティングシステムを直接呼び出すことができます。多くの統計情報は、毎秒更新されています。
[LOAD] [path] MONITOR
LOADコマンドは、NLMと同じ名前のバッチファイルがある場合のみ必要です(LOADコマンドを使用するということは、MONITORがロード可能なモジュールであるということです)。
ユーティリティをデフォルトディレクトリのSYS:SYSTEMから、検索パスを持たないディレクトリに移動した場合のみ、パスを指定します。
<Alt>+<Esc>を押します。他のコンソール画面が表示される場合は、現在のMONITOR画面が再表示されるまで、<Alt>を押しながら<Esc>を繰り返し押します。画面上部のタイトルバーを参考にします。 <Ctrl>+<Esc>を押します。使用できるコンソール画面の番号付きのリストが表示されます。[NetWare Console Monitor]の番号を入力します。
終了確認ボックスが表示されるまで、<Esc>を繰り返し押します。次に、<Enter>を押してシステムコンソールプロンプトに戻ります。 終了確認ボックスを直ちに表示するには、<Alt>+<F10>を押します。次に、<Enter>を押してシステムコンソールプロンプトに戻ります。
監視ユーティリティは、対処しきれないほど大量の情報や統計情報を提供します。主要なパラメータを簡単に確認できるように、MONITORの[General Information]画面には、主要なパラメータの大部分が1つの画面にまとめられています。これには、メモリの利用率やディスクI/Oに関するパフォーマンスの指標が含まれています。
動的に割り当てられたサービスを制御する、3種類の設定可能なパラメータの関係については、「割り当てられたサービスを監視する」を参照してください。ガイドラインに従うことで、ユーザが求めるサービスレベルの管理に事前に対応できます。
他の情報と統計情報を監視するには、エラーログ、使用可能な空きディスク容量、およびユーザアカウントが説明されています。停電に対処するには、無停電電源装置(UPS)を定期的にテストします。
サーバの毎日のパフォーマンスと、固有の負荷に対する応答特性を理解することは、監視ユーティリティから提供される情報や統計情報の理解を深めます。
サーバの問題をトラッキング、診断、および解決するための重要なパフォーマンス指標の多くは、MONITORの[General Information]画面に表示されます。MONITORをロードすると、このウィンドウが表示されます。
画面に表示されるパフォーマンス指標の説明を次に示します。
Utilization: 直前の1秒間で使用されたサーバの合計処理能力の平均値をパーセンテージで表したもの。それ以外の時間は、アイドルループで使用されます。利用率のパターンを監視します。
利用率が100%に達しますか。一定の水準で安定していますか、それとも数秒間だけピークを示し、その後は低下しますか。ピークを示す時間はいつですか、それはどのような頻度ですか。
Server Up Time: サーバが前回起動してからの経過時間。サーバでAuto Restartが有効な場合は、このフィールドを使って、サーバが異常終了して再起動したかどうかを判断します。電源障害や、サーバの停止をもたらした侵入者を検出するときにも、この情報を使用します。
Online Processors: 有効でオンラインになっているプロセッサ数。STARTUP.NCFからロードされたプラットフォームサポートモジュール(PSM)によって、NetWareは、マルチプロセッシングプラットフォームでセカンダリプロセッサを使用できます。デフォルトでは、すべてのプロセッサが自動的に起動されます。
Total Cache Buffers: ファイルキャッシュ用に現在使用できるキャッシュバッファ数。NLMプログラムをロードすると、この値が減少します。 ファイルキャッシュはサーバのパフォーマンスに大きく影響するので、この値は可能な限り大きな値にしておくことが望まれます。
Dirty Cache Buffers: 変更されたがまだディスクに書き込まれていないデータを格納しているバッファ数。 この値が増加しているかどうかを監視します。この値が増加している場合は、従来のファイルシステムにボトルネックが発生している可能性があります。
Long Term Cache Hits: 従来のファイルシステムのキャッシュにすでにある、ディスクブロックに対する要求の累積パーセンテージ(要求されたデータがすでにメモリにある場合、ディスクの読み込みは必要ありません)。 従来のファイルシステムを使用している場合は、このパーセンテージを使って、ディスクキャッシュ全体の利用率を評価します。この値が90%を下回る場合は、ディスクが繰り返しアクセスされ、サーバのパフォーマンスが低下します。この問題を解決するには、物理メモリ(RAM)を追加します。
Current Disk Requests: 保留中の読み込み要求の数。 この値が増加しているかどうかを監視します。増加している場合、低速なハードディスクがボトルネックになっている可能性があります。
Packet Receive Buffers: サーバがクライアント要求を処理するときに、クライアント要求を保持するために割り当てられるメモリ量。必要に応じて、サーバはより多くのパケット受信バッファを割り当てます(最小値と最大値があります)。バッファサイズは、ネットワークアダプタによって異なります。 この値は、3種類の設定可能パラメータによって決まります。現在値を監視して、最大値に達しないことを確認します。
Maximum Service Processes: サーバがクライアント要求を処理するために割り当てることができるタスクハンドラの数。クライアント要求の数が増えると、サーバはさらにサービスプロセスを作成します。サービスプロセスが割り当てられなくなると、サーバのパフォーマンスが大きく低下します。 サービスプロセスの現在値を監視して、この値に達しないことを確認します。
Current Service Processes: クライアント要求を処理するために現在割り当てられているタスクハンドラの数。 この値を使って、サーバに十分な空きタスクハンドラがあり、クライアント要求を処理できるかどうかを判断します。現在のサービスプロセス数が最大値に達する場合は、Maximum Service Processes (Communicationsカテゴリ)パラメータの値を増加する必要があります。
Current Connections: ライセンスの許諾の有無や、認証されているかどうか、またはログインしていない状態に関わらず、アクティブな接続の数。
Open Files: サーバと他のクライアントによって現在アクセスされているファイルの数。eDirectoryをサポートする隠しファイルなど、常に開いているファイルもあります。
どのコンピューティング環境でも、リソースには限りがあります。NetWareは、要求と可用性に応じて、リソースを割り当てます。要求を受け取っても、オペレーティングシステムは、新しいリソースを直ちには割り当てません。オペレーティングシステムは指定の時間を待機して、既存のリソースで要求に対処できるかどうかを確認します。
動的に割り当てられたサービスは、3種類の設定可能なパラメータの組み合わせで制御されます。その関係を理解することで、監視する統計情報を分析し、要求に対するシステムの応答を、どのように設定すればよいかを判断できます。
Maximum limits: オペレーティングシステムが特定のサービスに割り当てることができるサーバリソースの量を制御します。
Minimum limits: オペレーティングシステムは、要求を受け取ると同時に、最小限のリソースを割り当てることができます。 最小値が低い場合、特定のサービスの拡張はゆっくりと行われます。最小値が高い場合、拡張はすばやく行われます。
Wait time limits: オペレーティングシステムが新しいリソースを割り当てるまでの待ち時間を制御します。 リソースが利用可能になった場合、新しいリソースは割り当てられません。制限時間内にリソースが使用可能にならなかった場合は、新しいリソースが割り当てられます。時間制限を設けることで、サーバアクティビティの突発的なピークによって、不要なリソースが永続的に割り当てられることが阻止されます。
たとえば、ディレクトリキャッシュバッファの割り当てを考えます。ディレクトリキャッシュバッファの最小値が20に設定されている場合、20個のキャッシュバッファが割り当てられるまで、要求を受け取ると同時に、システムは新たなバッファリソースを割り当てます。
20個のディレクトリキャッシュバッファが割り当てられた状態で要求を受け取ると、システムは2.2秒(デフォルト)待ち、それでも要求がアクティブな場合は、新たなバッファを割り当てます。
ただし、ディレクトリキャッシュバッファの最小値が40に設定されている場合は、40個のディレクトリキャッシュバッファの割り当てが行われてから、要求ごとに2.2秒待つことで、その拡張が低速化されます。
一般的な保守作業には、次の作業が含まれます。